札幌公明

議会報告Assembry report

2025/05/30 令和7年第2回定例議会

令和7年第2回定例議会2025/05/30

代表質問森山ゆみこ議員(西区)

札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して 森山ゆみこ 議員が代表質問を行いました。
以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。

目次Contents

1市長の政治姿勢について

質問

(1)将来を見据えた持続可能なまちづくりについて

札幌市においては2021年から人口減少局面に転じた中、直近の合計特殊出生率は0.96と過去最低の数値にあり、歯止めが利かない状況です。

札幌市の将来を考えたとき、人口減少問題は、官民問わず幅広い分野の社会経済活動に多大な影響を及ぼすものであり、バス路線の減便など、その危機感は市民の身近な生活全般にもじわじわと浸透してきていることは否めません。

こうした状況の中、本市は第3期さっぽろ未来創生プランを策定し、目指すべき将来の姿として、「誰もが幸せを感じ、希望を実現している、魅力と活力に満ちあふれる未来」を示し、その実現に向け、人口減少の緩和と人口減少への適応の両輪で推進していくことを打ち出しました。

人口減少の緩和の観点からは、合計特殊出生率が急速に好転することは現実的ではないことから、さっぽろ未来創生プランに掲げる雇用創出、結婚・出産・子育てを支える環境づくりなどの取組を長期にわたり、着実に取り組むことで、合計特殊出生率を段階的に引き上げていくことが重要と認識しております。

一方で現状、一定程度の人口減少は避けられない事態にあることを踏まえると人口規模が縮小しても、成長力のある社会を構築できることを示していくことも重要であり、社会経済の構造改革やDXの推進、イノベーションの導入により成果を挙げることが期待されます。

人口減少問題とは当面の間、向き合い続けなければなりませんが、社会経済の基盤をしっかり堅持し、若者たちが札幌にとどまり続けることに希望を持てる状況を作り出していかなければなりません。

その実現に向け、今こそ市制100年を超える歩みの中で先人たちが残してくれた財産と今を生きる私たちの力を掛け合わせ、将来にわたり持続可能なまちの新たな礎を築き上げていく重要局面と考えます。

そこで質問ですが、次世代に継承する将来を見据えた持続可能なまちづくりについて市長の考えを伺います。

(2)長引く物価高に伴うさらなる市民生活や事業者への支援について

昨年11月、我が国では長きにわたるコストカット型の経済から、デフレに後戻りすることのないよう「賃上げと投資が牽引する成長型経済」に移行するべく、「国民の安心・安全と持続可能な成長に向けた総合経済対策」を打ち出しました。

それから半年がたとうとする中でも、エネルギー価格や原材料価格などの上昇に端を発する我が国の物価上昇は、直近では3%台まで届く高い水準となっております。

加えて、こうした一因となっている不安定なヨーロッパや中東の情勢、さらにはアメリカの関税措置など、依然として先行きが見通しづらい社会経済情勢となっているところであります。

我が会派では、兼ねてよりこうした物価高への対応について、折に触れ札幌市に対し要望を行ってきました。

今年2月に札幌市が実施した最新の調査では、価格競争や、コスト上昇ペースに追いつかないといった理由により十分な価格転嫁を行えていない市内企業は8割に上るなど、物価上昇を上回る賃金上昇に向けては状況が変わっておらず、依然として市民生活は厳しい状況に置かれています。

先月、国ではアメリカのトランプ関税措置に対応するため、「米国関税措置を受けた緊急対応パッケージ」を決定しました。これは関税対策という趣旨であるとともに、既往の物価高対策を多分に含む性質のものであります。

更に、これを裏付ける対策として、今月27日に閣議決定された国の予備費の活用には、地方自治体が実情に応じた物価高対策を行うための「重点支援地方交付金」の増額が措置されたところです。

これまでのように、国からの交付金を財源としながら、札幌市独自の財源も活用するなどして、さらなる物価高対策を講じるべきではないか、と我が会派としては考えるところです。

そこで質問ですが、長引く物価高を踏まえ、さらなる市民生活や事業者への支援について、市長の考えを伺います。

(3)環境に優しい取組について

①水素利活用の推進

国は水素社会推進のため、2023年5月、水素を製造・輸送・貯蔵・利用する技術開発や経済システムの構築を含む脱炭素成長型経済構造への円滑な移行を推進するGX推進法を成立させ、また2024年5月には化石燃料より割高な水素の利用を推進するために既存燃料との価格差分を補助する水素社会推進法を成立させております。

水素は原料の水が無尽蔵なこと、クリーン、燃焼温度3000度と新素材開発に応用でき、さらに分子拡散速度が大きいため動力・熱機関に活用できるなど、物理化学的特性より産業への応用が期待されるため、ますます身近な存在になっていくものと推察されます。

本市における水素利活用の取組については、昨年末、建物での水素利用の先行事例である「エア・ウォーターの森」がオープンし、燃料電池から電気・熱エネルギーの供給状況を我が会派も視察したところです。

また、本年4月、大通東5丁目の水素ステーションが運用を開始し、隣接地で建設が予定されている集客交流施設の計画も公表されるなど、水素利活用の取組が着々と具体化され、先の第1回定例会でも質問したところです。

今後も継続的に水素の利活用が図られるには、運輸・建物それぞれの分野において、十分検討のうえ進めることが重要です。

そこで質問ですが、札幌市内における水素の利活用を、今後どのように進めるのか伺います。

②リチウム蓄電池の適正な処理

蓄電池は電気代の削減や停電時の備え、環境負荷の低減などの利点があることから、脱炭素社会の実現やGXの推進にはなくてはならないデバイスであります。特に近年では、高エネルギー密度化、高電圧化、さらに安全性、資源の安定供給が求められ、次世代型としてナトリウムイオン電池、全固体電池などの開発が加速しております。

現在、多くの市民が使用しているリチウム蓄電池についてはスマートフォン、ハンディファン、モバイルバッテリーなどに使われ、我々の生活には無くてはならないものとなっております。

一方で、リチウム蓄電池は、強い衝撃を加えると発火する危険性が指摘されており、使用後は分別回収する必要があるものの、十分な理解が進まず廃棄され、ごみ収集車やごみ処理施設の火災事故が2023年度に全国で8,543件と前年度から倍増しております。

そこで環境省は今年4月、市町村に対し蓄電池の適正処理に関する方針と対策に係る通知を発出し、利便性の高い回収方法や周知、広報の強化を求めているところでありますが、市民からは、リチウム蓄電池がどのような製品に使用されているかわからない、捨て方がわかりにくいといった声が多く上がっております。

そこで質問ですが、火災事故を防ぐため、リチウム蓄電池の適正な処理について、市民理解を得ながら進めていくことが必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくつもりか伺います。

(4)戦後80年における平和への思いについて

今年は戦後80年、原子爆弾の投下から80年という節目の年に当たります。80年前の8月、広島と長崎に原爆が投下され、核兵器の使用がもたらす悲惨な戦争の歴史が我が国の不戦の誓いの原点となりました。

こうした体験を語り続け、世界に幅広く反核を訴えてきた被団協が、昨年12月にノーベル平和賞を受賞し、核兵器は二度と使ってはならないという被爆者の声が世界規範となったところです。

一方、現在も、ロシアによるウクライナ侵攻やハマスとイスラエルの戦争など、いまだ世界の戦火は絶えません。

私たち公明党は結党以来、「平和の党」として、核兵器廃絶や恒久平和の実現に向けた取組に力を入れており、このたび、次の10年間を見据えた「平和創出ビジョン」を策定しました。

そこでは、大国の国益や政権の都合を超越し、多国間の協調や法の支配のもとの平和を提唱、「生命・生活・生存を最大限に尊重する人間主義」のもと『人間の安全保障』に基づく平和外交の重要性を掲げており、具体的な取組の一つとして、国連や国際NGOなどとの協力のもと、ウクライナの人道的地雷除去支援にも連携協力しているところです。

札幌市においては、核兵器の廃絶と世界平和の実現を目指し、平成4年3月に「札幌市平和都市宣言」を行い、毎年8月を平和月間に定め、パネル展などの平和普及イベントの実施や、小中高校生の広島、長崎、沖縄派遣を継続するなど、市民の平和意識の醸成のみならず、次世代にも重要な役割を果たしているものと考えます。

一方、戦争を体験された方々による口頭での記憶の継承は年々難しくなっており、10年後の戦後90年には、直接お話を伺う機会はさらに少なくなるものと思われます。

札幌市では次世代継承の取組として、市内の学校に被爆体験者を派遣する被爆体験語り部派遣事業や、札幌市平和バーチャル資料館のホームページ運営等も行っていますが、戦争の記憶を風化させることなく、未来へつないでいくためにも、戦後80年を迎える今こそ、若い世代への取組の充実を図っていく必要があると考えます。

さらに、大きな視点に立ち、平和を根幹として人類共通の課題である核廃絶や気候変動、SDGs等のメッセージを「平和都市宣言」を行っている札幌市長として力強く発信していく必要があると考えます。

そこで質問ですが、戦後80年という節目を迎えるに当たり、市長の平和への思いと、未来を担う若い世代の平和に対する取組をどのように考えているのか伺います。

答弁

(1)将来を見据えた持続可能なまちづくりについて

〇将来を見据えた持続可能なまちづくりに向けては、若い世代の人たちが今後も安心してこの街に暮らし続けられる生活基盤を整えることや、誰もが希望を実現している明るい未来のイメージを共有していくことが重要と考えている。

〇そのためには、GX投資の推進、イノベーションの創出などによる地域経済力の向上や、結婚・出産・子育てを支える環境づくりに加え、人口減少がもたらす様々な課題にも長期的な視点を持って、引き続き腰を据えて取り組んでいく必要がある。

〇また、持続可能なまちの実現には、市民や企業など多様な主体と未来像を共有し、連携しながら道筋をつけていくことが重要であることから、産学官連携や市民参加の更なる推進により、オール札幌で取り組んでまいる。

(2)長引く物価高に伴う更なる市民生活や事業者への支援について

〇長引く物価高による市民や事業者への影響は、依然として少なくないことから、適宜適切に対策を講じていく必要があるものと認識。

〇札幌市としては、先の第一回定例市議会において、物価高対策として水道料金の基本料金の減額や、食料品等高騰の影響を受ける保育所等への支援等、必要と考える市民生活及び事業者への支援を補正予算計上し、議決をいただいたところであり、まずは、これらの事業を進めることで、確実に支援に繋げてまいる。

〇その上で、現下の札幌市を取り巻く社会情勢を踏まえ、必要と判断される支援策については、国からの交付金を活用しながら、スピード感をもって講じてまいりたい。

(3)環境に優しい取組について

〇1点目の水素利活用の推進について

今後の水素利活用の推進にあたっては、市内において多数の商用車が利用されていることや、寒冷地であり熱需要が大きいことなど、札幌市の実情に合わせた取組を進める事が重要と認識。

〇そのため、今年度は民間事業者が保有するバスやトラックなど商用車の利用実態や、民間施設におけるボイラなど熱利用機器の設置状況を把握することに加えて、札幌市に適した水素利活用の可能性について調査を実施するところ。

〇そのうえで、民間事業者との意見交換を重ねながら、市内への効果的な水素の導入手法を検討するなど、札幌市における水素利活用の拡大に向け継続的に取り組んでまいる。

〇2点目のリチウム蓄電池の適正な処理について

不要となったリチウム蓄電池については、家電量販店や市有施設など約80か所の回収場所を通じて製造・販売事業者が自主回収を行っている。

〇一方、リチウム蓄電池が燃やせないごみや容器包装プラスチック等に混入して排出されることにより、ごみ収集車や処理施設において発火事故につながる事例も発生している。

〇今後は適切な分別を促していくため、リチウム蓄電池を使用する製品の具体例や適切な廃棄方法をわかりやすく示すなど、市民の皆さまに対する周知の充実に努めてまいりたい。

(4)戦後80年における平和への思いについて

〇平和は単なる戦争のない状態であるだけではなく、豊かで持続可能な社会を築くための重要な基盤であり、市民の幸せを実現する上で不可欠と考える。

〇また、戦争体験者が少なくなる中、未来を担う若い世代が戦争の悲惨さや平和の尊さを自分ごととして考えることは、平和の継承のために特に重要であると認識。

〇今年は、これまでの取組に加え、高校生が製作した被爆に関するジオラマや戦争に関する絵本を地下歩行空間に展示するなど、若い世代が平和についてより深い関心を持てる取組を進めてまいる。

2滑走路延伸を見据えた丘珠空港ターミナルビルの拡張について

質問

近年、丘珠空港の旅客数は増加傾向にあり、令和6年度は前年度比3割増の約57万5千人と、平成4年の現ターミナルビル供用開始以降で最多を更新したところです。

これは、札幌市と様々な関係機関が連携しながら、路線の拡充や利用促進を地道に進め、都心部に近いという利便性の良さなどが利用者へ着実に浸透してきた成果であると評価しております。

一方、我が会派では、先の第1回定例会の予算特別委員会等において、現状の旅客数に対し手狭となっている、38万5千人程度を想定した延床面積約3,600㎡の現ターミナルビルの機能向上について指摘してきました。

また同時に、丘珠空港の将来像に掲げる100万人程度の旅客数に対応すべく、滑走路延伸に合わせて、ターミナルビルの拡張や機能強化を進めるべきとの立場で質問を重ねてまいりました。

これに対し、札幌市からは、ビルの拡張や機能強化は必要との認識が示され、札幌丘珠空港ビル株式会社と連携しながら、同規模の空港や近年の建て替え事例の調査、地域や航空会社等へのヒアリングにより課題などを洗い出し、基本計画を検討していくとの答弁があったところです。

このような中、令和7年度国土交通省予算において、丘珠空港の滑走路延伸に向けた調査費が計上され、2030年の滑走路延伸に向けて端緒が開かれたものと受け止めております。

これらの状況を踏まえると、ターミナルビル拡張についても、滑走路延伸の進捗を見据えながらスピード感をもって取り組むことが、旅客数100万人達成のために不可欠であると考えます。

また、丘珠空港ターミナルビルには、地域住民なども地域経済の活性化や子どもたちが楽しめるスペースの設置など、様々な期待が寄せられています。加えて、天候不良や災害時における防災機能なども考えられることから、限られた敷地内で何が実現できるのか、しっかりと検討していくことも重要であります。

そこで質問ですが、丘珠空港ターミナルビルの拡張に向けて、現在の検討状況はどのようになっているのか、また、札幌市が目指す滑走路延伸の2030年供用開始にしっかり連動する整備とすべきと考えますが、これに対する見解について伺います。

答弁

〇令和6年度は、札幌丘珠空港ビル株式会社と連携し、年間旅客数100万人を想定したターミナルビルの必要規模等を検討し、現時点では、保安検査場や待合室、売店などの拡張で、少なくとも6,500㎡程度の床面積が必要との結果を得たところ。

〇これを踏まえ、今年度は、既存建物を活用した増築と新規建替えの両面で、拡張後の建物に求められる環境性能や敷地の確保、概算工事費などの要件を整理し、比較検討を行っていく考え。

〇札幌市としては、滑走路延伸の2030年供用開始という目標に合わせたターミナルビルの整備が重要と認識しており、今後とも、国や札幌丘珠空港ビル株式会社と連携し、資金計画等も含めて年度末を目途に整理してまいりたい。

3札幌の強みを生かした経済施策について

質問

(1)米国関税措置の影響を踏まえた今後の食産業施策の振興について

本年4月、米国トランプ大統領は、「すべての国・地域から輸入されるほぼすべての品目に一律10%のベースライン関税を課すこと」、加えて、「そのベースライン関税を、それぞれの国・地域に設定した関税率、日本の場合は24%まで引き上げる相互関税を課すこと」が発表されました。

その後、相互関税措置は、90日間の停止が発表されましたが、我が国にとって最も重要な貿易相手国の一つである米国のこの措置は、大企業はもとより、品質の優れた素材や部品を国内企業に納入し、間接的に米国と取引を行う地域の中小企業にも影響が生じるのではないかと懸念するところです。

そのような中、北海道における米国への主要な輸出品目は、自動車等の輸送用機械に次ぐのが魚介類等の食品であり、しかも、米国に向けての食品輸出額は、令和6年が158億で、前年比約50%の増となっており、近年、増加の一途を辿っています。

このように市内の水産卸売業や加工業、菓子類を製造する事業者など、多くの企業が米国への食品輸出に取り組んでおり、今回の関税措置の影響を見据えた対応をしっかりと検討していくことが必要と考えます。

札幌産業の重点分野である食産業については、今後も積極的な振興策を検討していく必要があり、日本全体の人口が縮小する中、積極的に輸出に取り組んでいる企業が、今回の米国の関税措置の影響で食品輸出に躊躇することのないよう、札幌市としても時代の変化を的確に捉えた施策の推進が必要です。

そこで質問ですが、今回の関税措置をはじめとする世界経済情勢の変化を踏まえた上で、今後の食品輸出の拡大に向けて、どのように取り組んでいくのか伺います。

(2)DEIを踏まえた人材確保策について

現在、札幌市を含む日本全体が人口減少社会に直面しており、これに伴う人手不足が深刻な課題となっております。このような社会情勢の中、札幌市の都市機能を維持していくためには、多様な人材が活躍できる環境づくりを進める必要があると考えます。

今般、企業や行政をはじめ、様々な組織においてDEIが注目されております。このDEIとは、多様性を表す「ダイバーシティ」のD、公平性を表す「エクイティ」のE、包括性を表す「インクルージョン」のIと、それぞれ3つの頭文字をとった略称であります。

我が党は結党以来、「誰一人取り残さない」政治の実現に向け、とりわけ声が届きにくかった方々の声を政策に反映させてきました。また、これまで要望が多かった生活者目線での子育て支援や福祉、教育、そして東日本大震災以降は女性の視点からの災害・防災対策も進めてきました。今は共働き・共育てを支援するため、男性が育児休暇を取得しやすいよう給付金の増額にも取り組んでいます。

また、党として政策の立案・決定過程において多様な意見を的確に反映するため、政治分野での男女共同参画を加速していく必要があることから、昨年DEIに基づく新たな方針を策定し、10年後までに党内の女性国会議員割合を30%にする目標や、議員活動と家庭生活の両立支援も掲げております。

札幌市においても、多文化共生・国際交流基本方針で、「だれもがつながり伝えあえるまち」、「みんなが安心してくらせるまち」といった目標を掲げ、多様な価値観の共存に取り組まれているなど、DEIを推進していると考えているところです。

一方で、昨今の社会情勢に目を向けると、企業を支える人手不足がより深刻になってきており、将来にわたり地域経済を守っていくためには、多様な人材を積極的に受け入れ、一人ひとりの能力を最大限に引き出し、生産性を高めていくといったDEIを用いた環境づくりが不可欠と考えます。

そこで質問ですが、DEIを踏まえた人材確保策について、どのように考え、取り組んでいくのか伺います。

(3)さっぽろ農業の未来と可能性について

昨年5月、国はこれまでの「食料・農業・農村基本法」を全面的に見直し、本年4月、法改正後初の食料・農業・農村基本計画を閣議決定しました。この基本計画では、これからの5年間で農業の構造転換を集中的に推し進め、生産基盤の強化や食料自給率を向上させ食料安全保障を確保することなどが掲げられております。

そうした中、本市でも、さっぽろ農業が目指すべき姿を示した「第2次さっぽろ都市農業ビジョン」を見直すため、これからの10年間を見据えた様々な調査・検討が進められており、本市農政にとっても大きな転換期を迎えています。

先の第1回定例会の予算特別委員会では、さっぽろ農業における地産地消について質問し、札幌産農産物の購入機会を増やすことや、その魅力を伝える広報活動を展開し、さっぽろの農業の活性化に繋げていくとの答弁をいただきましたが、今後、さらなる農業者や企業との連携を進め、札幌産農産物の付加価値を高め、魅力アップにつなげるよう要望したところです。

札幌市は道内の人口が集中する大都市であり、「食のまち」として全国有数の観光都市でもあります。また、農畜産物等の一次産品の付加価値を高める食関連産業の事業所も多く、北海道の食の「一大集積地」として、卸売業、運輸業など、様々な産業への経済波及効果も大いに期待できると考えます。

そうした中、最近では、新鮮な農産物を使った農家レストランに取り組む生産者やSNSによる積極的な情報発信によって、経営の安定化を目指す若手生産者も出ており、新しい世代の動きが活発になっています。

こうした未来を担う若い世代の農業生産者が、積極的に農業に取り組もうとする気持ちや動機を高められる環境を、市民と共に作り上げていくことが、生産者の意欲向上と生産力の強化に繋がると思っており、こうした視点を次期ビジョンに反映する必要があると考えます。

さっぽろ農業には大きな可能性があり、今後、札幌市の経済と観光を支え、より魅力ある産業へと発展できる分野であると、大きな期待を寄せています。

そこで質問ですが、新たなビジョン策定にあたり、未来に向けたさっぽろ農業の可能性と魅力アップという観点から、どのような展望をもっているのか伺います。

答弁

(1)米国関税措置の影響を踏まえた今後の食産業施策の振興について

〇2023年8月の中国政府による日本産水産物の輸入規制以降、市内の食関連事業者は、市場規模が大きいアメリカへの食品輸出の意欲を高めてきたところであり、今回の関税措置の動向について、不安を抱いている事業者もみられるところ。

〇札幌市としては、今後、ジェトロ等の関係団体と連携し、アメリカ市場の最新動向を発信するとともに、現地の輸入商社や小売店とのネットワークを生かした商談会や食品フェアを積極的に開催するなど、中長期な視点でアメリカ向け事業を実施していく。

〇併せて、日々変化する世界経済情勢を踏まえ、アメリカに加え、香港・台湾・アセアンなどアジア圏やヨーロッパといった世界各地に目を向けた取組を行うことで、市内事業者の輸出拡大につなげてまいる。

(2)DEIを踏まえた人材確保策について

〇生産年齢人口の減少に伴い労働力の不足が予測されている中、市内経済を発展させていくには、性別や年齢、国籍などを問わず、多様な人材が活躍できる労働環境の構築や就職を支援していくことが重要と認識。

〇これまで、札幌市では女性やシニア世代の方をはじめとした就職支援を行い、多くの方々にご活用いただいているほか、今年度から特定技能外国人を初めて雇用する中小企業に対して、入国前から採用後までの伴走型の支援を実施。

〇加えて、「札幌市働き方改革・人材確保サポートセンター」を設置し、企業が働き方改革や就業環境の相談ができる体制を整えており、これらの施策を通じてDEIの推進につなげることで、引き続き、企業の人材確保を支援してまいりたい。

(3)さっぽろ農業の未来と可能性について

〇さっぽろ農業のさらなる魅力アップのためには、大消費地に近い生産地である札幌の農業の強みを生かしていくことが必要と認識。

〇そうしたなか、今年2月に実施した市民アンケートでは、約7割が「札幌の農業に関心がある」と回答していることから、より理解を深めてもらうことが重要。

〇このため、農家レストランなど6次産業化の支援継続のほか、札幌産農産物のPR強化、市街地を活用した市民農園の拡大、さとらんどにおける農業体験メニューの充実などに取り組んでいく。

〇これらに加え、人手不足の解消が期待されるスマート農業の検討など、持続的な農業経営に向けた施策を次期ビジョンへ反映し、市民と農業者と共に、未来に向けたさっぽろ農業の発展に繋げてまいりたい。

4地域共生社会における持続可能な福祉施策について

質問

(1)魅力的な健康アプリについて

札幌市では、人口構造の変化などを踏まえ、持続可能な社会に向けたまちづくりの重要概念に「ウェルネス」を掲げ、健康寿命の延伸に取り組んでいます。そのための高齢者向けの施策の一つとして、誰もが楽しみながら自然に健康を高められる環境を目指して、令和8年度から健康アプリを導入することとしており、秋にはポイント制度の詳細を提示できるよう準備を進めると伺っています。

この新制度を巡っては、当初、敬老パス制度から全面的に移行させようとした素案に対して得られた市民意見を踏まえ、様々な議論が重ねられ、最終的に我が会派も主張してきたとおり、両制度は切り分けて整理されたところです。この間、健康寿命延伸の重要性が否定されることはありませんでしたが、社会の関心の多くは敬老パスに向いていた感は否めません。

一方で、全国を見渡しますと、健康ポイント制度は各地で導入が進んでおり、健康づくりを“楽しみながら”継続できる仕組みとして大きな関心を集めています。例えば、政令指定都市では、健康寿命が長いことで知られる浜松市も導入済みですし、横浜市では30万人以上の市民が参加するほどに普及しています。川崎市では溜まったポイントで地域の小学校に寄附ができるなど、個人の健康増進行動が社会貢献に繋がる仕組みが好評を博しております。多くの自治体で、地域の商店街や企業との連携によって、買い物やボランティア活動、社会貢献などと結び付ける取組も生まれており、地域全体の活力にもつながる可能性を秘めています。

こうした他都市の先行事例では、それぞれ導入目的に応じた工夫が凝らされていますが、これから導入しようという札幌市のアプリがどのように魅力的なものとなるのか、具体的にイメージできない方や、上手く使いこなせるか不安を抱く方がいることも自然なことです。そうした市民に対しても、制度の魅力や意義をわかりやすく伝えることで、健康づくりへの関心を高めることに繋がるものと考えます。

そこで質問ですが、健康アプリの導入にあたっては、市民にその仕組みや魅力をどう伝え、多くの方が楽しく前向きに参加できるよう、どのように取り組んでいくお考えか伺います。

(2)救急医療体制の維持に向けた取組について

札幌市では、高齢者の人口が2040年代まで増え続け、それに伴い救急医療の需要も増加することが予測されています。

昨年の救急搬送の総出動数は114,908件で、救急車1台当たりの件数は東京都より多い状況であり、救急搬送時間についても平均46.5分と、政令市平均と比べても搬送時間が長くなっています。

一方、救急搬送の実態としては、軽症者が約半数を占め、このことが救急搬送への過大な負担の一因となっていると考えられます。

このような状況下で、昨年12月のインフルエンザの感染爆発もあり、救急車待ちが一時30人以上となり、救急出動から病院引揚まで7時間要した発熱を主訴とする高齢者の搬送事案もあったと聞いており、今後も緊急性の高い患者の救急搬送への影響が生ずることがないのか懸念しております。

限られた医療資源を有効活用するためには、搬送データ等の検証を踏まえて、救急医療体制の見直しを継続することは必要でありますが、市民としても、救急車や救急医療の適正利用を心がけるなど、行動変容が必要であると考えます。

他地域でもこのような課題を抱えており、三重県松坂市地域や茨城県では、救急搬送における選定療養費を徴収する取組が始まっています。

選定療養費とは、大病院へ患者が集中することを防ぎ、また、かかりつけ医機能の強化を図るために、紹介状なしで大病院を受診する患者に、特別の料金を求める制度です。

本来、この選定療養費は、救急患者からは徴収できないこととなっておりますが、緊急性が低い患者は、救急車を利用した場合であっても、医療機関の判断により選定療養費を徴収することが可能となっています。

本年1月、我が会派は、昨年12月から救急車を利用した軽症患者に対し、救急医療機関が選定療養費の徴収を開始した茨城県へ視察に伺いました。

茨城県では、軽症と判断する際のガイドラインを策定するとともに、県民に対して、救急医療の現状や選定療養費の仕組みに関することのほか、選定療養費の導入により救急車の利用控えが起こることのないよう周知に努め、大きな混乱なく徴収を開始しており、実際に軽症者の搬送が減っていると伺っております。

今後、札幌市でも高齢化や医師の働き方改革により、救急医療体制がひっ迫する可能性もあるため、救急搬送における選定療養費の徴収についても議論を開始するべきではないかと考えます。

そこで質問ですが、札幌市の救急医療体制を維持するため、選定療養費に関する議論も含め、どのような取組を進めていくのか伺います。

答弁

(1)魅力的な健康アプリについて

〇健康アプリは「歩く」「健康管理」「人と会う」などの日常的な活動を見える化することで、健康行動の習慣化に繋げるとともに、市民が楽しみながら自然に健康寿命を延ばしていくことを目指しているもの。

〇身近な活動が幅広くポイントの対象になることや、日常生活に新たな楽しみが加わることが大きな魅力と考えており、各種媒体を活用した広報のほか、普及啓発イベントの開催など、積極的な情報発信により、アプリの魅力を伝えてまいる。

〇また、市民モニターを通じ、アプリに対する意見を取り入れ、改善を重ねるとともに、民間企業や市民団体などと協働し、新たな交流や活動につなげることで、多くの市民が気軽に参加し、楽しく利用できるアプリとなるよう取り組んでまいる。

(2)救急医療体制の維持に向けた取組について

〇札幌市では、高齢化に伴い救急需要が増加する中で、軽症者や複数疾患を抱える患者が増え、対応できる医療機関の選定に時間がかかるなどの課題が生じていると認識。

〇そこで、#7119の周知啓発による適正利用の推進のほか、24時間体制で複数疾患に対応可能な拠点病院制度や、救急搬送患者の状態などを医療機関と共有し、搬送を効率化するシステムを導入した。

〇今後とも、これらの施策の効果検証をしっかりと進めるとともに、他の地域の様々な取組事例を参考にしながら、引き続き持続可能な救急医療体制を検討してまいる。

5子どもの幸せを最優先する社会を実現するための施策推進について

質問

(1)こども政策におけるDXの推進について

我が会派は、これまで一貫して、妊娠から子育て期まで、切れ目のない子育て支援を行うための体制整備の必要性を訴え、子育て家庭に寄り添った伴走型の支援の充実や子育て分野におけるデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの推進を求めてまいりました。

国は、令和5年12月、「こども基本法」に基づき、こども政策を総合的に推進するための「こども大綱」を策定、その中では、「こども政策DX」を推進し、プッシュ型通知やデジタル技術を活用した手続等の簡素化などを通じ、子育て当事者の方の利便性向上を図ることとしています。

これは、こどもまんなか社会の実現に向け、子育て当事者の方々が、より安心して、楽しく子育てができるよう、必要な情報にストレスなくアクセスして手続きができるようにしたり、保育所などの事業者や自治体職員など、直接子ども政策に関わる方々の事務負担を軽減し、これまで要してきた時間やエネルギーを子ども政策の質の向上に振り向けることを目的とするものです。

札幌市では、我が会派も後押しをさせていただき、児童相談と母子保健のシステムを連携させ、「子育てデータ管理プラットフォーム」を全国に先駆けて導入いたしました。児童虐待のリスクを把握しやすくなる効果が期待されるとともに、職員の事務負担も軽減されるという点で、DXの目的に合致した取組の好事例であると考えます。

現代の子育て世代は、特にデジタルに慣れ親しんでいる世代ということもあり、DXの効果をより実感できると思いますので、これまで以上に「こども政策におけるDX」の推進に力を注ぐべきです。

すでに一部の自治体では、母子健康手帳に加え予防接種のスケジュール管理や子どもの成長を記録できるアプリや、保育所探しから入所までの手続がオンラインで完結する保活ワンストップサービスを導入している例もあります。ぜひ、こうした先行自治体の取組を参考に「こどもまんなか社会の実現」に向けて、さらなる推進をしていただきたいと考えます。

そこで質問ですが、札幌市では、こども政策におけるDXの推進について、今後どのように取り組んでいくお考えか伺います。

(2)子どもたちがスポーツを実施していくための取組について

スポーツ庁では、全国の児童生徒の体力や運動習慣等を把握し、体育・健康等に関する指導の改善に役立てることを目的に、毎年、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」を実施しています。

我が会派は、先の第1回定例会の予算特別委員会において、この調査結果を踏まえて、子どもの健やかな体の育成についての課題認識と、改善に向けた取組について質問いたしました。教育長からは、「運動が好き」という子どもの割合は全国平均と同じであるものの、運動習慣については、中学2年生は全国平均を下回っているなど、「運動が好き」ということが、必ずしも運動習慣にはつながっていないことが課題であり、学校における授業の工夫や家庭や地域での実践につなげる取組の促進などについて、答弁があったところです。

スポーツに親しみ、継続的に実施していく子どもたちを増やしていくためには、学校現場による取組はもちろんのこと、子どもたちの「やってみたい」「知りたい」といった知的関心の求めに応じて、スポーツができる環境や機会をオール札幌で行っていくことが重要です。

特に、積雪のため屋外スポーツをすることが難しい冬季間に、いかにスポーツに取り組んでもらうかということと、子どもたちが継続してスポーツを行うには、保護者の理解や協力が必要であることから、親子でスポーツに親しんでもらうこと、これら2つの視点が大切です。

こうした考えのもと、我が会派は、今年1月にプレミストドームで開催された「チャレンジ!スポーツパーク」を視察させていただきました。親子でスポーツに親しむことの良さを改めて感じるとともに、子どもにとって保護者は身近なお手本で、親が自ら学び成長する姿を見せることは、子どもの成長にも良い影響を与え、子どもたちがスポーツに親しみながら続けられることにも繋がっていくのではないでしょうか。

そこで質問ですが、学校での取組に加え、子どもたちに継続的にスポーツを実施してもらうため、札幌市としてどのように取り組んでいくのか伺います。

(3)特別支援学級における支援・指導の充実について

札幌市は、20年前、全国に先駆け、特殊教育から特別支援教育への転換を図り、発達障がい等のある児童生徒への支援にいち早く取り組み、特別支援教育の充実に尽力されています。

全国的に少子化が進む一方、特別支援教育の対象者は増え続け、札幌市においても特別支援学級に在籍している児童生徒の数はこの20年で約4倍になっていると伺っています。

さらに、学校を取り巻く状況は日々変化しており、各校では、様々な障がい種に応じて子ども一人一人の資質・能力を伸ばし、自己肯定感を育むことのできる柔軟な支援体制を構築していくことが求められています。

先般、県内の高等学校に18校、インクルーシブ教育実践推進校がある神奈川県へ視察に行かせていただきました。

生徒同士の相互理解を深めることを目標とし、全ての生徒がともに学ぶ経験を通し、多様性を尊重することや互いの良さを生かし、協働する力を育みながら成長することを目指しているとのこと。また、その理念を推進校のみならず、県内の全高校で共有し、県立高校の全教職員が推進校との交流の機会を設け、障がいのある生徒との関わり等について学んでいるとのことでありました。

また、県内の中学校では進路を決める準備として、中学校1、2年生及び、保護者、中学校教職員を対象に、インクルーシブ教育実践推進校の基本的な考え方や入学選抜などの制度を伝え、実際に推進校の参観の機会も設け、丁寧に障がいのある生徒自身の進路に真摯に向き合っているとのこと、あらためて障がいのある子ども一人一人に寄り添う教育についての必要性を実感したところです。

札幌市においても特別支援教育の対象の児童・生徒が増加していることから、特別支援学級において、今後、児童生徒の将来の進路先等を見据え、児童生徒の障がいの特性等に応じた適切な教育課程を編成することや、支援・指導方法をより充実させていくことは大変重要であると考えます。

そして、障がいのある子ども一人一人に寄り添う教育の実現に向け、本市の特別支援学級の支援・指導についてさらに一歩前に進めるべきと考えます。

そこで質問ですが、札幌市の特別支援学級の現状の課題と、今後、特別支援学級の支援・指導の充実に向け、どのような取組を進めていくのか伺います。

(4)学校における児童・生徒・教職員の安全安心や健やかな育みの推進について

私自身も過去に高校教師として、教育現場での様々な諸課題に汗を流してきた経験がありますが、昨今の社会情勢の変化に伴い、教育環境も変化し児童・生徒・保護者、そして、教職員が直面し抱える課題も多様化していると痛切に感じます。

特殊詐欺やSNSを利用した性犯罪が社会問題化し、犯罪に巻き込まれる事例やいじめの問題、自殺による悲しい事案も散見されています。

また、一方では教師に対する過度な要求も問題化しており、メンタルヘルスへの影響も懸念されています。

また、今月だけでも、東京・立川市の小学校に男2人が侵入し、教師や校長など5人を殴り現行犯逮捕された事件、広島県福山市の通信制高校では女子生徒が教室内で複数の生徒をナイフで刺し逮捕された事件、静岡県富士市の中学校の男子生徒が教師の顔を殴る暴行で逮捕された事件など、学校における安全性の確保や、当事者だけでなく、子どもたちの心のケアについても心が痛み、考えさせられる事件が多いと感じています。

こうした中、熊本市ではカメラの設置の議論がなされ、教室内のいじめや暴力行為の抑止力の期待や、教師が複雑な事案に対処する際の負担軽減という利点と、令和8年に導入予定の性犯罪歴などを事前に確認する制度「日本版DBS」の予防措置としての現場対策、この両方の組み合わせが教育現場の安全性を格段に高める事につながるとの最終答申があったところです。

先般、カメラ設置に関わる会社の視察では、海外の知見を踏まえ、都内のインターナショナルスクールの校内暴力・凶悪事件抑止対策として、カメラとAI技術を連携させたイノベーションが児童生徒、教職員の安全安心に役立っているということでした。

札幌市の安全安心に資する取組でも、市立学校54校の敷地内にカメラを設置しているところですが、多様化する課題の中でこうしたイノベーションの推進・活用は、子どもたちがより安心し健やかな成長を育む教育環境の構築にとって重要であることから、昨今の社会情勢等に即した取組を推し進めていくべきと考えます。また、その一方では、カメラの設置に関し、様々な配慮や丁寧な議論が必要であることも承知しております。

そこで質問ですが、本市の教育現場における児童・生徒・教職員の安全安心や児童生徒の健やかな育みをサポートするために、イノベーションの進展状況を勘案し、学校内へのカメラの設置の議論を開始すべきと思いますが見解を伺います。

答弁

(1)こども政策におけるDXの推進について

〇子どもを安心して生み育てられる環境の充実に向けては、DXの推進により、情報収集・相談・手続きの利便性を向上させるとともに、事務の効率化も図りながら、支援の質を高めていくことが重要と認識。

〇札幌市では、プッシュ型で発信する子育てアプリや子育て情報検索をAIで支援するサービスを導入してきており、今年度からは、オンラインでの不妊相談や病児・病後児保育予約のインターネット受付を開始したところ。

〇今後とも、当事者視点に立ったDXを推進しながら子育て支援のさらなる充実を図り、全ての子どもが健やかに成長できる「こどもまんなか社会」の実現に向けて取り組んでまいる。

(2)子どもたちがスポーツを実施していくための取組について

〇子どもが運動習慣を身につけると、健康的で活動的な生活習慣の形成に役立つ可能性が高いことから、各体育館での子どもスポーツ教室などに加え、屋外での運動が制限される冬季間においてチャレンジ!スポーツパークなどの取組を行っているところ。

〇また、子どもの運動習慣形成には保護者の理解が不可欠であることから、親子を対象としたスポーツの体験会や観戦の機会創出に加え、今後は、子どものスポーツの重要性に関する啓発など、保護者向けの取組も拡充してまいりたい。

〇さらに、身近な地域において、各区スポーツ推進委員会などが行うイベントに子どもの参加を促すなど、あらゆる機会を活用して子どもたちが継続的にスポーツを実施できる環境づくりに取り組んでまいりたい。

(3)特別支援学級における支援・指導の充実について

〇札幌市においても、全国と同様、特別支援学級に在籍する児童生徒数は増加しており、中学校卒業後の進学先についても、高等支援学校の他、通信制、定時制、全日制の高等学校など多岐にわたっている。

〇このため、特別支援学級の教員には、児童生徒の障がいの状態に応じた専門性に加え、多様化する進路に対応できる指導力が必要なことから、通常の学級を担当する教員と緊密に連携した学校全体で取り組む特別支援教育の推進が課題と認識。

〇今後は、特別支援学級の教員が通常の学級の一部の授業をすることに加え、進路支援に係る研修を新たに開設することなどを通して、指導力の向上を図ってまいる。

〇併せて、管理職のリーダーシップのもと、特別支援教育を学校全体で進めていくことで、障がいのある子ども一人一人に寄り添う教育の実現に向け取り組んでまいる。

(4)学校における児童・生徒・教職員の安全安心や健やかな育みの推進について

〇学校における安全・安心な教育環境を整備するためには、社会情勢の変化を踏まえた適切な対策をとることが非常に重要であると認識。

〇現状、学校玄関等へのカメラの設置に当たっては、不審者の侵入防止等の効果が見込めることから、学校と教育委員会が協議し都度必要性を判断しているところ。

〇一方、教室など校舎内へのカメラの設置については、学校が教職員と児童生徒の信頼関係によって成り立っており、プライバシーや児童生徒の心情などにも配慮する必要があることから、極めて慎重に対応すべきものと考える。

〇引き続き、国や他の自治体の動向や児童生徒・保護者、教職員の意見も踏まえながら、児童生徒が健やかな成長を育めるように、学校の安全・安心な教育環境を整備してまいりたい。