札幌市は、これまで道都として北海道の発展を牽引する役割を果たしてきたが、人・経済・文化の集積及び交流実績、影響力、存在感などを勘案すると、これからは国際都市として世界に貢献する役割が期待されていると言っても過言ではない。今や、本市は、国の内外において、大きな使命を担っているのであり、その使命を果たすためにも、発展と成長を続けていくことが求められていると言えよう。
札幌市議会公明党議員会は、2年前、国連で採択された持続可能な開発目標SDGsが掲げる理念の重要性と普遍性にいち早く注目し、他会派に先駆けて議会で取り上げることはもちろん、様々な場面において、その理念の支柱である「誰一人取り残さない」という考え方を踏まえ、一人ひとりに寄り添う姿勢の大切さと尊さを一貫して繰り返し述べてきたところである。
こうした我が会派の主張が結実する形で、札幌市は昨年「SDGs未来都市」に選定され、様々な計画にSDGsの理念が盛り込まれることとなった。さらに、本年は、我が会派が推進してきた「フェアトレードタウン」の認定も受け、本市が共生社会の実現に向けて、力強く着実に歩みを進めていることを高く評価しており、その実現は国際都市の範疇を超え、世界都市としての地位を築き上げていくことにも繋がっていくものであると考えている。
少子高齢化と本格的な人口減少社会の到来を迎える中、札幌市においては、扶助費の増加に加えて、公共施設の更新需要に伴う建設費や公債費の増加が見込まれている一方で、歳出に見合った市税等の確保が困難な状況にあるなど、引き続き厳しい財政運営を迫られている。社会経済情勢の先行きが不透明さを増す中、「防災・減災」、「経済・まちづくり」、「医療・福祉」、「環境・子育て」、「教育・地域」、などの多岐にわたる重要な市政課題に対し、状況を的確に見極め、効果的な施策を実行していくため、限りある経営資源を有効活用し、必要性と効果の厳格な検証はもちろんのこと、選択と集中を行いながら、機動的かつメリハリをつけた予算編成を行うことが何よりも肝要である。
令和2年度は、北海道胆振東部地震から1年半余りが経過する中でスタートを迎えるが、本格的な復旧に向けて、刻々と変化する被災地の状況を的確に把握したうえで、被災者ニーズに寄り添った施策を迅速に実行し、復興の歴史において確かな歩みを刻む年にする必要がある。また、当該年度に開催される東京オリンピック・パラリンピックの開催会場都市として所要の準備を進めるにあたっては、顕在・潜在を問わず札幌市の持てる力を存分に発揮し、市民の誇りと活力を、さらなる高みへと喚起していくことを強く期待しているところである。
以上を踏まえ、札幌市議会公明党議員会は、令和2年度予算編成にあたり、新たに設定した5つの柱のもと、以下のとおり、重点要望項目及び要望項目をとりまとめたことから、秋元市長においては、これらの施策を新年度予算に反映されるよう強く希望する。