議会報告

平成29年第1回定例議会
代表質問 丸山 秀樹 議員
(厚別区)

2月28日札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して丸山秀樹 議員が代表質問を行いました。

市長の政治姿勢について、先端医療分野における成長企業の育成について、災害対策について質問しました。

以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。
no1
市長の政治姿勢について
(1)財政問題について

①平成29年度の予算編成の考え方
我が会派は、かねてから、若者や女性、国民一人ひとりが輝き、活躍できる希望社会を実現すること、そして、暮らしの現場にあって、働き方の仕組みを変え、保育や介護分野における人材の確保などを推し進め、人口減少・少子高齢化という日本の構造的な問題に立ち向かわなければならないと主張しているところであります。

 そうした観点では、この度の平成29年度予算は、高まる保育ニーズに迅速に応えていくため、アクションプランの整備予定を超えて1,069人分の整備を行っていくことや、国基準の見直しによる処遇改善のみならず、国の基準を上回る加配保育士に対しても処遇改善を図っていくこと、さらに昨年10月に開設した「札幌市保育士・保育所支援センター」について人材マッチングの強化を図り、潜在保育士の復職支援を行っていくことなどを、高く評価しているところです。

 さらには、今回の予算のポイントとして掲げる「女性の活躍推進」については、「子ども・子育ての支援」と「経済・雇用」という他の2つのポイントに大きく関わる重要な施策であると思います。

 そこで質問ですが、平成29年度予算のポイントの一つである「女性の活躍推進」に関して、市長はどのような認識を持って予算編成の柱に据えることとしたのか伺います。

 また、「暮らし・コミュニティ」の政策分野において、「誰もが安心して地域で生活するための環境づくり」に取り組むとしていますが、高齢化が進み、今後、介護ニーズも高まるなか、市民が地域で安心して生活していける環境づくりは不可欠な施策と考えるのであります。

 介護保険制度も改正され、介護予防の取組は地方の大きな役割とされることとなり、自治体の創意が重要となります。
そこで、高齢者の地域での生活を支えていくための施策展開について、どのように予算に反映したのか、伺います。

②今後の財政運営に対する認識
平成29年度の国の地方財政対策を見ますと、一般財源総額は前年度比 0.7%増の62.1兆円を確保しているものの、地方公共団体金融機構の準備金の活用を増やしたほか、地方交付税特別会計の借入償還を一部繰り延べするなど、なんとか地方交付税の原資を確保するという、かなりきわどい状況にあったことが見て取れます。

 また、平成27年6月に閣議決定された、いわゆる骨太の方針2015においては、地方の一般財源総額について、平成30年度までは、27年度の水準を下回らないよう確保するとしていましたが、平成28年度の国家予算において国税収入を減額補正するなど、地方一般財源の確保の前提となる、今後の税収動向を見通すことは難しい状況であります。

 そのような中においても、財政の健全性の確保に留意しつつ、また、その財政状況を市民に発信し、理解を得ながら、真に札幌の未来への投資につながる必要な事業について計画的に実施していくことは重要なことであります。

 そこで質問ですが、このように、今後の地方財政をめぐる見通しは厳しいと予想されるなか、市長は国の地方財政計画の動向について、どのような認識を持っているのか、また、財政運営をどのような姿勢で行っていくお考えか、伺います。

(2)ポートランド視察について

 市長のポートランド市訪問は、就任以来初めてで、特に今回は都市計画部門を中心とした視察団を編成し、ポートランド市の再開発を担う準独立型の組織である「ポートランド開発局」を始めとする関係機関を訪問し、意見交換を行い、実態把握に努めてきたとのことであります。

 我が会派は、国内はもとより、国外の優れた取組を学びながら札幌市が世界都市として魅力と活力にあふれるまちづくりを進めていくことが重要と考えおり、今回の訪問で実際に見たり聞いたりしてきたことを、どのようにまちづくりに活用していくのか期待しているところであります。

 そこで質問ですが、今回ポートランドを訪問して学んだ先進的で特徴的な取組について、札幌市のまちづくりにどのように活かしていくお考えか伺います。

(3)窓口の利便性向上について

 「札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015」では、市民感覚を大切にする行政運営を掲げ、市民に真に求められるサービスを提供するとともに、事業や事務の整理・効率化を図り、職員が市民のためにより一層力を発揮できる取組を進めるとしております。

 具体的には、「窓口における利便性の向上」、「内部管理業務の効率化」や「長時間労働の是正」を掲げ、なかでも直接的に市民サービスにつながる「窓口における利便性の向上」については、大胆に進めるよう我が会派としても求めてきたところです。

 そこで質問ですが、これまでは、区役所の窓口職員を対象に、先行自治体事例を学ぶ研修や、ほかの自治体職員を講師に招いて勉強会などを実施してきたと聞いておりますが、今後は、窓口の利便性の向上に向け、どのような考えで、取り組んでいこうとしているのか、お伺いします。

(4)今後の国際スポーツ大会に向けた取組について

 一昨日、閉会した「冬季アジア札幌大会」では、多くの市民・道民が会場を訪れ、大いに賑わいを見せました。

 札幌市は、これまで1972年にアジアで初めての冬季オリンピック開催や、2002年にはFIFAワールドカップを開催した実績があり、今後は、2019年のラグビーワールドカップ、さらには2020年の夏の東京オリンピック・パラリンピックのサッカー競技の開催を控えています。

 このことは市民にとって、極めて貴重な財産であり、かつ誇りであるとともに、市民がスポーツに夢を持つことができる最大のチャンスであると考えます。

 そこで質問ですが、今後開催されるラグビーワールドカップ2019と2020東京オリンピック・パラリンピックサッカー競技会の成功に向けて、市民とともに、どのように取り組んでいくのか、市長のお考えを伺います。

(1)財政問題について

○1点目の平成29年度の予算編成の考え方について

今後の札幌のまちづくりにおいては、人口減少社会の問題や経済の活性化への取組など、様々な場面で、女性が本人の希望に応じて活躍できることが重要と認識。

 そのため、保育所等の整備や女性の再就職の支援など既存の取組に加えて、新たに、仮称)さっぽろ女性応援会議において、子ども・子育て支援や経済・雇用など個別の政策分野の垣根を越えた、女性の視点に立った一体的な施策展開を検討してまいりたい。

 また、超高齢社会を迎え、高齢者が地域で元気に暮らし、役割や生きがいを持って気軽に参加できる居場所づくりや、地域で高齢者を支えていくことがますます重要になると認識。

 このため、生活支援コーディネーターの配置などを通して、地域における多様な主体による、健康づくりなどの介護予防の充実と生活支援サービスの提供体制の整備を推進してまいりたい。


○2点目の今後の財政運営に対する認識について

 まず、国の動向については、平成29年度地方財政計画において、「経済財政運営と改革の基本方針」に基づき、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額が確保されたものと評価。

 ただし、その策定過程においては、近年では異例の措置も含め、あらゆる手段を総動員したものと承知しており、今後の持続可能性には懸念も感じられるところ。

 また、本年1月の国の試算によると、国・地方を合わせた基礎的財政収支は、黒字化を実現すべき平成32年度においても8.3兆円程度の赤字となっており、財政健全化の観点から、地方財政を取り巻く環境は、今後、厳しさを増していくものと認識。

 こうしたことから、本市としても、引き続き、中長期的な視点を持ったうえで、歳入確保の取組や、事業の優先順位づけ、事業費の精査や節減によって、今後のまちづくりに必要な財源の確保を図り、若い世代が地元で活躍し、安心して子どもを産み育てていけるような未来への投資についても、計画的に進めてまいりたい。

 あわせて、こうした取組や財政状況について、市民の皆さんにも的確に伝え、理解を得ながら、将来世代に過度な負担を残さない持続可能な財政運営を推進してまいりたい。

(2)ポートランド視察について

 今回の訪問でポートランドのまちを歩き、多くの方々のお話しを聞いて、まちの賑わいづくり、公共交通の運営、ものづくり事業者への販路拡大支援など、札幌と異なる特徴的な取組を学んだところ。

 これは、社会的背景や制度の違いにもよることから、ただちに本市に当てはめることはできないものの、賑わいづくり、まちづくりを支える運営組織などについて、札幌とポートランドの制度や施策を比較する詳細な調査研究を行い、官民協働の空間活用や再開発などに生かしていきたい。

(3)窓口の利便性向上について

 これまでも、各区において、職員提案に基づき、待ち時間短縮のための窓口混雑予想表や、来庁者を迷わせないためのイラスト入り窓口案内の掲出などといった取組を行ってきているところ。

 今後は、市民サービスの最前線に立つ現場の職員が、市民の立場に立って分かる気付きや感覚を業務改善に繋げていく、そして、そのような取組を多くの部局で共有し、横展開していくことが重要。

 また、新たに、窓口来庁者数や手続時間などのデータ分析に基づき、市民にとって、より利便性の高い窓口配置の在り方について検討してまいりたい。

(4)今後の国際スポーツ大会に向けた取組について

 全世界が注目する「ラグビーワールドカップ2019」及び「東京2020オリンピックサッカー競技」の開催自治体の一つに、札幌市が選ばれていることは、栄誉なことであると認識。

 しかしながら、東京オリンピックについては、仮設費や大会運営費など、開催自治体の費用負担が懸念されているところ。

 このため、当初の計画どおり開催できるよう、現在、関係自治体とともに都や国などに対し強く求めているところであり、問題が解決された場合には、これらの大会をアジア大会同様、全力で成功に導いていく所存。

 そのためには、市民と一体となった温かなおもてなしが不可欠であることから、アジア大会のボランティアである「スマイル・サポーターズ」の皆様に、引き続きご活躍いただけるような取組を進めるとともに、多くの方々が期待を胸に会場に足を運んでいただけるよう、大会PRや気運醸成などに積極的に取り組んでまいりたい。

no1
先端医療分野における成長企業の育成について

 さっぽろ未来創生プランによれば、本市では、20代の男女ともに道外への大幅な転出超過が生じており、その大きな要因に「就職」が挙げられています。

 専門的な知識を学んだ高度な理系人材が流出している状況は、札幌市にとって、極めて大きな損失であると言わざるを得ません。札幌が、将来にわたって競争力を持ち、魅力ある都市であり続けるためには、大卒の理系人材が十分に力を発揮できる雇用の受け皿、産業の創出が喫緊の課題であります。

 そのため、秋元市長は、「健康・医療・バイオ系の研究開発企業などの誘致」を公約に掲げております。そして、昨年末には、札幌医科大学の先端的な再生医療研究を事業化するため、大手メーカーの研究所が開設されるなど、誘致の実績も出ており、これまでの代表質問で、この再生医療研究を繰り返し取り上げてきた我が会派としても、歓迎すべきことと思っております。引き続き、こうした研究開発企業の誘致を進めていただきたいと考えますが、大卒理系人材の雇用を拡大する観点からすると、それだけでは十分とは言えません。

 市内においては、先端的な医療分野の研究を元に、大きく成長する可能性を秘めた、将来有望な研究開発ベンチャーが存在しています。これらの地元企業が次々に生まれ、成長しやすい環境の整備を、企業誘致との両輪で押し進めていくべきと考えます。

 そこで質問ですが、大卒理系人材の雇用拡大を図るべく、先端医療分野における成長企業の育成を、より力強く進めるべきと思いますが、どのようにお考えか伺います。

 革新的な技術や製品を生み出して、大きく成長する可能性がある研究開発企業は、理系人材の雇用先ともなることから、産業振興を進めるうえで極めて重要と認識。

 こうした考えのもと、研究施設の賃料補助や展示商談会への出展支援などに加えて、今年度からは、医療分野の産学共同による研究に対して補助を実施しているところ。
また、新年度は、大学における未公開の研究成果と市内企業をマッチングする新たな仕組みを構築し、事業化や製品化を後押ししたい。

 今後も、先端医療分野のさらなる企業の創出や成長に向けて、大学や関係機関と連携を図りながら、積極的に取り組んでまいりたい。

no1
災害対策について
(1)災害対策本部訓練の評価について

 札幌市におきましても、過去の震災から得られた教訓をもとに、様々な対策が進められています。例えば、避難所となる学校施設の耐震化が進められるとともに、備蓄物資なども拠点に集積していたものを、各基幹となる避難所に分散配置し、いち早く避難者への対応が図られるよう配慮されてきています。

 このほか、市民の災害対応力を一層高めるため、地域においてDIGやHUGを進めるとともに、出前講座や出前授業、各種普及啓発などを通じ、積極的に防災意識の向上に努めてきたものと、受け止めております。

 このような市民向けの対策と同時に、市職員の災害対応能力の向上のため、昨年度から毎年、災害対策本部訓練を実施しており、本年1月20日にも地震を想定した訓練が実施されました。被害状況の推移や被災者の変化に合わせた対応が求められる災害対策本部の働きいかんによっては、応急・復旧業務に大きな影響が生じることから、本部を構成する職員の訓練を行うことが、何よりも重要であります。

 訓練は、様々な状況をイメージした上で、訓練目標を設定し、実施後には検証を行い、その反省を活かし、繰り返し行うことで、いざという時に的確に対応できる能力を向上させていくものであります。

 そこで質問ですが、今回の訓練のねらいと、その結果をどのように評価し、それを今後の災害対応力の強化にどのように繋げていくお考えか、伺います。


(2)風水害への対応力の強化について

 昨年8月、北海道に台風が連続して上陸し、道東を中心に大きな被害がもたらされたことは記憶に新しいところです。

 いつ起こるか分からない地震も脅威ですが、近年、多発するゲリラ豪雨などの風水害に対しても、的確に対応していかなければなりません。

 そこで質問ですが、風水害に対しても地震同様に、訓練と検証を積み重ね、職員の対応力を向上させておく必要があると考えますが、風水害を想定した訓練の実施についてはどのようにお考えか、伺います。


(3)木造住宅耐震化の取組について

①耐震診断の申込が大幅に増えた要因

 これまで、札幌市における木造住宅の耐震化に関する取組は、自民党・公明党の政策研究会において、木造住宅の耐震化促進制度及びその条例化を検討し、平成18年に札幌市住宅耐震化促進条例を制定してから10年間にわたり行われてきております。

 昨年度まで、耐震診断の申込は例年数十件で推移しており、総計で約300件となっておりましたが、今年度には、「第2次札幌市耐震改修促進計画」を策定し、木造住宅の耐震化を一層促進していくために、耐震診断を無料化するなど、大幅な制度拡充が図られました。特に耐震診断においては、過去10年間の実績を上回る、500件を超える申込があるなど、市民の防災に関する意識の高まりが感じられる結果となっております。

 そこで質問ですが、今年度、耐震診断の申込が大幅に増えた要因をどのように分析しているのか伺います。

②耐震改修工事を促進するための取組

 また、今年度、耐震診断を実施した方は、これから耐震化に関わる工事を検討していくことになろうかと思いますが、過去の傾向では、なかなか耐震改修工事に至らないケースが多いと認識しております。

 この意識の高まりを一過性のものとしないように、今後の取組には一層の工夫が必要であると考えますが、耐震改修工事を促進するために、今後どのように取り組まれていくのか伺います。


(1)災害対策本部訓練の評価について

 災害対策本部訓練は、アクションプランにおいて、5年間で計画的に災害対応力の向上を図ることとしており、今年度は昨年度の発災直後に続き、発災24時間後を想定した訓練を初めて行った。

 今回は、昨年度の訓練で課題とされた情報の集約や整理、共有といった「情報の処理」を主眼としたが、熊本地震で課題となった物資輸送や避難所運営への対応なども盛り込んだ。

 現在、訓練の検証中であるが、物資輸送などに係る連携の確認ができ、主眼とした情報の処理については、防災支援システムの活用や手順をマニュアル化したことにより、概ね期待した成果が得られた。

 今後、災害対応力の更なる強化に向け、今回の情報処理の運用の成果を基に、より的確な対策に結び付けられるよう訓練を重ねてまいりたい。

(2)風水害への対応力の強化について

 札幌市では、平成26年の豪雨以降も、昨年・一昨年と集中豪雨による河川の氾濫や土砂災害発生などの恐れがあったことから、風水害対策も重要なものと捉えている。

 そのため、来年度の災害対策本部訓練は風水害を想定し、風水害対応で重要な気象情報などの収集や分析、対策の検討、市民の的確な行動のための情報提供や、避難所の早期開設なども盛り込む予定。

 また、豪雨対応の検証を踏まえて実施した、緊急速報メールの表記変更や避難所へのキーボックス設置などの取組についても、訓練を通じて効果や手順などを確認しながら実効性を高めてまいりたい。

(3)木造住宅耐震化の取組について

○1点目の耐震診断の申込が増えた要因について

 診断を受けた方を対象に行ったアンケート調査では、耐震性を確認し、改修の参考にしたいとの回答が最も多かったことから、熊本地震の影響や診断の無料化に加えて、自宅の耐震性能への関心の高まりが主な要因であると分析。

○2点目の耐震改修工事を促進するための取組について

 アンケート調査では、工事内容や費用に関する情報提供を希望する声が多かったことから、具体的な改修事例を紹介するセミナーを開催するなど、一層の啓発に努める。

 また、今年度拡充した改修工事補助の内容や、エコリフォーム補助との併用、国が創設した支援制度についても、わかりやすく情報提供し、所有者がニーズに合わせて選択できるよう努める。

no1
新たな住宅セーフティネット制度について

 現在、国土交通省では、住宅に困窮する子育て世帯や高齢者世帯などの住宅確保要配慮者の増加に対応するため、民間賃貸住宅や空き家を活用した住宅確保要配慮者向け住宅の登録制度等を内容とする新たな住宅セーフティネットの創設に向け、所要の予算を平成29年度の政府予算案に計上するとともに、現在開会中の通常国会で関連法案の整備を進めております。

 明らかにされている内容は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅を都道府県等において登録する制度の創設と当該登録内容の情報提供、さらに、登録を受けた賃貸住宅のうち、住宅確保要配慮者の専用の住宅とするものについて、バリアフリー改修等の一定の改修工事に対する補助制度や、家賃低廉化に対する補助制度、さらには家賃債務保証料に対する補助制度などの支援制度を創設するというものであります。

 本市の状況を見ますと、市内の空き家は約14万戸、そのうち賃貸・売却用が約11万戸、近年の市営住宅の応募倍率は25倍前後と、全国と同じような傾向を示しています。本市においては、これまでも住宅セーフティネットの構築に関する様々な取組を行っていますが、国の新たな制度設計に応じた検討が求められるのではないかと考えます。

 そこで質問ですが、現在、制度の詳細は示されていないため、本市における導入の可否は、まだ判断できる状況にはないとは思いますが、札幌市としてこのような動きをどのように考えているのか伺います。


 札幌市においても、増加する空き家の有効活用が課題となる一方で、札幌市住宅マスタープラン見直しに係る札幌市住まいの協議会の答申において、民間住宅も含めた住宅市場全体で、一層充実した住宅セーフティネットの構築が必要との提言を受けたところ。

 現時点では国の新たな制度の詳細は不明であるため、今後の国や他都市の動向など情報収集に努めてまいりたい。

no1
安定したインフラ整備について
(1)建設業界の担い手確保について

 国土交通省の資料では、全国の建設系 技能労働者、約340万人のうち、今後10年で約3割にあたる約110万人が高齢化等により離職の可能性があります。また、若者の入職希望者は少なく、29歳以下の労働者は、約1割程度となっております。

 インフラメンテナンス産業の育成は、成長戦略の柱と期待されておりますが、多くの若者が夢や希望をもって働ける建設業界への転換は急務であり、官民一体となって取り組むべき課題であります。若者を建設業界へ呼び込むためには、休日や賃金などの処遇改善、社会保険未加入対策などのほか、建設業の仕事の魅力ややりがいを積極的にPRするなど、多様な取組を進めることが重要です。

 そこで質問ですが、建設業界の担い手不足、特に、若者の就職者が少ないことについて、どのように認識し、どう取り組んでいくのか伺います。


(2)建設現場におけるICTの活用について

 国では、担い手不足への対策の一環として、建設現場における生産性向上を図る取組、いわゆる「アイ・コンストラクション」に、今年度から積極的に取り組んでおり、建設現場の生産性を2025年までに、20%向上することを目指すとしております。

 「アイ・コンストラクション」の導入により、人手による現場作業が省力化され、建設業のイメージが変わるとともに、多様な人材の確保に加え、工事現場における安全性向上も期待されています。主な取組では、道路や河川工事における、測量、設計、施工管理、検査までの一連の流れにICTを活用する、いわゆる「ICT土工」などが掲げられており、すでに国では、一定規模の土工量がある工事は、全てこの「ICT土工」での発注を基本とするなど、積極的な取組が、始められていると聞いております。

 そこで質問ですが、札幌市として建設現場におけるICTの活用について、どのように取り組んでいくのか伺います。


(1)建設業界の担い手確保について

 地元建設業における担い手不足は札幌市としても重要な課題と認識。

 そのため「公共工事の品質確保の促進に関する法律」の改正趣旨も踏まえ、工事の早期発注や総合評価落札方式の拡大など、経営安定化に資する施策を進めてきたところ。

 また、平成27年度より、企業の人材確保・育成を支援する助成制度を始めるとともに、建設業の意義や魅力を伝えるPR事業を業界団体等と連携しながら行っている。

 今後とも、関係機関や業界団体等と連携しながら、継続的に取り組んでまいりたい。

(2)建設現場におけるICTの活用について

 担い手不足への対策として、また、将来の建設業界の発展のために建設現場におけるICTの活用は必要な取組と認識。

 国も今年度より本格的に取組を始めたところであり、札幌市としては、国や道などから情報収集を行っているところ。

 今後は、国や道などの取組も参考とし、また、業界団体の意見なども聞きながら、調査、検討してまいりたい。

no1
都心アクセス道路について

 現在、検討が進められている創成川通の機能強化は、これまでも我が会派が訴え続けてきたとおり、観光振興や物流強化に加え、医療面や防災面など安全・安心を考えるうえでも、その効果は幅広く期待されているところであります。

 このように、医療面、防災面における、市民・道民の安全・安心を守るための取組は極めて重要ですが、さらに、観光振興として、新幹線札幌延伸を見据え再整備が検討されている札幌駅バスターミナルと連携し、その効果を全道に波及させていく上でも札幌駅と高速道路を結ぶ創成川通の機能強化の重要性は高く、他にも、日々の暮らしや物流強化など期待される効果は幅広いと言えます。

 一方、昨年10月から11月にかけて、札幌駅前通地下歩行空間などで開催されたパネル展において実施したアンケート結果を見ても、幅広い効果に対する期待や、創成川通の渋滞に課題を感じる声が多く寄せられ、市民理解も深まりつつあると感じています。

 また、昨年11月には国会において我が党議員の創成川通整備に関する質問に対し、国交大臣より札幌市や道など関係機関による検討会の設置をするとの答弁があり、さっそく昨年12月19日に、「札幌都心アクセス道路検討会」の第1回会合が開かれました。札幌市としては、これまでの取組状況や、昨年策定した第2次都心まちづくり計画や札幌市強靭化計画などの各種計画への位置付けについて報告したとのことであり、いよいよ具体の検討が始まることに期待をしているところです。

 そこで質問ですが、都心アクセス強化の実現に向け、今後、どのように検討会を進めていくつもりか伺います。


 国内外の都市間競争が激しくなる中、都心アクセスの強化は、都市の魅力と活力を創造し続けていくためにも重要な取組と認識しており、ご指摘のとおり、観光や物流、救急医療、防災など様々な分野において、その取組の効果が広域的に波及することも期待される。

 そこで、都心アクセス強化の検討にあたっては、創成川通が国道5号であることから国が加わり、北海道開発局、北海道、札幌市の三者で連携し、「札幌都心アクセス道路検討会」が設置されたところ。

 検討会では、創成川通の交通課題を解決する観点のみならず、広域的な視点での整備効果を含め、調査検討を進めていくとともに、都心のまちづくりと連携しながら、道路の概略構造案を検討していく予定。

 検討を進めるにあたっては、適宜、市民に情報提供を行い、ご意見をいただきながら、議論を深めてまいりたい。

no1
超高齢社会への対応について
(1)高齢者雇用を促進するための企業に対する取組について

 我が国の65歳以上の高齢者人口は、平成27年には26.6%に達し、世界でも例を見ないスピードで高齢化が進行し、超高齢社会に突入しています。

 一方、札幌市の人口構成に目を向けると、平成27年の国勢調査では、15~64歳の生産年齢人口が前回の67.7%から63.7%と減少しており、これに伴う労働力人口の減少が懸念されています。

 平成27年の札幌市の調査によると、65歳以上の人材活用に興味のある企業は25%で、こうした企業に対し高齢者採用を支援しながら、同時に高齢者人材活用意欲を持つ企業の割合を増やしていくことが必要であると考えます。

 また、元気な高齢者の中にも、これまで経験してきた業務と異なる仕事に就くことを躊躇する方もいらっしゃると聞いており、企業と高齢者双方の雇用に対する不安の解消や企業と高齢者のマッチングの促進など、行政としても積極的に取り組み、高齢者の就労を促していくべきと考えます。

 そこで質問ですが、高齢者雇用を促進していくための企業に対する取組を充実させていくべきと考えますが、いかがか、伺います。


(2)高齢ドライバーの事故防止対策について

①高齢ドライバーの事故防止対策
 高齢ドライバーの交通事故に対する関心の高まりから、本市においても、運転免許証を自主的に返納する高齢者は増加傾向にあります。また、本年3月12日には改正道路交通法が施行され、75歳以上の高齢ドライバーに対する認知機能検査が強化されることに伴い、運転免許が取り消しになる高齢者が増加することも予想されます。

 これらは、高齢ドライバーによる交通事故の抑制につながるものと考えますが、運転免許の「自主返納」や、認知症と診断された人に対する「免許の取り消し」など、高齢ドライバーに特別の制限や負担をかける方法だけでは限界があります。このため、自動ブレーキシステムを始めとした技術革新による安全な自動車の普及や、効果的な交通安全教育の実施など、社会全体で高齢ドライバーの安全を支えていく必要があるものと考えます。

 そこで質問ですが、増加する高齢ドライバーによる交通事故を防止するため、本市として、どのような対策を進めていくのか伺います。

②高齢者が利用しやすい交通環境

一方、高齢者が安心して免許を返納できるように、自動車がなくても生活に不安や支障を覚えることがないような社会づくりも重要であり、そのためには高齢者が利用しやすい交通環境を整えていく必要があると考えますが、いかがかお伺いします。


(1)高齢者雇用を促進するための企業に対する取組について

 高齢者の雇用を増やしていくことは、高齢者の活躍を推進することはもとより、企業の人材確保にも資すると認識。

 そのため、企業に対し、高齢者の求人を増やしてもらうための取組を継続するとともに、来年度から新たに、高齢者雇用を望んでいる企業がそのノウハウを学ぶセミナーや、企業と高齢者とのマッチングを図る仕事体験会を開催する。

 これらの取組を通じて、企業と高齢者双方の不安解消を図りつつ、企業の人材確保を支援してまいりたい。

(2)高齢ドライバーの事故防止対策について

○1点目の高齢者の交通事故防止対策について

 高齢者の安全運転に関する出前講座の実施や、啓発チラシの配布のほか、北海道警察などと連携して運転シミュレーターを活用した交通安全教室を実施し、加齢に伴う運動機能や認知機能の低下を自覚していただくことにより、より慎重な運転を心がけるよう呼び掛けてまいる。

○2点目の高齢者が利用しやすい交通環境について

 本市では、交通事業者の協力のもと、バスや路面電車における低床車両の導入や地下鉄・JR駅のバリアフリー化、高齢者への公共交通の利用を促す冊子の配布など、高齢者が円滑に移動しやすくするための取組を進めてきているところ。

 今後、超高齢社会を見据え、地域の重要な移動手段である路線バスを確実に維持していくとともに、高齢者の移動にも配慮した誰もが使いやすい地域公共交通体系の確立に向けた検討を進めてまいりたい。

no1
さっぽろ医療計画の改定について
(1)これまでの成果と課題について

 札幌市では、市内の医療の現状や国の医療制度改革等に迅速に対応するため、2012年3月、「さっぽろ医療計画」を策定しました。

 この計画は「市民が生涯を通して健康で安心して暮らせる社会の実現に向けた医療システムの確立」を基本理念とし、「安心を支える医療システムの構築」、「地域と結びついた医療の強化」及び「市民の健康力・予防力の向上」の3つの目標を掲げ、2012年度から様々な事業に取り組むことにより地域医療の充実に努めてきたところであります。

 一方、計画策定から5年が経過し、今後、さらなる高齢化の進展や人口減少、高齢単身世帯や介護を必要とする高齢者の増加で、地域医療を取り巻く環境は大きな転換期を迎えており、市民の医療へのニーズも高度化、多様化しております。

 現在、札幌市では、現行の計画期間が2017年度に終了することを受け、2018年度以降の「次期さっぽろ医療計画」策定の検討を開始したと聞いており、改めて次期計画の策定に向け、現計画の再検証と課題整理が必要ではないかと考えます。

 そこで質問ですが、さっぽろ医療計画のこれまでの成果と課題について、伺います。


(2)次期さっぽろ医療計画の方向性について

 次のさっぽろ医療計画を策定するにあたり、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向け、北海道が昨年12月に策定した地域医療構想の考え方をどう盛り込むかということがあります。

 札幌市においても2025年を見据え、地域医療構想を踏まえた将来のあるべき医療提供体制を実現するため、医療と介護の一体的な取り組みとともに、地域包括ケアシステムの構築に向けて一層の推進が求められると考えます。

 加えて、2015年に札幌市が行った在宅医療に関する市民アンケートによりますと、「どこで最期を迎えたいか」という問いに、32.5%の方が「最期まで自宅で過ごしたい」と回答し、最も多い結果となっており、在宅医療の推進が大変重要となってまいります。

 この在宅医療で大いに活躍が期待される「かかりつけ医等」については、我が会派が現行計画策定時より継続して力を入れ、その役割と必要性について普及啓発を進めてきたところです。今後も引き続き、「かかりつけ医等」を市民に広く深く浸透させることで、かかりつけ機能のより有益な活用が図られると考えております。

 このことから、次期さっぽろ医療計画では、新たな課題にしっかりと対応すべく具体的な施策を盛り込むとともに、市内における各地域の実情を十分に踏まえ、住民・患者の視点に立った地域医療体制が確保されるような内容にしていただきたいと思います。

 そこで質問ですが、現行計画の成果や課題を踏まえ、次期さっぽろ医療計画の方向性について、どのようにお考えか、伺います。


(1)これまでの成果と課題について

 計画の主な成果としては、急な病気やけがの際に受診が必要かどうかを電話で相談できる「救急安心センターさっぽろ」を開設したほか、在宅医療を担うグループ診療体制を各区に整備してきたところ。

 一方、産婦人科の救急相談など各種医療相談窓口の認知度については、成果指標に対する達成度が低い傾向であった。

 このことから、医療に関する情報発信を一層強化するほか、議員ご指摘のとおり、高齢化の急激な進展や人口減少などの社会構造の変化に対応した地域医療体制の構築が課題と認識。

(2)次期さっぽろ医療計画の方向性について

 医療相談体制や救急医療体制の充実及び大病院とかかりつけ医との連携など、地域の医療連携の推進を引き続き計画の基本とする考え。

 併せて、札幌市の関連計画との整合性を図り、北海道医療計画や地域医療構想の方向性に沿ったものとしてまいりたい。

 また、少子高齢社会を見据えた課題に対応するため、在宅医療の更なる推進を図るとともに、計画の進捗状況を第三者の目で定期的に確認する新たな体制についても検討したい。

no1
発達障がい者の支援施策について
(1)切れ目のない支援と連携の強化について

 情報共有については、国の調べにより、市町村や教育機関において、情報引継の重要性に対する認識不足が明らかになっております。特に中学・高校間及び高校・大学間で教育支援計画の引継ぎの実施率が低く、中学校では14.7%、高校ではわずか6.4%にとどまっております。

 適切な引継ぎがなされず、支援が途切れたものの中には、不登校や集団への不適応、犯罪行為などの二次障害に発展するなど、対応が困難となった事例もみられているとのことです。

 一方、札幌市においては、情報共有の促進については、既に取り組んでおられ、関係機関での情報伝達ツールとして「サポートファイルさっぽろ」を作成し、活用促進が図られております。このファイルについては、今年1月に小・中学校や障害福祉サービス事業所などを対象に実施したアンケート調査では、ファイルの認知度は高いものの、その活用は十分に図られていないとの結果であったと聞いております。

 そこで質問ですが、発達障がい者支援では、ライフステージに応じた切れ目のない支援が重要であり、関係機関との連携のもと取り組んでいくことが必要であると考えますが、これまで札幌市としてどのように取り組まれてきたのか伺います。


(2)今後の発達障がい者支援の充実について

 発達障がい者支援においては、一人一人の特性に応じた切れ目のない支援が必要ですが、その支援のノウハウの普及が十分に行われておらず、適切な支援までには至っていない状況にあります。

 特に札幌市は、児童については、発達障がい児が療育のために利用する放課後等デイサービスなどの障害児通所支援事業所の数が多く、療育の受け皿が多い反面、預かりだけなど、療育の質の確保が課題となっております。

 また、成人期については、こだわりの強さから生活の継続が困難となる方や、怒りや不安など感情のコントロールが上手くできず、支援者との関係がつくれないなど、対応が困難な事例も多く、生活介護や就労支援などの支援機関において対応に苦慮されていると聞いております。

 そこで質問ですが、これらの課題について、札幌市としてスピード感を持ち取り組むことが必要と考えますが、今後どのように支援を充実していくつもりか伺います。


(1)切れ目のない支援と連携の強化について

 札幌市では、平成17年度から保健、福祉、教育等の関係機関と連携し、早期発見・早期支援、社会適応、就労、ネットワークづくりなど、ライフステージごとの課題について検討を行ってきたところ。

 ご質問の「サポートファイルさっぽろ」は、この検討の中で生まれた札幌市独自の冊子で、乳幼児期から成人期までの情報を関係機関で共有、引継できるものであり、その活用促進に努めている。

 また、発達障がい児を育てた親による相談の実施や、犯罪行為や暴力などの二次障害に伴う困難事例に対し、家族支援から本人支援に至る一連のプログラムを全国に先駆けて開発し、その普及を行うなど、それぞれの年代に応じた取組を積極的に進めてきたところ。

(2)今後の発達障がい者支援の充実について

 発達障がい者支援においては、切れ目のない支援とともに、その質の向上が大変重要であると認識。

 児童については、昨年10月から一部の地域で、障害児通所支援事業所に専門スタッフが赴き、療育に関する技術的な支援を開始。

 来年度以降は、順次体制を強化し、実施地域を拡大することとしており、これまで行ってきた事業所への研修や指導の強化と併せ、療育の質の向上に努めてまいる。

 また、成人期については、「札幌市自閉症・発達障害支援センター」に、困難事例等についてのノウハウを有する職員を新たに配置し、各事業所が抱える課題の解消に向けた助言や指導を行うなど、事業所における対応能力の強化を図ってまいる。

 今後も、このような切れ目のない支援の充実に、スピード感を持って取り組むとともに、発達障がいについての正しい理解が深まるよう、普及啓発をより一層推進してまいりたい。

no1
動物愛護行政の推進と動物愛護センター新設に向けた取組について

 札幌市が抱える喫緊の課題の解決に向け、平成27年5月には「札幌市動物愛護管理基本構想」が策定され、昨年3月には、新たな動物愛護に関する条例を制定し、日本で初めて「動物福祉の向上」を掲げて、8週齢の規定などを条例に盛り込むなど、先進的な取組を進めています。さらに、条例に基づき、新たに動物愛護管理推進協議会を立ち上げ、このたび、動物愛護管理推進計画の骨子案と動物管理センターの機能強化について答申書としてまとめ上げられ、2月3日に市長に手交されました。

 この答申書では、協議会として全会一致で動物愛護センターを新設することで意見がまとまっておりましたが、動物管理センターの機能強化に関連して、動物関係行政を全国的にみますと、これまでの取り締まり的業務から、動物愛護、適切な飼育マナーの普及啓発に重点が移り、各地でその動きが活発化してきております。

 また、このような動物愛護センターを求める動きは、市民の要望としても高まっており、西区にある札幌市動物管理センターと北区にある福移支所とを統合し、利便性のよい中心部に、子どもたちが動物の命について学んだり、市民と協働で動物愛護を進める施設としての新設を求める陳情が、昨年2月の市議会本会議で採択された経緯もありました。

 我が会派としても、昨年12月に提出しました「平成29年度の札幌市予算編成に対する要望書」において、動物愛護の推進と相談・対応機能の拠点施設となる動物愛護センターの新設に取り組むことを強く要望したところです。

 市民の声、議会の声、有識者の声が動物愛護センターの新設を望んでおります。
そこで質問ですが、今回の答申書を受けて、動物愛護行政の推進と動物愛護センターの新設に対して、今後どのように具現化していくおつもりなのか、市長のお考えを伺います。


 動物愛護行政の推進に当たっては、答申内容を尊重しながら、センターを動物愛護管理の拠点と位置付け、市民、事業者、大学など、多くの主体と連携し、「人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろ」の実現に向けた事業の具体化を進めてまいりたい。

 答申では、動物愛護センターの新設が必要であるとの意見がまとまっており、札幌市としても動物愛護管理基本構想の実現のために、動物管理センターの機能強化が必要であることは十分認識。

 今後、動物愛護管理推進計画を策定する中で、具体的な施策を検討するとともに、新たな動物愛護センターの在り方について、新設を含めて結論を得てまいりたい。

no1
図書・情報館におけるまちづくりの観点について

 昨年の11月に白石区役所複合庁舎内にオープンした「えほん図書館」を視察しました。そこには多くの家族連れが訪れ、従来の静かな図書館、個人の学習の場の図書館というイメージとは違った光景を目にしました。それは、新たな街の魅力的なスポットであり、新たな交流の場でもあると感じたからです。そして、こうした人が集まり交流を創出していくという図書館の機能は、今後のまちづくりに、大いに生かしていくべきだと思ったのです。

 札幌市では、平成24年1月に公表された「第2次札幌市図書館ビジョン」において、知の拠点として市民の生活や創造的な活動に寄与する図書館を目指すこととしています。この「2次ビジョン」の中でも言及されている「都心にふさわしい図書館」が、北1条西1丁目に現在建設中の札幌市民交流プラザの中で「図書・情報館」として整備が進められており、札幌都心のまちづくりの観点で進められる整備は、これからの図書館機能の展開を考える上で、大きな役割を示すものと考えます。

 多くのビジネスパーソンが活躍する札幌都心において、図書館の持つポテンシャルを生かし、時代に即応した企業や、求職者への支援を行う、ビジネス支援図書館をかねてより提言してきた我が会派として、この事業には、高い関心を持っているところです。

 そこで質問ですが、札幌都心のまちづくりと図書・情報館の機能や役割、効果をどのようにとらえ、今後の整備を進めていく考えなのか伺います。


 札幌市では、都心の魅力や価値をより一層向上させていくため、新たな活動や交流の拠点となることを目指し市民交流プラザを整備中である。

 その中に設置される「図書・情報館」は、ビジネスやくらしに役立つ最新の情報を収集・提供するとともに、会話も可能な閲覧スペースにおける市民同士の交流や、充実したIT設備を活用した情報収集を支援する知的空間としての機能を併せて持っている。

 さらに、都心という立地条件を活かし、近隣の札幌商工会議所などの経済団体や日本政策金融公庫などの金融機関と市民の活動を結ぶ役割も担う。

 「図書・情報館」は、従来の図書館とは違う、多くの人々が行きかう魅力と活力のあふれる都心の新たな交流拠点、情報拠点として、整備していく考え。

no1
持続可能な開発目標(SDGs)の理念に基づく教育について
(1)第3次札幌市生涯学習推進構想にどのように生かされているかについて

 貧困や飢餓の撲滅、質の高い教育やジェンダー平等の実現、地球環境の保護など、人間の安全保障を理念とした「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が、平成27年9月に国連総会で採択され、1年以上が経過しました。

 このアジェンダの中の教育分野の目標においては、適切かつ効果的な学習効果をもたらす質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにすることや、教育におけるジェンダー格差を無くすこと、全ての学習者が持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにすることなど、全ての人に包括的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進することとしています。

 現在、札幌市では、平成29年度から概ね10年間の生涯学習の指針となる第3次札幌市生涯学習推進構想の策定を進めており、市民からの意見募集(パブリックコメント)を終了し、3月の公表に向けた最終段階であると聞いております。世界的に同じ認識を持ち、課題達成に向けて取り組むためには、「SDGs」、すなわち「持続可能な開発目標」のような国際的な枠組みは重要な役割を果たします。

 そこで質問ですが、まず、「持続可能な開発目標」に掲げる理念は、策定される第3次札幌市生涯学習推進構想にどのように生かされているのか伺います。


(2)当該目標の理念を踏まえた上での公立中学校夜間学級の意義について

 また、「誰一人取り残さない」という理念は、広く未来を担う子どもたちの心に深く刻んでほしい重要な考え方であります。国はこの考え方を踏まえ、次期学習指導要領に基づく教育課程や教材の改善・充実を推進していくとしており、我が会派としても、学校の授業などの中で、持続可能な開発目標に関する学習を進めていくなどの取組を求めているところです。

 一方、先の臨時国会においては、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」、いわゆる教育機会確保法が議員立法で成立し、フリースクールや公立中学校夜間学級など多様な学びの場を提供するための法的環境が整ってきました。

 このような中、昨年の11月28日には「公立夜間中学のすみやかな設置を求める陳情」が、札幌市議会へ提出され、先の本会議において採択されたところであります。

 「誰一人取り残さない」「全ての人に包括的かつ公正な質の高い教育を確保する」という「持続可能な開発目標」の理念については、小中学校での義務教育が進んだ日本においても、なお、普遍的な目標であるとともに、全ての人が等しく教育を受ける権利を具現化する取組が、より一層求められていると考えます。

 そこで質問ですが、「持続可能な開発目標」の理念を踏まえた上での、公立中学校夜間学級の意義について、どのように認識しているか伺います。


(1)第3次札幌市生涯学習推進構想にどのように生かされているかについて

 第3次札幌市生涯学習推進構想にどのように生かされているかについてと、当該目標の理念を踏まえた上での公立中学校夜間学級の意義について

 現在策定中の第3次札幌市生涯学習推進構想では、学びを支える、いつでも学べる環境づくりを施策の方向性としている。

(2)当該目標の理念を踏まえた上での公立中学校夜間学級の意義について

 公立中学校夜間学級については、義務教育の未修了者や、不登校などによる形式的卒業者の方々からの、義務教育を再度受けたいというニーズに応えるため、北海道と協議を進めているところ。

 これらは「誰一人取り残さない社会の実現を目指す」ことや「すべての人に包括的かつ公正な質の高い教育を確保する」という持続可能な開発目標の理念に合致するものであると認識。