平成19年第3回定例議会
代表質問 芦原 進 議員(豊平区)

10月3日札幌市議会本会議において、公明党議員会を代表して芦原 進 議員が代表質問を行いました。以下、質問項目と主な市側の答弁の要旨を紹介します。
(1)平成19年度普通交付税の減額要因とその対応について
 市が5月に公表した中期財政見通しでは、平成20年度から23年度までの間に198億円から306億円の収支不足が見込まれている。まだ半年を経過したところであり、市税をはじめとして全体的な執行の見込みは立ちづらいものとは思うが、地方交付税のうち普通交付税は、本年7月に997億9,200万円と決定されており、その額は予算計上額に対して38億円の減収が見込まれている。また、前年度の当初決定額と比べても104億円の大幅な減となっており、今年度の財政運営に大きな影響を与えるのではと危惧する。平成19年度における普通交付税の減額の要因とその対応について伺いたい。
(2)第2次新まちづくり計画の計画規模の考え方について
 その中で、施策や事業のメリハリを一層明確にして、重要な政策課題を解決する、市民生活や、都市の魅力や活力を向上させる事業を実施することが重要である。
 財政状況が前回策定時の平成16年度よりも悪化している中で、今回の新まちづくり計画を策定するに当たり、どのような考え方で計画規模を想定したのか伺いたい。
(1)平成19年度普通交付税の減額要因とその対応について
普通交付税の減額要因について前年度と比較して、基準財政需要額において、単位費用の全般的な見直しや補正係数の減などにより71億円の減となったこと、また、基準財政収入額において、市民税所得割や法人税割の増などにより54億円の増となったことが挙げられます。
 三位一体の改革以降、普通交付税につきましては、全国的な減額傾向が続いており、非常に厳しい状況となっております。今後の対応として、当面、各事業の効率的な執行により可能な限り歳出の抑制に努めたいと考えております。また、地方交付税は、一定水準の公共サービスの提供を保障する地方固有の財源であり、国による関与や義務付けの見直しを行わないまま、総額の圧縮のみを先行させることのないよう、今後もしっかり国に主張していきたいと考えております。
(2)第2次新まちづくり計画の計画規模の考え方について
 また、ご指摘がありましたように、財政状況などの策定環境は、前回の計画策定時期よりも、一層厳しいものとなっており、計画事業に充当できる一般財源の規模も、その状況を反映し、減少せざるを得ないものと認識しております。そこで、計画規模については、平成16年度と比較し、より厳しくなっている平成19年度の財政状況を勘案した規模を想定して、事業選定を行ったところであり、その結果、前回の計画と比較し、計画期間に違いはありますが、一般財源ベースでは、相当程度絞り込まれた計画規模としているところでございます。

(1) ごみ減量施策と市民サービスの改善に係る施策の先行実施について
 本市のごみ処理量は、市民一人当たりの家庭ごみ排出量で見ると、ここ数年はほぼ横ばい状況にある。地球環境への影響を軽減していくために、ごみの減量、リサイクルを進めることは、確かに非常に重要な課題であるが、これまでも公明党が主張してきているように、有料化の実施の議論をする前に、もっと徹底して減量施策を講じるべきではないか。
 有料化を提案するのであれば、行政としてここまでやったというものがなければ、到底市民の理解は得られるものではない。
ごみ減量の施策と市民サービス改善に係る施策を、ごみ有料化に先行してすみやかに実施すべきではないかと考えるが、いかがか伺いたい。
(2) 清掃事業の効率化について
市民に負担を求める前に、やはり収集業務の委託拡大など徹底した清掃事業の効率化を行うべきではないかと考えるが、いかがか伺いたい。
(3) 事業系ごみの減量・リサイクルについて
 現在、市内約7万事業所のうち、許可業者と契約をしてごみ処理を行っているところは3万件程度で、残りは、清掃工場に自分でごみを持っていくか、あるいは家庭ごみに紛れ込ませてごみステーションに排出しているものも相当数あるものと思われる。
家庭ごみについては、ごみの有料化を実施して減量をしていこうとするものであるから、当然、事業系ごみについても、強い取組が求められる。
事業系ごみのごみ減量やリサイクルについて、どのように進めていくお考えか伺いたい。
(1) ごみ減量施策と市民サービスの改善に係る施策の先行実施について
 「スリムシティさっぽろ計画」の素案では、清掃工場1ヶ所の廃止を目指して焼却ごみ24万トンを減量するという、大きな目標を掲げており、ごみ減量効果を最大限に高めていく取り組みが必要であります。そのためには、家庭ごみの有料化を、ごみ減量施策と同時に実施する必要があると考えております。しかしながら、新たな施策として取り組む「生ごみのリサイクル・パートナーシップ制度」や共同住宅におけるごみステーション対策など、早期に着手できるものについては、有料化に先行して実施することを検討しております。
(2) 清掃事業の効率化について
 有料化は市民に新たな負担をお願いするものでありますことから、さらなる効率化が必要なものと考えております。このため、これまで実施してきた人件費等の削減に加え、平成20年4月からは公衆便所清掃業務の全面委託、車両整備業務の外注拡大などを実施する予定であります。また、収集業務につきましても、災害時における収集体制の確保など、直営の果たすべき役割を整理・検討したうえで、委託の拡大を進めてまいりたいと考えております。
(3) 事業系ごみの減量・リサイクルについて
 24万トンのごみを減量するためには、事業系ごみの大幅な削減にも取り組んでいく必要があります。事業者に対しましては、減量・リサイクルの取組について強く強力を呼びかけていくとともに、「事業ごみ指導員」を新たに配置し、立入指導の拡大・強化を行ってまいります。また、清掃工場にも「ごみGメン」を配置して、搬入指導を強く行ってまいります。

 雪たい積場は、将来に亘って安定的に確保していくための方策を見出すことが大きな課題となっている。
私は、雪の搬出を抑制することが、将来的な雪の問題を解決する大きな方策となりうるものであり、この観点から雪国に相応しい都市、「さっぽろ」づくりを目指すべきと考えている。
(1) 「雪に負けないサッポロづくり本部」の成果及び評価について
 昨年4月、雪対策事業に関する喫緊の課題を克服するため、3ヵ年を集中取組期間として市内部に「雪に負けないサッポロづくり本部」が組織された。今後とも雪を意識したまちづくりを、長期的視野に立って関係部局が一丸となって検討するべきことを強く要求するものである。
「雪に負けないサッポロづくり本部」は、今年で2年目となっており、実効を上げていると思うが、これまでどのような成果を上げ、どう評価しているのか伺いたい。
(2) 本市所有地の雪対策利用について
 先ほど提案させていただいた都市づくりの実現には、数年、あるいは数十年単位の時間を要すると思われる。先駆けとして、市所有の遊休地等について、売却などの利活用を図るまでの期間、暫定的に地域の雪置き場として開放することや、敷地内で雪処理ができるような土地利用について配慮させて売却することについて、どのように認識されているのか市長のご見解を伺いたい。
(1) 「雪に負けないサッポロづくり本部」の成果及び評価について
 市民、除雪事業者、行政が、雪対策の現状・課題を整理し、実情に応じた対策を実施する「地域と創る冬みち事業」では、18年度には186町内会で実施され、今年度は現在のところ103町内会の参加を得て、合わせて289の町内会で事業が展開されております。昨年度実施した住民の方を対象に、アンケート調査を行った結果、回答いただいた約15,000人の内、8割を超える方が、この取組について肯定的に捉えていることを勘案いたしますと、「自分たちのまちは自分たちの手で創っていく」という、市民自治が実践されているものと考えております。
 さらに、年々困難となっております雪たい積場の確保につきましては、市が所有する新たな遊休地などを活用することで、当面の必要量が確保できたことや、除雪事業者の支援策として、土木工事の入札への参加機会を増やすなどの政策入札制度を試行したところであります。
 これら本部の取組は、市民、除雪事業者、行政が一体となって、北国らしいゆたかな暮らしの実現に向け、検討や具体的対策が講じられたと言う意味で、着実に成果があがっているものと考えております。
昨年4月、雪対策事業に関する喫緊の課題を克服するため、3ヵ年を集中取組期間として市内部に「雪に負けないサッポロづくり本部」が組織された。今後とも雪を意識したまちづくりを、長期的視野に立って関係部局が一丸となって検討するべきことを強く要求するものである。
「雪に負けないサッポロづくり本部」は、今年で2年目となっており、実効を上げていると思うが、これまでどのような成果を上げ、どう評価しているのか伺いたい。
(2) 本市所有地の雪対策利用について
 暫定的に地域の雪置き場として開放することにつきましては、都市化が進む住宅地において、有効な手段であると考えられますので、一定のルールのもと、「地域と創る冬みち事業」の取組を中心に拡大を図ってまいりたいと考えております。
また、市有地の売却にあたり雪処理を配慮することにつきましては、土地利用を制限しない範囲でどういったことができるのか、総合的な雪対策の中で検討してまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、雪は地域内で処理すると言う考え方は、今後の雪対策を進める上で重要と考えておりますので、ご提案の趣旨も踏まえ、さまざまな角度から検討してまいりたいと考えております。

 少子化問題は、わが国のあり方の基本に関わる重要な社会問題であり、国でもこれまでさまざまな対策を講じてきた。昨年6月、内閣府の少子化社会対策会議がまとめた「新しい少子化対策について」では、第2次ベビーブーム世代が30代である期間も残り5年程度であるとの危機感を示し、対策の抜本的な拡充の必要性を指摘している。
子育て環境の充実を図るには多様な施策を総合的に講じる必要があるが、その中でも、生活の重要基盤である住宅を子育て世帯にとって適切なものにする事は重要なテーマの一つである。今後、子育て世帯の住宅事情を改善する施策に力を入れていくべき時であると考える。
(1)子育て支援のための住宅施策に対する基本認識について
 総合的な対策が求められる子育て支援において、住宅施策が果たすべき役割は今日その重要性を増しているものと考えるが、いかがか、また、札幌市の子育て世帯の住宅事情について現状をどう評価しておられるか伺いたい。
(2) 子育て支援のための住宅施策の現状と今後の展開方針について
  わが公明党は子育て世帯が安心して子育てできる居住支援を図るため、「ネスト(巣)づくり支援」として新婚世帯や子育て世帯の住宅確保が円滑に出来るよう政府に要請し、結果として19年度予算として2,000億円強が計上された。
 本市が子育て世帯のために講じている住宅施策は現状でどのようなものであるのか、また、今後その施策をどのような考え方で展開していくのか伺いたい。
(1)子育て支援のための住宅施策に対する基本認識について
 住宅は、子どもを生み育てやすい環境づくりを支える重要な生活基盤であり、住宅施策でも子育て支援は必要だと考えております。また、住宅事情についてですが、他の政令市と比較すると札幌の住宅は広く、借家の家賃は低いなど相対的に良好と言えますが、ご指摘のように持ち家と借家の規模には格差があり、子育て世帯にとっては家賃の負担感が大きいと考えられるなど、課題もあると認識しております。
(2) 子育て支援のための住宅施策の現状と今後の展開方針について
 施策の現状としましては、NPO法人と連携し、子育て世帯も含めた多様な相談への対応や情報提供の充実を図っているほか、市営住宅の入居に関して、子どもの多い世帯や母子・父子世帯の当選確率を高める優遇措置を実施しております。
 また、今後の展開方針としましては、市営住宅に限らず、その他の公的賃貸住宅や民間賃貸住宅も含めた総合的な施策が必要と考えますので、民間賃貸住宅への入居に関しては、安心感を一層高めるための情報提供等の充実を、公的住宅に関しては、現在、入居率が低下している特定優良賃貸住宅の活用を進めてまいりたいと考えております。

 サミットを支援するための官民合同組織として、今年6月、「北海道洞爺湖サミット道民会議」が設置され、去る9月7日の役員会で道民会議が実施する支援事業が決定・発表された。事業計画の中では、道民会議が主導的に企画推進する「道民会議事業」を展開するほか、道や市町村におけるサミットを契機とした「連携事業」及び民間企業等における「協賛・応援事業」を促進し、総合的・一体的にサミットの支援と北海道の活性化に取り組む旨うたわれている。  先 先月、「スリムシティさっぽろ計画」の素案が公表された。この計画は、平成20年度からの10年間を計画期間とし、本市における廃棄物処理を、計画的に進めていくための方針及び施策を提示するものである。また、「環境低負荷型資源循環社会の実現」を基本目標とし、市長がマニフェストに掲げられた「ごみ減量24万トン」を達成するためのさまざまな具体的な施策が挙げられている。それと同時に、これらの取組を推進するために、4つの推進方策が設けられているが、その1つとして、家庭ごみ有料化の実施が提案されている。
(1)サミットの支援体制について
 10月1日付で庁内にサミットを支援する組織が立ち上がったが、J8サミットをはじめ、警備消防体制の整備やNGO対応、シティPRなど、多くの部局に関連したさまざまな事柄に対応する体制が必要である。札幌市をあげて全庁的な体制を組むことが必要と考えるが、その点について市長の見解を伺いたい。
(2)サミットを契機とした取組について
 市では「エコライフ10万人宣言」や学校等の公有施設への再生可能エネルギー関連設備等の導入、使用済み食用油の回収によるバイオディーゼル・エコ燃料の普及促進等を行うなど、積極的に環境都市づくりを進めてきている。来年のサミットは環境が主要テーマであることから、サミットをきっかけにさらなる環境の取組を進めることで将来に向けた効果が一層期待できると考えるが、どのような事業をどのように生かしていこうと検討しているのか、伺いたい。
(1)サミットの支援体制について
 議員ご指摘のとおり、サミットには全庁を あげて対応すべきであるとの考えから、市長を本部長とする札幌市サミット支援推進本部を立ち上げる予定でございます。3副市長及び関係局長がメンバーとなり、札幌市が行うサミット支援事業及び独自に行う関連事業について決定していくことを考えております。
 また、すでに、サミット対応の窓口となる組織を10月1日付で設置しており、サミットセミナーの開催による市民広報や道民会議と連携したインフォメーション機能の充実など、時宜を得た対応を図ってまいります。
 議員ご指摘のとおり、サミットには全庁を あげて対応すべきであるとの考えから、市長を本部長とする札幌市サミット支援推進本部を立ち上げる予定でございます。3副市長及び関係局長がメンバーとなり、札幌市が行うサミット支援事業及び独自に行う関連事業について決定していくことを考えております。
 また、すでに、サミット対応の窓口となる組織を10月1日付で設置しており、サミットセミナーの開催による市民広報や道民会議と連携したインフォメーション機能の充実など、時宜を得た対応を図ってまいります。
(2)サミットを契機とした取組について
札幌市としてもサミットはゴールではなくステップアップのための通過点であると考えており、将来の札幌にとってプラスになるようしっかり対応していきたいと考えております。
 ご質問の環境関連の事業につきましては、省エネルギーやごみの減量・リサイクルの一層の推進等、市民一人ひとりが環境に対する意識を高め行動に移していくことが重要であり、サミットにあわせて行う「環境首都・札幌」宣言がそのための契機になることを期待しております。また、関連事業として「こども環境サミット札幌」の開催を計画しておりますが、札幌の子どもたちと世界の子どもたちが一緒に地球環境問題を考えることで、札幌の将来を担う子どもたちが環境について自発的に行動していくきっかけになるよう進めてまいりたいと考えております。

(1) 「さっぽろ学校給食フードリサイクル」の取組について
 2005年、食育基本法が制定され、その基本的施策には、学校、保育所等における食育の推進も謳われており、「学校、保育所等又は地域の特色を生かした学校給食等の実施、食品の調理、食品廃棄物の再生利用等さまざまな体験活動を通じた子供の食に関する理解の促進」が示されており、大きな教育的な効果が期待できる。
A
平成18年度の取組と成果
 平成18年度は、小学校2校のモデル校で取り組んだが、取組とその成果について伺いたい。 
B 平成19年度の進捗状況
 今年度は取り組む学校を増やしているということだが、進捗状況について伺いたい。
C 今後の進め方
 さっぽろ学校給食フードリサイクルは食育・環境教育において、さまざまな教育的効果が期待できることから、早期に全学校で取り組めるようにすることが重要であると考る。また、家庭・地域との連携も重要であると考えるが、今後は、この取組をどのように進めていくおつもりか伺いたい。
(2) 高等学校教育について
 小中学校時代に不登校を経験した子どもにとって、高等学校へ進学する際に、内申点との関係から大きなハンディを負わざるを得ない現状がある。また、入学後も、一度挫折を経験した子どもたちに対して、きめ細かく対応することにより、再出発しようとする子どもたちを応援することが大切で、こうした生徒たちの多様な学習ニーズにも応えられる高等学校が求められている。併せて、現在の高等学校教育には、海外帰国生徒に対する適切な教育機会の提供という問題があり授業理解や高校受験の点で大きな不安を抱えている状況がある。
 今後、「(仮称)市立札幌大通高等学校」が「基本構想」における理念をどのように具体化しようとしているのか、入学者選抜制度における配慮と併せて伺いたい。
(3) 札幌市立山の手養護学校の渡り廊下の設置について
 山の手養護学校は、独立行政法人国立病院機構、西札幌病院が札幌寮養所であった当時に、病院側からの強い要請による院内学級の設置を発端として、その後、半世紀にわたり、さまざまな病気を抱える児童生徒が安心して学べる特別支援学校としての教育を行ってきた。
 山の手養護学校は隣接する西札幌病院に入院又は通院する児童生徒を対象とした病虚弱の特別支援学校であり、入院している子どもたちは、現在、1階部分の病院と学校をつなぐ渡り廊下を通って往き来している。
 山の手養護学校に通う子どもたちにとって、西札幌病院を結ぶ渡り廊下が設置されないという憂慮すべき事態について、札幌市としてどう考えているのか、併せて、札幌市として独立行政法人国立病院機構に対する設置要請を積極的に行うべきと考えるが、今後の対応策について伺いたい。
(4)札幌市立星置東小学校教頭の逮捕について
 一昨日、札幌市立星置東小学校教頭が、自動買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の容疑で札幌中央署に逮捕されるという報道がありました。
 子どもや保護者をはじめ、市民からもっとも信頼されるべき教員、まして、部下を指導すべき立場である管理職の教頭がこのような容疑で逮捕されることは、あまねく市民の教育に対する信頼を根底から失うものであり、大変遺憾であります。
 このことについて、教育長としてどのようにお考えか見解をお伺いいたします。
(1) 「さっぽろ学校給食フードリサイクル」の取組について
A
平成18年度の取組と成果
 初年度18年度の取組は、先行事例を蓄積するため、小学校2校をモデル校として実施いたしました。モデル校では、調理くずや残食などを活用した堆肥で栽培した作物を学校給食に使用するほか、学校の教材園での野菜作りにも活用したり、収穫した作物の調理実習、堆肥作りをしたりするなど、さまざまな教育活動を行ってまいりました。
 子どもたちは、これらの活動を通じて、身近なところから環境について考えるようになり、また、食べ物を大切にする心も育ち、給食の食べ残しも半減するという食育上の成果を上げることができました。
B 平成19年度の進捗状況
 今年度は、試行的な位置づけとしていたモデル校を発展させて重点校とし、小学校4校、中学校1校の5校に拡大しました。
 小学校では、昨年同様、さまざまな体験活動を各校独自に工夫しながら実践しており、また、今年度はじめて取り組んだ中学校では、食と環境を教科の学習をはじめ、学校教育全体の中に位置づけて、取組を深めているところであります。
 リサイクル堆肥を使用した作物については、重点校5校にとうもろこしを提供し、全小中学校にレタスを提供しております。
C 今後の進め方
 重点校では、子どもたちが、さまざまな体験活動などを通して、食と環境の両面における意義を理解し、環境負荷低減のための活動を行うことにより、「食の循環」は「命の循環」であることも実感されており、保護者や地域の方も、教材園での野菜の栽培活動や堆肥づくりに自主的に参加するなど、取組は着実に広がっております。
 こうした取組を踏まえ、今後も重点校を拡大するとともに、先行蓄積された事例を参考にし、家庭、地域と連携を図りながら、できるだけ早期にすべての学校で「フードリサイクル」の仕組みを活用した食育や環境教育を推進してまいりたいと考えております。
(2) 高等学校教育について
 教育内容につきましては、基礎・基本の学習を重視する観点から、習熟度別学習を取り入れるとともに、多様な生徒の学習ニーズに対応するために、体験活動を重視した科目などを幅広く設置することとしております。
 特に、日本語能力に不安のある海外帰国生徒等に対しては、「日本語」という科目を開設する予定であります。
 生徒指導等につきましては、不登校傾向の生徒や心理面での課題を抱えた生徒なども安心して通うことができるよう、少人数指導やスクールカウンセラーの設置など、相談体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
 また、入学者選抜における配慮についてでありますが、札幌大通高校では、2月に推薦入試、3月と9月に一般入試を実施することにより、受検機会の複数化を図っております。
 推薦入試については、受検生本人の意欲を重視する観点から、自己推薦の形をとるとともに、一般入試では、過去の学習成績や欠席状況にかかわらず、再チャレンジすることができるようにするという観点から、「個人調査書」の提出を求めないこととしました。
 さらに、海外帰国生徒等の受け入れのために、進路説明会を開催するとともに、特別枠を設けるなどの配慮を行っております。
(3) 札幌市立山の手養護学校の渡り廊下の設置について
 札幌市といたしましては、山の手養護学校は、西札幌病院に入院、または通院する病虚弱の児童生徒を対象とした特別支援学校であることから、特に積雪寒冷地ということを勘案すれば、入院している児童生徒の通学の安心・安全を確保するためには、7病院と学校をつなぐ渡り廊下は必要不可欠なものであると認識しております。
 こうした認識に立ちまして、平成17年11月に、西札幌病院の設置者である独立行政法人国立病院機構に対して、教育長名で渡り廊下設置についての要望書を提出したところであります。
 平成17年度の要望書提出後も、引き続き、協議を継続しているところでありますが、今後とも、西札幌病院の改築に際しては、渡り廊下の機能を確保するよう、国立病院機構を含めた関係機関に対しまして、強く働きかけてまいりたいと考えております。
(4)札幌市立星置東小学校教頭の逮捕について
 昨日の代表質問に際しましては、藤川議員、細川議員からも、このたびの星置東小学校教頭の不祥事につきまして、厳しいご指摘をいただきましたが、私も非常に重く受けとめております。
 昨日の段階でも、詳細な情報が入手できないこともあり、発言を控えておりましたが、議員ご指摘のとおり、極めて重大な事件であり、誠に慙愧に堪えません。この場をお借りして、被害者の方々をはじめ、子どもたちや保護者、市民並びに全議員の皆様に対して、任命権者として、心から深くお詫びを申し上げます。
 詳細につきましては、捜査当局の調べを待つことになりますが、教育委員会としても速やかに事実確認をした上、厳正な処分を行うとともに、二度とこういったことが起こらないよう、総力をあげて取組んでまいります。
 誠に申し訳ありませんでした。

 国においては、本年5月に「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が公布され、市町村は、公共交通事業者その他の関係者と協力し、相互に密接な連携を図りつつ主体的に地域公共交通の活性化及び再生に取り組むよう努めなければならないと規定されている。さらに、地域公共交通の活性化及び再生に対し、主体的に創意工夫して頑張る地域は総合的に支援するとしており、具体的には、地域が抱える交通の課題を解決し、円滑な交通の確保と目指すべき将来像を実現するため、「都市・地域総合交通戦略」を策定することが推進されている。
 この戦略を策定した自治体には、徒歩・自転車・公共交通等全ての交通を対象に、施設整備等のハード施策や、バス路線再編等のソフト施策に対してさまざまな支援制度が用意されており、札幌市の厳しい財政状況を考えると、こうした支援策を積極的に活用し、公共交通網の充実を図ることが重要である。
このような札幌市の現状や国の情勢を踏まえ、現在行っているパーソントリップ調査において、どのような計画策定を行おうと考えているのか伺いたい。
 パーソントリップ調査における計画策定は、将来交通のあり方を示す「都市交通マスタープラン」のとりまとめを行うものであります。
 また、これにあわせ、道路や乗継施設の整備、LRTなどの公共交通の導入といった、具体的な都市交通施策とその展開プログラムを定める「都市・地域総合交通戦略」についても策定する必要性があると認識しているところであります。
 現在、北海道開発局をはじめとする関係機関や、周辺市町とともに道央都市圏総合都市交通体系調査協議会を設置し、昨年実施した実態調査に基づく現況交通の分析を進めております。
 今後は、ご指摘のありました国の支援制度の活用も視野に入れながら、公共交通を軸とした交通体系の充実を図るべく、計画策定に向けた議論を進めてまいりたいと考えております。