議会報告

平成28年第4回定例議会
代表質問 わたなべ 泰行 議員
(南区)

12月6日札幌市議会本会議において公明党議員会を代表してわたなべ泰行 議員が代表質問を行いました。

平成29年度予算編成と市長のリーダーシップについて、アスベストなど有害物質の対応について質問しました。

以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。
no1
平成29年度予算編成と市長のリーダーシップについて
  来年度の予算は、市長の任期の折り返しとなるとても重要な予算となる。平成29年度予算編成方針においても示されているところではあるが、アクションプランに掲げる計画目標の着実な達成に向け、一層その取組を加速させていく必要があるほか、喫緊の市政課題にも機動的に対応していくため、アクションプラン策定当初においては計画に盛り込まれていなかった課題についても、しっかり対応していく必要がある。

 さらに、札幌市が抱えている課題は、少子高齢化の問題や、冬季オリンピック・パラリンピック招致や新幹線延伸に伴うまちの再生など、一部局のみでは解決できない複雑な案件も増えてきているところである。この度問題となった学校の給食施設を始めとする市有施設のアスベスト問題についても、今後の対応については、詳しくはこれからの検証を待つこととなるが、まずは市長が施政方針にも掲げている「市民感覚」を原点とし市民の視点に立って、市役所が一体となって対応することが必要である。

 また、国においては、再来年である2020年度までのプライマリーバランスの黒字化を財政健全化の目標として掲げている中、先日発表された財政制度等審議会による「平成29年度予算の編成等に関する建議」においても、国・地方を通じた最大限の歳出効率化が求められている状況であり、地方交付税の算定に対するトップランナー方式の拡大など、地方財政全体においても厳しいものが想定される。

 加えて本市においては、依然として、高齢化の進行などに伴う社会保障関係経費の増大なども見込まれることから、将来に過度な負担を残すことのないよう持続可能で健全な財政運営にも留意しながら予算編成を行う観点についても引き続き留意していく必要がある。

 そこで質問だが、このような中、市政のかじ取りを行うには市長の強いリーダーシップが求められるところであるが、市長はどのようなことに留意して、平成29年度予算の編成に当たっていく考えか伺う。
 平成29年度予算の編成にあたっては、アクションプランの着実な実施はもとより、新たな行政課題についても機動的に対応していく所存。

 特に、行政ニーズの複雑・多様化が進む昨今においては、市民の視点に立った施策展開を図る観点からも、部局同士の連携が重要と認識。

 このため、予算編成に先立つ政策分野ごとの計画策定や事業の実施方針の検討段階から、関係する各部局が情報や課題認識を共有し、様々な角度から検討するよう指示してきたところ。

 一方、地方財政を取り巻く環境は厳しさを増すなど、今後の見通しは楽観視できないという状況下、将来世代に過度の負担を残さない持続可能な財政運営の重要性は益々増していることから、国への要望などを通じた財源の確保に努めるとともに、歳入歳出全般の見直しや市債の適切な管理などにより、その健全性の維持にも意を用いていく所存。

 的確な施策展開と財政健全性の取組を両立させながらの予算編成は市役所が一体となって取り組むべきものであり、私としてもリーダーシップを発揮してまいりたい。
no1
アスベストなど有害物質の対応について
(1) 市民の安全安心の確保に向けた取組について
 アスベストに対する国の対策は、短期間で様々に変遷しており、例えば、建材のアスベスト含有量基準は5%から平成7年に1%に変更され、さらに平成18年には0.1%へと変更されました。

 このようにアスベストへの対応は様々に変遷しているため、札幌市としても国の動向に敏感に反応しなければなりません。そして、調査手法についても、市民の安全安心のため、過去の慣習にとらわれることなく、正確で精度の良い、新しい評価方法を促すことが必要であります。

 そこで質問ですが、札幌市において、より正確で精度の高い方法を率先して導入し、その結果を市民に提供するなど、市民の安全安心の確保に向けた取組を進めるべきと考えますが、いかがか伺います。
(2) アスベスト問題への今後の対応について
①点検の確実な実施のための仕組み
 アスベストのような有害物質への調査対応は災害時と同じような、市民の安全安心を守るための緊急体制の強化が必要です。従って、今後の危機管理のためにも、分析・調査機関や協会等と連携し、非常事態が生じたときに、円滑に調査が行える体制づくりが大切です。

 さらに今後、市有施設の点検ルールを新たに策定する予定であるとのことですが、その点検を行うのもまた市役所であり、点検のし忘れや形骸化しないようにするためには、今述べた有害物質の危険性を熟知させ、点検を義務化していくことが必要であります。

 そこで質問ですが、札幌市民の安全安心を守るため、今回の問題を教訓として、市役所全体におけるアスベスト断熱材等に係る点検の確実な実施のための、仕組みが必要と考えますが、いかがか伺います。

②専門知識を有する企業との連携強化
 また、アスベストを始めとする有害物質に対する職員の意識向上のために、専門知識を有する企業との連携強化が必要と考えますが、いかがか伺います。
(1) 市民の安全安心の確保に向けた取組について
 今回、断熱材の剥落を確認した施設については、まずは煙突の使用を中止したうえで、直ちに大気中のアスベスト濃度を測定し、その結果を公表するなど、施設周辺の環境状況についての情報を適宜、お知らせしてきたところ。

 アスベストなどの有害物質について、市民の皆様にその特性や健康影響などに関する正しい認識を持っていただくためには、それら物質に関する、さらなる正確かつ的確な情報提供が重要。

 今後は、最新の調査方法やその精度に関する情報をさらに積極的に収集し、必要に応じて、より正確で精度の高い調査方法を用いるなど、市民の安全安心の確保に努めてまいる。
(2) アスベスト問題への今後の対応について
1点目の点検の確実な実施のための仕組みについて
 今後、アスベストを含む煙突断熱材が剥落し、施設が利用できないなどの同様の事態が生じることのないよう、継続して点検を行うことが必要であると認識。

 今後、新たに策定する点検ルールを、全庁的な環境配慮の取組を推進する仕組みである「札幌市環境マネジメントシステム」の点検項目に追加することで、各施設の管理者が確実に履行するようにしてまいる。

2点目の専門知識を有する企業との連携強化について
 市民の安全安心の確保に向け、札幌市として、的確な環境保全対策に取り組んでいくためには、最新の専門知識や調査方法などの情報について、職員が高い意識をもって注視していく必要がある。

 今後、アスベストをはじめとする有害物質に関する最新の専門知識に係る情報収集に向けて、分析・調査機関など関係団体とも連携し、情報交換に努めてまいる。
no1
地域経済の質の向上について
 札幌市では、社会経済情勢の大きな変化を背景に年内の策定を目指して、札幌市産業振興ビジョンの改定作業に取り組んでいるところであります。

 その改定案を拝見しますと、選択と集中により新たな経済成長の原動力を作り出す重点分野として、現行の観光・食・健康福祉・環境の4分野から、環境は環境エネルギーに絞りこむ一方、健康福祉は、健康福祉・医療へと拡充し、また新たにITクリエイティブ分野を重点分野に加えた5分野とする案となっています。

 私は、人口減少に伴う市場の縮小という認識のもと、国内外の需要を獲得することができ、札幌の強みを発揮できる分野を特定し、それらに注力しながら、地域経済を活性化させるという考えは重要であり、その意味からも今回の重点分野の設定は正しい方向性になっていると考えます。

 一方、札幌には食や観光など重点分野にかかわらない、製造業やサービス業など様々な産業があり、事業所数や従業者数など相当な厚みがありますが、人口減少社会の到来によるマーケットの縮小など課題は同じであり、直面する社会経済環境の変化に対応するよう行政が支えていかなければ、多くの市民が生活にゆとりや豊かさを実感する社会にはならないと危惧するところであります。
 そこで、質問です。ゆとりや豊かさといった地域経済全体の質の向上に向け、重点分野以外の産業の支援について、どのように認識し、どのような方向で活性化させていくことを考えているのかお伺いします。
 札幌には多種多様な産業があることから、足腰の強い経済基盤を確立するためには、重点分野のみならず、幅広く産業全般についても支援をしていくことが必要と認識。

 その支援の方向性としては、低利融資制度や人材の確保・育成など経営基盤の強化を図る支援に加え、新たな商品・サービスの開発や販路拡大に対する支援も積極的に行っていく。

 いずれにしても、札幌経済を支える、様々な企業のチャレンジを積極的に支援することを通して、企業の収益を向上させ、それを働く方に還元していただくことで、市民のゆとりや豊かさの実現につなげていきたい。
no1
女性の再雇用の促進について
 国においては、女性の就労を後押しするため、本年10月に短時間労働者の社会保険の適用範囲を広げたほか、最低賃金を引き上げるなど、各種の改革を進めております。

 札幌市においても、我が会派の提案をとり入れ、女性が結婚や出産を経ても退職せず、キャリアを継続できるよう支援する事業のほか、今年度からは子育て女性の再就職に向け、セミナーと職場体験をセットにした事業を実施するなど、取組を強化していることは評価するところであります。 

 個々の女性に向けた支援や環境づくりに、国も自治体も積極的に取り組んでおりますが、今後さらに女性の就労を後押しするためには、女性がそれまでのキャリアや経験を活かし、活躍できる仕組みづくりが求められるのではないでしょうか。

 内閣府の調査によれば、女性が正社員として働ける環境が整えば整うほど、短時間での雇用も含め、女性全体の就労も促進されるとの結果も出ております。

 しかし、市内の企業では、結婚や出産により一度退職した女性が元の勤務先に再度雇用された事例は、まだまだ少数と言えます。

 正社員として活躍していた女性が、退職後も家庭環境や希望する就労時間に応じて容易に元の勤務先に再雇用されるような仕組みを作ることは、経験ある人材を確保でき、企業にとっても大きなメリットがあるのではないでしょうか。

 そこで質問ですが、女性の就労ニーズに応じた柔軟な再雇用の仕組みが必要と考えますが、いかがか、お伺いします
 企業が、結婚や出産により退職した女性社員の再雇用の仕組みを整備することは、女性の活躍推進はもとより、有業率の向上にもつながり、本市の経済成長にとっても意義があるものと認識。

 再雇用に当たっては、フルタイムに限らず、短時間勤務など柔軟な勤務形態を設定することにより、人材不足の解消や業績の向上を図っている企業も見受けられるところ。

 今後は、こうした企業の先進的な事例を市内の企業に発信し、再雇用する仕組みづくりを働きかけていくことで、女性の多様な働く機会の確保に努めていきたい。
no1
ダブルケア対策等について
(1) ダブルケア対策について
 女性の活躍やその前提としての働き方改革が求められる中、近年、高齢化、晩婚化・晩産化等を背景に、育児と親の介護が同時期に発生する、いわゆる「ダブルケア」問題が指摘されるようになってきました。

 育児や介護に関する研究や対策は、それぞれに蓄積が進んできましたが、育児と介護を同時に担う「ダブルケア」については、どのような問題を抱え、社会的支援を必要としているのか明確になっていない状況であります。

 札幌市においても晩婚化などが進んでおり、ダブルケアの問題を抱えている方は一定数いると考えられ、こうしたことも参考にしながら対策を総合的に進めていくことをまず求めたいと思います。

 そこで質問ですが、内閣府の調査結果からも、行政に求める支援として、育児・介護サービスを受けやすくすることが挙げられているが、今、現実的な問題として、育児と親の介護が重なることの精神的、身体的負担や仕事との両立について、困難に直面している方々がいるということが伺えます。

 こうした方々の負担は、子育て支援や介護サービスを利用することで軽減されるとはいえ、それぞれの制度や担当が異なるため、行政が充分なサービスを提供できていないのではないかということが心配されます。

 適切な制度につながらず、負担を抱えたままの方々もいると思われるが、こうした方々への支援についてどう考えているのか伺います。
(2) 若年性認知症に関する取組について
①若年性認知症に関する取組
 札幌市の患者数は、65歳未満で介護保険制度が利用できる方(いわゆる特定疾病に該当する第2号被保険者)のうち「初老期認知症」に該当する方は、平成28年11月22日現在の認定者数で155名、また、認知症機能低下を伴う何らかの疾患等で精神障害者保健福祉手帳を所持している患者数は323名(平成28年3月31日現在)と、利用する制度によって患者数も異なっております。

 若年性認知症は、他の疾患と見分ける事が難しく、本人や家族にとっては診断に至るまでの間に様々な葛藤があると思います。また、診断を受けても職場への影響を考え公表しない人もおり、介護福祉制度を使う段階になって、ようやく診断に至るケースもあるなど、患者の全体像をつかむことは難しいのが実態と伺っております。

 診断を受けても仕事をやめざるを得なくなった場合の生活保障はなく、育ち盛りの子供や介護を要する親世代を抱えて自らも介護を必要とする状態になることは苦痛の極みと言えましょう。
そうした事を考えると、総合的な相談窓口や支援体制の整備を札幌市としても積極的に取り組むべきと考えます。

 そこで質問ですが、若年性認知症に対して札幌市としてどのような取組を行っているのか。

②若年性認知症支援コーディネーターにかかる認識
 また、若年性認知症支援コーディネーターにかかる札幌市の認識はいかがか伺います。
(1) ダブルケア対策について
 ダブルケアの負担を抱えている方が、子育てや介護の制度に適切につながるためには、困りごとや悩みを制度縦割りで捉えるのではなく、世帯単位で制度の関連性を十分に理解したうえで受け止めることが重要であると考える。

 このため、他都市の取組も参考にしながら、区役所における相談体制や各部局間の連携体制の強化、さらには、ダブルケアのような複合的な課題を抱えた方々の実態を踏まえた、子育てや介護などによる支援の在り方について検討してまいりたい。
(2) 若年性認知症に関する取組について
1点目の若年性認知症に関する取組について
 札幌市においては、平成19年度から認知症施策の方向性を検討するための「認知症支援事業推進委員会」を設置しており、医療介護の専門職の他「若年性認知症の人と家族の会」の代表も委員として参画いただいている。

 この委員会の意見や市民ニーズを取り入れながら、札幌市独自の認知症コールセンターの設置や介護従事者等を対象とした若年性認知症の専門研修を実施しているところ。

2点目の若年性認知症支援コーディネーターにかかる認識について
 認知症支援全般に言えることではあるが、現役世代での発症については、特に、医療介護ニーズのほか生活全般にかかる支援や社会的なサポート体制の整備は重要と認識。

 都道府県に設置されるコーディネーターは、こうした取組の核となるものであり、札幌市としても北海道のコーディネーターに、積極的に協力してまいりたい。
no1
スポーツ振興について
(1) スポーツを通じた観光振興について
 札幌には、野球やサッカー、バスケットのプロチームがあります。1年を通してスポーツイベントが市内で開催されており、札幌はいまや国内でも屈指のスポーツが盛んな都市であります。

 スポーツイベントには市外からも多くの人が集まります。定住人口1人減による年間121万円の消費減は、宿泊の伴う国内観光者22人の消費額で補うことが出来る、とのデータが示されております。日本全体で人口減少による経済活動への影響が懸念されるなか、私は、こうしたスポーツを通じた 観光振興策に大きな可能性を感じているのであります。

 観光文化局から独立したとはいえ、プロスポーツの観戦ツアーや、札幌のセールスポイントであるウインタースポーツを目的に来札する人を増やしていく等、スポーツツーリズムを促進することで交流人口の更なる拡大を目指すことは変わらず、重要であると考えます。

 そこで質問ですが、札幌の恵まれた自然などのスポーツ資源を活かした観光振興策について、どのようにお考えか伺います。
(2) スポーツ人口を増やすための取組について
 若者のスポーツ離れが叫ばれて久しいところでありますが、金の卵を育てるためには、まずはスポーツを楽しむ市民を増やすことが何より重要であり、裾野の広がった大きなピラミッドの頂点から将来のオリンピック・パラリンピック選手が生れることが理想であります。

 オリンピック・パラリンピック選手が一朝一夕で誕生するはずがありません。だからこそ、まずは、多くの子どもたちがスポーツを親しむ、体験するという機会を作り、そこから生み出される金の卵を育成、強化していくという、長いスパンで取り組んでいくことが重要だと考えます。オリパラの招致は2026年と10年先の話でありますが、選手育成・強化については、今から進めていかなければならないのです。

 そこで質問でありますが、子どもたちのウインタースポーツ人口を増やすための取組について、どのように考えているか伺います。
(1) スポーツを通じた観光振興について
 スキーやマラソンなど北海道におけるスポーツ環境の優位性を活かし、国内外から多くの来訪を促すスポーツツーリズムの推進は、集客交流人口の拡大に向けて、大きな可能性を秘めたものであり、特に、ウインタースポーツによる集客は、本市における冬場の観光閑散期対策として極めて効果的な取り組みと認識。

 そこで、今後、ウインタースポーツ人口の急増が見込まれるアジア圏をターゲットに、市内近郊スキー場などと連携しながら、海外向け商談会でのセールスを展開するなど、札幌のスポーツ資源を活かした観光振興策を積極的に進めてまいりたい。
(2) スポーツ人口を増やすための取組について
 札幌の特色であるウインタースポーツを楽しむ文化を次世代につなげるためには、子どもたちが気軽にスキーやスケートなどを体験できる環境づくりに取り組むことが極めて重要であると認識。

 そこで本市ではこれまで、小中学校のスキー学習の実施率を高めるためインストラクターの派遣を行うとともに、今年度新たに小学3年生を対象にリフト料金の支援を行うなど、子どもたちのウインタースポーツの体験機会の充実に努めてきたところ。

 今後はさらに、クロスカントリーやカーリング等、多彩なウインタースポーツにふれる、(仮称)ウインタースポーツ塾を実施することで、ウインタースポーツの裾野を広げるとともに、将来の競技人口の拡大とアスリートの発掘育成にもつなげてまいりたい。
no1
町内会活動の現状と地域力アップを目指した取組推進について
(1) 町内会への支援について
 町内会は、地域のまちづくりの根幹を担い、地域の安全・安心、さらには快適に暮らせるまちづくりのためにも重要な役割を担っています。その活動は多岐にわたっており、地域住民の親睦、高齢者の見守り、子育てに関する活動を始め、除排雪、ごみステーションの管理など、私たちの日常生活に欠かすことのできない活動を行っております。

 しかし、時代の移り変わりとともに、事業所・店舗等での加入や、大きなマンション単位の町内会が組織されるなどの状況がある一方で、町内会への加入率は、年々減少しています。

 昨年度、秋元市長が就任し、策定された5年計画「アクションプラン2015」において、政策目標のひとつに「地域の課題を地域の力で解決する街」が掲げられ、その施策の中で、町内会に関連した主要事業として「町内会活動総合支援事業」、「町内会加入促進に向けた調査検討事業」等が計画されています。これらの事業を通じ、町内会活動を計画的に支援していくことが重要であります。

 そこで質問ですが、これまでの町内会アンケートの結果も踏まえ、市では町内会への支援をどのように進めているのかお伺いいたします。
(2) 職員並びにOBの町内会活動への参加について
 市職員並びにOBは、業務を通じて町内会活動の重要性を理解していると考えられることから、私としては、市職員を町内会の担い手として期待しているところであります。既に町内会で活躍している職員が私の身近にもおりますが、そうした職員の姿は頼もしく、地域の中で活躍する職員の姿は行政の信頼につながるものと確信しますが、果たしてどの位の職員が自分の住んでいる地域と関わっているか、関心のあるところであります。

 個人の町内会への参加はあくまで任意のものとは思いますが、職員並びにOBの町内会活動への参加について、市はどのように考えているのかお伺いいたします。
(3) 学校教育等を通じた町内会活動に対する意識醸成について
 子どもは地域の宝であり、町内会でもお祭りや自然観察会など様々な行事や企画を立て参加を促しております。子どもが町内会の活動に参加することは、子どもを通じ、親である大人の参加にもつながり、子ども自身の地域への深い愛着につながり、将来、地域活動の担い手として期待されるなど、その意義は大変に大きいものです。ついては様々な学習機会を捉えて、「町内会が自分たちの住む地域の中でいったいどのような役割を担って活動しているのか」を、子どもたちにも理解してもらう必要があると考えます。

 そこで質問ですが、学校教育等を通じた町内会活動に対する意識醸成について、市ではどのように考えているのかお伺いいたします。
(1) 町内会への支援について
 町内会は地域コミュニティの中核を担う重要な団体であり、これまでも、町内会の方々の意見を聴きながら、様々な支援を実施。

 具体的には、町内会への加入や参加促進への取組として、多様な媒体を活用した活動のPRや、不動産関連団体等と連携した転入者に対する働きかけのほか、課題解決に向けて、地域ビジョンの策定に関するワークショップの開催などを支援。

 また、町内会運営や担い手の確保に向けた取組として、シンポジウムのほか、会計などの講座や取組の事例を共有する意見交換会を実施。

 今後も、アクションプランに掲げた各事業を着実に進めるとともに、地域コミュニティ検討委員会からの提案なども参考に、町内会活動の活性化に向けた支援を充実してまいりたい。
(2) 職員並びにOBの町内会活動への参加について
 まちづくりは市民の参加により行われることが基本であり、札幌市職員も同様に市民参加の意識を持つことが求められるものと認識。

 札幌市職員については、新規採用時にまちづくりセンターにおいて実地研修を実施するなど、町内会を始めとする地域のまちづくりや課題の理解に努めているほか、自己申告制度における面談などを通して、地域活動やボランティア活動への参加を奨励することとしている。

 また、退職時に行われる説明会において、町内会活動への積極的な参加を呼び掛けているところであり、今後もこうした取組を通して、地域のまちづくりへの参加を働きかけてまいりたい。
(3) 学校教育等を通じた町内会活動に対する意識醸成について
 将来のまちづくりの担い手として、若い世代の参加は重要であり、各年代に応じた様々な取組を実施。

例えば、小学3年生の副読本として「まちづくり手引書」を配布したほか、中学生と町内会役員との座談会の開催支援、高校生には公園のごみ拾いなどのまちづくり活動へ参加する機会を設けた。

 また、地域に対して学生団体を派遣する事業を実施しており、これらの事業については、それぞれに高い評価をいただいている。

 今後も引き続き、地域や教育機関と連携しながら、若い世代の意識醸成を図ってまいりたい。
no1
自殺総合対策について
(1) これまでの自殺総合対策に対する評価について
 札幌市における自殺の状況を振り返ると、長らく400人以上の高止まりが続き、特に平成22年・23年には480人という深刻な事態を迎える中で、我が会派はたびたび札幌市の自殺総合対策の充実を求めてきた。

 その後の自殺者数は、平成24年以降減少をたどり、平成27年には345人まで減少している。しかしながら、今もって年間3百数十人と言えば、ほぼ毎日一人の市民が自ら命を絶っていることとなり、札幌市の場合も、依然として憂慮すべき事態が続いていることに変わりはないと考える。

 そこで1点目の質問ですが、自殺対策基本法の改正経緯を踏まえ、札幌市が取り組んできた自殺総合対策への評価について、認識を伺いたい。
(2) 今後の推進強化に向けた基本姿勢について
 自殺対策基本法の改正内容を見ると、新たに自殺予防週間と自殺対策強化月間(3月)を法律上位置付け、都道府県のみならず、政令指定都市を含む全市町村に対し、自殺対策計画の策定を義務付け、これら地方公共団体の事業実施に要する経費に充てる交付金の規定が新設された。

 このほか、基本的施策として、調査研究の推進及び体制の整備、人材の確保、心の健康の保持に係る教育・啓発の推進、医療提供体制の整備などの各条文で、より具体的に踏み込んだ修正・追加がなされるなど、全体として、国や地方公共団体に対し、より実効性の高い自殺総合対策の着実な推進を強く求める内容となっている。

 札幌市においても、改正自殺対策基本法にうたわれたように、「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して」、自殺総合対策を推進して行くためには、庁内連携はもとより、庁外の有識者や、保健・医療・福祉などの現場で活動している各分野の指導者との連携を強化し、これらの方々が持っている知見や経験に学び、積極的に取り入れて行くことが大切になってくると考える。

 そこで2点目の質問ですが、自殺対策基本法の改正内容を踏まえ、札幌市における今後の自殺総合対策の推進強化に向けた基本姿勢を伺いたい。
(1) これまでの自殺総合対策に対する評価について
 平成21年に副市長を委員長とする「自殺総合対策推進会議」を設置し、翌22年に「第1次行動計画」、平成26年には「第2次行動計画」を策定し、全庁的に取組を進めてきたところ。

 具体的には、悩みのある人に寄り添うゲートキーパーの養成や、事業所などのトイレステッカーによる啓発のほか、各区においては、地域や大学と連携した独自事業等を実施しており、この間、自殺予防への理解が進むなど、一定の効果があったものと考えている。

 このような取組をさらに効果的に進めるためには、医療機関や福祉施設、教育機関、企業などとの連携をより一層強め、それぞれの機能や人的資源を十分に生かすことが重要であると認識。
(2) 今後の推進強化に向けた基本姿勢について
 札幌市では、今回改正された法律や、国が来年夏に予定する「自殺総合対策大綱」の内容を踏まえ、平成31年度を目途に、「第3次行動計画」をスタートさせる予定。

 今後の自殺総合対策の推進に当たっては、従来の取組に加え、特に自殺未遂者や自死遺族の支援、若年層の自殺予防対策の充実なども重要であると考えており、庁内外の連携をさらに強化するなど、より実効性のある計画の策定を目指したい。

 このため、札幌市の附属機関である精神保健福祉審議会に、新たに部会を設け、自殺総合対策のあり方について、保健・医療・福祉の関係団体を中心とした幅広い分野の有識者に検討いただくこととしている。
no1
教育の諸課題について
(1) 障がいのある児童生徒への学習支援について
①音声教材等を活用した学習支援
 文字を読むことが困難な状況にある児童生徒が教科書の内容を理解するための学習支援の一つとして、我が会派が導入及び普及を推進してきた「マルチメディアデイジー教科書」を始めとする教科用図書に対応した音声教材があります。マルチメディアデイジー教科書は、教科書の内容をデジタル化し、パソコンで音声の再生と文字の拡大表記などを同時に行うものです。

 札幌市においても取組が進められていると思いますが、障がいのある児童生徒のうち音声教材等を必要とするすべての児童生徒に対して、適切に教材を提供できるよう、広く普及・啓発に取り組む必要があると考えます。

 そこで質問ですが、音声教材等を活用した学習支援の現状と、今後の音声教材等の普及・啓発の取組について伺います。

②障がいのある児童生徒への今後の学習支援
 真に共生社会を築いていくためには、国民一人一人の意識のバリアフリー化が必要であり、そのためには、将来を担う子どもたちが、早い時期から障がいのある人との交流や活動を共にすることが重要であり、学校教育の役割は大きいものと考えます。

 このため学校教育においては、障害者差別解消法などの施行を受けて、障がいのある子どもと障がいのない子どもとが可能な限り共に教育を受けられるように配慮することや、先に質問した音声教材等を活用した学習支援など、障がいのある児童生徒が、その特性等を踏まえて十分な教育が受けられるよう、学習支援の一層の充実に努めていく必要があると考えます。

 そこで質問ですが、障害者差別解消法などの施行を受けて、障がいのある児童生徒への学習支援を、今後どのように充実していくつもりか伺います。
(2) 奨学金の返還支援について
 昨今、大学進学率が5割を超える中、学費が大きな経済的負担となり奨学金制度を利用する学生が年々増加傾向にあります。また、経済的な理由などから進学が難しく、奨学金制度を利用しても、就職後から始まる返還を滞納している事例が課題となっており、3か月以上の滞納者は約17万人に上るとされております。

 一方、地元企業においては、担い手不足がより深刻化し、人材確保が経営課題になっているものの、札幌市では、20歳代の若年層が約3,000人も転出超過をしており、人材流出に歯止めがかからない現状です。

 そういった状況の中、地元企業と大学生をつなぐ仕組みとして、地元企業への就業を条件として、奨学金の支援制度を創設する自治体が広がってきております。

 我が党は、奨学金制度の拡充を一貫して推進してきており、国も来年度から「所得連動返還型奨学金」制度を開始し、負担軽減を図るほか、「奨学金」を活用した大学生等の地方定着の促進として、地元経済会や、一般の方からの寄付と連携した、奨学金返還を負担する基金造成を推奨しているところです。

 未来ある若者の学ぶ環境を応援するとともに、地域における人材確保施策として、本市においてもこうした、地元企業と学生をつなぐ奨学金の返還支援制度の創設を検討すべきではないかと考えます。

 そこで質問ですが、札幌で育つ大学生が勉学に集中し、地域に愛着を持つ環境をつくるためにも、本市における奨学金の返還支援制度の創設など、学生の負担を軽減し、地域に定着できる仕組みを検討すべきと考えますが、学生の現状や人材流出への課題認識を含めて、その見解を伺います。
(1) 障がいのある児童生徒への学習支援について
1点目の音声教材等を活用した学習支援について
 札幌市では、発達障がい等により、教科書などを読むことが困難な児童生徒に、マルチメディアデイジー教科書を利用した学習支援を行っている。

 現在、国において、このようなデジタルデータを活用した様々な音声教材等の普及促進を図っており、札幌市においても個々の児童生徒のニーズを把握しているところ。

 今後、実践事例の紹介などを通して、音声教材等の理解・啓発を図るとともに、個々の児童生徒の障がいの状況に応じた適切な活用を進めてまいる。

2点目の障がいのある児童生徒への今後の学習支援について
 障害者差別解消法の施行に合わせ、法の理念や具体的な合理的配慮の周知を図るとともに、効果的な学習支援の事例をまとめ、検証しているところ。

 今後は具体的な事例をもとに、学校に対して積極的に情報提供や助言を行い、障がいのある児童生徒への学習支援の充実に努めてまいる。
(2) 奨学金の返還支援について
 貸与型奨学金の返還が、卒業後の経済的な負担になっている現状は十分認識しており、返済義務のない「札幌市奨学金」の受給者数を段階的に拡大してきた。

 また、将来を担う人材である若年層が転出超過となっていることは、札幌市としても喫緊の課題であり、この状況に対応するため、大学や金融機関と連携し、地元定着に向けた企業と大学生との接点づくりに取り組んでいるところ。

 今後は、経済団体や大学との連携を深めながら、奨学金の返還支援を含め、学生への支援内容やその効果、国の制度の活用可能性など、若年層の地元定着に向けた様々な手法について検討してまいりたい。
no1
南区の諸課題について
(1) 南区の観光資源の活用について
 南区の人口は平成10年に157,438人をピークとし、その後、減少しつづけており、本年の11月1日の状況では、140,074人とピーク時より11.1%減となっており、減少率は10区で一番です。また、高齢化も進んでおり65歳以上の方が45,042名と32.2%が高齢者となり、10区の中で高齢者率は1番になります。

 南区の魅力アップのために南区役所は「健康寿命延伸事業」や「南区若い力を活かしたまちづくり事業」、また本市として初めて「出会いの場創出事業」を行うなど、果敢に新規事業に挑戦しております。本市も今年、開湯150年を迎えた定山渓温泉を観光地として重要に考え、「定山渓観光魅力アップ構想」を作成しています。

 民間企業からは冬期間だけ駒岡に氷だけでつくる「アイスホテル」を建設したい、果樹園地域を買い取り、一帯をリゾート化してみたいなどの声があり、人々の交流や観光の観点から、見る人がみれば「南区は宝の山」だと思います。

 南区は魅力的な観光資源があるのに、市民、国内外の注目度が低いのは、これらの観光資源の活用が不十分だと言わざるをえません。

 平成27年度の外国人宿泊者数は191万と過去最多で、前年度より約35%増となっていますが、来札観光客数は1,365万人と1.8%増にとどまっています。

 この状況を打破していくためにも地域ならではの魅力的な観光資源を体感してもらえるような事業をより一層効果的に展開することが重要だと考えますが、今後、南区を含めた地域の観光資源をどのように活用し、地域における観光振興をどのような考えで推進するのか伺います。
(2) 南区の交通課題について
 今年の8月、連続して北海道を襲った台風は、多くの道路や橋梁に被害を与え札幌と道東を結ぶ道路である国道38号の狩勝峠は復旧したものの、国道274号は、日勝峠付近のがけ崩れにより道路が寸断され、先日の報道によると復旧は来年秋とのことで、まだまだ時間がかかる状況であります。このことにより、札幌などから道東へ移動が制限されたことで、道民の生活のみならず、経済面、観光面でも大きな影響を与えたことは記憶に新しいところであります。

 本市の南区に目を向けますと、都心部から藤野や簾舞、定山渓などの南部地域へとつながる第1次緊急輸送道路は、国道230号と国道453号のみであり、これらの道路が、通行止めになるような場合や災害時に緊急車両が集中するような場合を考えると、さらなる交通網の強化が望まれるところであります。

 平常時においても、これらの国道は、朝夕の時間帯、また、冬期の降雪時においては大変混雑しており、特に国道230号における南36条の交差点では、札幌方面へ向かう車線で右折車が多く、南北に長く渋滞している状況であります。

 この解決策の一つとして、私は以前より検討を行っている豊平川通の南伸計画があると考えおり、国道からの交通転換を促すことで交通混雑を緩和するとともに、災害時や防災の観点においても必要な事業であると認識しているところです。

 また、今後の定山渓の観光振興においても、さらに、オリンピックの開催を見据えた上でも札幌都心部からの南部地域への定時性や速達性の向上を図ることが必要であると考えており、豊平川通の南伸の早期実現に向けてしっかり取り組むべきであると考えています。

 そこで質問ですが、豊平川通の南伸について、現在の検討状況と今後どのように取り組んでいくつもりかお伺いします。
(1) 南区の観光資源の活用について
 札幌は、自然・文化・気候・食という観光振興に適した条件を兼ね備えており、これらの観光資源を十分に活用することが、新たな観光客の掘り起こしやリピーターの増加につながると認識。

 このことから、南区を始めとする観光資源を活かした地域の主体的な取組を支援するとともに、多様な観光資源を有する地域と事業者の連携をより一層促し、定番の観光スポットを見るだけではなく、札幌らしい魅力的な体験観光を推進してまいりたい。
(2) 南区の交通課題について
 豊平川通の南伸については、南36条交差点などの渋滞の解消を図るとともに、都心部と南部地域のアクセスを強化するうえで、重要と認識。

 道路整備の手法については、堤防敷地を基本として検討を進めているところであるが、堤防上の限られた狭い敷地であるなど、地形的な制約により解決すべき課題が多い。

 現在は、これらの課題を踏まえたうえで、実現性が高い整備内容について検討を行っており、引き続き国道管理者、河川管理者などの関係機関との協議を進めてまいりたい。