札幌公明

議会報告Assembry report

2022/02/22 令和4年第1回定例議会

令和4年第1回定例議会2022/02/22

代表質問こぐち智久議員(東区)

札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して こぐち智久 議員が代表質問を行いました。
以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。

目次Contents

  • 市長の政治姿勢について
    • 令和4年度予算について
    • 健康二次被害の予防と『健幸』なまちづくりについて
    • 共生社会の実現に向けた障がい者スポーツの振興について
    • 市民・事業者によるSDGsの視点を反映したまちづくりについて
    • デジタル改革を推進するための職員の育成について
    • 脱炭素社会の実現に向けた水素モデル街区の取組について
    • 公園におけるアーバンスポーツの環境づくりについて
    • 誰一人取り残さない孤独・孤立対策について
  • 次期観光まちづくりプランの策定について
    • 次期プラン策定に向けた検討の方向性について
    • 観光におけるデジタル技術の活用について
  • コロナ禍における文化芸術振興について
    • 今後の文化芸術活動支援について
    • 市民の鑑賞の機会の確保について
  • 安全・安心なまちづくりの推進について
    • 道路維持管理の取組について
    • 無電柱化の推進について
    • 雪対策における市民力の醸成について
  • 健康福祉施策の推進について
    • がん対策について
    • 若者ケアラーについて
  • 教育施策について
    • 人間尊重の教育の推進について
    • 星友館中学校を含めた札幌市の学びのセーフティネットについて
    • 今後の教員の育成について

1市長の政治姿勢について

質問

(1)令和4年度予算について

令和4年度一般会計当初予算は、予算編成方針で掲げた「追加補強枠」事業として35億円、「新たな成長推進枠」事業として1,991億円の計上など、アクションプラン2019の総仕上げに取り組むとともに、感染症対策や社会経済活動の回復などを推進するために、総額1兆1,616億円を計上し、過去最大規模となっております。

これまで市長はアクションプラン2019で掲げた政策目標の実現に向け、積極的に計画事業に対し予算計上してきましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、進捗に遅れが見られるため、取組のさらなる強化や新たな取組を行い、成果指標の改善や達成を目指す必要があると考えます。

一方、国においては、令和3年度から「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」として、総額15兆円規模の取組が行われております。

我が会派は、かねてより、激甚化・頻発化する災害から市民の命と暮らしを守り、「つながり」「支え合う」社会を構築するため、防災、減災施策の抜本的な強化を一貫して求めておりますが、今後も防災減災を政治の主流にとの考えのもと、国や道と連携し財源の確保に努めていただくよう求めるものです。

また、人口減少や超高齢化社会の進行が懸念される昨今ですが、その対策として北海道全体の魅力と活力を高め続けていき、道内各自治体とより一層強く連携し、様々な施策を展開するなど、北海道全体の発展につなげ、人口減少の歯止めとなるよう推進することが札幌市の使命と考えます。

そのためには、冬季オリンピック・パラリンピック招致をはじめ、北海道新幹線の早期札幌延伸や都心整備などに積極的に財政を投資することにより、都市機能を高め、その効果を広く北海道全域に波及させていく必要があります。

そうした視点での施策展開は、地域経済・社会を活性化し、札幌市民の安心と快適な暮らしに必ずつながっていくものと考えます。

昨年の第4回定例市議会の代表質問において、我が会派から、令和4年度予算は、一日も早いコロナ禍からの再生と、誰もが希望を持ち、安心して暮らせる予算としてもらいたい旨の質疑に対し、市長からは、市民に安心と希望をお届けし、心豊かで明るいさっぽろの未来の実現に向かって、着実に歩みを進める予算にしたいとの答弁がありました。

札幌市は、本年、市制施行100周年を迎えます。魅力ある札幌のまちを次の100年先の未来まで引き継いでいくためにも、メリハリをもって力強く財政運営を進めていくことが必要であります。

そこで質問ですが、令和4年度予算において、将来を見据えるという視点で、どのように取り組んだのか伺います。

(2)健康二次被害の予防と『健幸』なまちづくりについて

①健康二次被害の予防

新型コロナウイルスの影響で外出を控えた結果、テレワークを行う就労層、さらに子どもから高齢者までの全世代に渡り、運動不足、会話が減るなど、心身の健康度が悪化していると言えます。その中でも特に懸念されるのは高齢者と思われ、運動不足に伴い認知機能が低下し、その結果認知症が発症するという例も見受けられます。

ウィズコロナにおいて、高齢者の健康を維持するには、外出と会話促進策が重要であり、そのためには社会的関係の強化、会話や運動ができるコミュニティの場が必要ではないかと考えます。そうした場で、利用者同士が親しく会話を交わし、運動習慣を身に着けることにより、健康保持が増進され、感染リスクや死亡リスクを低減させる効果が期待されます。

しかしながら、現在の状況では高齢者が正しい感染対策をした上で生活を楽しむためのガイドラインや外出する機運の醸成策が不足しています。

これまでソーシャルディスタンスが呼びかけられていますが、正しくはフィジカルディスタンスであり、自分の住居や地域から外へ、外出しないことのみが正しい感染予防とは言い難いと思われます。

こうしたことから、自粛による運動不足と、社会参加の制限による認知機能の低下は、ウイルスによる健康二次被害と言えるのであり、予防には、ヘルスリテラシー、情報識別リテラシー、高齢者のICTリテラシーの3つのリテラシー向上が重要と考えます。

そこで質問ですが、コロナ禍における健康二次被害の予防のため、リテラシーの向上等どのように取り組むのか伺います。

②『健幸』なまちづくり

我が国の高齢者は年々、長寿化しておりますが、100歳まで健康で幸福に過ごすためには疾病予防だけではなく心身の維持が重要と考えます。

しかしながら、現状では健康づくりをする人は3割に留まり、残り7割の無関心層へどのようにアプローチを行うかが鍵となります。そこで、生活習慣病の発症予防に効果が期待される超高齢化対応の健康都市づくりが必要となると考えます。

意図せずとも歩くことができる魅力ある都市づくりは、これからの健康都市の方向性であり、そのためには都市の集約化、歩行空間と公共交通の整備、街のにぎわい、商店街の再活性化などが必要となります。

さらに、この方向性は、健康課題のみならず、多くの地域課題も合わせて解決することが期待されます。

これまでの健康施策は狭義のものであり、健康部門が単独で担当し、医療系の専門職中心に企画されてまいりましたが、健康施策の成果が小さく、広がりが得られにくいのが現状でした。しかしながら、自主的に「歩く」ことを基本とし、幸福で健やかなまちづくりを意味する「スマートウェルネスシティ」を有した総合政策とすることで、健康寿命の延長や医療費の適正化などの大きな成果が見込まれます。

そこで質問ですが、人生100年時代を踏まえた心身の維持のため、健康都市に向けた、まちづくりをどのように進めていくのかお伺いいたします。

(3)共生社会の実現に向けた障がい者スポーツの振興について

障がい者スポーツの振興につきましては、昨年、夏に開催された東京パラリンピックにおける日本選手団の目覚ましい活躍が記憶に新しく、来月4日に開幕する北京パラリンピックにおいても大いなる飛躍が期待されます。

我が会派はこれまでも、共生社会の実現に向けての障がい者スポーツの振興は大変重要なテーマであると捉え、関連する質疑を議会で重ねて参りましたが、あらためて、札幌市として2030年冬季オリンピック・パラリンピックの招致を見据えながら、さらなる障がい者スポーツの振興を図っていくべきと考えております。

昨年の第1回定例会の代表質問において、「障がい者スポーツセンターに係る検討調査」について取り上げたことにより、札幌市は、今年度、東京の日本財団パラアリーナや大阪の長居障がい者スポーツセンター等の先進事例の調査、学識経験者や指導者をはじめとした障がい者スポーツの関係者から意見聴取等を行ったと伺っております。引き続き、令和4年度でも障がい者スポーツセンターで実施される普及振興に向けた施策や運営体制の構築について調査予算が盛り込まれ、大いに注目しております。

また、これまで、ショッピングモールをはじめとした様々な場所で、誰もが参加できる障がい者スポーツの体験会や、カフェを会場とした学生対象のボランティア講習会を開催するなど、札幌市は障がい者スポーツの普及振興に取り組んでおり、障がいのある方のスポーツ実施率が年々高まっております。

障がいのある方がスポーツを楽しむことは、健康維持・増進が図られるだけでなく、一層の社会参加、ひいては障がいに対する理解を広げることにつながり、共生社会の実現に大きく寄与するものと考えており、障がい者スポーツの普及振興にさらに力を入れるべきと考えます。

そこで質問ですが、共生社会の実現を目指す上で、障がい者スポーツの振興をどのように考えているか伺います。

(4)市民・事業者によるSDGsの視点を反映したまちづくりについて

我が会派はこれまで、持続可能な社会を目指すSDGsの重要性を繰り返し指摘してまいりました。その結果、札幌市がSDGs未来都市やフェアトレードタウンに選定され、「まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019」においてもSDGsの視点が導入されるなど、まちづくり全体においてSDGsの推進に貢献しております。

現在、札幌市のまちづくりの計画体系で、最上位に位置付けられる「第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン」の策定が進められておりますが、昨年3月に公表された策定方針においても、SDGsの視点の反映が盛り込まれております。さらにその理念や17のゴールを踏まえたまちづくりの目標の設定や、社会・経済・環境の3つの側面を連動させた統合的な課題解決に向けて議論されているものと認識しております。この議論は、戦略ビジョン審議会のほか、市民ワークショップや経済団体などとの意見交換も開催され、市民や事業者が参画しながら策定を進められていると伺っております。

しかし、その取組は容易ではなく、SDGs達成や持続可能な社会の実現のためには、今一度、SDGsの重要性を市民や事業者に認識していただき、意識や行動を変化させていくことが重要であり、そのためには持続可能なまちづくりに意欲をもって参画するための仕掛けが必要であると考えます。

そこで質問ですが、本年は市制100周年を迎える札幌市にとっても、次の将来に向けて新たな歩みを進める重要な年となるが、あと8年に迫ったSDGs目標年である2030年に向け、今後、どのように市民や事業者を巻き込みながらSDGsの視点を反映したまちづくりを進めていくのか、伺います。

(5)デジタル改革を推進するための職員の育成について

我が会派はかねてから、デジタル社会を見据えた主張をしておりますが、札幌市においてもデジタル戦略推進局が設置される方針となり、いよいよ本格的なデジタル改革が推進されることに期待しております。

ここ十数年、デジタル機器をはじめ、通信環境などのデジタルインフラが急速に普及し、従前では考えられなかったことができる環境が整い、今も進化し続けております。

現在、私たちは、スマートフォンで様々な情報を得ることができ、また手軽に買い物をするなど、時間や場所の制約にとらわれず利便性の高いサービスを利用できるようになりましたが、さらなるデジタルの進化により、次のステップに移行する段階に来ていると考えます。

その一つとして、デジタルを起点に、組織運営や業務プロセスなどを抜本的に変革し、より良い方向に転じさせ、市民や利用者の満足度をさらに高めていくというデジタルトランスフォーメーションがありますが、真に効果をもたらすことは容易ではないと考えます。

しかしながら、データの利活用は、組織や施策に横断的な効果があり、例えば、我が会派の指摘等により実現した子育てデータ管理プラットフォームでは、今後、子育てに必要な情報が一元的に部局間で共有され、子育て施策や関連部署の連携が進み、手厚い支援が速やかに市民に届くことが期待されます。

このように、デジタル及びデータを最大限に活用することによって、単なる作業をはるかに上回る効果を生み出すことが可能となり、ここにこそデジタル社会の意義が存在すると考えます。デジタルやデータを使いこなすためには、デジタルトランスフォーメーションを活用して、目の前の課題に対し、ユーザーの潜在ニーズを正確に捉え、新しい価値提供によって問題解決を図ることができるよう、大局的かつ柔軟な発想力を持つことは勿論、人材も必要不可欠と思われます。

しかしながら、課題に対しデジタル活用のアイデアが浮かばず何も進化しない、あるいは非効率的にデジタルを活用することにより、進化が遅れるなどの弊害が生じる可能性があります。

デジタル戦略推進局では、現場と一体となり、デジタル改革を推し進めていくとのことですが、市民ニーズがより多様化し、課題への対応スピードが求められる現代において、各現場が目の前の課題へ問題意識を持ち、主体者となってデジタル活用を考えていく力を持つことが何より重要と考えます。

そこで質問ですが、デジタル改革の推進に当たり、今後デジタル戦略推進局が中心となって、どのように職員の育成を進めていくのか伺います。

(6)脱炭素社会の実現に向けた水素モデル街区の取組について

我が党は、徹底した省エネと再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組をはじめとする地球温暖化対策を着実に進めるとともに、環境と経済成長の好循環を実現し、2050年の脱炭素社会の実現に向け取り組んでおります。さらに本年1月の参院本会議において「地方自治体の再生可能エネルギー設備の導入支援や地域資源を活用した分散型エネルギーシステムの構築などを強力に進めるべき」と代表質問を行いました。

こうした中、我が会派は、ゼロエネルギー住宅など、省エネ性能の高い住宅の必要性や民間事業者のビジネス展開につながる再生可能エネルギーの導入拡大、さらにグリーンイノベーションや水素の活用などを訴えてきました。

水素は、CO2を排出しないエネルギーであり、電力を水素という形で貯蔵・利用することが可能であるなど、多くの特長を有していることから、災害時対応や再生可能エネルギーの課題解決にも資すると期待されております。

札幌市においても、2018年3月、市内初の水素ステーションを豊平区に開設したほか、同年5月には、「札幌市水素利活用方針」を策定するなど、水素の利活用の取組を進めておりますが、その有用性から特に社会実装を急ぐ必要があると考えます。

政府においては、カーボンニュートラル宣言を機に、水素を巡る動きが加速しており、経済界では、自動車・エネルギー・物流等の幅広い分野の大手企業270社以上が加盟する「水素バリューチェーン推進協議会」が発足し、水素価格の引下げに向け、国へ関連設備導入にかかる税制優遇等を求める提言が行われています。

船舶・航空機大手の川崎重工業は、世界初の水素運搬船をつくり、豪州から液化水素を海上輸送する実証実験をスタートしました。

ゼロカーボンシティの実現を目指す札幌市としては、水素の利活用に向けてさらなる取組を進めるべきと考えますが、水素の普及は札幌市だけが取り組んでも大きな効果を望むことは難しく、広域的な対応が必要と考えられ、道内の関係自治体や企業と連携し、各々が役割を担うことで、道内全体へ水素の普及を進めていくことが重要です。

特に、再生可能エネルギーが豊富な北海道の地域特性をより生かすためには、太陽光や風力により発電した電力から水素をつくり、これをエネルギー消費地へ運んで利用する、水素サプライチェーンの構築が重要であり、道内においては、民間企業が中心となり、石狩市で建設中の洋上風力発電を活用した水素サプライチェーンの検討が動き出しております。

そうした中、このたび上程された令和4年度予算案に、水素を活用した「災害に強く環境に優しいモデル街区」を都心エリアに整備する事業費が盛り込まれたところであり、今後の取組に大きく期待を寄せるところです。

そこで質問ですが、都心エリアに水素を活用したモデル街区を整備する意義と今後の展開について伺います。

(7)公園におけるアーバンスポーツの環境づくりについて

東京2020大会から新競技として加わった、スケートボード、BMXなどは、「都市・都会」で行われるスポーツという意味から、アーバンスポーツと呼ばれ、子どもから大人まで幅広い世代に親しまれております。

近年、アーバンスポーツは、全国的に愛好者が増加しており、市民からも施設の整備を求める声が寄せられております。我が会派はこうした声を踏まえ、いち早く昨年の第3回定例市議会決算特別委員会において、アーバンスポーツを取り巻く環境整備の必要性について取り上げました。新しいスポーツを振興させるには行政のサポートは不可欠であり、競技会場としても活用できる本格的な施設の整備に加え、身近で気軽に楽しめる場所の整備を行うなど、二つの側面を考える必要があると政策提言をさせていただきました。

この質疑により、札幌市からは、例年実施しているスポーツ実施率調査の市民アンケートに加えて、愛好者団体や大学のサークル、民間のスケートパーク事業者、スポーツ用品店などへのヒアリングを行うなど、関係部局と連携しながら、競技人口や見込まれる需要の把握に努めるほか、他都市における先進的な事例について調査を行うとともに、ウインタースポーツのオフシーズン練習施設の補助事業について、民間による施設整備が進むよう、さらなる周知に努めたいとの答弁をいただき、この春から早速ヒアリング調査も開始すると伺っております。

我が会派はこれまで、室内外のスケートパーク施設の現場視察や、関係者や利用者からの聞き取りを行うなど、アーバンスポーツに関する政策調査を継続してきましたが、スケートボードやBMXを安心して楽しむことができる場所として、屋内スケートパークが数か所あるものの、初心者の練習場所として利用できる公園などの屋外施設は非常に少ないと感じております。

市民が気軽に利用できる公園で、スケートボードやBMXを安心して利用することができれば、アーバンスポーツの裾野を広げることにつながり、特にスケートボードはスノーボードのオフトレーニングとしての側面もあることから、札幌市全体のスポーツ振興に寄与することが期待されると考えます。

そこで質問ですが、アーバンスポーツの中でもとりわけスケートボードの公園における環境づくりについて、市の見解を伺います。

(8)誰一人取り残さない孤独・孤立対策について

近年、社会全体が抱える問題として、ライフスタイルの変化に伴う少子高齢化、核家族化の進展、さらに未婚・晩婚などによる単身世帯、単身高齢者により、地域のつながりの希薄化が懸念されますが、高齢者の人口が増加傾向にある札幌市は今後、さらなる孤独・孤立対策が必要と考えます。

加えて、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の停滞により、非正規雇用労働者を中心に生活困窮を始めとする、生活に関する様々な不安や悩みを抱える方々の増加、外出自粛などの影響により相談や交流など多様な機会が失われ、社会に内在していた問題が顕在化・深刻化しています。

このような中、政府は孤独・孤立対策担当大臣のもと、政府一丸となって孤独・孤立対策に取り組むこととし、令和3年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」、いわゆる「骨太方針2021」に孤独・孤立対策の基本的な方向性が盛り込まれ、12月には政府の「孤独・孤立対策の重点計画」が策定されました。

その基本理念として、「孤独・孤立に悩む人を誰一人取り残さない社会」、さらには「誰もが自己存在感・自己有用感を実感できる社会」「相互に支え合い、人と人との『つながり』が生まれる社会」を目指して取り組むとしています。

我が会派が、これまで繰り返し重要性を指摘してきた国連の持続可能な開発目標である「誰一人取り残さない」社会の実現を目指すSDGsの考えと同じくするものであり、その視点を踏まえたまちづくりを進める札幌市としては、政府の方針に沿って、孤独・孤立対策にこれまで以上に力を入れて取り組まなければならないと考えます。

これまで本市の孤独・孤立対策は、関係部局が縦割りで取り組んでまいりましたが、部局横断的な連携体制を構築するためには担当部署の設置が必要であることに加えて、実態把握や切れ目ない相談支援、居場所づくり等、その内容が多岐にわたることから、官・民・NPO等あらゆる主体が連携して取り組むことが不可欠であり、非常に大きな課題であると考えます。

そこで質問ですが、コロナ禍や今般の政府の動きなどを踏まえ、札幌市として孤独・孤立対策の課題をどのように捉えているのか、また今後どのように取組を進めていく考えか伺います。

答弁

(1)令和4年度予算について

〇令和4年度予算では、アクションプランの総仕上げとして、着実に計画事業を予算化するとともに、成果指標の達成に向けた事業の見直しや追加補強を行ったところ。

〇また、いまだ新型コロナウイルス感染症の影響下にある社会経済活動の回復を力強く推進するとともに、将来を見据え、時代の変化に合わせた新たな成長に資する事業に重点的に資源を配分。

〇さらに、ポストコロナへの対応にとどまらず、次の100年に向け、デジタル技術の活用やゼロカーボンの推進など、中長期的な課題に対しても積極的な投資を実施。

〇これらの取組を通じ、札幌の街が、次の世代にとっても、魅力と活力にあふれる街であり続けるための「礎」を築いてまいりたい。

(2)健康二次被害の予防と『健幸』なまちづくりについて

〇1点目の健康二次被害の予防について

コロナ禍においては、感染予防が最優先事項であるが、過度の外出自粛等による身体活動の低下や社会参加の減少が健康に影響を及ぼすことは認識。

〇これまでも、フレイルや生活習慣病予防に関しリーフレットやホームページ等で周知啓発を行ってきたが、コロナ禍においては、体操等の介護予防教室をオンラインで行う等感染予防に配慮した新たな取組を行っているところ。

〇健康情報を習得、理解、活用する能力は疾病予防や健康増進に影響を及ぼすものであり、その向上のため健康増進に関する正しい知識の普及啓発に今後も一層取り組んでまいる。

②『健幸』なまちづくり

〇2点目の『健幸』なまちづくりについて

札幌市ではこれまでも、市民の健康増進に向け、運動習慣の定着や、食生活の改善、がん検診の受診の推進など、様々な取組を行ってきたところ。

〇今後は、人生100年時代の到来や、2040年代に人口の約4割が高齢者となる人口構造の変化も踏まえ、現在策定中の次期の戦略ビジョンでは、重要概念の一つに「ウェルネス」を定める予定。

〇この概念のもと、いわゆる健康無関心層をより多く取り込むため、子ども、働く世代、高齢者の各世代に応じた健康行動の促進や、歩きたくなる空間・環境づくりなどのソフト・ハードの両面から、分野横断的に取り組む施策を検討してまいりたい。

(3)共生社会の実現に向けた障がい者スポーツの振興について

〇障がい者スポーツの振興は、障がいのある方の健康の維持や増進に加え、障がいの有無を超えた交流による相互理解を促進し、共生社会の実現に資するものと認識。

〇これまで、障がいの有無に関わらず参加できる競技体験会等を通じて障がい者スポーツの普及に取り組むとともに、スポーツの習慣化や交流促進の場として、みなみの杜高等支援学校において障がい者スポーツ専用の学校開放を実施してきた。

〇さらに、競技指導者やサポートスタッフ等の支える人材の育成や、競技力向上にも対応する、障がい者スポーツセンターの設置について検討を進めているところ。

〇今後も、障がいの有無に関わらず、誰もが「する・見る・支える」といった様々な形でスポーツに参画できる環境の構築に向けた取組を更に進めることにより、共生社会を実現してまいりたい。

(4)市民・事業者によるSDGsの視点を反映したまちづくりについて

〇「誰一人取り残さない」持続可能な社会を実現するSDGsの達成に向けては、行政の取組のみならず、市民や企業など多様な主体と連携した取組が重要と認識。

〇これまでも、シンポジウム等の啓発事業を実施するとともに、アクションプラン2019を始めとする様々な計画にSDGsの視点を反映し、これらの計画の共有や推進を通じて、市民・企業の取組の重要性を発信し、連携を深めてきたところ。

〇今後は、次期の戦略ビジョンの目標や市民・企業の役割を共有するとともに、共生社会の実現に向けた障がいの有無を超えた交流機会の提供や、脱炭素に寄与する開発の誘導といった取組を幅広い分野で展開し、SDGsに資する多様な主体の行動を促進していく。

(5)デジタル改革を推進するための職員の育成について

〇デジタル改革を推進するに当たっては、デジタル部門の職員はもとより、全ての職員が主体的に取り組んでいく意識の醸成と、一定の知識の向上を図ることが重要であると認識。

〇このため、デジタル戦略推進局が、簡易なシステム開発やデータ分析に活用できる新たなデジタルツールを導入し、職員が自らの手で、業務効率化や市民の利便性向上を実践できる環境を整えていく。

〇さらに、この環境を有効活用するため、外部人材の知見も取り入れながら、デジタル部門と現場が一体となってデジタル改革を積み重ねていくことにより、継続的な職員の育成を進めてまいる。

(6)脱炭素社会の実現に向けた水素モデル街区の取組について

〇温室効果ガスを排出しない新たなエネルギーである水素の利活用を広げるため、そのサプライチェーンの構築は、ゼロカーボンシティの実現に向けた最も重要な取組の一つと認識。

〇このモデル街区は、道内初の大型車両にも対応できる水素ステーションを整備し、水素で走るバスやトラックの導入を促進することで、水素の需要拡大を図り、公共交通や物流の脱炭素化の足掛かりとするもの。

〇また、都心部の立地を生かした賑わいのある集客交流施設を整備し、水素エネルギーへの理解を深めていただく啓発機能を備えるとともに、水素で発電する燃料電池を設置することで、災害時には地域の皆様に非常用電源を提供していく。

〇今後の予定としては、令和4年度に整備主体となる民間事業者を選定する企画提案公募

(7)公園におけるアーバンスポーツの環境づくりについて

〇スケートボードは、東京2020大会以降、市内の公園でも愛好者が増えており、レクリエーションの一環としてスケートボードを気軽に楽しめる公園の必要性が高まっているものと認識。

〇その一方で、公園で行う場合には、舗装された場所の確保に加え、音の発生や公園利用者と接触する恐れもあることから、安全面を含めた利用ルールの設定が重要。

〇そのため、今後は、スケートボードに適した公園の調査に加え、地域住民や愛好者等の意見を伺いながら利用ルールを検討し、公園でスケートボードを楽しめる環境づくりについて模索してまいりたい。

(8)誰一人取り残さない孤独・孤立対策について

〇札幌市では、これまで、区役所等の各種窓口における相談支援や、社会福祉協議会、住民組織、民間事業者等を通じた高齢者の見守りや子どもの居場所づくりなどの対策を個別に講じてきたところ。

〇国の重点計画では、孤独・孤立は「人生のあらゆる場面において誰にでも起こり得るもの」という視点で捉えられており、少子高齢化を始めとした社会状況の変化のみならず、当事者の経済状況や地域社会とのつながりなど、幅広い視点でのアプローチが必要と認識。

〇このような認識の下、国の孤独・孤立対策に関する施策や先行事例などの情報収集を図るとともに、庁内のみならず地域の事業者や関係団体とも連携を深めながら、当事者や家族等の立場に立って必要な対策を検討してまいりたい。

2次期観光まちづくりプランの策定について

質問

(1)次期プラン策定に向けた検討の方向性について

札幌市はこれまで、観光の長期戦略や取組の方向性を定めた「札幌市観光まちづくりプラン」を策定し、目標像として「産民学官が連携する観光まちづくりの実現」を2013年度に掲げました。

その後、インバウンドの急増など札幌観光を取り巻く情勢が大きく変化したため、2017年度に目標数値の上方修正を含めた改定を実施しましたが、コロナ禍の影響によりインバウンドがほぼゼロになるなど、改定時に想定していた状況は一変しております。

新型コロナウイルス感染症の影響により大きな打撃を受け、早期回復に向けた取組が求められておりますが、一方、アフターコロナにおける在り方を見据え、長期的な戦略のもと、取組を進めていくことが重要であり、令和3年第4回定例市議会の代表質問において、我が会派が指摘しましたとおり、世界的に持続可能な観光の推進が求められる中、新たなトレンドを踏まえた観光戦略の見直しは不可欠となるものと考えます。

現在の観光まちづくりプランの計画年度は2022年度までとなっており、来年度予算において次期プランの策定に取り組むための経費が計上されておりますが、このような状況下において策定する次期プランは、札幌観光の新たな道標となる重要な計画となることから、策定に当たっては様々な観点から十分な検討が必要と考えます。

そこで質問ですが、次期観光まちづくりプランの策定に向けた検討の方向性について伺います。

(2)観光におけるデジタル技術の活用について

札幌市においても、デジタル社会の実現に向けて、デジタル政策を全庁横断的に統括・支援する体制を構築するためデジタル戦略推進局を設置する方針が示されており、今後も様々な分野においてデジタル活用の取組が加速することが期待される中、札幌の経済成長を牽引する観光の分野においても積極的に取り組んでいくべきものと考えております。

そのような中、デジタル技術の活用はすでに札幌の観光でも進められており、コロナの影響によりオンライン開催となった「さっぽろ雪まつり」では、メタバース(仮想空間)を活用したバーチャル雪まつりや、市民がSNSで気軽に参加できるフォトコンテストなどが展開され、デジタル技術の活用によって雪まつりの火を絶やすことなくつなぐことができました。

他県の例を挙げますと京都市観光協会は、観光地域づくり法人、いわゆるDMOの認定を受けて活動しておりますが、京都市内のホテルから提供されるデータに基づき3カ月先までの客室稼働率の予測により、ホテルの経営支援を行うほか、ビッグデータを活用した主要な観光スポットの混雑予測を公表し、集中する観光需要の分散に取り組むなど、観光地運営に積極的にデジタル技術を活用していると伺っております。

我が札幌市においても、次期観光まちづくりプランの検討に当たっては、こういった事例も参考にしながら、積極的にデジタル技術を用いた観光振興に向け、検討していくべきと考えます。

そこで質問ですが、観光分野における今後のデジタル技術の活用について、考えを伺います。

答弁

(1)次期プラン策定に向けた検討の方向性について

〇次期プランの策定に当たっては、まずは、コロナ禍を契機とした観光客のニーズや旅行スタイルの変化など、アフターコロナにおける観光市場の動向を捉えた検討が必要になるものと考えている。

〇また、今後、中長期的には、人口減少に伴う国内観光市場の縮小が懸念されることから、リピーターの更なる獲得や新幹線札幌延伸を見据えた誘客ターゲットの拡大に加えて、インバウンド誘致の強化など、より一層の需要創出が重要と認識。

〇そのため、アドベンチャートラベルといった、北海道・札幌の特性を活かした付加価値の高い観光コンテンツの創出や、環境や地域社会に配慮した「持続可能な観光都市」に向けた取組など、世界の旅行者に選ばれ続ける観光地を目指して検討してまいりたい。

(2)観光におけるデジタル技術の活用について

〇観光分野におけるICTなどのデジタル技術の活用は、観光客の利便性や満足度の向上に加えて、観光関連事業者の経営効率化や収益力の強化など、多くの利点があるものと認識。

〇これまでも、小売店の商品構成の検討に資する観光客の動態データの提供や、観光客の嗜好や空き時間に応じて市内周遊を促すアプリの実証事業など、デジタル技術の活用を進めてきたところ。

〇今後も、リアルとバーチャルを併用した新たな観光コンテンツの創出や、ビッグデータを事業者が経営戦略に活用しやすいように加工・分析して提供するなど、観光振興の様々な施策において、デジタル技術の導入を図ってまいりたい。

3コロナ禍における文化芸術振興について

質問

(1)今後の文化芸術活動支援について

長引くコロナ禍により、文化芸術活動をするアーティスト等はもちろんのこと、文化芸術を鑑賞する市民にも大きな影響が出ております。

コロナ禍の中にあっても人々が生き生きと暮らし、生活に潤いや豊かさをもたらすためには文化芸術の力は必要であると考え、これまでも「文化芸術の灯を絶やさない」ために、文化芸術関係者や団体の皆様からの声を聞き、市に「新型コロナウイルス感染症に伴う文化芸術活動の支援に関する要望書」の提出や議会等で取り組んでまいりました。

そのような中、札幌市は、令和2年10月から札幌市文化芸術活動再開支援事業を行い、アーティストが公演等を行う場合の会場費の補助を開始し、令和3年度からはさらに、会場費に加え、音響や照明等の設備使用料も補助対象とする制度の拡充を図り、アーティストの発表の機会の確保や推進を図ってまいりました。

実際に利用したアーティストからは、「毎年、楽しみにしてくれている公演が今年も開催することができた」「この制度があったから活動を継続できた」等、非常に高い評価を受けましたが、この事業は令和3年度末までと期限が決まっております。

コロナ禍による未曾有の困難と不安の中、やすらぎや勇気、明日への希望を与えてくれたのは文化、芸術による一助があったと考えます。

コロナ禍においても、文化芸術の振興を図るためには、地域を中心に活動する方々も含めて活動の再開及び継続ができる環境を作る必要があり、そのためにも再開支援事業を続けることが重要であると考えます。

そこで質問ですが、今後の文化芸術活動の支援策として札幌市文化芸術活動再開支援事業をどのように考えているのか伺います。

(2)市民の鑑賞の機会の確保について

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、市民が文化芸術に触れる機会が減っていると思われます。

例えば、公演内容によっては感染症対策をとる中、出演者の練習の確保が困難になり、高いクオリティを提供することが難しく主催者の判断で観客を伴う演劇やコンサート等が延期や中止になり、オンライン企画での配信など主催者やアーティストサイドも工夫はしていますが、経済面や運営の負担が大きく、ライブ配信を断念する場合もあります。

また、札幌市の冬の祭典である「さっぽろ雪まつり」がオンライン企画の開催となりましたが、子どもたちに直に大雪像を見せたかったという保護者からの声も伺います。

文化芸術の振興を図るためには、アーティスト等による活動の継続とともに、市民が引き続き多様な文化芸術に親しむことができる環境が必要です。

そこで質問ですが、市民の文化芸術の鑑賞の機会をどのように確保していくのか伺います。

答弁

(1)今後の文化芸術活動支援について

〇札幌市文化芸術活動再開支援事業は、今年度末までに、延べ3,500件を超える公演や展示に対し、会場費等の支援を行える見込みであり、文化芸術活動の再開及び継続のため大きな効果をあげているものと認識。

〇コロナ禍において、会場費の補助対象施設に区民センター等を加え、地域で活動されている方々にも利用しやすくするなど、改善を図りながら来年度もこの事業を継続し、文化芸術活動の後押しをしてまいりたい。

(2)市民の鑑賞の機会の確保について

〇札幌市が毎年実施している文化芸術意識調査によると、令和2年度は前年度と比較して、市民が文化芸術に触れた割合が減少しており、コロナ禍による公演の中止等が要因の一つと考えられる。

〇そこで、低料金で気軽に楽しめるコンサートの開催や、芸術の森美術館の企画展の観覧料補助等を実施していくことにより、市民が多彩な文化芸術に直接触れる機会を広く提供してまいりたい。

4安全・安心なまちづくりの推進について

質問

(1)道路維持管理の取組について

昨今、高度成長期に大量に整備された道路の老朽化が進み、合理的・効率的な道路維持管理は道路行政の重要課題となっております。

国土交通省では、道路を資産と捉え、アセットマネジメントによる「予防保全型維持管理」の考えのもと、命と暮らしを守るインフラ再構築等を支援する防災・安全交付金を創設、点検基準の法定化等の道路法改正、さらには道路メンテナンス会議での地方自治体への体制支援など重点的に老朽化対策に取り組んできたところです。

また、近年頻発する自然災害を教訓に「総力戦で臨む防災・減災プロジェクト」と国民の命とくらしを守る10の施策パッケージを取りまとめ、インフラ老朽化対策や地域防災力の強化施策として、令和2年度に道路メンテナンス事業補助制度も創設されております。

そうした中、札幌市は「札幌市道路維持管理基本方針」を定め、その個別計画として昨年7月「札幌市道路施設等設備機能保持計画」が追加されました。

市内にはトンネルやアンダーパス、JR駅自由通路等の道路施設が整備されておりますが、それらには受変電設備や照明、非常用設備や給排水設備だけでなく、監視カメラや道路情報板等の情報通信機器といった耐用年数が短い設備も多く導入されています。

そのうち、重要度が高い施設は、日常的な維持管理費だけでも年間約7億円を要しておりますが、今後、更新等の大規模事業も必要となることから道路施設の維持管理費はさらに増大することが見込まれます。

限られた財源で、安全・安心で良好な道路サービスを継続的に提供するためには、付帯する設備の健全性確保が必須であり、この計画が非常に重要な役割を担うと考えます。

そこで質問ですが「札幌市道路施設等設備機能保持計画」はどのような考え方に基づき策定され、また、今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。

(2)無電柱化の推進について

道路上には、市民生活に欠かせない数多くの電柱や電線がありますが、災害により電柱が倒れるなどの被害を想定した場合、緊急車両等の通行に支障を来す恐れがあると考えます。

実際、昨年12月に、冬型の強い気圧配置に伴う強風が十勝管内で発生し、多くの電柱が倒れたことにより、停電し、道路が通行止めになり、円滑な救助活動が阻害されました。

我が国では、昭和60年代初頭から、無電柱化が計画的に取り組まれ、一定の整備が図られておりますが、多額の整備費用や電線管理者などとの調整に時間を要することから、大きく立ち後れているといえます。

札幌市における無電柱化推進事業は、昭和61年度から推進され、現在は「札幌市無電柱化の推進に関する計画」に基づき、着実に整備を進めてはいるものの、緊急輸送道路の無電柱化整備率は令和2年度末時点で7%程度に留まっております。

そうした中、国においては、令和2年12月に閣議決定された「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」において無電柱化対策を盛り込み、財政措置を行うなど、取組のさらなる加速化を図るとし、国土交通省では、令和3年5月に新たな「無電柱化推進計画」を策定し、安全で災害にもしなやかに対応できる「脱・電柱社会」を目指すこととしております。

取組姿勢として、徹底したコスト縮減、さらなるスピードアップ化などを掲げ、令和3年度から令和7年度までに、全国で新たに約4,000㎞の無電柱化に着手することを定めたところであります。

近年、激甚化する風水害や切迫する大規模地震等へ十分に備えるには、これまで以上に無電柱化を推進していく機運に乗じ、災害時救急・消火活動、緊急物資の輸送において重要な役割を担う緊急輸送道路の無電柱化を、より一層推進し、安全で安心な通行空間を確保するよう努めていくべきと考えます。

そこで質問ですが、国の新たな「無電柱化推進計画」が策定されたことを踏まえ、札幌市として今後どのように無電柱化を進めていくつもりかをお伺いします。

(3)雪対策における市民力の醸成について

今冬は、湿った重い雪が1月中旬に集中して降ったことにより、幹線道路の車道幅が狭くなり、市内各所で交通渋滞が起き、多くのバスが運休するなど市民生活へ多大な影響が発生しました。

そうした状況の早期改善に向け、我が会派では、1月19日に「札幌市内を直撃した大雪に対する緊急要望」を秋元市長に行いました。

その結果、除雪事業者のご尽力により、幹線道路の幅員確保がおおむね完了し、交通環境も改善が見られました。しかしながら、2月6日に札幌管区気象台の観測記録を更新する「24時間で60㎝」という降雪により道路交通状況は再び悪化しました。

翌日、2月7日に雪害対策連絡会議が開かれ、市民生活への影響を最小限に抑えるため、当初の計画を変更するとの説明があり、今後順調に作業が進められることを期待しております。

また、冬期の円滑な交通の確保や、除雪作業の効率化のためには、冬期間のルールである道路への雪出しや路上駐車を行わないことについて、今一度、市民や経済界に周知し、理解や協力を求めていくことも重要と考えます。

市民意識調査によりますと、約9割の市民がこのルールを認知しておりますが、新たに札幌へ転入した方が知らずに雪を出すケースや、これまで敷地内で雪を処理できていた人が、大雪のせいで道路にまで雪を出すようになり交通渋滞を引き起こしているケースも生じていると思われることから、このルールの認知に向けさらに啓発していく必要があると思われます。

加えて、気象状況により道路幅の減少や路面状況の悪化が予想される際には、渋滞の緩和のために時間に余裕を持って行動することや時差出勤の実施、公共交通機関を積極的に利用し、車での移動を控えてもらうなど、冬の暮らし方を市民が自ら考えて行動すること、いわゆる市民力を醸成することも大切と考えます。

特に、今シーズンの大雪のように、フル稼働で除排雪作業を行っても道路状況の改善に時間を要する場合には、交通事故を起こさない、緊急車両の利用を安易に考えないように努めるなど、大切な生命と暮らしを守るため、市民と行政が協力して乗り越えていくことが重要であると考えます。

そこで質問ですが、今回のような大雪も乗り越えられる市民力の醸成に向け、日頃から市民や経済界に対して、冬のルールと暮らし方について理解や協力を求めていくべきと考えますが、いかがかお伺いします。

答弁

(1)道路維持管理の取組について

〇トンネルやアンダーパスなどの道路インフラを、安定的かつ長期的に運用するためには、それらを支える電気・機械設備の機能を保持することはもとよりコスト縮減も重要であると認識。

〇そのため「道路施設等設備機能保持計画」では予防保全を柱とし、点検・診断に基づき、設備に不具合が発生する前の適切なタイミングで修繕・整備を行い、長寿命化やコスト縮減を図っている。

〇今後とも、設備機能を常に良好な状態で保持するために、管理データの集積・分析を進め、各設備に応じた最適な維持管理に取り組むとともに、省エネや省力化を図りながら、安全・安心な道路インフラの提供に努めてまいりたい。

(2)無電柱化の推進について

〇無電柱化は、札幌市としても「防災」や「安全で円滑な交通確保」などの観点から、さらに推進していくべき事業と認識。

〇整備にあたっては、コスト縮減や作業の効率化を図る観点から、より安価な管路材の採用や管路の埋設位置を浅くするなど、新たな整備手法を新年度から導入していく考え。

〇今後とも、電線管理者や関係機関などと緊密な連携を図りながら、重要度の高い緊急輸送道路を優先しつつ、計画的に無電柱化を推進してまいりたい。

(3)雪対策における市民力の醸成について

〇今冬の予測しがたい気象や大雪に鑑みると、あらゆる状況下で迅速な除排雪を実施することには、一定の限界もあると考えられることから、札幌市が目指す安心・安全で持続可能な冬の道路環境の実現には、除排雪はもとより、ルール順守やマナー向上に加え、フレックスタイムや時差出勤、さらには大雪時に外出を控えていただくなど、ハード・ソフト両面から、取組を効果的に推進していくことが重要と認識。

〇そのためにも、冬の暮らしのリスクなどについて意識し、日々の行動に生かしていただくことなどが重要と考えられることから、市民や企業の理解と協力をいただきながら、幅広い視点から広報・啓発に取り組み、安全で安心な冬の暮らしにつなげてまいりたい。

5健康福祉施策の推進について

質問

(1)がん対策について

①HPVワクチンの接種機会確保

これまで、我が会派は、早期発見・早期治療により命は守られるとの観点から、がん検診の受診率向上や、働き盛りの方や子育て世代に多いとされる乳がんをはじめ、女性特有のがん対策についても、繰り返し訴えてきました。

中でも、比較的若い女性に多くみられる子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス、HPVと呼ばれるウイルス感染を防ぐワクチンは、平成25年6月から積極的な接種勧奨が差し控えられていましたが、令和2年10月に国の方針が見直されたことを受け、我が会派は、昨年の第2回定例会代表質問において、接種対象者やその保護者への適切な周知の在り方について伺いました。

昨年11月には厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会において、最新の知見を踏まえ、改めてHPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたことから、基本的に令和4年4月から個別勧奨を順次再開するよう国から通知されたところです。

また、昨年12月、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、HPVワクチンの積極的な勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方に対して、公平な接種機会を確保する観点から、時限的に従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行う「キャッチアップ接種」の実施が議論され、令和4年4月から3年間を限度とし、接種を認める方向で予防接種法施行令を改正予定である旨が国から通知されました。

そこで質問ですが、HPVワクチンの定期接種及びキャッチアップ接種の対象者について、接種機会が確保されるよう適切な周知を行うべきと考えますが、札幌市の方針について伺います。

②子宮頸がん検診受診率向上のための対策

厚生労働省の資料によりますと、HPVワクチンは、子宮頸がんの要因となるHPVのうち、16型、18型と呼ばれる、特にリスクが高い2種類の型の持続感染等に予防効果を持つとされており、その割合は子宮頸がん全体の50~70%とされております。

このことから、子宮頸がんの対策は、ワクチンによる予防のみならず、定期的にがん検診を受けること、それによる早期発見、さらに速やかな治療に結び付けることが重要であり、市民の健康と生命を守るためには不可欠であると考えます。

しかしながら、厚生労働省が実施する国民生活基礎調査によると、札幌市の子宮頸がん検診の受診率は伸び悩んでおり、他のがん検診と比べて唯一前回調査よりも受診率が低下しております。そのため、令和3年の第2回定例市議会において課題として取り上げ、子宮頸がん検診の未受診者に対する今後の対策について伺ったところです。

その後、専門医師や札幌市医師会により検討部会が開催され、検討が進められていると伺っておりますが、受診率を向上させるには、子宮頸がん検診の未受診者にどのような働き掛けを行っていくかが特に重要になると考えます。

そこで質問ですが、検討部会を通じて今後札幌市では子宮頸がん検診の未受診者への対策として、どのような取組を行う予定であるか伺います。

(2)若者ケアラーについて

長期化するコロナ禍において、少子高齢化や核家族化の進展、未婚化晩婚化や地域社会におけるつながりの希薄化に伴い、孤独・孤立の問題が顕在化しております。さらに、子どもや若者を取り巻く環境は深刻さを増し、進路選択の不安、不登校や中退、経済的困窮、精神疾患、大人への不信感、家族を頼ることができない、不安定な雇用など、実に様々な生きづらさを抱えていると思われます。

さらに、昨今、18歳未満の子どもが、本来、大人が担うと想定されている障がいや病気のある家族、幼い兄弟姉妹の世話や家事など、手伝いの域を超えるケアを日常的に行うヤングケアラーの問題が大きく取り上げられております。

過度なケアを日々行うことによる心身の負担、さらに家族の介護に携わり学業や進学を諦めるなど、子ども自身の未来や健全な成長に影響があると言われております。

国や北海道ではヤングケアラーの実態調査を行い、対策を検討しているところではありますが、札幌市においても昨年、実態調査を実施し、本年2月には結果が報告され、庁内ワーキンググループにおいて対策を行うと認識しております。

我が会派でもヤングケアラーの方を含むケアラーについて政務調査を行い、また課題に取り組んでいる団体への視察や現場の方々の意見を伺っているところであります。

調査で特に印象的だったことは「ヤングケアラーの当事者は子どもや若い時には課題と思っていなかったが、後に大人になってから、あの時周りの大人がおせっかいでも関わってくれた方が良かった」と言う方が多いという話でした。ヤングケアラーは、当人の課題意識が希薄で、課題が顕在化しにくく支援が届きづらいことが特徴でもあります。

さらに、18歳以上の若者ケアラーも同様の問題を抱え、成人への移行期にケアを担うことにより、進学、就職、就業、キャリアの選択、恋愛や結婚などに関し、その後の人生に大きな影響を与えることとなり、若者のライフプランの形成にも大きな影響を及ぼすと考えます。

この問題を踏まえ、他の自治体では「子ども・若者ケアラー」と称し、20代の方も含めて施策の対象としているところもあります。

そこで質問ですが、札幌市が昨年11月に行った実態調査では、国や北海道の調査に準じて中高生を調査対象としているが、若者ケアラーについてはどのように認識をしているか考えを伺います。

答弁

(1)がん対策について

〇1点目のHPVワクチンの接種機会確保について

令和3年11月の国通知を受け、令和4年4月以降、個別通知を送付予定。対象は定期接種の最終年となる高校1年生に相当する年齢(平成18年度生まれ)の女子に加え、国が定める標準的な接種期間に当たる中学校1年生に相当する年齢(平成21年度生まれ)の女子を想定。

〇キャッチアップ接種については、今後示される国の方針に従って、対象となる予定の平成9年度から平成17年度生まれまでの女子に対する個別通知や、ホームページ等により周知を図る。

〇なお、個別通知の機会を活かして子宮がん検診や性感染症対策等について合わせて周知し、効果的な啓発に取り組む。

〇2点目の子宮頸がん検診受診率向上のための対策について

子宮頸がんは若い世代から増え始めるがんであり、札幌市では20歳からがん検診を受診していただけるようにしているが、就労等により日中の受診が難しい方も多いことから、検診未受診者への対策が重要。

〇このため、札幌市では自宅で検体を採取しHPV感染の確認を行う検査について、有識者による検討部会から助言を受けて、検診未受診の25歳の女性を対象に令和4年度から実施する考え。

〇検査の結果、HPV陽性が確認された方には札幌市子宮頸がん検診の受診を勧奨するとともに、更に未受診者全員にがん検診の重要性を啓発することによって、子宮がん検診の受診率の向上を目指してまいる。

(2)若者ケアラーについて

〇今回の調査結果では、家族のお世話をしている子どもは、勉強や友人と遊ぶ時間が取れないなどの生活への影響があることが分かっており、これらが学業や就職、友人関係などに影響を及ぼすことで、成人になっても社会的自立に至らないケースが考えられる。

〇困難を抱える子どもや若者への支援については、それぞれの状況に応じて、必要な支援が、特定の年齢で途切れることなく行われることが重要であると認識。

〇これまでも、若者支援総合センターなどの若者支援関係機関においては、若者が抱える家事や家族の世話などの様々な悩みに寄り添った支援を行ってきたところ。

〇札幌市においては、今後もそれらの関係機関との連携・情報共有を図りながら、困難を抱える子どもや若者への支援の取組を進めてまいりたい。

6教育施策について

質問

(1)人間尊重の教育の推進について

我が会派は、感染症に対する恐れや不安の拡大のある中、社会全体が命について改めて考える必要があると考え、令和3年第4回定例会において、命を大切にする教育について質問し、教育長からは、子どもが命の大切さを実感できる人間尊重の教育を進めていくとの答弁をいただき、人とのつながりを大切にしていくことの重要性について、共通の認識に立てたと考えております。

また、子どもが学びにおいて、自己を表現したり、相手を理解したりすることは欠かせないものであり、各学校において、対面とオンラインでの授業等を組み合わせ、人とつながりながら学ぶ取組を進めていることは承知しています。

しかしながら、現在、新型コロナウイルス感染症の第6波が到来し、これまでにない数の学級閉鎖等の措置があり、実際に多くの子どもが登校できない状況に直面しております。

そのような中、内閣府は令和3年版「子ども・若者白書」において、コロナ禍における子どもや若者の変化として、ストレスや不安の高まり、生活リズムの乱れ、学習の遅れ、問題行動の発生などを指摘し、その背景には人間関係の希薄化があると分析しております。

子どもが人とつながる機会が減少することにより、直接、悩みや不安を相談することが難しくなるなど、改めて危機感を募らせております。さらに感染防止対策の徹底を通して生じた“他者との接し方”に加えて、自分で自分の身を守らねばならない状況が続く中で、身近な出来事以外に関心が向きにくくなる“意識のロックダウン”とも言うべき傾向が起こりかねない、広がりかねないと懸念されます。

今後、コロナ禍が長期化するのであれば、ますます、子どもが人とのつながりの大切さを実感しにくくなっていくことは、誰もが容易に想像できると思われ、その未来に危機感を覚えます。

日本全体に目を向けると、感染した方やその家族等へのいわれのない偏見や差別、理不尽な誹謗中傷といった人権に関する問題、さらに、社会情勢の急速な変化に伴って生じる、子どもや若者、障がいのある方の孤独感の増大など、様々な問題が顕在化しております。著名な経済学者であり、社会の在り方を問い続けて来たガルブレイス博士は「人々がこの世界で生きていくのが楽しい」と言える時代にして行かねばならないと述べております。

我が会派としては、この考えに基づき、これまで以上に人間尊重の教育の重要性が高まっていると考え、“誰も置き去りにしない”とのSDGsの理念を肉付けする形で「皆で生きる喜びを分かち合える社会」の建設というビジョンを重ね合わせていくことが望ましいと考えます。

そこで質問ですが、今後どのように人間尊重の教育を推進していくのか伺います。

(2)星友館中学校を含めた札幌市の学びのセーフティネットについて

我が党は、かねてより、全国的に公立夜間中学の設置促進に向け、一歩進んだ取組を進めております。さらに、我が会派におきましても、学び直しの場を求める多くの方の声にお応えするため、公立夜間中学の早期設置を一貫して求めてまいりました。その取組により、東北・北海道で初となる公立夜間中学「星友館中学校」が、この4月に開校の運びとなります。

さらに、こうした札幌市の取組が呼び水となり、全国で夜間中学設置の動きが加速し、現在、仙台市、千葉市、相模原市、福岡市といった政令指定都市をはじめとする13県市において、夜間中学の設置に向けた検討・準備が進められていると伺っております。

夜間中学は、戦後の混乱期の中、中学校を卒業できなかった方々、また、病気や不登校などにより、十分に学ぶことが出来なかった方々が、学びたいという希望を実現できる場であり、その設置が全国で進んでいるということに我が会派としても非常に喜ばしいことと認識しております。

昨年の第3回定例市議会において、我が会派から星友館中学校の取組について質問をしたところ、市からは、学びを通してお互いを認め、高め合うという夜間中学の精神を全ての市立学校に広げていくという答弁をいただきました。

学びのセーフティネットの一翼を担う星友館中学校が設置されることが、誰一人取り残さない社会の実現に向けた大きな原動力になるのではないかと期待しております。

そこで質問ですが、星友館中学校の開校を機に、学びのセーフティネットをどのように構築していくつもりか伺います。

(3)今後の教員の育成について

札幌市は、全教員に対し、市立学校約300校に在籍する14万人の子どもの「学ぶ力の育成」のため「札幌市教育研究推進事業」という、札幌市独自の特色ある取組を行い、指導力の向上、より良い授業のための研究を毎年継続しております。また、経験年数に応じた研修をはじめ、専門的な知識や技術を高める研修に取り組んでいると伺っております。

一方、急激に進む少子高齢化、グローバル化、さらに、デジタルトランスフォーメーションといったデジタル技術による生活の変革、加えて新型コロナウイルス感染症への対応など、教育界や学校には変容が迫られております。

こうした状況を受け、国においては、これまでの日本の教育の良さを大切にしつつ、新たな時代を生きる全ての子どもたちが、自らの可能性を伸ばし、持続可能な社会のつくり手として活躍できることを目指す「令和の日本型学校教育」の在り方として、「個別最適な学びと、協働的な学びの実現」が示されました。

その実現には指導に当たる教員が時代の変化に対応し、高い資質能力を身に付け、生き生きと活躍することが不可欠であるため、教員の置かれる環境を整備することが重要と思われます。

我が会派はこれまでも、教員の多忙な状況を問題視し、議会において教員の負担軽減について取りあげておりますが、その都度、教育委員会は学校の環境の様々な改善に取り組まれていることは、一定の評価をしております。

国はこのたび、教員免許更新制を廃止する方針を示しましたが、それと同時に、発展的解消として、免許更新制の目的であった、教員として必要な資質能力の保持や、最新の知識技能の習得、時代に合った教員研修を行うことは、「令和の日本型学校教育」の推進において、引き続き重要な課題であるとし、新たな研修のスタイルを求めております。

このたびの教員免許更新制度の廃止に伴い、国が求めている研修機会の確保や、「令和の日本型学校教育」の実現のために、教員の資質能力を一層向上させることは大変重要と思われ、教員の育成について、大きく見直す転換期であると考えます。

そこで質問ですが、札幌市として、今後の教員の育成をどのように進めていくつもりなのか伺います。

答弁

(1)人間尊重の教育の推進について

〇感染症の流行が長期化する中においても、知・徳・体をバランスよく育むためには、子どもが互いを認め、共に支え励まし合うなど、日常的に温かくて安心できる場が必要。

〇そのために、学校では、日々の子どもの変化や成長をきめ細かに見取り、子ども自身が、自分のよさや可能性に気付いたり、他者を尊重したりすることができるよう関わっていくことが重要と認識。

〇これらを踏まえ、新たに、人間尊重の教育を「札幌市学校教育の重点」の基盤に位置付け、学校・家庭・地域が一体となって、「自分が大切にされている」と実感できる学校づくりを推進する所存。

〇教育委員会としては、これからも、一人一人の子どもが生涯にわたって、互いにかけがえのない人間としての尊厳や個性、多様性を認め合い、心豊かにたくましく生きようとする態度を育んでまいる。

(2)星友館中学校を含めた札幌市の学びのセーフティネットについて

〇どの年代の方に対しても義務教育の機会を提供する夜間中学は、「自立した札幌人」に向けた基礎的な学びを求める方にとって、心のよりどころとなるものと認識。

〇また、不登校などにより学びに困りを抱えている子どもにとっては、学齢期に限らず、いつでも学ぶことができるという安心感により、今の自分を肯定的に受け止めることにつながるものと考えている。

〇教育委員会としては、これから見直しに着手する新たな教育振興基本計画に、生涯にわたる学びのセーフティネットの体系化を位置付け、全ての市民が安心して学び続けられる環境整備に努めてまいる。

(3)今後の教員の育成について

〇教員には、働き方改革を意識しながらも、今日的な教育課題に柔軟に対応できるよう学び続けることが求められており、これまで以上に研修の充実を図ることが重要であると認識。

〇札幌市では、校内や校外において、教員同士が授業力等を高めるため、自主的・実践的な集合研修を中心に、教職経験や職務に応じた体系的な研修を切れ目なく実施してきたところ。

〇今後は、オンラインを効果的に活用するなど、教員が様々なニーズや興味・関心に応じて、いつでも主体的に学び、日々の教育活動に生かしていくことができるよう研修環境を整備してまいる。

〇教育委員会としては、学校と連携しながら、こうした取組を着実に進め、子どもへの深い教育的愛情や使命感を兼ね備えた教員を育成し、次代を担う子ども一人一人の最善の学びを実現していく考え。