札幌公明

議会報告Assembry report

2024/02/21 令和6年第1回定例議会

令和6年第1回定例議会2024/02/21

代表質問くまがい誠一議員(中央区)

札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して くまがい誠一 議員が代表質問を行いました。
以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。

目次Contents

  • 市長の政治姿勢について
    • 令和6年度予算に対する市長の意気込みについて
    • GX金融・資産運用特区推進に向けた誘致と情報発信の強化について
    • 今後の海外企業誘致の取組について
    • 大規模災害に強いまちづくりについて
      ①規大模災害時の避難者支援
      ②地域防災力の向上
    • 丘珠空港ターミナルビルの機能強化に向けた取組について
    • 市民の声を反映したまちづくりについて
    • 幸齢社会を見据えた敬老パス事業の見直しについて
    • 障がい者スポーツセンターについて
    • 若者支援施策の推進体制について
    • いじめ防止に向けた取組について
  • 次世代につなげるさっぽろのまちづくりについて
    • デジタルを活用した行政サービスの高度化について
    • 先進技術を活用した持続可能な雪対策について
    • 札幌市の交通について
    • 自転車通行空間の整備について
    • 移動に制約のある方が旅行を楽しむための環境整備について
    • 働く世代に向けたウェルネス推進について
    • これからの札幌市のヒグマ対策について
  • 健やかな育ちを支える子ども施策について
    • これからの子育て支援の取組について
      ①子育てDXを含めた子育て支援の充実
      ②札幌市の「こども誰でも通園制度」の取組
    • 人間尊重の教育について
    • 「札幌市学校施設維持更新基本計画」見直しの基本的な考え方について

1市長の政治姿勢について

質問

(1)令和6年度予算に対する市長の意気込みについて

令和6年度一般会計当初予算は、秋元市長が施政方針として掲げる「誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街」・「世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街」の実現に向けた、秋元市長3期目最初の本格予算として編成されています。

この当初予算は、その柱として「子ども・子育て支援」、「GX・脱炭素化、経済活性化」、「ウェルネス、ユニバーサル」、「安全・安心」、「市民生活を支えるための取組」の5つを重点分野に掲げており、本市を取り巻く社会情勢を鑑みると、いずれも喫緊に取り組まねばならない項目であると考えます。

とりわけ「GX・脱炭素化、経済活性化」の取組は、少子高齢化が進展する中において、大変重要であると認識しております。

現在、市内では海外観光客の姿が数多く見られ、昨年の新型コロナウイルス感染症の5類移行を転機に、社会経済活動が急速に平常へ戻りつつあることを強く実感するところです。

実際、札幌市の昨年4月から9月の上期における市内観光客数は、前年度同期との比較で約259万7千人、率にして37.8%増の946万1千人となっており、数字の上からもほぼコロナ禍前の状況に回復しつつあることが伺えます。

私は、札幌経済がコロナ禍前の状態に回復してきているこの流れを決して止めることなく、さらに加速化させていく上で、令和6年度当初予算は重要な意味を持つと思っており、このタイミングを決して逃してはならないと、市長のリーダーシップに期待をしているところです。

一方、物価高騰が当面継続することが見込まれる中、我が会派が緊急要望に盛り込んだ市民に対する支援も重要であります。当初予算でも、重点分野の柱の一つである「市民生活を支えるための取組」として物価高騰対策を位置づけ、昨年、4定の補正予算や今回の1定補正と合わせ、一体的に取り組もうとしていることにも期待を寄せているところです。

そこで質問ですが、札幌市の経済活性化に向け、令和6年度当初予算に市長はどのような思いを込められたのか、その意気込みを伺います。

(2)GX金融・資産運用特区推進に向けた誘致と情報発信の強化について

秋元市長3期目として初めて編成する本格予算である令和6年度予算は、「GX・脱炭素、経済活性化」を柱の一つに掲げ、再生可能エネルギー供給基地の実現や、GXに関する資金・人材・情報を北海道・札幌に呼び込む取組によりGX投資を推進するとしています。

新年度予算の発表の際には、冬季オリンピック・パラリンピック招致からGX推進に向かっていく「リスタート予算」であるという市長の発言もあり、この特区推進に向けた市長の強い意気込みを感じたところです。

そのような中、札幌市は、1月23日、他都市に先駆けて「GX金融・資産運用特区」の提案書を国に提出しました。この提案書の最大の特徴は、国内随一の再生可能エネルギーのポテンシャルを活用したGX産業の集積と金融機能の強化集積の2点であると考えておりますが、洋上風力等のGX産業の集積は、札幌市だけでなく、全道的な取組が必要であると認識しています。

また、資産運用会社等の金融機能の強化集積については、GX産業や地元企業が成長するための資金、最先端の情報、専門的な知識や技術を有する人材などを呼び込み、札幌や北海道の経済成長を後押しすることが期待されることから、札幌市が中心となり、その都市機能を最大限に生かしながら取組を進めていくべきと考えます。

国際金融都市として先行して活動する東京、大阪、福岡に比べ、札幌市の取組は始まったばかりであり、北海道と札幌が持つ強みを国内外の資産運用会社等に向けて積極的に発信し、認知度を高めていくことが重要です。

一方、最近、報道等でGX金融・資産運用特区について見聞きすることが多くなりましたが、そもそもGXをなぜ推進するのか、札幌市が目指す将来のまちの姿や、取組を推進するTeamSapporo₋Hokkaidoの事業の方向性については、市民の中ではまだまだ理解が浸透していないと感じているところでもあります。

そこで質問ですが、今後、「GX金融・資産運用特区」の推進に向けて、どのような方向性で札幌の取組を発信して、資産運用会社等の金融機能誘致に取り組んでいくのか、また、市民に対してGX金融・資産運用特区の取組をどのように周知していくのか伺います。

(3)今後の海外企業誘致の取組について

現在、国においては、日本経済全体の成長力強化、地域経済の活性化のためにも、対日直接投資の強化を進めているところであり、また地政学的な観点から、改めて、海外からの投資先として日本が注目されているところです。

加えて、世界的な半導体需要の高まりを受けて、ラピダスの北海道進出など半導体産業の集積や、世界的な脱炭素化の動きから再生可能エネルギーが注目され、特に国内随一のポテンシャルを持つ北海道は脚光を浴びており、グローバルな経済展開の重要性が増していると考えます。

札幌市においても、今後の少子高齢化・人口減少社会が到来する中において、持続的に経済を発展させるためには、グローバルな視点で、人や企業を集め、世界都市・さっぽろとしての魅力を高めていくことが重要であると認識しているところです。

このような情勢の中で、市長は昨年11月にミュンヘンを訪問し、経済交流、海外企業誘致に向けた活動を行ってきたと聞いておりますが、姉妹都市など既存のネットワークを活用して経済交流・企業誘致に繋げていくことは、効果的な展開であると考えます。

一方で、海外企業が進出した際の影響について、近年、台湾の半導体メーカーであるTSMCが隣接市町村に進出した熊本市にヒアリングをしたところ、TSMCの立地により、多くの外国人従業員への対応など行政的な負担も大きくなったと聞いており、海外企業誘致には、実際に立地した場合を想定して行政の対応なども計画的に検討することが必要と考えます。

今後の中長期的な本市の経済発展のためにも、より本格的に海外企業誘致について、具体的な取組を推進することが求められるのではないかと考えます。

そこで質問ですが、今後、海外企業誘致を効果的に実現するため、どのように取り組んでいくのか伺います。

(4)大規模災害に強いまちづくりについて

①大規模災害時の避難者支援

今年1月1日に発生した、能登半島地震でお亡くなりになられた皆様に哀悼の意を表しますと共に、被災され、今なお避難所生活をされている皆様に心からお見舞いを申し上げます。

さて、このたびの能登半島地震の発災初期では、避難所に多くの方が避難される中、十分な物資が行き渡らない、断水の影響でトイレが使用できない、さらにはインフルエンザをはじめとした感染症が発生するなど、以前から大規模災害が発生した場合に危惧されていたことが繰り返される状況となりました。

そうした中、札幌市の推計によれば、例えば月寒断層に伴う直下型地震が冬季に発生した場合、建物倒壊による直接死に加え、救助すべき方が凍死してしまうなど、最大で約4千9百人の方が亡くなり、避難所には約9万人、在宅避難を含めると最大で約15万人の避難者が想定されています。

このような大規模災害に備え、避難所でも暖が取れるよう、我が会派ではこれまで避難物資の増強を求めて来たところであり、札幌市ではポータブルストーブやカセットコンロの増強などを進め対策強化を図っておりますが、新型コロナウイルス感染などの経験や影響から、在宅避難や車中泊をされる方の増加も見込まれます。

さらに、今回の能登半島地震では、新たな動きとして、ホテルなどに一時的に避難し、福祉避難所へつなぐための避難も行われ、奥能登から金沢のスポーツセンターや県内の温泉旅館などに集約するといったケースも見られました。札幌市としても、一定程度の期間、避難された方を受け入れていただけるホテルや旅館等、宿泊施設の確保につながる支援や連携強化、さらにはNPOなどの民間活力を災害時に十分生かせるようなネットワーク強化と仕組みづくりが重要と考えます。

実際には被災状況によるものの、避難をめぐる環境や求められるニーズは実に多様であり、日々刻々と変化することから、災害マネジメントもより柔軟に対応できるよう構築していく必要があると考えます。

そこで1つ目の質問ですが、今回の能登半島地震の被害状況や被災地支援を踏まえ、札幌市として大規模災害の避難者支援についてどう考えるか伺います。

②地域防災力の向上

今回の震災は、私たちの生活が自然災害によって脅かされることを改めて認識するとともに、防災体制がいかに大切であるか痛感したところです。

この防災体制の一翼を担っているのが地域の消防団であり消防団は、普段、自宅や職場の近くで発生した火災や救助活動などにおいて消防職員の後方支援を行っているほか、地域防災の担い手として、防火・防災指導、応急手当指導や消火栓除雪、そして災害に備える訓練など多種多様な役割を担っています。

そして、ひとたび今回のような大きな地震が起きた場合は、消防団員も消防職員と同じ消防機関の一員として災害現場で活動することが位置づけられており、実際、平成30年の胆振東部地震では、札幌市内の消防団員は、倒れた灯油タンクを起こしたり、一人暮らしの高齢者宅の安否確認を行ったりするなどし、市民の不安解消に少なからず貢献出来たとものと考えています。

一方、今回の能登半島の地震では、多数の建物倒壊に加え、大規模な火災も発生しており、私も消防団員の一人として市民から期待されるような活動ができるのかどうか、突き付けられた思いも致しました。

現在、市内の消防団では、地震や台風などの災害を想定した災害対応訓練や、資機材の取扱訓練のほか、活動マニュアルにある行動手順の研修など、計画的に行っているところですが、昔ながらの風習も根強く、デジタル化も遅れを取っており改善が望まれるところです。また消火活動や救助活動は、訓練だけでは実際のイメージを持つことが難しく、知識や技術を身につけるまでに時間を要することも課題です。

もし、札幌で能登半島と同じような災害が発生した場合であっても、消防団員としてしっかりと活動できるよう、これまで以上に教育訓練の充実を図り、対応力の強化に取り組む必要があると考えます。

そこで2つ目の質問ですが、大規模な災害に対する消防団の対応力を強化するために、今後どのように取り組んでいくのか伺います。

(5)丘珠空港ターミナルビルの機能強化に向けた取組について

昨年7月の総合交通政策調査特別委員会において、札幌市は2030年の丘珠空港滑走路延伸を目指すとの報告がありました。その際、我が会派から、滑走路延伸と同時に空港ターミナルビルの機能強化の必要性について指摘したところ、札幌市からは、空港ターミナルビルの拡張の必要性を認めて国や関係機関等と協議を進めていくとし、どのような機能を持たせるかについては、地域の意見を把握しながら検討を進めていくとの考えが示されました。

これを受け札幌市は、これまで空港周辺地域住民を対象としたアンケートとワークショップを実施したほか、市内各所で意見交換を実施してきました。

これらの取組で判明した市民が空港ターミナルビルに求める姿としては、飲食・物販といった商業機能や展望スペース、子連れで遊べる機能のほか、搭乗橋の設置やバリアフリー化などの充実、さらに空港を活用したイベントの実施といったソフト面の充実を挙げる声が多かったと聞いております。

これらのことから、市民は空港ターミナルビルに対して、空港としての基本機能はもとより、飛行機への搭乗以外にも利用できる附帯機能についての充実を大きく望んでいると捉えることができます。

一方、先に発生した能登半島地震においては、能登空港周辺の道路が寸断され、約500人が丸一日空港内で孤立した事から、空港には災害発生時に備え一定のスペースや備蓄品が必要です。

我が会派では、これまで小松、熊本などの空港を視察して来ましたが、丘珠空港が滑走路延伸後に100万人の旅客数を想定するのであれば、現在の規模や機能では、災害時に一時的な退避を行うには不足していると言わざるを得ません。

市民の声を形にすることと、災害に強い空港実現を2030年に間に合わせるよう、空港ターミナルビルの検討を多角的に行う必要があると考えます。

そこで質問ですが、これまでの市民意見等を踏まえて、今後の空港ターミナルビルの検討をどのように進めていくのか、また、空港には災害を想定した機能も盛り込むべきと考えるがいかがか、札幌市の考えを伺います。

(6)市民の声を反映したまちづくりについて

我が会派は、市民一人ひとりの声を大切にし、市政に反映させていくという考えを重視しており、これまでも市政が抱える課題等について、その都度市民の声を真摯に聴き、解決に結びつけてまいりました。

市長は、昨年の市長選において、「市民意見を市政に反映するための仕組みづくりを進め、市民一人ひとりが市民参加を実感できるように取り組む」ことを公約の一つに挙げられましたが、このことは我が党が掲げる「小さな声を、聴く力。」に通じるものと捉えており、市長がイメージする仕組みがどのようなものとなるのか注視しているところです。

本市には、除排雪の今後の体制や費用負担の在り方、敬老パスの見直し、少子化に伴う学校統廃合の課題など、市民の中で様々な考え方や意見があると思われる市政課題が山積しております。

こういった市政課題の解決に向けて市民の合意のもと進めていくためには、現在のパブリックコメントのように、市民に対して最終形に近いものを示して聞くのではなく、例えば、計画を立案する前段で市民のニーズを調査する、あるいは現状で市民の基本的な考え方を把握した上で検討に着手するといったように、当初から市民の意向や意見を踏まえながら進めていくプロセスが大切です。このような視点に基づき様々な計画や事業を考えていくということは、今後札幌市が新たな100年に向けたまちづくりを進めていくためにも必要なものと考えます。

我が会派としては、市長が掲げる「市民参加の仕組みづくり」が、こうした大きな課題の解決に繋がるような仕組みとなるよう、より多くの市民の皆さんに市政への興味を持っていただき、そうした市民の声を市政に反映するためのものとなって欲しいと願うところです。

そこで質問ですが、課題が山積する市においては、市民を交えて議論し、その声をしっかりと反映することによって、市民とともに課題を乗り越え発展させていくまちづくりが重要と考えますが、市長に認識を伺います。

(7)幸齢社会を見据えた敬老パス事業の見直しについて

昨年11月、札幌市は敬老パス事業を見直して、健康寿命延伸に向けた敬老健康パスの素案を発表し、先の第4回定例会において我が会派から、身体的事情から活動が難しい方々も「健幸」(すこやかな幸せ)を感じられる仕組みを整える必要性について指摘したところです。

その後、市に対しては10区で実施された意見交換会やアンケートなどを通して、市民から多くの意見が寄せられていることと思いますが、我が会派にも様々な声が寄せられています。

人口構造が大きく変化している中で持続可能な社会を築いていくため、人々の健康を増進し、健康寿命を延ばしていくことは重要な観点ですが、その実現を目指して提案された今回の素案に対しては、弱者の視点から様々な意見が上がっています。

市は、現在の敬老パス制度については、加齢と共に交通機関を使う外出頻度が低下し、制度の恩恵を受けられなくなる点が課題であると説明していますが、何歳になっても「人との繋がり」や「生きがい」を感じることが大切であり、これまで敬老パスの恩恵がなかった弱者にも、「生きがい」を後押しするような仕組みが必要であると考えます。

また、素案では従来最大7万円分使えた敬老パス制度に対して、健康増進による活動でポイントを貯める仕組みに変更し、その給付の上限額を2万円としています。このような給付の急激な引き下げは、新たな「移動弱者」を生むことにもなりかねず、加えて、ITやデジタル機器に対してまだまだ不慣れな高齢者が多いことを踏まえると、このような方々に十分配慮した取組が不可欠であると思われます。

そこで質問ですが、敬老パス事業については、健康寿命延伸に向けた福祉施策として、活動が難しくなった高齢者への対応を含め、誰もが安心して活用でき、かつ支援を必要とする方々に行き届く施策とすべきと思いますが、どのようにお考えか伺います。

(8)障がい者スポーツセンターについて

我が会派では、共生社会の実現に向けた障がい者スポーツの振興について、関連する質疑をこれまで議会の場で重ねてきたところです。

新年度に向けては「障がい者スポーツセンター基本構想策定」に係る予算が計上され、障がい者スポーツセンターの実現が大きく前進することを期待してます。

また、国の動きも加速してきており、スポーツを通じた共生社会の実現に向けた取組をより一層進めるため、文部科学省において、障害者スポーツ振興方策に関する検討チームが立ち上げられ、関係団体へのヒアリングを経て報告書がまとめられたところです。

本報告では、障がいのある方とない方のスポーツを可能な限り一体のものとして捉え、「ともにする」スポーツとしての「ユニバーサルスポーツ」の考え方のもと、国、地方公共団体、スポーツ団体等の関係機関が十分に連携し、各施策を推進していくことが重要であるとの方向性が示されました。

さらには、スポーツ庁に設置されているスポーツ審議会健康スポーツ部会障害者スポーツ振興ワーキンググループにおいて、地域の拠点として、障がい者スポーツセンターを広域レベルで一つ以上整備することとして、その役割や期待される機能、必要とされる人材、国等による支援などの中間まとめが昨年公表されたところです。

我が会派は、かねてより共生社会の実現に向けて、ハード・ソフト両面から市民の実感につながるようなユニバーサルの取組を進めていくべきと強く要望してまいりました。

そうした中、札幌市では、多岐にわたるユニバーサル関連施策の全体を俯瞰して、ユニバーサル展開プログラムの策定、そして「(仮称)共生社会推進条例」の制定を検討しているところであり、障がい者スポーツセンターの整備については、これらの取組の具現化につながり、障がいのある方の一層の社会参加、ひいては障がいに対する理解を深め、共生社会の実現に寄与するものでもあることから、できるだけ早期に実現されるべきと考えます。

そこで質問ですが、障がい者スポーツセンターの実現に向けて、どのように取り組んでいこうというお考えか伺います。

(9)若者支援施策の推進体制について

昨年4月、国では子ども家庭庁が発足し、個人の幸福追求を支援することで、結果として少子化のトレンドを反転させることを基本的な方向としつつ、少子化対策を社会保障の一つと捉え、抜本的に強化する様々な取組が行われています。

さらに、こども政策の新たな推進体制に関する基本方針には、強い司令塔機能として、これまで別々に担われてきた政策をこども家庭庁に一本化することにより、一元的に推進することが明記されております。

こうした中、昨年暮れに決定したこども未来戦略には、急速に出生数が下がった2000年以降に生まれた人たちが30代を迎える2030年までに少子化トレンドを反転できなければ人口減少を食い止めらないと示され、またこども政策の強化に関する関係府省会議において、子育て支援策の効果分析をされている京都大学の柴田教授は、少子化対策は「2025年頃までがタイムリミット」であると更に厳しい指摘もされました。

さらに柴田教授は「少子化の根本的な原因は若者が雇用や働き方などの要因によって結婚や出産を諦めることにある」とし、少子化の背景にあるとみられる若者たちの将来不安の解消など、社会が抱える課題にも正面から取り組むことの重要性を指摘しています。

このような中、札幌市の若者支援については、市独自の若者支援総合センターや若者活動センター(Youth+)による活動支援や教育機関との連携、また、ひきこもり支援においては当事者によるピアサポートなど先駆的なものがありますが、一体的な取組に欠けるのではないかと考えます。

若者を巡る課題に対しては分野を跨いだ支援が必要であり、教育や子育て支援はもとより、労働環境の充実や住まいの確保等、その内容は多岐にわたります。

例えば、ひきこもり支援について、先進地域では強いリーダーシップのもと生活困窮者、不登校、学習や就労支援など、当事者に沿った領域横断的な取組により若者を支援しております。こうした重層的な支援は、関係機関の連携はもちろんのこと、その活躍を促し、若者を取り巻く状況の調査・研究、それに基づく若者政策のフォローアップ、若者を取り巻く状況を広く伝達するというマネジメント機能があってこそ、その効果が発揮されるものと思われます。

そこで質問ですが、このような様々な課題を抱える若者支援施策を推進するにあたり、札幌市においても担当部の設置などにより、その体制を強化するべきと考えますが、いかがか伺います。

(10)いじめ防止に向けた取組について

2021年に、いじめ被害を訴えていた中学生が自ら命を落としていた事案について、昨年12月、教育委員会は、いじめ重大事態の調査結果報告書を公表しました。

その際、教育委員会と保護者との間で断絶が起きてしまい、信頼関係が失われるような事態となったことは誠に遺憾であります。

秋元市長は、この一連の動きを踏まえ、教育委員会に対し、情報を学校全体で共有しチーム学校として対応する仕組みの構築や、報告書の黒塗り部分の再検討、教職員の処分の検討など、4点について指示を行いました。

この指示を受け、1月26日に教育委員会が示した取組事項には、子どもに関する心の健康情報の共有等について、市の関係部局と教育委員会との連携強化が盛り込まれており、市長の指示のもと、いじめ防止対策がさらに加速することを期待しています。

私は、教育委員会には政治的中立性、教育の継続性、安定性から首長から独立した権限が認められていることは理解しつつも、それが行き過ぎると、教育委員会と首長との相互の理解が十分でなくなり、連携が難しくなっていくことを懸念しています。

子どもたちの命を守り、学ぶ権利を保障していくためには、市民の代表である市長が、教育の取組に対し積極的に関わっていくことが必要であると考えます。

そこで質問ですが、市長としては、いじめ防止に向けて、教育委員会との関わりについてどのように考えているか伺います。

答弁

(1)令和6年度予算に対する市長の意気込みについて

〇令和6年度予算については、私の3期目最初の本格予算として、新たな方向に向けてスタートを切る取組も盛り込む予算としたところ。

〇「経済活性化」の面から言えば、コロナ禍で大きな影響を受けた経済の回復に向けて諸事業を進めるとともに、脱炭素社会の実現に向けて世界中から資金・人材・情報を呼び込むGX推進という新たな取組を計上。

〇特に、足元の物価高騰対策としては、市民生活を支えるために、国の補正予算を活用することによって、16か月予算を編成し、低所得の子育て世帯等に対する給付金や生活応援プレミアム商品券の発行のほか、人手不足業界における人材確保への対策も講じたところ。

〇令和6年度予算では、昨年12月に策定したまちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2023に掲げた事業のほぼ全てにも着手しているところであり、引き続き事業の着実な推進にしっかりと取り組んでまいる。

(2)GX金融・資産運用特区推進に向けた誘致と情報発信の強化について

〇金融機能誘致にあたっては、特区による取組をはじめ、北海道の持つ再生可能エネルギーのポテンシャルや投資案件、札幌の都市機能とその魅力を、海外の機関投資家や資産運用会社等に広く周知していくことが重要と認識。

〇そこで、海外向けのホームページ構築などにより情報発信体制を強化するとともに、多面的な誘致活動の展開のため人員体制を拡充し、大使館や海外資産運用会社等が集積する東京や、欧米やアジアの国際金融都市におけるプロモーションを実施していく。

〇また、札幌においては、市民向けフォーラム等の開催を通じ、脱炭素に向けた世界の潮流や、再生可能エネルギーの普及と経済成長の両立を目指すTeamSapporo-Hokkaidoの取組の周知を進め、市民の認知度向上、理解促進につなげてまいる。

(3)今後の海外企業誘致の取組について

〇海外企業誘致は、新たな雇用創出や地域活性化など経済の基盤強化につながり、また、多様な企業の立地が新たな経営モデルの確立や、働き方改革などの波及効果を生み出すことから、重要な取組と認識。

〇今年度の海外プロモーションの中で、複数の国の企業等が興味を示し、そのうちドイツバイエルン州の半導体関連団体が実際に視察に来るなどの成果もあったことから、改めて、札幌が持つ都市の魅力や投資先としての有望性を実感したところ。

〇こうしたことから、今後、より積極的な国際展示会への出展や札幌への進出を希望する企業のワンストップ相談窓口整備など、海外企業誘致の取組を強化してまいりたい。

(4)大規模災害に強いまちづくりについて

〇1点目の、大規模災害時の避難者支援について

能登半島地震では、感染症の予防やプライバシーの確保、家族や自身の健康状態により避難所での生活が難しいなど、様々な事情で避難生活を送る場所が多様化していると認識。

〇このような状況下では、避難先や健康状態の把握、物資や生活再建支援に関する情報提供などについて課題が生じ、円滑な支援の提供が困難となる恐れがある。

〇今後は、能登半島地震の検証をふまえ、NPOや民間企業などとの連携やデジタル技術の活用も含め、発災から復旧・復興に至るそれぞれの段階に応じた支援の在り方について検討を進めてまいりたい。

〇2点目の、地域防災力の向上について

大規模災害に対する消防団の対応力を強化するには、団員個々の災害対応能力の向上により、組織力の強化を図ることが重要であると認識。

〇そのために、大規模災害時の消火活動や救出・救助活動を想定した、より実践的な教育訓練を充実させてまいりたい。

〇さらに、新たに消防団専用の情報共有アプリの導入を進め、効率的な活動や訓練・研修のできる体制づくりに取り組み、組織力の強化を図ってまいりたい。

(5)丘珠空港ターミナルビルの機能強化に向けた取組について

〇丘珠空港ターミナルビルについては、滑走路延伸の2030年供用開始に向けて拡張の検討を進める必要があると認識しており、来年度は札幌丘珠空港ビル株式会社とともに、地域の意見等を踏まえ、必要な機能や規模を検討し、基本計画としてまとめたい考え。

〇その際には、今回の能登半島地震も教訓のひとつとして、危機管理上で必要な機能についても検討し、災害時に空港利用者の安全を確保し、地域住民への支援が可能な災害に強い空港を目指したい考え。

〇また、限られた空港敷地内で、これらの機能をできる限り兼ね備えたターミナルビルになるよう、国や札幌丘珠空港ビル株式会社と協議してまいりたい。

(6)市民の声を反映したまちづくりについて

〇札幌市が新たな100年に向け、様々な行政課題を乗り越えながらまちづくりを進めていくためには、市民の多様な声を幅広くお聞きし、ともに考え議論し、解決を図っていくことが必要と認識。

〇その過程においては、論点が整理されて合意形成が進むこと、あるいは、計画の見直しにつながることなど、様々な展開が想定されるが、その上で議会とともに政策決定を行っていくことは、市民の意見を市政へ反映する一つの重要な形であると考えている。

〇市民の年代や性別、地域、職域等の属性によって異なる様々な考え方や意見の見える化を図り、政策判断に生かすなど、市民の声の反映方法を幅広く検討し、課題解決につなぐことができるような仕組みを考えてまいりたい。

(7)幸齢社会を見据えた敬老パス事業の見直しについて

〇敬老パス事業の見直しに当たっては、身体的に活動が難しい方も新たな制度を活用して、精神的、社会的な健康を高めていけるような配慮が大切。

〇要介護認定を受けた方や一定の長寿に達した方には、日常生活動作が困難となることに配慮し、一定のポイントを提供することなどについても検討してまいりたい。

〇また、公共交通機関の利用が少ない方も、電子マネーを選択できるようにし、老後の活動を多面的に後押しできるようにしたい。

〇併せて、既に敬老パスを利用している方には、経過的な措置についても検討するとともに、スマートフォンなどに不慣れな方の不安を解消できるよう、きめ細かな取組を進める。

(8)障がい者スポーツセンターについて

〇共生社会の実現に向け、障がいの有無にかかわらず誰もがスポーツを楽しめる環境を整えることは重要であると認識しており、これまでも、パラスポーツ体験会や指導者養成講習会等の拡充、さらには、先日開催されたパラアルペンスキーワールドカップなどの大会誘致も行ってきたところ。

〇また、障がい者スポーツの環境整備に当たっては、他都市の先進事例調査や、障がいのある方、障がい者スポーツ団体等の意向調査を行い検討を進めてきたところ。

〇障がい者スポーツセンターの実現に向けては、これらの検討結果を踏まえ、障がい当事者を始め、その方たちを支える人材、競技関係者、医療分野の方々など多方面の意見を集約しながら「基本構想」を策定し、障がい者スポーツセンターのあるべき姿を示してまいりたい。

(9)若者支援施策の推進体制について

〇これまでも、札幌市では、次代の札幌を担う若い世代が将来に希望を持って暮らせるよう、若者の出会い創出など理想のライフプランの実現に向けた支援のほか、子育て支援の充実など、子どもを産み育てたい環境づくりに取り組んできた。

〇また、ニートやひきこもりなど、大人になる過程で、進学や就職、人間関係など様々な困難を抱える若者に対しては、若者支援総合センターを中心に、アウトリーチを含む相談や自立支援に取り組んできたところ。

〇今後、若者支援総合センターなど老朽化が進む若者支援施設の在り方調査を行うこととしており、並行して推進体制も検討しながら、引き続き、子ども未来局が司令塔となって、若者への重層的な支援を推進してまいりたい。

(10)いじめ防止に向けた取組について

〇いじめは絶対に許されないものであり、将来を担う尊い子どもたち一人ひとりの命が守られ、誰もが安心して自分らしく生きることのできる社会を目指したい。

〇これまで、相手を思いやり尊重することなど、子どもの権利の理解促進のほか、子どもアシストセンターに寄せられた悩みの解決に向けた調整など、教育委員会と連携して取り組んできたところ。

〇今後は、教育委員会との直接対話の場である総合教育会議を更に活用し、再発防止策の実施状況を検証しながら、地域と連携して、札幌市全体で子どもの命を守ってまいりたい。

2次世代につなげるさっぽろのまちづくりについて

質問

(1)デジタルを活用した行政サービスの高度化について

今後、札幌市でも本格的な人口減少の到来が見込まれ、それに伴い福祉課題を始めとする社会問題が多様化していくと想定され、本腰を入れて市民への持続可能な行政サービスの展開を考えるべき時期が訪れていると考えます。

そうした中、解決のカギを握る突破口となるのは、デジタルではないでしょうか。先般、我が会派では、デジタルを活用した先駆的な取組を実施している東京都江戸川区を視察しました。

同区では、ひきこもりによる社会的な孤立を防ぎ、段階的な社会参加を支援する場として、仮想空間、いわゆるメタバース空間を活用したオンライン居場所支援事業を実施しております。

また、昨年9月には、区長の強い思いにより、業務のDXを進め、「来庁不要の区役所」の実現を目指す「メタバース区役所」を立ち上げました。これは、メタバース空間上に疑似区役所を開設し、仮想の個別相談スペースを設け、そこで実際に区の職員や福祉関係者と、音声チャットで会話ができるというものです。

デジタルを最大限活用することにより、実際に自宅にいながらも区役所に手続きに行くのとまったく同じような行政サービスを提供することが可能となるものであり、このように社会の変化に合わせたデジタルの活用を積極的に進めていくことが重要と考えます。

これは一例ではありますが、札幌市の行政サービスにおいても、時代の変化に合わせ、市民サービスの提供の在り方を変えていく、また、その為に必要となる新しい価値を生み出していくという、発想の転換と長期的な戦略が必要ではないでしょうか。

そこで質問ですが、人口減少時代を迎え、時代の変化に合わせ、デジタルを活用した行政サービスの一層の高度化について、どのような方針により取り組んでいく考えか伺います。

(2)先進技術を活用した持続可能な雪対策について

市長は3期目の公約で「大雪にも強く、持続可能な除排雪体制の再構築」を掲げております。しかし、今後の人手不足は、持続可能な除排雪体制を維持するうえで深刻な状況になることが懸念されており、主な担い手である建設業界は、高齢化や入職者数の減少などに伴い、担い手不足が特に深刻となっています。

その対策として、業界の魅力向上といった担い手確保につながる施策も必要不可欠ですが、日々昼夜を問わず厳しい環境下で作業されている除雪従事者が、離職することなく長い間働いていただくためには労働環境改善に繋がる取組が重要と考えます。

また、人口減少局面を迎えている中、現状レベルの人材を確保し続けることは困難であるとの想定から、人材不足をカバーするため、作業の効率化につながる取組も非常に重要と考えます。

本市は「札幌市冬のみちづくりプラン2018」に基づき、課題解決に向けた各種取組を進めておりますが、他の道路管理者においても除排雪作業に係る労働環境の改善や効率化に取り組んでいます。

例えば、NEXCO東日本では、準天頂衛星システムを活用してロータリ除雪車の走行と作業操作を自動化させることにより、熟練運転技術や経験を必要とせずに乗務員を2名から1名に削減する取組を行っており、この冬から高速道路の一部区間において運用が開始されています。

また、北海道開発局では、除雪現場の省力化による生産性・安全性の向上を目的として、ホワイトアウトのような視界不良時に、乗務員が車載カメラやAIによって鮮明化した映像を確認しながら作業できる装置や、雪山に隠れた道路付属物や道路形状をガイダンスで伝えるシステムの導入等、除雪作業の負担軽減に向けた取組を進めております。

そこで質問ですが、「持続可能な除排雪体制の再構築」に向けた除雪事業者の担い手不足への対応策の一つとして、ICTなど先進技術の活用による除排雪作業の省力化・効率化や労働環境改善への取組について、今後どのように進めていくのか伺います。

(3)札幌市の交通について

先の総合交通政策調査特別委員会において、現在札幌市が策定中の「札幌市地域公共交通計画」に関する中間報告があり、そこでも言及がありましたが、札幌市の公共交通は、基軸となる地下鉄やJRに、後背圏からのバスネットワークを各駅へ接続することで、市民等の大量な移動需要を支えております。

また、公共交通機関を中心とした交通ネットワークを十分に機能させるため、駅前広場やバスターミナルといった交通結節点の整備など、拠点における取組にも力を注ぎ、利便性の高い交通体系の構築を図っているところです。

現況を見渡すと、北海道新幹線の札幌延伸の整備が着実に進んでおり、また、札幌の都心部と高速道路をつなぐ都心アクセス道路の整備や、交通の要衝となる札幌駅の新しいバスターミナル整備が事業化されるなど、未来に向けた交通施策の展開を実感しております。

このような中、近年、大雪の影響による渋滞発生や交通機関の運休、運転手不足による路線バスの減便など、移動を取り巻く環境に変化が生じています。昨年12月には、平日で300便のバスが減便したほか、短絡化(283便)も実施されるなど、市民生活に大きな影響が出たところです。

一方、新型コロナウイルス感染症を契機とした行動変容や情報化の進展によりオンラインでの活動が定着するなど、人々の価値観やライフスタイルが多様化しており、5類への移行後、アジア諸国を始めとするインバウンド需要も回復傾向が見られており、行き先や移動手段など、人々の移動にも変化が生じているところです。

魅力的な札幌のまちを次の世代に引き継いでいくためには、こうした目まぐるしく変化する社会の動きを的確に捉え、客観的なデータに基づく交通施策により、持続可能な交通ネットワークを確立していくことが重要です。

そのためには、市民がどこへ、どのように移動して、どういった活動を行っているのかを把握するための調査が欠かせないと考えます。

そこで質問ですが、過去にはパーソントリップ調査で人々の移動を把握していたと思いますが、札幌市として市内の移動の実態をどのように調査する考えか伺います。

(4)自転車通行空間の整備について

自転車は、通勤・通学、子どもの送迎をはじめ、最近では健康増進や環境保全への意識の高まりから広く活用されている一方、安心して走行できる通行環境の整備が課題であると考えます。

道路交通法上、自転車は軽車両であり、子どもや高齢者を除き原則車道の左側通行となっていますが、歩道上を急スピードで走る自転車もあり、市民からは非常に危険を感じるとの声が寄せられています。

札幌市では、平成30年に策定した「札幌都心部自転車通行位置の明確化の取り組み」に基づき、まずは自転車通行の問題が多い都心部において、車道に青色で明示した矢羽根型路面表示の整備を進め、今では中央区内の多くの場所で見かけるようになりました。

我が会派では、この矢羽根型路面表示が自転車の通行環境を整えていくうえで有効な施策だと考え、これまで議会でも主張してきたところですが、この表示の整備により、自転車の車道通行率が整備前の10%から40%に向上したとのことであり、その効果を実感しております。

昨年12月に策定した「札幌市自転車活用推進計画」では、安全な自転車利用環境の実現による魅力的なまちづくりを目指すため、具体的な施策の一つとして「自転車通行位置の明確化」を掲げております。今後一層、自転車通行空間の整備を進めていくことが期待されますが、限られた予算の中で、コストに配慮しながら多くの路線で整備を加速させるためには、効果的・効率的な取組が必要と考えます。

また、路肩の狭い道路においては、自転車が通行しやすい幅員を確保することも重要です。

さらに、これまで整備を進めてきた都心部だけでなく、郊外においても積極的に自転車通行空間の整備を展開し、歩行者や自転車にとって安全・安心な通行環境を確保していくことが重要であると考えます。

そこで質問ですが、今後の郊外における自転車通行空間の整備について、どのように進めて行くのか伺います。

(5)移動に制約のある方が旅行を楽しむための環境整備について

昨年、国土交通省観光庁が公表した「ユニバーサルツーリズムに関する調査業務」の報告書において、障がい者、高齢者へのアンケートから抽出された課題として、特に障がい者では全く旅行をしていない方を含むほとんど旅行をしていない方の割合は46.1%で、その理由として移動等が旅行の妨げになっている可能性が大きいことが浮き彫りになりました。

今後の超高齢社会においては、年齢や身体的な理由によって、様々な移動の制約がある方々の増加が見込まれており、旅行についても、行きたい場所に、今までどおりに出かけることが難しい方が増えてくることが想定されます。

そうした中、北海道観光振興機構では、我が会派では、かねてから注目していたケアを伴った旅行「ケアツーリズム」を打ち出し、具体的な取組として、病気や障がいがある人とその家族にとって活力となる旅としての「リハビリ・ツーリズム」や日々の介護からケアする方を解放し、お互いの癒しを創出する「レスパイト・ツーリズム」などが提唱され、専門職が同伴することにより、安全安心な旅行のお手伝いをするというもので大いに期待するところです。

選ばれ続ける観光地を目指す札幌市として、旅行に踏み出せなかった方でも出かけやすくなる仕組みや環境を整えることで高齢者や障がい者等、移動に制約のある方が快適に旅行を楽しめるまちづくりが今後、ますます重要で、こうした取組が住みやすいまち札幌に直結するものと考えます。

昨年9月に札幌市で開催された車いす街歩きイベントにおいて市長は「障がいのある方も楽しんで旅行できるような取組を、関係者の皆で広げていきたい」「皆が行きたい、来て良かった、住んでよかったと思える街にしたい」と発言され、障がい等の有無に関わらず、移動や滞在を楽しめるような街を作りたいという市長の思いを強く感じたところです。

そこで質問ですが、移動に制約のある方が旅行を楽しむための環境整備について、市長の意気込みを伺います。

(6)働く世代に向けたウェルネス推進について

市長は、今年の思いを象徴する漢字として「健」の字を挙げられましたが、人生100年時代と言われる中、高齢化の加速や健康意識の高まりなども相まって、市民の健康づくりは重要性を増しています。

札幌市では、まちづくり戦略ビジョンで掲げた、「誰もが生涯健康で、学び、自分らしく活躍できる社会」を実現するため、分野横断的に取り組むプロジェクトとして「ウェルネス」を位置づけています。

また、今年度策定したアクションプラン2023において、健康的な行動を促す「ソフト面」の対策と、健康的な行動を行う環境である「ハード面」の整備という両側面から、身体的、精神的、社会的な健康を図るべく多岐にわたる事業を盛り込み、今後本格的な取組を進めていくところです。

この取組の成果指標として、「市民の健康寿命」の延伸を掲げていますが、「健康寿命」とは「日常生活に制限のない期間」であり、これを伸ばしていくためには、健康不安を抱えてしまう前に、健康な状態をいかに長く維持していけるかが重要となります。

そのため、市民ができる限り早い段階から健康への意識を高め、普段から健康的に行動して予防していく生活習慣を身に着けていく必要があります。

一方で、自分の健康への関心が低い層に対して、いかにして健康づくりの取組や情報を届けていくのかは大きな課題です。とりわけ「働く世代」においては、今時点で健康な状態であれば、仕事や子育てなどに追われ、少なからず関心があったとしても、自分の健康は後回しになってしまうことが多いのではないでしょうか。

札幌市の健康寿命を延伸していくためには、結果として健康行動に取り組めていない層が多い「働く世代」に対して、これまで以上に工夫して取り組むべきであると考えます。

そこで質問ですが、今後、市民のウェルネスを推進するうえで、特に働く世代の健康づくりに対して、どのように取り組むつもりか伺います。

(7)これからの札幌市のヒグマ対策について

昨年は北海道だけでなく、全国的にクマの出没や人身被害が多発し、報道などでも大きく取り上げられました。中には市街地に出没して、通行人や住民の方が襲われた事例もありました。

札幌市の昨年4月からのヒグマの出没件数は、ここ数年で最多の227件に上り、例年出没の多い南区をはじめ西区でも1年を通じて出没が相次ぎ、私の地元、中央区の小学校のすぐ近くにも出没し、怖くて登下校が不安というお声も多数いただきました。

こうした中、周辺地域の方々は夜間の外出を控えたり、保護者が登下校時に見守りを行ったりするなど、市民生活に大きな影響を及ぼしたところであり、我が会派には市民の方達からヒグマ対策の強化を求める声が寄せられています。

昨年11月には北海道東北地方知事会から関係省庁あてに「クマ類の管理及び被害防止対策への支援に係る緊急要望」が提出されました。国においては、こうしたクマとの軋轢の増加を受けて、つい先日クマの管理の在り方として、指定管理鳥獣への追加方針を示しました。この流れを踏まえて札幌市でも、ヒグマ対策の強化に向けた動きを加速していくべきではないかと考えるところです。

札幌市のヒグマ対策は「さっぽろヒグマ基本計画2023」に沿って進められており、その推進にあたっては、昨年の第2回定例会における我が会派からの質問に対し「各分野で活躍されている専門家などからなる協議体を立ち上げて行う」という答弁があり、これを受けて昨年末にはその第1回目となる会議が開かれたところです。

クマに対してどう接していくかが問われている中、札幌市のヒグマ対策を戦略的かつ迅速に進めていくためには、こうした有識者の意見を踏まえながら効率的に行っていくことが重要と考えます。

そこで質問ですが、昨年末に立ち上げたヒグマ対策の協議会について、今後どのように活用し札幌市のヒグマ対策強化につなげていくのか伺います。

答弁

(1)デジタルを活用した行政サービスの高度化について

〇人口減少時代の到来を迎え、限られた資源の中で行政サービスの維持・向上を実現するためには、日々進化を続ける先端技術を可能な限り活用し、従来の枠組みを超えた発想で取り組むことが重要。

〇このため、民間の自由な発想や先進的なサービスに関する実証実験の提案を受け付け、官民が協働して新たな取組を検討する仕組みとして、DXラボを構築し、生成AIの活用検討等も進めているところ。

〇併せて、最新のデジタル技術やDXの基礎を学び、職場での実践について考える研修を通じ、職員が積極的にDXを推進することで、一人ひとりに最適なサービスを提供し、市民が利便性を実感できる市役所の実現に向け、力強く取り組んでいく考え。

(2)先進技術を活用した持続可能な雪対策について

〇担い手不足が懸念される中、雪対策を持続的に進めていくためには、作業の効率化・省力化や労働環境改善が不可欠であり、様々な先進技術の活用を検討することは重要と認識。

〇現在札幌市では、雪堆積場等選定システムによる運搬排雪の効率化のほか、スマートフォンで撮影した画像から路面状況等をAIにより解析し、作業の判断に活用するなどの検討を進めているところ。

〇今後も引き続き、日々進化する先進技術の活用に向け、北海道開発局や大学などの関係機関と連携し、除排雪作業の生産性向上に取り組んでまいる。

(3)札幌市の交通について

〇パーソントリップ調査は、都市における人の動きに着目した調査であり、「どのような人が、どのような目的で、どこからどこへ、どのような交通手段で」移動しているかなどを把握するもの。

〇札幌市では、パーソントリップ調査の結果を様々な交通施策の検討に活用しているが、前回調査から17年が経過しており、この間、人の移動や活動に関わる社会情勢の変化が生じているところ。

〇このため、令和7年度に北海道等と連携して、本市を含む12市町村で構成される道央都市圏を対象としたパーソントリップ調査を実施することとし、令和6年度は調査計画の策定に取り組む考え。

〇今回調査にあたっては、デジタル技術による効率的な調査の実施、パーソントリップ調査を補完する調査やビッグデータの活用、調査結果の更なる利活用など、新たな視点にも留意しながら取り組んでまいりたい。

(4)自転車通行空間の整備について

〇郊外においては、公共交通機関へ乗り継ぐ自転車利用者が多いことから、自転車通行空間の整備については、地下鉄駅等の周辺地区を対象とし、利用者の多い地区から効果的・効率的に進めていく考え。

〇また、整備に当たっては、矢羽根型路面表示の施工方法や使用材料の見直しなど、コスト縮減の検討を行うほか、自転車が通行しやすいよう道路空間再配分による路肩幅員の確保についても検討する。

〇今後は、これらを盛り込んだ整備計画を来年度の早い時期に取りまとめ、この計画を着実に進めることにより、安全で快適な自転車通行環境の実現を図ってまいりたい。

(5)移動に制約のある方が旅行を楽しむための環境整備について

〇共生社会の実現を目指す札幌市としては、誰もが快適に移動・滞在できる環境を整えることが重要であると認識。

〇これまで、専門資格を持ったヘルパーが同行する旅行サービスの創出支援を行い、さらに令和3年度からは、民間事業者が実施するこのサービスをふるさと納税の返礼品として採用している。

〇また、ANAグループと連携し、施設のバリアフリー状況や、目的地までの最適な経路情報などを「ユニバーサル地図ナビ」として発信しているところ。

〇これらに加え、来年度からは、宿泊施設のバリアフリー化等の支援を開始する予定であり、こうした取組を通じて、年齢や障がいの有無に関わらず、多様な観光客が、これまで以上に安全・安心・快適に移動・滞在することができる観光地づくりを進めてまいりたい。

(6)働く世代に向けたウェルネス推進について

〇「働く世代」は、将来の疾病予防という観点はもとより、家族や同僚などへの健康意識の波及が期待できる世代であり、積極的に働きかけを行うことが大切と認識。

〇そのため、市民向けの幅広い情報を発信するとともに、パートナー協定の締結企業に加え、新たに経済団体や「協会けんぽ」と連携し、企業を通じて、従業員に向けた健康づくりに関する情報を提供していく。

〇また、商業施設でのイベントや家族や同僚で参加する取組などを通じて、日常生活の中で健康意識を高める機会を増やすことで、「働く世代」の健康づくりを進めてまいりたい。

(7)これからの札幌市のヒグマ対策について

〇国がヒグマを指定管理鳥獣へ追加する方向性を示したことから、人とヒグマのすみ分けに向けて、対策をより強化していく必要があると認識。

〇今後は、ヒグマの専門家のほか、環境保全や教育の知識を持つ委員で構成される協議会の開催により、札幌市が進める取組への評価や見直しへの意見をいただくとともに、生息状況調査や、捕獲を含めた人の生活圏への侵入抑制策の拡充など、国の動きにも対応した取組を協議会にて検討していく考え。

〇さらに、北海道ともしっかりと連携を図り、情報を共有しながら、市民の安全・安心な暮らしを目指してまいりたい。

3健やかな育ちを支える子ども施策について

質問

(1)これからの子育て支援の取組について

①子育てDXを含めた子育て支援の充実

我が会派は、これまで妊娠から子育て期まで、切れ目のない子育て支援を行うための体制整備について提言してまいりました。

令和4年第2回定例会での代表質問に続き、令和5年第3回定例会の決算特別委員会において、我が会派から「母子保健施策と子育て支援施策を一体的に推進するための組織の再編について、今後の方向性を含めた考え」について伺ったところ、その答弁の中で「子ども未来局への母子保健事業の移管に向けた検討をより一層加速化させてまいりたい」との意気込みを聞かせていただきました。

この度、その移管が令和6年度から実現することとなりましたが、これについては多少時間がかかった感は否めないものの、一定の評価をするものです。

しかし、母子保健施策と子育て支援施策のさらなる連携、充実を図るには、体制づくりだけではなく、妊婦や子育て家庭に寄り添う、ニーズに合った取組を進めていく必要があります。

先に触れた決算特別委員会では、我が会派から、保育施設等における一時預かり事業の利用に関して、施設の空き状況の確認や予約ができるシステムの構築を要望しました。いま求められているのは、これまでの申請・窓口主義からプッシュ型への転換、いわゆる子育て支援のデジタルトランスフォーメーション、子育てDXや伴走型支援の取組と考えます。

そこで1つ目の質問ですが、この度の母子保健施策の子ども未来局への移管を契機に、更なる子育て支援の充実に向けて、子育てDXを含め、どのように取り組んでいくのか伺います。

②札幌市の「こども誰でも通園制度」の取組

我が会派はこれまで、切れ目のない子育て支援を行うためには、未就園児のいる専業主婦家庭でも保育園利用ができる制度の創設が必要である、と繰り返し提言してまいりました。令和5年第3回定例会の代表質問の答弁では、「一時預かり事業などを利用する保護者や関係事業者の声を丁寧に聞くとともに、国の検討状況を踏まえながら課題の整理を進めていく」との考えが示されたところです。

そうした中、国においては、子どもの良質な成育環境を整備するとともに、子育て家庭の孤立防止や負担軽減を図るため、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる「こども誰でも通園制度」を2025年度に創設し、2026年度から給付化する方針が示されました。

本市においては、潜在的待機児童解消や保育士確保等の課題整理をするとともに、持続可能な制度とするために早急な検討が必要です。

そこで2つ目の質問ですが、国がこの制度の本格実施を令和8年度からとしたことを受け、札幌市は今後どのように取り組んでいくのか伺います。

(2)人間尊重の教育について

我が会派では、全ての子どもが自分も相手も大切にしながら、それぞれの幸せを実現していくことが極めて重要であるとの考えのもと、「人間尊重の教育」の重要性についてこれまで何度も議会で取り上げてきたところです。

そうした中、教育委員会では「人間尊重の教育」を札幌市学校教育の基盤として位置付け、子どもや教職員の人間尊重の意識を高めることを大切にした教育活動を推進してきており、大いに評価しているところです。

特に、よりよい学校づくりに向けて、昨年度、市立の全ての小中学校の子どもたちの意見を集約し、子ども自身の手によって、さっぽろっ子宣言「プラスのまほう」を策定したことからも、教育委員会が自治的な活動を大切にしていることが伝わってきました。

今年度は、各学校において、このさっぽろっ子宣言に基づく自治的な活動を進め、それらの取組を共有するなど、活動を推進していると聞いており、子どもの思いや願いを大切にした活動が軌道に乗ってきていると感じるところです。

一方で、全国的に、いじめを背景とする深刻な事態の発生が後を絶たない状況です。先日、本市においても、いじめの重大事態の報告書が公表されましたが、子どものかけがえなのない命が失われたことについて、非常に重く受け止め二度とこのような事態が発生しないよう、あらゆる手立てを講じなければならないと深く心に期したところです。

第二期札幌市教育振興基本計画では、困りを抱えた子どもの増加を課題に挙げ、「誰一人取り残されない教育の推進」を前期アクションプランの重点項目としていますが、いじめだけでなく不登校なども含めて、全ての子どもが安心して自分のよさを発揮しながら学ぶことができるよう取り組んで頂きたいと思います。

さらに「人間尊重の教育」を推進していく上で、学校が、子どもの思いや願い、困りや悩みに真摯に向き合い、丁寧に対応していくことはもちろん、これからはそれだけではなく家庭や地域と一体となって、社会総がかりで子どもに向き合ってこそ、子どもの人間尊重の意識を高めていくことができると切に思うところです。

そこで質問ですが、今後、「人間尊重の教育」をどのように充実していくつもりか伺います。

(3)「札幌市学校施設維持更新基本計画」見直しの基本的な考え方について

今後の札幌市における年少人口の推移を背景として、札幌市教育委員会では、子どもたちの教育環境を整えるため学校規模適正化の取組を進めています。

また、学校施設を健全に保ち、児童生徒が安心して充実した学校生活を送ることができる環境を形成することを目的として、2016年3月に、2044年までを計画期間とした「札幌市学校施設維持更新基本計画」を策定し、学校施設の維持更新を行っているところです。

学校施設は、先の能登半島地震においても再認識されたように、災害時の避難所としても利用されるほか、市有建築物の配置の考え方として、学校を地域の中心に据え、改築や統合などのタイミングで児童会館やまちづくりセンターなど他の公共施設との複合化が進められるなど、子どもたちのみならず地域に住む住民にとっても極めて重要な施設であり、最も優先して整備保全されるべきと考えます。

また、近年の都市開発等により人口増が顕著な中央区の桑園地区や東区の一部地区等では、学習環境や設備の面で子どもたちに不便な思いをさせている学校もあるとのお声を多数うかがっているところですが、学校施設については、老朽化への対応のみならず、暑さ対策やトイレ環境の整備など、その役割や整備水準を時代の要請に合わせるほか、今後さらに懸念される建築費の高騰にも対応していく必要があります。

このような状況の中、教育委員会では「札幌市学校施設維持更新基本計画」の見直し作業を進めていると聞いています。

子どもたちの教育の場であるとともに、地域コミュニティの拠点として極めて重要な施設である学校を、長期的な視野に立って適切に維持更新していくことは大変重要であると考えます。

そこで質問ですが、「札幌市学校施設維持更新基本計画」についてどのような観点から見直しを進めているのか伺います。

答弁

(1)これからの子育て支援の取組について

〇1点目の子育てDXを含めた子育て支援の充実について

子育て支援施策のDXによって、子育て家庭などが必要な情報に素早く、簡単にアクセスでき、様々な行政手続をストレスなく行うことができる環境の整備は重要なことと認識。

〇札幌市では、子育て支援情報を集約した「さっぽろ子育て情報サイト」や、年齢等に応じた子育て情報をプッシュ型で通知する「子育てアプリ」を導入するなどし、情報発信を強化しているところ。

〇今後は、妊娠期から子育て期までを通じ、手続きに関するDXについて、先行自治体の事例も参考にしながら検討を進め、より子育てしやすい環境を整えてまいりたい。

〇2点目の札幌市の「こども誰でも通園制度」の取組について

国においては、令和8年度から、新たな制度として全自治体での実施を予定しており、それに向けて課題などを検証するため試行的事業を実施することとしている。

〇札幌市では、国の募集に応じ、令和6年度中に認可保育所など数か所での試行的事業の実施を予定しており、現在、事業の実施内容や事業者の募集方法などを検討しているところ。

〇この制度が子育て家庭にとって安心して利用いただけるものとなるよう、試行的事業を通して、利用者や事業者の声を十分に聞きながら課題を検証し、本格実施に向けた準備を進めてまいりたい。

(2)人間尊重の教育について

〇教育委員会としては、子ども一人ひとりが「自分が大切にされている」と実感できる学校づくりを一層推進する中で、教職員が、子どもの悩みや不安に寄り添いながら、子ども同士の学び合いを通して、他者を思いやる心を育むことが今後益々重要になると認識。

〇そのためには、学校だけでなく、子どもを取り巻く全ての大人が、見守り、支える体制を整えることが、子どもの安心感や自己肯定感の醸成につながり、人間尊重の教育の更なる充実に結び付くと考える。

〇具体的には、令和6年度からスタートするコミュニティ・スクールの取組において、協議を進めていく中で、子どもの思いや願いを受け止め、学校運営に反映できるよう取り組んでいく所存。

〇今後も、子ども一人ひとりの人間尊重の意識を高める取組を、学校や家庭、地域と一体となって進め、自他のよさや可能性を実感しながら、心豊かに歩み続けていける子どもを育んでまいる。

(3)「札幌市学校施設維持更新基本計画」見直しの基本的な考え方について

〇人口急増期に数多く建築された学校施設が、今後一斉に改築時期を迎えることから、施設の適切な維持管理を進めるためには、改築、改修事業の平準化が極めて重要であると認識。

〇今般の計画の改定では、施設の長寿命化をより一層図るため、仮設校舎を利用するなどリニューアル改修の内容を見直すとともに、改築事業についても今後の少子化を踏まえた長期的な視点での見直しを行う予定。

〇また、エレベータやスロープの設置などによるバリアフリー化に加え、トイレの洋式化など、さらなる環境整備にも取り組んでいく考え。

〇学校は、避難所機能や地域コミュニティの拠点など、様々な役割を担いつつ、子どもたちの学びと健やかな育ちの場であることを優先し、しっかりと計画の見直しを図ってまいりたい。