札幌公明

議会報告Assembry report

2025/09/30 令和7年第3回定例議会

令和7年第3回定例議会2025/09/30

代表質問くまがい誠一議員(中央区)

札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して くまがい誠一 議員が代表質問を行いました。
以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。

目次Contents

1市長の政治姿勢について

質問

(1)財政状況を踏まえた公共施設マネジメントについて

札幌市の令和6年度決算では、企業業績が堅調に推移したことによる法人市民税の増や、地価上昇等による固定資産税の増などを要因として、市税収入が過去最高額となりました。

これは、市民経済の活力が税収に結びついている証であり、高く評価すべき点です。

しかしながら、その一方で、将来に向けた課題も見受けられます。

一つは、いわゆる「札幌市の貯金」である財政調整基金の年度末残高が、令和5年度末から37億円減少し、令和6年度末で283億円となったことです。

現状では、直ちに深刻な数字とまでは言えないかもしれませんが、5年ぶりに300億円を割り込む水準であり、歳入が増加しているにもかかわらず財政調整基金の残高が減少している事実は、将来の財政運営の在り方について改めて考える必要があると考えます。

もう一つは、市債の状況です。

一般会計の市債残高はほぼ横ばいであるものの、その内訳を見ると、償還に当たって、次年度以降に全額地方交付税措置される臨時財政対策債が減少し、一定の割合で地方負担が生じる建設債が増加してきています。

札幌市の施設の多くは、指定都市への移行直後から建設されたものが多く、現在、老朽化が進行し、大規模な更新需要を抱えており、これらの更新に当たっては、建設債の発行が伴い、今後も残高が増加していくことが予想されます。

現在の社会経済情勢を鑑みると、物価、建設資材、人件費の上昇と併せて金利も上昇傾向にあり、建設債の残高が増えていくことは、将来世代への負担増を意味することから、建設債の発行にはより慎重な考慮が必要です。

本市が、今後の人口減少や経済状況の変化に対応し、将来にわたって健全な財政を維持するためには、市有施設の更新需要にどのように対応していくか、しっかりと検討する必要があると考えます。

そこで質問ですが、こうした財政状況を踏まえ、今後の施設更新の方向性を含めた公共施設マネジメントについて、その考え方を伺います。

(2)人口減少対策の今後の進め方について

今年3月に策定した「第3期さっぽろ未来創生プラン」に基づき、札幌市の人口減少対策を進める中、6月には「地方創生2.0基本構想」が閣議決定され、人口減少対策は新たなフェーズに突入したといえる状況にあります。

この基本構想では、人口規模が縮小しても経済成長し、社会を機能させる適応策を講じていくことの重要性や、若者や女性も含め、産官学金労言士等の地域の多様なステークホルダーが、「若者や女性にも選ばれる」地域となるため、自ら考え、取り組むことの必要性が強く打ち出されました。

本市が策定した「第3期さっぽろ未来創生プラン」においても、持続可能な都市の構築に向け、雪対策やごみ処理、公共交通ネットワークなどの様々な施策の見直しが示されていますが、行政だけではなく、地域の多様なステークホルダーを巻き込みながら、新たな発想や技術を活用した解決策を生み出していくことが必要であると考えます。

また、20代の若者の道外転出超過数が多いことや、女性の年齢階級別労働力率のグラフが依然としてM字カーブとなっている現状を踏まえると、若者や女性の意見・意向を捉え、活躍を推進していくことも必要不可欠であります。

こうした取組を進めるうえで重要なことは、将来を見据えた正しい現状認識が共有されていることでありますが、人口減少がもたらす課題は、一部の業種・業界のみの事態と認識されがちで、社会全体には浸透していないように感じているところです。

札幌市の令和5年の合計特殊出生率が過去最低の0.96を記録し、少子化の進行に歯止めがかからない状況を踏まえると、「第3期さっぽろ未来創生プラン」の想定よりも危機感を強めて、迅速かつ戦略的に対応策を講じていくべきと考えます。

国が「令和の日本列島改造」と銘打ち、危機感を持って地方創生2.0を強力に推進している中、基礎自治体である札幌市も強いリーダーシップを発揮し、市民・企業など地域の多様なステークホルダーの力を結集させながら、この危機的状況に対処していくことが必要です。

人口減少対策はもはや待ったなしであり、まさに今が将来を左右する重要な分岐点であるということを強く主張させていただいたうえで、質問でありますが、まず、市の人口減少の現状について市長がどのように受け止め、考えているのか伺います。また、若者や女性を含む多様なステークホルダーを巻き込み、協働しながら、人口減少対策を進めていくため、今後どのような戦略で取り組んでいく考えか伺います。

(3)札幌丘珠空港ビル株式会社の収益力の向上について

これまで我が会派では、丘珠空港ターミナルビルの機能強化について、現在のターミナルビルが抱えている課題や現在検討を進めているターミナルビル拡張など、様々な観点から質問をしてきたところです。

先の第2回定例会の代表質問においても、ターミナルビル拡張は滑走路延伸と連動しながら進めるべきとの立場で質問し、秋元市長からは、滑走路延伸の2030年供用開始という目標に合わせたターミナルビルの整備が重要と認識しており、国や札幌丘珠空港ビル株式会社と連携しながら、資金計画なども含めて、年度末を目途に整理したいとの答弁がありました。

ターミナルビル拡張に当たっては、施設管理者である札幌丘珠空港ビル株式会社が中心となって検討を進めているものと承知していますが、新ターミナルビルが供用開始されれば、建設主体である同社が建設費を償還していくこととなります。

同社の現在の主な収益は、現ターミナル規模での航空会社等への賃貸収入やお土産等の売上が柱となっていますが、今後想定する旅客数100万人に対応したターミナルビルの拡張には、昨今の建設資材の高騰も考慮し、多大な建設費が見込まれ、安定的に財務運営していくことは大きな課題であると考えます。

先日、新千歳空港など道内7空港を運営する北海道エアポート株式会社は、本年10月10日から空港駐車場の料金を改定すると発表し、駐車料金は約3倍の値上げとなる一方で、空港内での買い物や施設を利用した際に無料で駐車できる時間を大幅に拡大するなど、駐車場の混雑緩和を図りながら、同時に、空港の収益力向上に取り組むこととしました。

丘珠空港は共用空港で、新千歳空港と運営形態が違うことは承知していますが、将来にわたって安定的な運営を行うために、将来のターミナルビル拡張に伴う建設事業費を見据えて、収益力の強化に取り組むことが大変重要であると考えます。

そこで質問ですが、丘珠空港ターミナルビルの拡張を見据えて、運営主体となる丘珠空港ビル株式会社の収益力向上が必要と考えますが、筆頭株主でもある札幌市としてはどのようにお考えか、市長の認識を伺います。

(4)持続可能な雪対策の構築について

①気候変動を踏まえた生活道路の除排雪

これまで我が会派は、車両や歩行者の通行に影響を与える生活道路のザクザク路面対策をはじめ、市民生活に直結する冬季道路環境の充実について、繰り返し質疑で取り上げ、その重要性を主張してきました。

令和3年度の記録的な大雪では、車両が立ち往生するザクザク路面が多発し、道路交通や市民生活に大きな影響を与えました。

また、令和5年度には、厳冬期の2月中旬に気温が10度を超える季節外れの暖気によって、市内で一斉にザクザク路面が発生するなど対応に追われる状況となりました。

昨シーズンを振り返えると、1月下旬までは極端な小雪傾向で、例年であれば除排雪作業が本格化している時期にもかかわらず、パートナーシップ排雪の申し込みを取り下げる地域が多くありました。

しかし、その後、まとまった降雪や局地的な大雪などもあり、パートナーシップ排雪が行われた地域と、そうでない地域とでは、車道に残っている雪の厚さや通行幅などにおいて地域差が大きかったと認識しています。

このように、冬期間の気象はここ数年を見ても、極めて予測が難しく、特異な気象によるザクザク路面の発生などにより、市民の通行利用のほか除雪事業者の作業計画や進捗に大きな影響を与えているのではないでしょうか。

我が会派では対策として、降雪時の除排雪に加え、平時の路面整正作業が重要であると主張、速やかな実証実施も始まったところですが、課題は雪置き場の確保がパートナーシップ排雪に頼らざるを得ないということです。こうしたことを踏まえ、現在、新たな除排雪体制の構築に向けた検討が進められていることには、一定の評価をしております。

札幌市は昨年度、「生活道路除排雪の在り方検討会」を開催し、今年度からは常設の「札幌市雪対策審議会」を設置、幅広い議論と検討が進められております。今後の在り方検討においては、生活道路を利用する一般車両はもちろん、介護車両や緊急車両の通行を踏まえ、特異な気象によるザクザク路面の発生等に伴う通行支障への対策が重要な観点になると考えます。

加えて、審議会では、「市民ニーズや気象の変化に対応した除排雪手法の見直し」を課題の一つとして掲げており、昨今の大雪や暖気といった、気候変動を踏まえた除排雪に関する議論や特異な気象への備えが重要であると考えます。

現在、我が会派の提案により、札幌市は防災DX事業を推進し、最新の予測技術を活用した、風水害や地震被害に関する予測システム導入に向けた準備が進められており、積雪寒冷への対策も検討しています。今後は、気候変動対策を進める観点も踏まえた除排雪の在り方を検討し、持続可能な雪対策を構築すべきと考えます。

そこで質問ですが、気候変動を踏まえた生活道路の除排雪について、今後どのように取り組む考えか伺います。

②市民の意見・意向の反映

「札幌市雪対策審議会」による専門的な議論の必要性・重要性は重々承知しており、今後の展開について注視しているところですが、一方で、雪対策は市民にとって最も身近かつ関心度も高い重要施策であるため、市民が蚊帳の外になったまま議論が進行し、結論が導き出されることにならないか危惧しています。

有識者による専門的な議論だけではなく、市民の方々が自身の生活環境を鑑みながら、市民感覚として、今後、どのような雪対策を実現してほしいと考えているのか、そうした声をしっかり聞き取りながら政策を形成していくことの重要性を我が会派は一貫して主張してきました。

今年5月に第5次市民自治推進会議で答申された「新たな市民参加の仕組みについて」では、より多様な市民の意見を市政に反映させる仕組みを具体的な政策へ適用しながら、持続的に活用できる仕組みへ発展させることが提言されており、8月から「市民参加の仕組みづくりのための検討会」において、答申の具体化に向けた検討が進められているところです。

検討会では、「持続可能な雪対策の在り方検討」が議題として扱われており、市民の関心が最も高い重要施策の一つである雪対策において、新たな市民参加の仕組みを着実に実践し、適切な検証を行うことにより、今後のあらゆる施策検討のモデルケースとなることを期待しています。

広報さっぽろ8月号では、市民アンケートやワークショップの実施結果が示されており、まずは現状の市民の認識や意見・意向の把握に取り組んでいるものと認識しております。

しかしながら、人口減少下における持続可能な雪対策の検討は、今後の除排雪の在り方だけでなく、市民・事業者・行政による協働などについても幅広く議論してかなければならないため、正しい情報に基づき、冷静な議論が展開されるための工夫が必要と考えます。

そこで質問ですが、今後の施策検討における先駆的な例となる持続可能な雪対策の構築に向けて、どのように市民議論を進め、市民の意見・意向を反映していく考えか伺います。

(5)障がい者スポーツセンターについて

我が会派は、これまで共生社会の実現に向けた障がい者スポーツの振興について、議会で数多く取り上げてきました。一方、国においては、今年6月にスポーツの力をウェルビーイングの向上や多様な社会課題の解決に生かすことを目指して、スポーツ基本法を制定以来14年ぶりに改正しております。

この改正法の基本理念では、「障がい者をはじめとする全ての国民が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう、障がいの種類及び程度その他の事由に応じ必要な配慮をしつつ、共生社会の実現に資することを旨として、推進されなければならない」としており、スポーツによる共生社会の実現という考え方が新たに明記されました。そして10月には、日本パラリンピック委員会の委員長である河合純一氏がスポーツ庁の長官に就任することが決定し、障がい者への理解促進、共生社会の実現に向けた動きはより加速するものと考えます。

そうした中、過日、11月15日に開幕する「東京2025デフリンピック」の出場内定選手が、秋元市長を表敬訪問されております。その際、選手は「障がいのある方に希望を与えたい」と抱負を述べられ、市長の激励を受けたと伺っています。

障がいを抱えながらもスポーツに取り組む姿は、障がいの有無にかかわらず多くの市民に感動と希望を与えることでしょう。

今後、札幌市は先に述べた国の改正法に基づき、スポーツに関する施策の一層の推進を目指す必要があり、我が会派としてもその動きに大きな期待を寄せるところです。

中でも、重要施策の一つである障がい者スポーツセンターの整備は、障がいの有無にかかわらず、いつでも、誰もが、気軽に、安心して、スポーツを楽しむことができる環境を実現するための拠点となることから、会派として強く実現を求めてきました。国は、広域レベルで、地域の障がい者スポーツ振興の拠点としての「障がい者スポーツセンター」を1つ以上整備するよう提言しており、障がい者スポーツセンターは道都である札幌市にこそ設置すべきと求めるものです。

現在、札幌市では障がい者スポーツセンター基本構想策定に向け検討していると承知していますが、スポーツ基本法の改正というこの機を逃すことなく、障がい者スポーツセンターの整備に向けた取組を、力強く進めるべきと考えます。

そこで質問ですが、障がい者スポーツセンターの整備に向け、今後どのように取り組んでいくお考えか伺います。

(6)札幌市の公共空間における喫煙対策について

令和2年4月に改正健康増進法が全面施行され、以後、全国の主要都市において、公共空間での受動喫煙対策が次々と実施されています。大阪市では道路などあらゆる公共空間全てを完全禁煙、横浜市や川崎市でも全ての公園を禁煙とするなど、市民の健康増進と快適な環境づくりをまちづくりの優先施策として具体的な対策を既に実現しており、市民理解も着実に進んでいます。

しかし、札幌市では、平成17年に施行された、通称「ポイ捨て等防止条例」による規制のみで、喫煙制限区域といっても、都心の極めて限定された一部にとどめております。

改正健康増進法の主旨を汲み取り、具体的にまちづくりに落とし込んで、すでに一定の形に仕上げている他都市の取組との差は歴然であり、極めて残念としか言いようがありません。

昨年3月に策定された「第2次札幌市がん対策推進プラン」においては、ガンが札幌市における死亡要因の1位であるとし、中でも男女ともに「肺ガン」による死亡数が最も多く、全国平均と比較しても多い点を問題視しています。喫煙がガンのリスク因子であることは明らかであり、男女ともに高い札幌市の喫煙率やそれに伴う望まない受動喫煙の防止など、たばこ対策を進める必要があると結論づけています。

また、札幌市は国際的な観光都市であります。様々な観光イベントが開催される大通公園には、市民はもちろん観光客も一年を通して訪れます。しかし、残念ながらその大通公園や公園周辺における喫煙マナーの悪さが目立ち、市民や観光客からの苦情が後を絶ちません。街のイメージを損ねてる原因ともなっています。

札幌の顔と言える大通公園ですら、たばこ対策が十分に実施されていない現状は、横浜市や大阪市等の他都市から見ると「札幌市さん、大通公園をなぜ禁煙にしないんですか」と訝しがることでありましょう。

札幌市民が公園をはじめとする公共空間で快適に過ごせるだけでなく、札幌市が「自然豊かで美しい空気の美味しい街」というイメージを維持し、さらに向上させていくためには、喫煙対策の強化が不可欠であります。

そこで質問ですが、観光地や公共空間、特に人が集まる市の中心部の喫煙規制を強化して、受動喫煙による健康被害の不安を取り除き、快適な生活環境を守るとともに、観光地としての魅力を高める必要があると考えるがいかがか伺います。

答弁

(1)財政状況を踏まえた公共施設マネジメントについて

〇札幌市では、政令指定都市移行後に、重点的に整備した公共施設の更新需要が、近年、本格化しており、その対応と物価高騰等に伴う工事費の増加への対処が必要であると認識。

〇このため、計画的な保全による長寿命化や、施設の建替えに当たっての必要な機能の統合化・集約化により、維持費や建設事業費を抑制することなどに取り組んでいるところ。

〇加えて、施設の利用状況を再確認するとともに、施設設置当初の意義が薄れていないかなどを考慮した上で、行政が担い続けるべき施設を選択して、維持・更新することが重要であり、その取組を進めているところ。

〇今後とも、将来世代に過度な負担を残さぬよう、これらの取組を引き続き進めてまいりたい。

(2)人口減少対策の今後の進め方について

〇人口の自然減が拡大する中、大幅な社会増が見込めない状況に強い危機感を持っているところであるが人口減少対策は即効性を求めることが難しく、長期的な視点で効果を見極める必要があるため、多様なステークホルダーの現況や社会経済の変化を綿密に捉えながら、適宜、人口減少の総合戦略を発展させていく考え。

〇現在は、市内シンクタンクと共同で国、北海道、民間企業の知見・経験を結集させ、少子化対策の研究を進めていることに加え、市独自で過去10年間の取組の効果検証や若者・女性の潜在的なニーズを捉える調査・分析を行い、今後の人口減少対策に有意な施策を見定めているところ。

〇これまでも、官民連携窓口を通じた民間事業者との協働や、大学との連携による地域課題の解決に取り組んできたところであるが、これらの研究や調査・分析結果を多様なステークホルダーと共有し、協働していくことで、人口減少対策の実効性をさらに高めてまいりたい。

(3)札幌丘珠空港ビル株式会社の収益力の向上について

〇丘珠空港ターミナルビルの拡張については、現在、札幌丘珠空港ビル株式会社と札幌市が連携しながら、基本計画及び資金計画の検討を進めているところ。

〇この検討に当たっては、丘珠空港ビル株式会社の安定的な運営とターミナルビル拡張に伴う費用負担のバランスを図る必要があり、ビルの拡張には多大な費用が見込まれることから、いずれにしても同社の更なる収益力の強化は不可欠と認識。

〇今後、他空港の事例なども参考にしながら、物販や広告を始めとした収益力の更なる向上について、札幌丘珠空港ビル株式会社と連携して取り組んでまいりたい。

(4)持続可能な雪対策の構築について

〇1点目の気候変動を踏まえた生活道路の除排雪について

昨今の極端な気象状況に対応するには、気象予報をもとに、臨機な除排雪作業により、車両や歩行者の通行を速やかに確保することが重要と認識。

〇しかしながら、現行の冬季道路の管理手法はパートナーシップ排雪制度を中心としているため、急な降雪や道路状況の変化に応じた臨機な対応を行う場合、町内会などと調整した作業工程へ大きな影響を与えることになる。

〇そこで、パートナーシップ排雪制度によらず、札幌市が作業工程を町内会のエリアにとらわれない形で調整することで臨機な対応が可能か、今シーズン一部の地域で試験施工を行い検証を進める考え。

〇今後は、札幌市雪対策審議会において、試験施工の結果なども踏まえながら、効果的で持続可能な生活道路除排雪の在り方について、引き続き議論を進めてまいりたい。

〇2点目の市民の意見・意向の反映について

持続可能な雪対策の構築に向けた市民議論に当たっては、生活道路の除排雪をはじめとした市民にとって身近な課題や、担い手不足や財政状況といった将来的な課題があることに加え、ライフステージや居住形態などによって様々な意見があることを踏まえて、丁寧に対話を進めていく必要がある。

〇このため、現状の課題や将来的な見通しなどの情報を継続的に広報しながら、アンケートやミニ・パブリックスを適宜行い、その結果なども審議会で議論していただくことで、多様な市民の意見・意向を踏まえた納得感のある雪対策を構築していく考え。

〇引き続き、「市民参加の仕組みづくりのための検討会」や「雪対策審議会」において市民の意見・意向を捉えるための具体の取組を精査・分析しながら実効性を確保したうえで、将来的には、雪対策以外の施策検討においても活用できる仕組みを構築してまいる。

(5)障がい者スポーツセンターについて

〇障がい者スポーツの振興をさらに進める拠点として、障がい者スポーツセンターの整備が必要と認識しており、その考え方を示す基本構想を早期に策定してまいりたい。

〇一方、施設整備の実現までには一定の期間を要することから、当面は、既存施設を活用して暫定的な拠点を設置し、気軽にスポーツを行う機会を提供するとともに、障がい者スポーツを支える人材の育成や関係者の連携体制の構築などを先行して進めていく考え。

〇その検討にあたっては、障がい者スポーツ団体や医療・教育分野の有識者などからなる検討会議を本年6月に新たに立ち上げたところであり、いただいたご意見を基本構想へ反映するとともに、その後の取組にも生かしてまいりたい。

(6)札幌市の公共空間における喫煙対策について

〇札幌市では、令和2年に「さっぽろ受動喫煙防止宣言」を行い、受動喫煙防止のため、配慮し、行動すること、特に子どもや妊婦を受動喫煙から守ることを目指し、市民、事業者及び行政が連携協力しながら受動喫煙防止の取組を推進しているところ。

〇観光地や公園など屋外の公共の場所においても、望まない受動喫煙を防止し、市民の健康を守るとともに、観光都市さっぽろにふさわしい環境を確保する必要があると認識。

〇まずは、特に人が多く集まる都心部について、喫煙制限区域の見直し等、早期に実効性のある対策が行えるよう検討を進め、たばこを吸う人も吸わない人も快適に過ごせる街を目指してまいりたい。

2命と健康、平穏な暮らしを守るための取組について

質問

(1)新興感染症の検査機能の強化について

新型コロナウイルス感染症が5類感染症となり2年が経過しました。

こうした世界的パンデミックへの過酷な対応・経験から、今後の健康危機に的確に対処できるよう、札幌市としてもあらかじめ入念な準備を整える必要があると考えます。

コロナ禍を経て、国は、地域保健法や感染症法などの大規模な改正を行い、国、地方公共団体及び関係機関など、相互間における役割を明確化しながら、さらなる連携の強化を進める一方、保健所を地域における感染症対策の中核的機関として位置づけ、また、衛生研究所を感染症対策における科学的かつ技術的に中核となる機関として位置づけ、試験検査等の業務を行うものとし、それぞれの役割が十分に果たされるよう、都道府県・保健所設置自治体に対して機能強化を強く求めております。

札幌市は、令和6年3月に感染症予防計画を定めるとともに、今年3月には保健所及び衛生研究所の健康危機対処計画を策定し、更に現在は、新型インフルエンザ等対策行動計画及び業務継続計画などの改定に取り組んでいるとのことです。

保健所健康危機対処計画は、予防計画の実効性を担保するため、新興感染症の流行開始から1か月間において想定される業務量に対応する人員体制を積算し、全庁による応援体制の更なる充実などが図られております。

一方で、衛生研究所健康危機対処計画では、所内における人員配置の工夫と平時の研修等により検査能力の向上を図る内容にとどまっており、十分な内容とは言えないように感じております。

これまで、我が会派は一貫して新興感染症対策のエビデンスとなる検査機能の強化を求め、衛生研究所の機能強化について質問・意見をしてまいりました。

新興感染症の発生初期では、流行の広がりを把握するため、科学的に有効な検査データを収集し、感染症サーベイランスの体制をしっかり構築した上で、拡大防止に向けた対策について検討を始める必要があるものと考えます。

検査は民間を活用する想定もありますが、地方自治体の果たすべき役割として、まずは、健康危機の際に初期の検査を担う「公的」検査体制を整えることが大変重要であり、市が持つ検査機能を強化するための、実効性ある取組にできるだけ早く着手する必要があると考えます。

そこで質問ですが、今後、起こり得る新興感染症の発生に備え、公的検査機能の強化・体制拡充についてどのように考えているのか伺います。

(2)人とヒグマのすみ分け推進について

質問に入る前に、西区の平和丘陵公園でヒグマによる人身事故の被害にあわれた方に、心からのお見舞いを申し上げます。

今年9月から、鳥獣保護管理法が改正され、市街地に出没したヒグマを条件付きで銃器により捕獲することを可能とする緊急銃猟制度がスタートしましたが、札幌市によると、緊急銃猟制度の適用はライフル銃の跳弾による二次被害防止の観点等から、実施可能な場面がかなり限定的になることが想定されるため、今後もヒグマを市街地に出没させないための対策が重要とのことでありました。

札幌市では、令和3年6月に発生した市街地におけるヒグマ出没とこれに伴う人身被害などを踏まえて「さっぽろヒグマ基本計画2023」を策定し、人とヒグマのすみ分けによる安全安心な暮らしを目指して、他自治体に先駆けてゾーニング管理を導入しています。

札幌市のヒグマ対策については、このゾーニング管理の考え方のもと、人の生活圏へのヒグマ侵入抑制策の推進、市民の安全を第一とした迅速かつ適切なヒグマ出没対応の実施、ヒグマについて考え行動する市民の意識醸成を基本目標として、家庭菜園向けの電気柵の普及や市民と協働した緑地の管理など、様々な取組がすすめられております。

しかし、北海道内に目を向けると、ヒグマによる人身事故は毎年発生しており、今年度も道南福島町や知床羅臼岳において尊い命が失われたばかりです。

この背景には、電気柵の普及等の対策が進んでおらず、ヒグマが人の生活圏に容易に侵入できたことや、観光客がヒグマに近づきすぎるためにヒグマの人への慣れが進んでいることなどが原因の一つとして指摘されており、人の生活圏への侵入抑制策やヒグマについて考え行動する住民や観光客の意識醸成の重要性を改めて認識させられたところです。

そんな中、先週札幌市の市街地でも、ヒグマによる人身事故が発生しました。たいへん衝撃的な出来事ではありましたが、このような事故が起きてしまった背景には、そもそもヒグマが、生息可能な森林の環境収容力を超えて繁殖してしまったため、人の生活圏のすぐそばにまで生息域を拡大しているのではないかと考えています。

北海道では昨年12月に北海道ヒグマ管理計画を改定し、人とヒグマのあつれき低減のための一手法として個体数管理を導入していることから、札幌市においても、今後、人とヒグマのすみ分けのため、ヒグマの個体数管理の必要性を検討しなければならないのではないかと考えるところです。

そこで質問ですが、札幌市において、今後どのように人とヒグマのすみ分けを推進していくのか伺います。

答弁

(1)新興感染症の検査機能の強化について

〇新型コロナウイルス感染症の流行が始まった初期には、医療機関から求められる検査に応えるため、衛生研究所は24時間休日なしで対応した。

〇新興感染症の発生など、健康危機に対応するためには、平時から検査機能の維持・強化を図るなど、しっかりとした体制を構築することが重要と認識。

〇具体的には機材の導入や人員の確保等に努めた上で、実践型訓練の実施などにより人材育成を進め、検査機能を十分発揮できるよう努めてまいりたい。

(2)人とヒグマのすみ分け推進について

〇まずは、ゾーニング管理のもと、電気柵普及や緑地管理等をこれまで以上に進めていき、ヒグマを市街地に寄せ付けない対策をしっかりと行うことが重要と認識。

〇また、今年度から、北海道と連携して、ヒグマの生息状況調査を実施しており、札幌市周辺における個体数の推定に向けた取組を進めているところ。

〇今後は、この推定結果を踏まえ、市街地への出没抑制のための捕獲等、個体数管理の方向性を検討し、人とヒグマのすみ分けを図る取組を推進してまいりたい。

3住み良いまちに向けた取組について

質問

(1)地下鉄の暑さ対策について

近年、札幌でも真夏日や猛暑日が増加しており、この夏も真夏日が1876年の統計開始以来最も多い35日間を記録し、101年振りに記録が更新されたとのことです。今後、こうした傾向は続くことが予測されており、これまで我が会派としても学校施設へのエアコン設置やクーリングシェルターの指定など、様々な暑さ対策を強く求めてきたところです。

こうした中、地下鉄車内における暑さが耐え難く、暑さ対策を求める声が、観測史上最高の36.3℃を記録した令和5年の夏には100件以上、今年度に至っては真夏日の日数が最多となったこともあり、8月末時点で140件以上の声が寄せられています。

わたし自身も地下鉄を利用しますが、暑い日はサウナのような状態で、暑さと不快さに耐えながら乗車をしております。

日常的に地下鉄を利用する方々、特に高齢者や小さなお子さんを連れた利用者の方からは、「夏の地下鉄は暑くてつらい」「体調に不安がある」との声が数多くあると聞いています。冷房設置は単なる快適性の問題にとどまらず、熱中症リスクの観点からも、市民の健康と安全を守るための重要な施策であると考えます。

一方で、冷房装置の設置に伴う初期投資やランニングコスト、車両改造の可否など、財政面・技術面の課題があることも承知しております。また、札幌市交通事業経営計画において、南北線の新型車両への更新時に冷房の導入を検討されているとのことですが、仮に新型車両の更新時から導入するとしても他路線を含む全ての車両に設置されるまでの具体的な見通しは立っておりません。

そこで質問ですが、全国の主要都市の地下鉄では既に冷房車両が一般的であり、また、地下鉄の乗車人員もコロナ禍前にほぼ回復し、多くの観光客も利用する札幌市営地下鉄においても冷房装置を設置すべきと考えますが、いかがかお伺いします。

(2)居住サポート住宅の推進について

高齢者、障がい者など、賃貸住宅の入居に際して課題を抱える「住宅確保要配慮者」への居住支援に関しては、全国的にその重要性が益々高まっており、我が会派としても、これまでたびたび議会で取り上げてまいりました。

令和6年第2回定例会の代表質問において、我が会派から質問したように、高齢単身世帯などの入居に対して、依然として大家の拒否感が高いとの声があることを背景として、このたび、その解消に向けた様々な制度の創設を伴う法改正がなされ、いよいよ明日、10月1日から施行されます。

今回の改正において、一番の目玉であります居住サポート住宅は、大家が居住支援法人などと連携して、入居者に対して安否確認や見守り等のサービスを提供することで、入居する要配慮者にとっては心身や生活の状況に応じた支援が得られ、また、大家にとっては孤独死などの入居後の不安が軽減されるという、要配慮者と大家の双方の安心に繋がる制度です。

また、令和5年に国が実施した「住宅・土地統計調査」によると、札幌市に約113万戸ある住宅のおよそ1割が、借りる方がいないために空き家となっている賃貸住宅とされています。

こうした空き家についても、今回創設される「居住サポート住宅」としての活用が期待されるところであり、より多くの賃貸住宅が「居住サポート住宅」として要配慮者を受け入れられるよう、札幌市として認定に向けた取組を進めていくことが肝要と考えます。

そこで質問ですが、住宅セーフティネット法の改正に伴う「居住サポート住宅」の普及に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか伺います。

答弁

(1)地下鉄の暑さ対策について

〇札幌市営地下鉄は1971年の開業以来、路線の新設や車両更新を重ねてきたが、札幌の夏が比較的冷涼であることなどから、車両の冷房は設置していない状況。

〇しかし、世界的な気候変動による近年の猛暑により、夏場の車内環境が大きく悪化しており、重く受け止めている。

〇札幌市の地下鉄は独自のゴムタイヤ方式による重量制限や設置スペースの余裕が無いことから、既存車両への冷房設置には技術的にも経費的にも難しい課題がある。

〇先ずは、車両更新を予定している南北線の冷房設置について、車両全体の軽量化を含めた技術検討を進めているところ。

〇東西線・東豊線の既存車両についても、快適な車内環境の実現に向けて、技術開発の動向を見ながら様々な角度から冷房設置の可能性を検討してまいります。

(2)居住サポート住宅の推進について

〇居住サポート住宅の普及に向けては、新たな制度を広く知っていただくことが重要であるため、札幌市居住支援協議会のネットワークを活用し、住宅や福祉の関連団体と意見交換を行うとともに、関係者への周知を進めている。

〇また、見守りサービスなどの担い手である居住支援法人に対して、説明会を開催するなどの取組を進めており、その結果、複数の法人から認定取得についての問い合わせをいただいているところ。

〇今後は、こうした取組に加え、オーナーと居住支援法人の効果的な連携やモデル事例の紹介などを行い、居住サポート住宅の普及に取り組んでまいりたい。

4もっと訪れたくなるまちづくりについて

質問

(1)札幌の強みを生かした新MICE施設について

先の経済観光委員会では、札幌市が誇る食や観光といった魅力から、MICE開催の潜在的な需要が高いにもかかわらず、既存の施設の立地や機能的な制約から、これまで多くの大規模な国際会議の開催機会を取り逃がしてきたとの説明があったところです。こうした課題を克服するためには、新たな施設整備が不可欠であるという市の考えは、理解できるものであります。

しかしながら、札幌市の未来にとって重要な事業であると認識する一方で、その整備には巨額の財源を要することから、市民の関心も非常に高く、特に、昨今の物価高騰などにより、多くの市民が日々の暮らしに厳しさを感じている中で、「なぜ今、これほどの巨額の投資が必要なのか」という、素朴かつ切実な疑問の声が私の元に聞こえてきています。

これまでの市の説明では、市民感覚として、新たなMICE施設の必要性について、十分な納得感が得られているとは、まだ言い難い状況にあると認識しています。

市民の理解を得ながら事業を進めていく上では、新たなMICE施設の整備が市民にとってどのようなメリットをもたらすのか、経済波及効果以外の効果も含めて、これまで以上に丁寧に、そして具体的に説明していくことが不可欠であります。

その上で、こういった状況の中でも必要な投資なのだということであれば、将来世代への負担を軽減し、MICEがもたらす効果を市民が持続的に享受できるよう、より一層の工夫と検討が必要と考えるところです。

そして、全国の都市との激しい誘致競争を勝ち抜いて多くのMICEをこの札幌に呼び込み、この大規模投資が真にその価値を発揮するためには、単に大きな施設を建設するというハード面の整備だけではなく、本市の産業振興に寄与する分野に重点を置いた誘致戦略やこれに関連する学術・関連機関との連携強化も極めて重要であります。

そこで質問ですが、この点に関して、札幌市が有する独自の優位性を最大限に生かしたMICE誘致について、どのような考えをお持ちであるか見解を伺います。

(2)持続可能な観光の推進について

観光客の動向については非常に好調で、今年の訪日外国人客の上半期の入込累計は、過去最速の6カ月で約2,100万人を超え、年間で4,000万人を超える勢いで推移しているほか、1月から3月までの期間の訪日外国人客旅行消費額は、昨年度同月比28.4%増の2兆2,700億円となっております。

札幌市においても、国の調査では、昨年を上回る数値で推移しております。

このような状況の中で、我が会派としては、観光まちづくりプランの目標である観光消費額1兆円を目指すためには、今こそ、さらなる対策が必要であると考え、調査と検討を重ねてまいりました。

まずは、消費単価の高い訪日観光客を含め観光客をさらに伸ばすには、観光客の増加によるさまざまな課題を解決する必要があります。

国内の主要観光都市では、増加する観光客の影響による人気観光地に向かう路線バスの混雑や、特定時期のイベント集中によるホテル予約等の混乱のほか、ゴミの放置や交通機関の乗車時のマナーなどに関する問題が顕著になっています。札幌市においても、冬季間の定山渓方面のバスが混雑し、市民が一部乗り残しになるなど乗車しにくい状況や、公共空間でのマナーなどの課題が生じているところであります。

また、市内中心部の一部のグルメスポットでは、観光客の行列でこれまで利用していた市民が利用しにくいといった問題も生じており、特定のエリアや時期・時間帯に集中する観光客を分散化する取組も必要ではないかと思います。

観光まちづくりプランでは、持続可能な観光地経営の推進として、地域が一体的・戦略的に取り組める組織体制としてDMOの設立、観光人材の確保・育成、観光に対する市民理解の促進、観光振興のための財源の確保などといった施策が示されていますが、計画の策定当時にはオーバーツーリズムといった課題は、顕在化しておりませんでした。

今後においては、市民が観光の重要性や市民生活とのつながりの深さなどについて理解を深めるための取組のほか、観光客の増加によって、市民生活に大きな支障が生じないようにする取組も大変重要であり、令和8年4月から導入予定の宿泊税を活用して、さらに取組を強化していくべきと考えております。

そこで質問ですが、市民生活に配慮しつつ、観光が地域経済にさらなる貢献をしていくため、今後、持続可能な観光をどのように推進していくのか伺います。

答弁

(1)札幌の強みを生かした新MICE施設について

〇新MICE施設は、単に会議や展示の場にとどまるものではなく、国内外から多くの人材や知恵、技術が札幌の地に集い、交流し、新たな価値を創り出す拠点となることを期待しているところ。

〇このため、MICE誘致の推進に当たっては、食や観光など札幌の強みを生かす分野に加え、今後の成長が期待されるGXや健康福祉・医療といった分野を重視するとともに、宇宙科学やライフサイエンスなど、札幌が優位性を有する学術領域の学会の誘致にも積極的に取り組んでまいりたい。

〇今後は、こうした多様なMICEの開催を通じ、経済波及効果の創出にとどまらず、学術・産業・文化の発展に寄与することで、新MICE施設を市民の誇りとなるものにしてまいる所存。

(2)持続可能な観光の推進について

〇観光を持続的に発展させていくためには、観光消費を一層高める施策などによる経済波及効果の追求にとどまらず、社会的・環境的側面にも十分に配慮することが重要であると認識。

〇しかし、市内においては、観光客が集中することで市民生活に影響を及ぼす事例も見受けられることから、これまで、混雑する交通路線における手ぶら観光の推進や専用バスの運行など、市民生活への影響を緩和する取組を進めるとともに、イベント開催に際しては環境負荷の軽減にも努めてきたところ。

〇今後も、観光客の満足度向上を図りながら、観光が市民生活に与える影響に対して適切に対応するとともに、観光の重要性について市民理解を深める取組を進めることで、市民と観光客の双方にとって快適で持続可能な観光都市を目指してまいりたい。

5次世代につなげるさっぽろのまちづくりについて

質問

(1)未来を見据えた環境政策について

①太陽光発電の導入拡大

世界的に猛暑となった本年の夏、札幌市においても記録的な暑い夏となりました。

文部科学省と気象庁の合同研究チームでは「地球温暖化が無いと仮定した場合、今夏の高温はほぼ発生し得ない」とし、近年の気温上昇は温暖化の影響であり、高温となる頻度は人知を超えていると結論づけております。

このように地球温暖化が加速しているため、気候変動対策、とりわけ脱炭素に向けた取組を進めていくことは、人類が生存していくうえで、まさに差し迫った課題となっております。

一方で、国は脱炭素社会を推し進めるため、カーボンプライシング政策の制度設計を急速に推進しており、2026年度からの本格導入が予定されております。

積雪寒冷地である札幌市はエネルギーを他都市より多く使用するため、持続的な都市の発展はもちろん生活者の生活を守るためにも再生可能エネルギーを推進する政策は大変重要です。

特に札幌市で取り組んでいる既存建物を利用した太陽光発電の導入拡大は建物の表面を最大限活用するため環境負荷が抑えられた大都市特有の施策であり、普及を推し進めるべきと考えます。

近年における太陽光発電の技術革新は目覚ましく、次世代型の太陽電池の開発が日本においても進められているところです。その一つとして資源が少ない日本においても競争力を高め、世界に打って出ることができるペロブスカイト太陽電池については軽量性、柔軟性、高効率であることから大きな期待が寄せられているところです。

一方で、太陽光発電については、最近の釧路の事例を踏まえますと、自然環境の保護とのバランスを図りながら導入拡大を進めていく必要があることも念頭に入れなければなりません。

そこで質問ですが、札幌市として、太陽光発電の導入拡大を今後どのように進める考えか伺います。

②水素エネルギーの普及啓発

地球温暖化に伴う気候変動の影響は猛暑ばかりでなく、大雨、大雪など全国各地に大きな被害を与えております。その打開策として脱炭素社会の構築が叫ばれ、我が会派でも様々な観点で質問を重ねてまいりました。

中でも再生可能エネルギーの保存と活用に有用な水素社会の構築については、資源のない我が国が抱えるエネルギーの自給という長年の課題を解決する重要な取組です。

今年3月には「札幌市水素エネルギー基本方針」が策定され、水素利活用の具体的な取組が進んでおります。

運輸分野に関しますと、4月に運用が開始された大通東5丁目の水素ステーションではFCタクシーの積雪寒冷地における運用実証がこの冬にも実施されると伺っております。

また、建物分野では、桑園地区にエア・ウォーター株式会社が建設した「エア・ウォーターの森」において、市内第1号となる純水素型燃料電池の施設利用が実現するとともに、先に述べた大通東5丁目の水素ステーション隣接地に整備予定である集客交流施設での水素利用の計画が公表されるなど、まちづくりを通じた水素エネルギーの利用拡大につながる取組が着実に進められているものと理解しております。

さらには、水素サプライチェーン構築のため「つくる」「ためる・はこぶ」「つかう」というそれぞれの課題を一体的に解決するために、事業者、行政等が同じテーブルで議論する「札幌市水素・再生可能エネルギー推進協議会」が設立されるなど、昨今の取組のみならず、中長期的視点に立って水素エネルギーの導入を推進する体制が示されたことは、我が会派としても大いに注目しております。

このような水素エネルギーの導入拡大につながる取組が、将来にわたり持続的に進められるためには、企業と行政の協働は欠かせませんが、併せて市民の水素エネルギーへの理解も非常に重要と考えております。

先に述べた通り、水素エネルギーに関する取組は、身近なところで徐々に具体化しているものの、多くの市民には未だ馴染みの薄い技術であり、理解関心を得ることが、今後の水素エネルギーの普及にとって非常に重要であると思われます。

さらには、日進月歩で進んでいる水素のエネルギー利用の具体事例に市民が直接触れる機会を作り出すことは、特に若年層にインパクトがあり、未来に夢や希望を持つことにつながる貴重な経験となり、将来的には水素を含む脱炭素技術に携わる人材の育成にも寄与するものと考えられます。

そこで質問ですが、今後水素エネルギーの普及啓発をどのように進めるのか伺います。

(2)今後の若者支援施策の強化について

若者支援については、貧困・虐待・ヤングケアラー・不登校・発達障害など多岐にわたり、また複合的であるため、支援者の不足に加え、支援の対象となる年齢や内容が不明確なことや、そもそも若者支援の認知度が低いことが課題として挙げられます。

札幌市においては、若者支援基本構想の策定から15年以上が経過し、この間、若者を取り巻く環境は大きく変化するとともに、若者支援をけん引してきた各施設の老朽化が進んできています。

そのため、次の時代の若者支援施設のあるべき姿について検討され、今後の若者支援の方向性や施設に求められる機能などの提言が取りまとめられ、「若者活動センターの自立支援事業への拡大と区の保健福祉部門との連携強化」や「支援を必要とする子ども・若者が、学校を離れた後も途切れることなく支援が受けられるように学齢期からの支援の継続を強化すること」など貴重な提案がありました。

また、他の事例として、ゲームを活用した支援など、柔軟な発想で新しい若者支援に取り組んでいる「NPO法人サンカクシャ」では、様々な事情により親を頼れず、学校や会社に馴染めない若者を、寄付などを集めサポートしています。

この団体の代表である荒井氏は、生活費のために借金をする若者が多く、若者を搾取したい業者が積極的にSNSを活用して繋がる実態があり、一方で行政の支援があることを知らない子が多く、支援団体を通じて適切な支援にいち早くつなげることが求められていると指摘しています。

また、若者支援には、安心できる場の提供、意欲の回復に向けた種々の体験活動、自信の獲得の3つのステップがあるが、最後の自信の獲得につまずき、仕事についてもすぐに辞め、逆に自信を失ってしまう若者が多い実情から、就労支援の前段階、「就労準備」というような支援の重要性を述べていました。

そこで質問ですが、札幌市において若者支援施設の今後の在り方と施策について検討する際、就労準備における支援を個別の状況に合わせ段階的に提供できるよう、積極的に企業や民間団体等のマンパワーを活用し、支援強化に努めるべきと考えるがいかがか伺います。また、若者支援は、今日的な課題であり、必要な人は誰もが受けられるサービスであるということを広く市民に認知してもらえるよう、抜本的な広報の転換に取り組むべきと考えるがいかがか伺います。

答弁

(1)未来を見据えた環境政策について

〇1点目の太陽光発電の導入拡大について

札幌市では、自然環境に影響を及ぼすエリアではなく、都市における設置方法として、市街地の建物への導入が中心となるものと認識。

〇そのため、今後は、建物の屋上に加え、ペロブスカイト太陽電池を含め、壁や窓にも設置することができる次世代型太陽電池の活用が有効と考える。

〇それに向けて、年末頃から市有施設において民間事業者と連携した実証実験を行い、積雪寒冷地での日射高度や雪の照り返しによる発電への影響などを検証し、まずは市有施設での導入へ繋げてまいりたい。

〇2点目の水素エネルギーの普及啓発について

札幌市では、水素エネルギーの普及啓発を通じ、まちの魅力向上や市民意識の醸成を図ることとし、これまで雪まつりなど様々なイベントへの出展により、取組の発信を行ってきたところ。

〇今年度は、主に若年層を対象とした市民参加ワークショップを開催したほか、札幌市立大学との連携により、市民に伝わりやすい情報発信の手法の検討を進めている。

〇引き続き、取組の発信による市民理解の促進を図るとともに、今後は様々な水素利活用事例を通じた学びの機会を拡充し、若年層を中心に幅広い世代の方々に新技術に触れていただくことで、水素利用が本市の魅力のひとつとなるよう取り組んでまいる。

(2)今後の若者支援施策の強化について

〇困難を抱える若者への就労支援は、安心できる場所と信頼できるスタッフ、そして、社会資源を活用した様々な体験機会を段階的に経験し、自信を獲得していくことが重要であると認識。

〇そのため札幌市の若者支援施設では、居場所の提供、個別相談員による一貫した支援、連携企業での職業体験機会を提供しており、今後もより多くの企業等の協力を募りながら、支援の強化に努めたい。

〇また、学校から離れた後も相談場所があることを知ってもらえるよう、若者支援施設の相談員が直接学校に出向いて中高生への広報を強化するなど、誰ひとり取り残さないまちの実現に取り組んでいく。

6健やかな育ちを支える子ども施策について

質問

(1)信頼される学校づくりについて

札幌市の学校教育においては、一人一人の子どもを大切にするという「人間尊重の教育」を学校教育全体の基盤として位置づけ、日ごろから子どもの健やかな成長を最重視して教育活動を推進していると承知しており、これまで機会を捉えて質疑を繰り返してまいりました。

「人間尊重の教育」、このような崇高な目標のもとで教育を進めるには、それを担う教員にも、高い人間性、品格、倫理観が求められますが、今年6月には、横浜市や名古屋市の教員により、女子児童の画像がSNS上で共有されて逮捕されたとの重大な事案が発生し報道で大きく取り上げられたところです。

以来、毎日のように類似した事件の報道が続いておりますが、多くの教職員が日夜奮闘されている中、ほんの一握りの心無い教師による犯罪で学校は安全なところ、教員は信頼できる人、という前提が揺らぎ始めているとの危機感を感じているところです。

札幌市においても、このような事件を絶対に起こさない、起こさせないという決意のもとで、子どもたちが安心して教育を受けることができる、保護者が安心して送り出せる環境として、早急に対策をとる必要があると考えます。

そのような中、教育委員会では、今年8月、「幼児児童生徒が活動する場所での私用端末等の取扱いについて」を全校に通知。さらに北海道でも逮捕者が出たことを受け、校内に盗撮用カメラが設置されてないか緊急点検を行い、同様の事件を未然に防ぐ努力をしているところと承知しております。

そうした中、今月12日、こども家庭庁では来年12月から導入される日本版DBSの導入に伴った運用案において、学校内での安全安心に資する取組の一つとしてカメラの設置の有用性について「推奨する」との見解が示されたところです。こうした流れを受け、生徒や保護者の意見を聴くなどカメラ設置の議論を開始することを、また点検の精度を上げ負担軽減を図るためにも、すでに名古屋市や横浜市で導入を決めた隠しカメラの探知機の導入をすることも併せて提言しておきます。

万が一にも、同様の事件を発生させないために、今述べたような未然防止に資する取組はもちろん、教育委員会には、通知のみにとどまることなく、教員一人一人が、子どもや保護者からの信頼を得ながら、「人間尊重の教育」の理念に基づく安全で安心な学校づくりを進めることができるよう、学校や教員への働きかけを一層充実してほしいと期待するところです。

そこで質問ですが、子ども一人一人が安心して学校に通うことができる信頼される学校づくりに向けて、今後、教育委員会として、どのように取り組んでいくのか伺います。

(2)子どもの朝の居場所づくりについて

近年、共働きやひとり親家庭において、子どもが保育園から小学校に入学する際に、仕事と子育ての両立が難しくなる、いわゆる「小1の壁」が全国的に問題となっております。

特に小学校は保育園よりも登校時間が遅いため、朝の子どもの居場所の確保が大きな課題となっております。

こども家庭庁では令和6年度に全国の市区町村や保護者を対象に、子どもの居場所に関するアンケート調査を実施、その報告書では小学生の朝の居場所づくりについて、既に取り組んでいる自治体は1.4%、検討中と答えた自治体は1.7%にとどまり、対応が進んでいない実態が浮き彫りとなりました。一方で、登校日の朝「自宅以外の居場所の利用を希望するか」との問いでは、約3割の保護者が「利用したい」と回答したとのことでした。

我が会派は今年7月、子どもの朝の居場所づくりに関する事業を先駆的に行っている大阪府豊中市を視察しました。

豊中市では、市長の強いリーダーシップのもと、令和6年4月より小学校全39校において、開門時間を1時間早めて見守りを行う「午前7時からの小学校見守り事業」を開始しています。具体的には、在籍する全ての児童を対象に、平日の7時から8時までの間、3名の見守り員が体育館等で対応にあたるものであり、利用料は無料とのことです。利用人数は現状、1校あたり2~3名程度にとどまっているものの、病気や急なトラブル発生時の緊急対応として活用されている側面もあるとのことでした。

札幌市の小学校においても、現在、8時10分頃から教員が勤務を開始し、同時に玄関を開ける体制となっております。そのため、学校の玄関が開くまでの間、子どもたちが玄関前で待っており、このような状況について、我が会派にも市民から様々なご意見をいただいております。特に冬季間や雨天の日に玄関が開くのを待っている子どもたちの様子を見兼ねた方から、「かわいそうだ」「風邪をひかないか」「ほったらかしでは危ないのではないか」といった声をいただいております。

小学校の始業前に子どもに安全な場所を提供し、安心して過ごせる環境を整えることは、子どもの健やかな育みばかりでなく、朝早く家を出る保護者が安心して仕事に出発できることにつながりますので、札幌市は子どもの朝の居場所づくり向けた検討を進めるべきと考えます。

そこで質問ですが、子どもの朝の居場所づくりについての認識と今後の方向性について伺います。

答弁

(1)信頼される学校づくりについて

〇教育委員会としては、子どもが安心して学ぶことができる学校づくりは大変重要なことと考えており、ルールづくりや人間尊重の意識の向上など様々な取組を進める必要があると認識。

〇そのため、各学校に施設内の安全点検の継続を求めるとともに、私用端末の持込について一定の制限を設けるなど危機感をもって対応してきたところであり、今後も適宜、必要な対策を講じてまいる所存。

〇また、教員が身に付けるべき資質・能力を示した札幌市教員育成指標に、新たに「人間尊重の教育」を重点項目に位置付け、全てのキャリアステージにおける研修等の充実を図るなどして、信頼される学校づくりに向けて全力で取り組んでまいる。

(2)子どもの朝の居場所づくりについて

〇働く子育て世帯が増える中、登校前や放課後の時間帯でも、子どもにとって安全・安心な居場所があることは、大変重要なことと認識。

〇現在、札幌市では、ファミリー・サポート・センター事業において、希望者からの申し込みを受け付け、地域のボランティアの方が登校前の子どもの預かりも行っているところ。

〇本事業のさらなる活用も含め、今後、働く子育て世帯における子どもの朝の居場所に関する実態やニーズについて調査を行い、子どもがより安全・安心に過ごせるよう検討してまいりたい。