札幌公明

議会報告Assembry report

2025/12/03 令和7年第4回定例議会

令和7年第4回定例議会2025/12/03

代表質問丸山ひでき議員(厚別区)

札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して 丸山ひでき 議員が代表質問を行いました。
以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。

目次Contents

1市長の政治姿勢について

質問

(1)包摂的な共生社会の実現に向けた取組について

近年、世界の至るところで政治情勢が一変し、国際的な連帯や協調から脱却する動きが加速化し、我が国においても、相手の立場になり考える「対話」が疎かになり、世代や国籍をまたいだ対立がつくり出され、選挙の度に日本社会は協調どころか、分断の溝を深めております。

こうした中、札幌市においては、少子高齢化やグローバル化の進展に伴う外国籍市民の増加、価値観の多様化などを背景に、本年3月に「札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例」、いわゆる「つながるさっぽろ条例」を制定し、共生社会の実現に向けた一歩が踏み出されたところです。

本条例は、その基本理念で多様性の尊重や包摂的なまちづくりといった視点を掲げ、立場や価値観などの相違で、すぐには折り合いがつかない場面を含め、対話により、相互理解を図っていくことを重要視しておりますが、SNSや各種の報道を見るにつけ、条例制定後も、世代や国籍をまたいだ対立は収束するどころか、拡大しているとさえ感じられる状況にあります。このようにイデオロギーを一方的に主張し、対立を深める姿は、残念ながら本条例が目指す共生社会のあるべき姿からは程遠いと言わざるを得ません。

不安や分断の連鎖を断ち切るためには、「対話」による解決を探る寛容さと違いを新たなまちづくりの糧として、切り捨てずに差異を乗り越える、市民同士の相互理解を市として促進していく必要があるのではないでしょうか。

札幌市においては、今こそ条例の基本理念に立ち返り、全ての市民と力を合わせ、世代、性別、国籍、障がいの有無などを問わず、本市に暮らす誰もが包摂され、一人一人が生きがいと喜び、安心と希望を持って暮らせる社会づくりの先頭に立つことを期待するところです。

そこで質問ですが、対立を超え、誰もが安心できる包摂的な共生社会の実現に向け、札幌市は今後どのように取り組んでいくお考えか、市長の認識を伺います。

(2)昨今の金利状況を踏まえた財政運営について

今年の「経済財政運営と改革の基本方針2025」、いわゆる骨太方針では、資産運用立国の実現に向け、国民が自らのライフプランに応じて資産形成を進められるよう、NISA制度の一層の充実、また、企業型・個人型の確定拠出年金の運用改善などを目指していくことが掲げられています。

公明党は、政府に対して国民負担の軽減や財政基盤の強化を目的とする、政府系ファンド、仮称)ジャパンファンドの導入を提言しており、近く、超党派のプロジェクトを発足、衆院予算委員会では、総理や財務大臣からも、期待している、情報提供に協力したいとの答弁もあったところです。

そうした中、金利環境に目を向けると、長らく続いたデフレ脱却と景気活性化のため導入されたマイナス金利政策が、2024年3月に解除されました。これにより「金利がほぼゼロの時代」は転換点を迎え、現在は、総じて金利が上昇する局面にあります。

こうした「金利のある世界」への移行は資産運用にとって追い風であり、本市が保有する基金などについても、お金を滞留させず積極的に運用していく視点がますます重要になっています。

しかし同時に、金利上昇は本市財政を圧迫する要因になり得ます。政令指定都市に移行した時期に、集中的に整備した公共施設が更新時期を迎えていることに加え、物価高騰の影響で市債発行額が増える中、今後の市債の調達コストや将来の利払い負担の増加が見込まれます。

先月、発行された本市の公募債では、ESG債を採用したことで通常より低利での発行が可能となりましたが、今後もこうした低利調達につながる工夫を重ねるとともに、過度な市債発行を回避し、将来的な公債費の増加を可能な限り抑えていくことが不可欠です。

金利動向が大きく変動するなか、効果的な運用で収益を確保する「攻め」と、借入コストを抑制する「守り」を両輪に据え、持続可能な財政運営を目指すことが重要と考えます。

そこで質問ですが、昨今の金利状況を踏まえ、札幌市の基金運用や公債費の抑制に向け、どのように取り組んでいくのか、市長のお考えを伺います。

(3)家計負担の軽減に向けた即効性ある物価高対策について

公明党は、去る11月14日、政府に対して、長引く物価高騰が国民生活を圧迫する中、家計の可処分所得の底上げに政治が責任をもって、国民の所得を継続的に支えるための減税を断行すべきとして、「総合経済対策の策定に向けた緊急提言」を提出しました。

この提言には、減税が実現するまでの間は、中小企業の従業員や年金生活者、子育て世帯など、特に物価高の影響を大きく受けている世帯に対し、家計の負担を軽減する即効性のある支援策を急ぐべきとして、9つのテーマ、71項目にわたる具体策を盛り込んだところです。

さらに、自治体独自の物価高対策に活用できる「重点支援地方交付金」の拡充と、迅速かつ柔軟な支援を訴え、年内の12月議会に間に合う対応を求め、急ピッチで議論が進められているところです。

そこで質問ですが、現在の国による動きを踏まえ、家計負担の軽減に向けた即効性ある本市の物価高対策について、どのように考えているのか伺います。

(4)人口減少対策における取組の推進と共有について

札幌市の人口減少対策は「さっぽろ未来創生プラン」に基づき進められていますが、合計特殊出生率は過去最低を更新し、20代の道外転出超過も加速しているなど依然として歯止めがかかっておりません。人口減少が問題化して30年以上、様々な取組が行われてきましたが、規模や内容の面で、十分な効果が得られなかったと言えます。

こうした中、経済界や労働界、若者・女性支援NPOなどが参加する「未来を選択する会議」が発足しました。これは、若者や女性の声を反映し、当事者を巻き込んだ運動として広げていく点が特徴となっています。

この参加団体の一つは「家族留学」を行っており、若者が子育て家庭を訪問し、実態や支援制度を知ることや、家庭の良さを実感できる取組となっています。

また、これまで市の意識調査は数多く実施されていますが、数字だけでは見えない、若者や女性の悩みや希望があります。

ついては対話を重ね、支援団体同士のつながりを広げることで、人口減少の危機を可視化し、新たな対話が進むという好循環が期待されます。

今回の会議では、新たな視点も提起されたところであり、人口減少で子どもや若者たちが減るなか、親を頼れない子どもや、ひきこもりなどの若者への支援も重要であり、社会参加につながれば将来的に家族形成を考えるきっかけになり得ます。

一方、個人領域に踏み込む支援は行政が苦手とする分野であり、公平性や線引きの難しさから取り組みにくい側面があります。

だからこそ、現場を熟知したNPOの役割は大きく、活動への資金支援が欠かせません。子どもや若者は将来の地域の力であり、社会全体で育てることは未来への投資につながります。

さらに人口減少対策は、子育て世帯の優遇への不満や世代間の分断など複雑な課題があります。

ゆえに、減少の流れに歯止めをかけることだけではなく、人口減少が及ぼす社会全体への影響や、単身高齢者の増加などにも備えること、そして、その未来を生きる若者の社会参加と自立支援についても、人口減少対策として進めるべきなど、総合的な取組の重要性を多くの市民と共有することが大切と考えます。

そこで質問ですが、これら新たな動きを踏まえ、若者や女性の声を反映し、当事者を巻き込んだ取組をどのように推進するのか、また、多くの市民とその重要性を共有するために、今後、どのように取組んでいくのかお伺いします。

(5)厳冬期の自然災害対策について

積雪寒冷地である札幌市において、厳冬期に自然災害が発生した場合、市民の命と健康を守るための対策は極めて重要となります。

特に、厳冬期の自然災害発生後の長期避難を見据えた取組や都心部などにおける一斉帰宅を抑制する帰宅困難者対策の充実など、市としての取組の強化が求められています。

避難所運営においては、国際的な人道支援の指標である「スフィア基準」の考え方を踏まえた避難所の環境整備を進めることが重要であり、日本赤十字北海道看護大学の根本教授は、寒冷地の避難所における5つの視点(TKBWP:トイレ、キッチン、ベッド、暖房、薬)の重要性を提唱しています。

清潔なトイレや入浴環境の確保、暖かい食事を提供するための炊き出し用資機材の整備、高齢者や障がいのある方などへのベッドの確保、暖房器具の備蓄のほか、医薬品の備蓄や医療支援体制の充実が必要であります。

また、厳冬期に災害が発生することにより、大雪や災害による交通障害が起きやすい状況での一斉帰宅は、車両の渋滞などにつながります。

特に、大雪により道路が狭くなる状況や、路面がシャーベット状となり車両が動けなくなる状況では、救急車や物資を運ぶ緊急車両の通行にも支障が出ることが想定され、それらの道路状況を迅速に把握し対応していく必要があります。

そこで質問ですが、今後札幌市として、厳冬期の自然災害を見据えた対策をいかに進めていくのか、伺います。

(6)バスネットワーク維持に向けた関係者との連携強化について

①地域、運行事業者、行政の連携強化

昨今、バス路線の廃止や減便が続き、本年12月にも新たな廃止・減便が公表されるなど、市民の移動手段の確保は深刻な課題となっています。

背景には、バス運転手の高齢化により退職者が増加し、新規採用が追いつかない現状があり、今後もこの傾向が続くのではないかと危惧されます。

こうした中、厚別区内でバス路線が廃止される地域の声を受け、我が会派は全面的に協力し、貸切バス事業者十数社に対して代替交通に向けたヒアリングを行いました。

そのうち3社から具体的な提案があり、地域主体で開催した選定会議において、路線バス運行に適した車両やノウハウを有する貸切バス事業者を無事選定することができました。

このように、地域が主体となり札幌市の地域交通支援制度を活用した結果、本年4月から「厚別ふれあい循環バス」の運行が開始されました。本格運行に向けては、市の補助率を踏まえた目標である収支率50%の達成が求められています。

そのため、地域組織では協議を重ね、共通認識を持って運行を決定しただけでなく、運行開始後も積極的に住民へ利用を促すなど、自分事として主体的に運営を行っています。

運行事業者においても、これまでの経験や知見を生かし、地域とともに収支改善に向けた検討を進めています。

また、札幌市においても、法的手続きや補助金交付の支援にとどまらず、区役所の館内放送や広報さっぽろ厚別区版でのPR、利用促進に向けたダイヤ改正の提案、事業の継続を、住民に喜びとして知らせることにつながるバスのラッピングを含め、広告・協賛金による運賃以外の収入確保の支援など、地域に寄り添った取組が検討されています。

こうした3者の取組の甲斐もあり、収支目標は目前まで迫っており、運行継続に向けて地域・運行事業者・行政の有機的な連携が図られているこの取組は、札幌市としてこれまで以上に支援すべきであり、今後のバス路線維持施策にも生かせるものと考えます。

そこで質問ですが、札幌市として、持続可能なバスネットワーク構築に向け、地域交通以外も含めて、地域・運行事業者・行政の連携強化について、どのように考えているのか、始めにお伺いします。

②他団体と連携した運転手確保の取組

バス路線の廃止や減便の主な要因は、前述のとおり、バス乗務員の不足にあります。この課題を抜本的に改善しなければ、減便や廃止は今後も続くことになります。

札幌市では、今年度から運転手の待遇改善や仕事の魅力発信など、人材確保に向けた新たな取組を進めていますが、我が会派で視察した弘前市では、自衛隊と連携協定を締結し、自衛隊退職者をバス運転手へ再就職させる環境を整え、成果を上げています。

そこで質問ですが、大型免許取得者が減少する中、札幌市においてもこうした取組を参考に、すでに大型免許を持つ人材に対し、その資格を眠らせることなくバス運転手へと誘導するなど、他団体と連携した運転手確保策を進めるべきと考えますが、見解をお伺いします。

(7)もみじ台地域のまちづくりについて

もみじ台地域の再整備に当たっては、老朽化した市営住宅団地の建替えを契機に、地域全体の土地利用の再編とまちづくりの方向性を地域の自治会等で構成される「もみじ台まちづくり会議」でビジョンを検討してきたところであり、私もこれまで議会で取り上げてまいりました。

昨年3月には札幌市においてまちづくり指針が策定され、今年度からは、有識者を交えた検討会議での議論が続けられております。

去る11月21日に開催された第3回検討会議では、市営住宅の跡地を活用した新たな機能の導入の方向性や、エリアマネジメントの取組などについて議論が行われたと聞いており、今回の土地利用再編を契機として地域に新たなつながりを生み、コミュニティを活性化していくことが期待されます。

もみじ台は広大な地域であることからも、地域の北側、中心部、南側それぞれの特性に応じた土地利用転換を図りながら、住民の生活環境や利便性の向上、将来にわたり住み続けられる快適な住環境の創出を目指していく必要があります。

今後、土地の有効活用を図るに当たっては、現行の用途制限や高さ制限の見直しが不可欠であり、住宅、商業、公共機能を柔軟に配置できる仕組みへ転換し、市民ニーズに応えながら、活力とにぎわいのある地域を再構築することが求められます。

また、もみじ台中心部の再生は、市営住宅などの施設更新にとどまらず、行政機能の配置を含めたまちの拠点の再構築を目指すことになります。行政サービスや商業、地域コミュニティの拠点を一体的に整備し、新たな中心地としてダイナミックに再生させることで周辺地域の活性化に寄与するものと考えます。

さらに、今後設置される予定の義務教育学校との連携を強化し、地域全体で子どもの健やかな成長を支えることも重要です。

併せて、交通ネットワークの再編も重要であり、持続的な新札幌方面とのアクセス確保に向けて自動運転バスの実証運行などを検討するともに、テクノパークの企業と連携したデジタル技術を活用した取組が有効と考えます。

一方、市営住宅の建替えや移転に際しては、住民負担を最小限に抑え、可能な限り一度の移動で完了できるよう丁寧に進める必要があります。新札幌・青葉・ひばりが丘団地など既存の団地への移転も視野に入れ、募集や供給の在り方を一体的に検討し、住民の生活の安定と自治会活動の継続を守ることが肝要であると考えます。

このようにもみじ台地域の再整備は、ハード・ソフト両面でのきめ細やかな対応だけでなく、部局横断的な調整と、官民連携による推進体制の構築が不可欠です。

そこで質問ですが、部局横断的な課題も多い中、今後のもみじ台地域のまちづくりをどのように進めていくお考えか伺います。。

(8)障がい者スポーツセンターの基本構想策定について

我が会派では、共生社会の実現に向けた障がい者スポーツの振興について、これまで幾度も議会で取り上げてまいりました。

先月、東京2025デフリンピックが日本で初めて開催されました。この大会は、1924年の第1回大会から100周年となる記念大会で、世界81の国と地域から6千人の選手・役員が参加、日本選手が躍動し、盛況のうちに全日程が終了いたしました。

この大会ビジョンは「“誰もが個性を活かし力を発揮できる”共生社会の実現」と掲げられておりましたが、まさにそのビジョンにつながる大会であったと思います。

札幌市では、国のスポーツ基本法改正を受け、スポーツ施策の一層の推進を目指していることからも、この機運を逃すことなく、障がい者への理解促進、共生社会の実現に向け取組をより一層進めるべきと考えます。

中でも、障がい者スポーツセンターの整備については、「いつでも、誰もが、気軽に、安心してスポーツを楽しむことができる環境のための拠点」となるものであり、これまで継続的に実現を求めてまいりました。

市の答弁では、「障がい者スポーツの振興を進めるための拠点として、障がい者スポーツセンター整備は必要であり、その考え方を示す基本構想を早期に策定したい」と述べられており、当面の対応として、既存施設を活用し暫定的な拠点を設置し、気軽にスポーツを行う機会を提供するとともに、障がい者スポーツを支える人材の育成や関係者との連携体制の構築を先行し進めていくことになっており、その進捗状況を注視してきたところです。

そうした中、このたびの第4回定例市議会において、(仮称)札幌市障がい者スポーツセンター基本構想案が報告されることとなりました。

市の検討が鋭意進められ、構想案としてまとめられたことを評価するとともに、その内容が関係者の期待に応え、共生社会の実現に資することに期待を寄せるものです。

そこで質問ですが、障がい者スポーツセンターの基本構想案において、センター整備の基本的な目的をどう定めているのか、また、目的の実現のために、当面、既存施設を活用した暫定的な拠点でどのような取組を行っていくのか、お伺いします。

答弁

(1)包摂的な共生社会の実現に向けた取組について

〇誰一人取り残さない、包摂的なまちづくりを進めていく上で、今年度施行となった「つながるさっぽろ条例」の意義は大変重要と認識。

〇現在、札幌市では、市民に向けて条例の情報発信に努めているところであり、とりわけ次世代を担う子ども・若者への条例の理念浸透に向けて、子どもを対象としたワークショップや、大学生を対象として公共施設のユニバーサルデザインに関する実習などを行っているところ。

〇今後も、現在設置に向けた準備を進めている附属機関「誰もがつながり合う共生のまちづくり委員会」の枠組みなどを活用し、多様性と包摂性のある共生のまちをつくり、次世代に引き継いでいきたい考え。

(2)昨今の金利状況を踏まえた財政運営について

〇金利は、国内の金融政策や海外情勢などにより日々変動していくものであり、今後の動向を予測することは困難。

〇このような金利状況において、基金の運用については、地方自治法や地方財政法、札幌市基金条例といった規定に基づき、まずは、元本が保証される運用を行うこととされている。その上で、長期的には債券で、短期的には預金といった方法により、出来る限りの運用益の向上に、今後も努めてまいる。

〇また、公債費の抑制については、市有施設の総量抑制をはじめとする公共施設マネジメントの徹底や、建設事業費の精査・縮減を図ることで、市債の発行の抑制に努めているものであり、財政負担の軽減に取り組んでいく。

(3)家計負担の軽減に向けた即効性ある物価高対策について

〇長引く物価高が市民生活に与える影響は深刻であり、札幌市としても、先月重点支援地方交付金の拡充を始めとした、総合経済対策等に関する要望を行うなど、国に対し強く支援を訴えてきたところ。

〇今般、国としても、足元の物価高対策を最優先で実施するとして、(仮称)物価高対応子育て応援手当などの取組が具体に示されていることから、まずはこれらに早急に着手すべく、本定例会中に補正予算の追加提案をしてまいる。

〇今後も、地域の実情や北海道との役割分担などを踏まえ、市民の暮らしを守る物価高対策について、即時性・即効性のある事業手法を早期に具体化してまいりたい。

(4)人口減少対策における取組の推進と共有について

〇人口減少対策の推進に当たっては、若者・女性の意見をより積極的に取り入れることはもとより、様々な課題や将来に向けた展望を広く市民と共有しながら持続可能な都市の構築を目指し、協働していくことが重要と考えている。

〇10月に開催したシンポジウムでは「未来を選択する会議」の議長である三村氏にもご講演いただき、民間企業や学生を始めとした多様なステークホルダーの皆さまと、人口減少社会において進むべき道筋について共通認識を深め、オール札幌で取り組む機運醸成を図ったところ。

〇今後は、現在取り組んでいるモニタリング調査の分析結果を基に、若者・女性の意見を施策に反映していくための新たな仕組みづくりや、札幌市の将来像を多くの市民と共有していくための多角的な情報発信に取り組んでまいる。

(5)厳冬期の自然災害対策について

〇冬期災害への備えとしては、避難所のストーブやベッドの増強、国の分散備蓄を活用した温かい食事や入浴の提供体制を整えるとともに、帰宅困難者対策としては、一時滞在施設の確保や一斉帰宅抑制の周知等の取組を進めている。

〇また、厳冬期の交通障害については、大雪や災害時における、避難や緊急車両の通行時に必要となる道路状況の把握が課題であると認識。

〇これまで、防災研究機関との連携により、走行車両から送られる画像データを基に、路面状況や通行可能幅をAIで判定し、地図上で迅速に把握する取組について、実装へ向けた検証を進めているところ。

〇今後も、厳冬期の災害に目を向け、スフィア基準を踏まえた避難所環境の改善や、最新の技術を活用した災害対応の迅速化の取組を進めてまいる。 

(6)バスネットワーク維持に向けた関係者との連携強化について

〇1点目の地域、運行事業者、行政の連携強化について

昨年11月に策定した地域公共交通計画において、公共交通の目指すべき将来像として、市民、事業者、行政の協働を掲げており、バスネットワーク維持に向けた連携は重要と認識。

〇厚別ふれあい循環バスは、地域住民、運行事業者、行政が有機的に連携した取組となっており、札幌市としても引き続き来年4月からの本格運行の実現に向けて支援をしていく所存。

〇こうした事例も参考としながら、今後も課題等に応じて関係者間の連携を強化し、持続可能な公共交通ネットワーク構築に向けた取組を進めてまいりたい。

〇2点目の他団体と連携した運転手確保の取組について

札幌市ではこれまでも、運輸局やバス協会などと協力しながら、運転手確保の取組を実施してきたところ。

〇また、今年3月にはバス事業者及び特定技能外国人に対する支援機関と連携し、外国人運転手育成のモデル事業を開始したところ。

〇こうした他団体と連携した取組は有効であると認識していることから、引き続き様々な分野の団体と協力関係を築いてまいりたい。

(7)もみじ台地域のまちづくりについて

〇もみじ台地域のまちづくりは、市営住宅や学校等の再編を通じて創出される跡地を最大限に活用し、多世代が住み続けられるまちへと再生を図る、札幌のまちづくりにおける重要な取組。

〇この取組を具体化するため、地域の声や有識者の意見を十分にお聞きしながら、市営住宅等の建替えや民間開発の誘導といったハード面だけでなく、地域の交流促進やエリアマネジメントの導入などのソフト面の施策も含めた土地利用再編の方針を策定し、庁内一丸となって総合的に施策を推進してまいる。

〇また、方針の策定後は、民間のノウハウも最大限に活用するため、住宅団地の再生等の知見を有する企業を事業パートナーとして選定し、官民連携の体制のもとまちづくりを進めてまいる。

(8)障がい者スポーツセンターの基本構想策定について

〇基本構想案では、センターを障がい者スポーツの中核的な支援施設として位置付け、誰もが・いつでも・安心して・誰とでもスポーツを楽しむことのできる共生都市さっぽろの実現を目的としたところ。

〇具体的には、センターが「する」「支える」「広める」拠点となり、区体育館、温水プール、学校などと連携し、地域全体で障がい者スポーツをしやすい環境づくりを進めることで、個々のニーズに応じた日常的なスポーツ活動を促進したいと考えている。

〇また、暫定的な活動拠点の取組を通じて、今後のセンター整備に向けた課題やニーズを把握するとともに、医療職などの専門家やボランティアの育成、スポーツ、医療、福祉及び教育団体との連携体制の強化など、ソフト面の取組を順次進めてまいる。

2水素エネルギーの普及啓発の取組について

質問

本市において、鋭意進められている水素エネルギーに関連する様々な取組については、これまで、我が会派もその動向を注視し、進捗状況について議会質問や視察を行い把握に努めてきたところです。

特に札幌は積雪寒冷地であることから燃料電池の利活用ばかりでなく、燃料としても使用するニーズが高く、水素需要は大きいことから注目されているマーケットです。

こうした中、本年2月、さっぽろ雪まつりで水素ストーブの展示や、水素の炎によるフォトスポットなど、雪国札幌ならではの水素利用の姿を、多くの市民や観光客に体感していただく取組が実現できたことは記憶に新しいところです。

さらには、水素の効果的な発信手法を検討する市民参加型ワークショップの開催や、水素を「つくる」「ためる・はこぶ」「つかう」までの検討を目的とした、多数の企業や金融機関等が参画した協議会が設立されるなど、着実に取組が前進していると感じます。

先日、我が会派が視察した苛性ソーダメーカーでは、製造工程で水素が副産物として生成されるため、この水素を活用した水素キャリアの製造開発を行っていました。

さらに別の企業では、アルミ廃材を水素キャリアとして利用する取組等が行われており、水素社会の課題となっている貯蔵・輸送コストを解決するための多様な取組も進んでいます。

メーカーの技術者によれば、今後、「更なる技術開発の推進と水素普及啓発を両輪で推し進めることが重要」と言います。

ついては、市民や企業が水素エネルギーの活用を実際に体感し、深い理解の上から普及啓発を図っていくことが大事であり、それが本市の取組への共感を得ることにつながるものと確信します。

今後、展開される様々な水素エネルギーに関する取組は、多様な主体の協力のもと効果的に進めていくことが肝要であると考えます。

そこで質問ですが、今後の水素事業の展開につなげるため、今年度末に向け、どのような水素エネルギーの普及啓発の取組を行うのかお伺いします。

答弁

〇幅広い世代の方々が、水素エネルギーの利用を身近に感じられるよう、水素ステーションの見学を含む中学生向けの出前授業を11月に行ったほか、札幌ハイヤー協会との連携により、燃料電池タクシーの市内での運行が年内に開始するところ。

〇さらには、札幌市が進める水素サプライチェーンの構築に向けた検討に参画いただいている様々な企業との連携のもと、国内外に高い発信効果が期待できるさっぽろ雪まつりへの出展を、前回に続き予定している。

〇このように、様々な普及啓発活動を通じて水素エネルギーへの理解促進を図り、札幌における水素利用が、市民や企業などとの協力のもとで着実に進むよう取り組んでまいる。

3先端技術を活用したまちづくりについて

質問

私は令和4年第2回定例会において、理系人材の確保を視野に入れた成長分野の産業振興について取り上げ、市内ものづくり企業が持つ高い技術力を、航空宇宙分野を始めとする新たな産業領域へと展開していくべきと提案しました。

その後、産官学連携による取組が着実に進展するなか、このたび新さっぽろLABOにおいて開催された「宇宙・半導体事業における市内IT産業の可能性を探る勉強会」に参加し、最新の議論に触れる機会を得ました。

基調講演やワーキンググループの報告、さらにはワークショップを通じ、札幌市内企業が有する技術力は、宇宙産業や半導体分野において十分に活用され得るポテンシャルを備えていることを改めて実感したところです。

特に、AIを活用した宇宙除雪の可能性、理系人材育成に寄与する宇宙教育、さらには災害対策につながる衛星開発など、本市の地域課題とも深く関わる取組が動き出しており、札幌発の新たな価値創出の芽が確実に広がりつつあります。

宇宙産業は、現在、衛星データの利活用、防災、農業、物流など幅広い分野に波及効果をもたらす成長領域として世界的にも注目されており、半導体産業もまた、国際競争力確保に不可欠な基幹技術として位置づけられています。

本市としても、今後のまちづくりに向け、こうした先端技術を活用した産業分野を、新たな基盤として育てていく視点が求められます。

そのためには、先端技術を支える既存産業との連携強化、市内企業が持つ技術シーズの発掘、さらにはIT人材を含む専門人材の育成支援など、総合的な推進が不可欠であります。

そこで質問ですが、今後、成長が見込まれる先端技術を活用した産業分野の推進によって、札幌市のまちづくりをどのように進めていくのか、考え方を伺います。

答弁

〇札幌市では、人口減少に伴う経済規模の縮小、人手不足などが喫緊の課題となっており、若者の道外流出の抑制や国内外からの投資の促進に向けて、札幌市の強みとなる産業分野が市内経済をけん引していくことが重要と認識。

〇市の総合計画である第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンにおいては、ITや半導体関連といった先端技術を活用した新たな産業やビジネスの創出をまちづくりの施策に定め、積極的にその実現に取り組んでいるところ。

〇今後も、札幌市の強みを生かした企業誘致、創業支援を進めるとともに、市内企業が持つ技術力との連携促進、人材育成・確保支援など、産学官が一体となり、知見を共有しながら、誰もが快適に暮らし、新たな価値の創出に挑戦できる社会の実現に向けたまちづくりを推進してまいる。

4エンタメ・クリエイティブ産業の振興について

質問

国は、2024年6月に「新たなクールジャパン戦略」を策定し、ゲームやアニメなどコンテンツ分野を基幹産業に位置づけ、2022年度に4.7兆円だった海外売上高を、2023年には約4倍の20兆円に引き上げる目標を掲げました。

さらに、2025年6月に策定された「エンタメ・クリエイティブ産業戦略」では、ゲーム、アニメ、映画、デザイン、アートなど10の分野で、海外展開の後押しや総合的な支援体制の必要性が示されました。

札幌市でも、同様にクリエイティブ分野を産業振興上の重点分野に位置づけています。本年10月に開催された「札幌ゲームキャンプ」は、前年を超える120名の学生が参加し、独自性ある20のゲームが生み出されました。

このイベントは、我が会派としてスタート時点から視察し、議会でも取り上げてきたところですが、2020年度の事業開始以来、既に20名を超える人材が札幌の企業に就職しています。

ゲーム分野は、海外企業の進出やeスポーツ世界大会の3年連続開催など、札幌が誇るコンテンツに成長しました。

また、映画分野でも、10月に北海道フービーフェスと札幌国際短編映画祭という2つの大きな映画祭が開催され、フービーフェスでは、1万人の来場者のもと、札幌のキラーコンテンツである「食」を映像で発信する取組を実現しました。

さらに、世界有数の規模であるサンセバスティアン国際映画祭との連携や、札幌でロケが行われたインド映画の公開も予定されるなど、海外需要を取り込んだ活性化が見込まれます。

さらに、コンテンツの柱として「マンガ」を活用したまちづくりも進められています。これまで北海道から多くの漫画家が輩出され、官民連携による推進体制が本年、組織されました。今後、ポップカルチャーを推進するまちづくりのモデルとして、人材育成やビジネス化に向け展開が期待されます。

このように、札幌はゲーム、映画、マンガなど潜在力の高い分野で、産業振興・文化振興・まちづくりの観点から多面的な取組が進められています。

今後、札幌市が我が国を代表するエンタメ・クリエイティブ拠点として地位を確立するには、AI生成コンテンツの著作権問題などの共通課題への対応、人材育成、観光や食との連携など、分野横断的な戦略が必要と考えます。

そこで質問ですが、札幌の魅力となるエンタメ・クリエイティブ産業を総合的に発展させるため、今後どのような取組を進めていくお考えかお伺いします。

答弁

〇札幌は、映画・ドラマ制作におけるロケ地としての高い需要が続くほか、ゲーム企業の進出やクリエイターの集積が進むなど、クリエイティブ分野において、顕著な成長が見られるところ。

〇とりわけ、映画分野に関しては、札幌フィルムコミッションを始めとする関係機関の手厚いサポートにより、街の魅力向上に貢献しているほか、ゲーム分野に関しては、専門学校の新設や新学科が設立されるなど人材供給体制が整い、産学官による取組が充実してきたところ。

〇今後もこれらの取組を推進するとともに、映像、ゲーム分野に限らず、札幌の魅力ある様々な分野が相互に連携したプロモーションを行うなどの戦略的な取組により、エンタメ・クリエイティブ産業の更なる成長を通じて、札幌経済の活性化に貢献してまいりたい。

5札幌市の雇用施策の充実強化について

質問

(1)UIJターン施策による人材還流の強化について

近年、生産年齢人口の減少による人手不足は様々な自治体で課題となっており、札幌市においても2024年における20代の道外転出超過数が2,650人に上るなど、若者の流出は喫緊の課題となっています。

本市においては、人材還流の拠点として、2016年から東京に札幌UIターン就職センターを開設しており、我が会派では特別委員会などを通じて、利用実績や取組内容についての質疑を重ねており、持続的な地域経済を維持するためには、将来の労働力を育成する観点から、札幌で働くことの意義や魅力を若年層に早期に伝えていくための施策が、今後、益々重要になってくると考えます。

そこで質問ですが、札幌市では、将来の地域経済を支える有能な人材を道外から呼び込むため、どのような取組を進めているのか、伺います。

(2)コミュニケーションに課題を抱える学生の就労支援について

帝国データバンクの調査によると、正社員の人手不足を感じている企業の割合は、2025年7月時点で50.8%、非正規社員では28.7%と高止まりが続いており、企業における人手不足は依然として深刻です。

一方、大学卒業者のうち、コミュニケーションに不安を抱えることで就職に至らない学生が各大学で3~5%存在すると言われております。

国の調査によると、大学生の就職率は98%と売り手市場でありますが、こうした就職に至らない学生が、札幌市で1,500人から2,500人はいると推察され、その多くは、卒業後も進路が定まらず、社会との接点を失い、自宅に引きこもる例が少なくありません。

これは、個人の問題にとどまらず、社会全体で取り組むべき重要な課題と考えます。

札幌市がこれまで実施してきた若者雇用対策は承知しておりますが、この就職困難層に対しては、個々の特性を深く理解し、寄り添ったカウンセリングや実効性のある就職試験対策など、質の高い支援が不可欠であります。

札幌市として、かけがえのない若者の未来を応援していくためにも、国や北海道、福祉、NPOなども含めた若者支援機関などと緊密に連携し、この層への就職支援を強化すべきと考えます。

そこで質問ですが、札幌市としてコミュニケーションに課題を抱える学生の就職支援について、札幌市ではどのように考え、取り組んでいくのか、伺います。

答弁

(1)UIJターン施策による人材還流の強化について

〇札幌市では、札幌UIターン就職センターを拠点に、道外の学生や社会人に対してキャリア支援や企業とのマッチングを積極的に行い、一定の成果を上げてきた。

〇これまでの取組に加え、昨年度から、より早期かつ多角的にアプローチするため、道外大学等への進学を検討する高校生に加え、その進路選択に影響を与える保護者や教員に対しても、札幌UIターン就職センターで開催している就活イベントなどを紹介し、将来のUターン就職につなげているところ。

〇また、今年度から、キャリア教育の一環として、中学生などへ札幌で働くことの意義や魅力をSNSやイベントを通じて発信しているところ。

〇こうした取組を通じて、進学などで道外に転出した若者がUターン就職により、都市機能と豊かな自然が調和した札幌を将来の生活の場として選択いただけるよう働きかけてまいりたい。

(2)コミュニケーションに課題を抱える学生の就労支援

について

〇コミュニケーションに課題を抱える学生が就職機会を得られず、社会的な孤立を深めかねない状況にあることを重く受け止めている。

〇そのため、こうした学生を含め、就職に不安を感じている方に対し、社会人としての基礎力を身に着ける研修と実践的な就業体験を組み合わせた手厚い就労支援を実施しているところ。

〇また、課題を抱える学生に対応するには、分野横断的な連携が不可欠であるため、これまでも、国や道に加え、経済界、労働界、教育及び福祉機関などと連携しており、これらの関係者との議論をより一層深め、きめ細やかな就労支援を進めてまいる。

6札幌市の終活支援に対する取組について

質問

これまで我が会派は、急増する単身世帯や高齢者の孤独・孤立、そして孤独死の防止に向けて、地域で支え合う仕組みの構築を繰り返し訴えてまいりました。

特に、高齢期を迎える方々が、自らの生き方や人生の最期について前向きに考え、安心して備えることができるよう、「終活ネットワーク」の機能強化や相談体制の充実を求めてきたところであります。こうした中、札幌市として、12月から5回にわたり「終活サロン」を開催し、終活に関する専門家によるセミナーに加え、参加者同士の語らいの場を設けると伺っております。

市民が自らの意思で終活を考えるための機会や正しい情報が得られるよう行政が関わることで、市民の不安の軽減や、安心につながるものと考えます。

一方、視察で訪問した姫路市では「姫路市終活支援実施要項」を定め、担当部局が中心となって、人生の終焉に不安を感じている市民と、弁護士等の専門職や医療機関、葬祭事業者などをつなぐ中核的な役割を担い、エンディングノートの作成支援や講座、個別相談など、多様なニーズに応じた支援を展開しております。

中でも、1件につき約1時間半を要して行うエンディングサポートは、年齢を問わず、葬儀や納骨について不安がある方の相談に応じ、協力葬祭事業者を紹介するもので、市民の安心と尊厳を支える仕組みとなっており、札幌市においても大いに参考となるものと考えます。

札幌市においては、情報発信やサロンに、しっかり取り組むとともに、地域包括支援センターや社会福祉協議会、さらには専門職や民間事業者との連携を、より一層強化すべきと考えます。

そこで質問ですが、札幌市として市民一人ひとりが安心して自分らしい生き方や人生を過ごすための終活支援を、今後、どのような考えで、どのように取組を進めていくのか伺います。

答弁

〇札幌市では、市民が終活に取り組みやすくなるよう、関係部署によるネットワークを構築し、終活に関する情報の共有・発信を行っており、加えて、今年度は、社会福祉協議会等と連携した情報提供を推進するなど、ネットワークを活用した取組を進めている。

〇終活に関しては、官民問わず様々な主体により支援やサービスが提供されているが、市民が安心して終活を行うには、様々な情報の中から、相続や葬儀などに関して自らが必要とする情報を、正確かつ容易に検索・入手できる環境を整備する必要があると考えている。

〇このため、今後は、国の動向や他都市の事例も参考に、終活支援に取り組む弁護士等の専門職や民間事業者とも連携しながら、的確に情報提供できる信頼性の高いネットワークに発展させることで、将来に不安なく自分らしく生きられる社会を目指してまいる。

7学校の危機管理対策について

質問

我が会派では、先の第2回、第3回定例市議会で、子どもの健やかな成長のための安心・安全な学校という視点で、継続して質問を重ねてまいりました。

そうした中、今年度は、ヒグマの出没に対する脅威が例年にない状況となっており、8月下旬から市内のヒグマの出没情報が増え始め、9月下旬には、人身事故が発生した西区では警報が、他5区には注意報が出されました。さらに10月上旬以降は、市街地での出没情報も相次ぎ、子どもの登下校の安全確保ができず、臨時休校にせざるを得ない学校が複数でました。

そのような状況を踏まえ、我が会派では、10月9日に「市民の命と暮らしを守るヒグマ対策強化の緊急要望」を秋元市長に提出し、体制の強化や財源の確保などを速やかに行うよう求め、我が党としてもヒグマ対策本部を設置し、地域の声を基に国への要望も積極的に行っているところです。

このような非常時においても、学校が警察署や区役所、環境局などとの連携を図りながら迅速にヒグマの出没に関する情報を収集し、状況に応じて適切に臨時休校を判断し、保護者に速やかに連絡するなど、子どもの登下校の安全確保を着実に進めていることは大いに評価するところです。

過去にも、平成31年には、清田区美しが丘地域で、令和3年には東区丘珠地域においてヒグマの出没で、大きな騒ぎとなりましたように、市内のどの地域においても、ヒグマ出没の脅威に備えて体制を整備しておくことが必要であると考えます。

加えて、学校が直面する脅威は、このようなヒグマの出没に加え、地震や風水害などの自然災害や弾道ミサイルに対する対応など、様々なリスクに対応できるよう備えておくことが重要であり、教育委員会においては、学校が危機に直面した際に適切な判断ができる材料を提示していくことが必要であります。

そこで質問ですが、学校が直面する危機にどのように備えているかの現状と、今後、どのように子どもの安全確保を進めていくつもりか教育長のお考えを伺います。

答弁

〇各校においては、想定される様々な危機に対して迅速かつ適切に対応できるよう、学校保健安全法に基づき、危険等が発生した際の教職員の対処要領となる危機管理マニュアルを作成し、子どもの安全確保に努めているところ。

〇ヒグマ出没への対応については、学校が円滑に警察や区の担当部署等と連携を図ることができるよう、年度当初に教職員向け資料を配付してきており、今年度は、昨今のヒグマ出没の急増を踏まえ、さらに年度途中にも学校に注意喚起を行うなどしてきた。

〇これらの対応に加え、このたび教育委員会では、各校の組織的な取組の強化に向けて、ヒグマの出没時間帯ごとの具体的な対応例や、臨時休校時の対応などを新たに示し、危機管理マニュアルに盛り込むよう周知したところ。

〇今後も、ヒグマ出没時の対応も含め、学校が様々な災害等に対して迅速に対応できるよう、適時適切な危機管理マニュアルの見直しや、日頃から家庭や地域社会と連携した危機管理体制の構築を進めるなど、子どもの安全を守る取組に全力を注いでまいる。

8小中一貫した教育の一層の推進について

質問

札幌市の小中一貫の教育は、令和4年度から市内全ての小中学校で全面的に進められ、中学校区を基盤に、小学校・中学校を「パートナー校」として、調和のとれた育ちを協働して進める仕組みとなっています。パートナー校ごとに小中学校の先生方が合同で研修し合うなどの取組も進んでいると承知しています。

我が会派は、本年4月、札幌市で2校目の義務教育学校である定山渓学園を視察いたしました。

山あいの自然環境に根差した同校では、小中一貫の「学びの連続性」を重視し、児童生徒一人一人を丁寧に支える教育が展開されています。特に地域と連携した体験的な学習や、少人数を生かしたきめ細かな指導は、子どもたちの感受性や主体性を育む大きな力となっており、義務教育学校の特徴と可能性を強く感じる視察となりました。

札幌市においては、通学区域がおおむね小中同一で、一体型校舎の整備を行う場合、義務教育学校として設置する方針で進めており、現在は、南区の真駒内地区、厚別区の青葉・もみじ台地区でも義務教育学校の開校準備が進められています。

少子化が進行する中、地域コミュニティの在り方や学校の役割も変化しており、地域資源を結びつける大事な拠点としての役割も大いに期待されています。

また、義務教育学校は、子どもたちの安心・安全な学習環境の確保のみならず、保護者や地域住民が学校づくりに主体的に関わる機会につながります。

こうした「地域とともにある学校づくり」は、これからの本市の教育を方向づける大きな柱になるものと考えます。

そこで質問ですが、すでに開校している義務教育学校の成果を、今後どのように市内の小中一貫した教育や今後、開校する義務教育学校に取り入れていこうとされるのか、教育長のお考えを伺います。

答弁

〇小中学校9年間を通じた連続性ある教育を推進することは、学校段階を超えて切れ目なく子どもの健やかな成長を支えていくという重要な意義があると認識。

〇令和5年度開校の福移義務教育学校、令和7年度開校の定山渓義務教育学校では、6歳から15歳までの子どもたちが年間を通して交流し、互いに支え合いながら学校生活を送るなど、子どもの社会性を育む教育活動の充実が図られているところ。

〇また、小学校と中学校の教員が教育目標を共有し、子ども一人一人に寄り添った継続的な支援を進めたり、互いの専門性や得意分野を生かして学習指導の充実を図ったりするなどの成果も見られるところ。

〇今後は、このような成果を研修等の機会を通じて全ての小中学校のパートナー校同士の取組に広げていくとともに、これから開校する予定の義務教育学校の構想に生かすなど、小中一貫した教育のさらなる充実に努めてまいる。

9新札幌駅周辺地区の歩行者ネットワークの充実について

質問

現在、JR新札幌駅は、JR北海道が耐震補強工事に着手するとともに、駅デザインの一新や、出入口等の混雑緩和対策など、駅のリニューアル工事を進めることとしております。

また、令和5年には民間開発により、駅の北側に商業施設や医療施設が完成したほか、サンピアザなどを所有する㈱札幌副都心開発公社は、北駐車場等の敷地において新たな開発を検討中とお聞きしています。

これまで、新札幌駅周辺は、複数の交通機関や商業施設が立体的に交差していることから、動線が複雑でわかりにくく、特に初めて訪れる方や高齢者、観光客などにとっては移動しづらいという課題が指摘されてきました。

今後の駅の更新に当たっては、単なる駅舎のリニューアルにとどまらず、地域全体の利便性と快適性を高める視点から、歩行者ネットワークの充実やバリアフリー化の推進など、総合的な整備が求められます。

また、新札幌は、JRと地下鉄、バスターミナルが結節する札幌市東部の交通結節点であるだけではなく、商業・医療・教育・行政機能が集積する地域でもあります。このポテンシャルを十分に生かすためには、駅と周辺施設を有機的に結びつけ、回遊性を高めることが重要です。

例えば、駅南北をスムーズに行き来できる歩行者ネットワークの整備や、JR北海道が公表した新しい高架下商業施設のように屋内化した通路、さらには、これらの通路をわかりやすく利用できるようにするため、統一された案内サインの整備なども有効な方策と考えます。

そこで質問ですが、JR新札幌駅がリニューアルされることを踏まえ、新札幌駅周辺地区における歩行者ネットワークの充実について、札幌市として、どのように進めていくお考えか伺います。

答弁

〇新札幌駅の周辺については、市営住宅Ⅰ街区の跡地における民間開発において、JR新札幌駅とつながる空中歩廊が整備されたほか、今年度末には地下鉄新さっぽろ駅の南端にエレベーターを新設し、南北約500mにわたる天候に左右されないバリアフリー経路が完成。

〇今後は、JR駅の東側、南北の商業施設を2階レベルでつなぐ連絡通路について、利用実態等を踏まえスロープを拡幅する等、地域の玄関口としてふさわしい施設となるよう改修する予定。

〇さらに、JR駅や連絡通路の改修に合わせ、エリア全体の案内サインの改善が図られるよう、JR北海道や札幌副都心開発公社等と連携して取り組み、わかりやすい歩行者ネットワークを構築してまいる。