議会報告

平成28年第2回定例議会
代表質問 小口 智久 議員
(東区)

5月26日札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して小口智久 議員が代表質問を行いました。

大規模地震への対応と地域防災力の向上について、地域産業の活性化について、都心アクセス道路について質問しました。

以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。
no1
大規模地震への対応と地域防災力の向上について
(1) 想定外の地震に対する対応について
 先の熊本地震においては、4月14日21時26分に、マグニチュード6.5、最大震度7の地震が発生しましたが、その28時間後の16日1時25分にも、マグニチュード7.3、最大震度は同じく7の地震が発生し、甚大な被害を生じさせました。

 このように、非常に短い間に、震度7の地震が連続するとは誰も予想ができず、その後の余震も、内陸型地震としては、これまでにない回数に達するなど、全く持って、従来の地震に対する考え方を一変させる災害でありました。

 そこで質問ですが、今回の熊本地震のように、連続して大きな地震が発生する事態を想定し、地域防災計画を始めとする各種計画を見直すことについて、どのようにお考えか、お伺いします。
(2) 大規模災害に備えた地域防災力の向上について
 災害対応においては、「自助」「共助」「公助」の3つがありますが、「公助」については、行政の対応にもおのずと限界があることから「自助・共助」をいかに機能させるかが重要であり、そのためには普段からの備えが求められます。

 このため、我が会派では、これまでも「自助」と「共助」の基本となる地域防災力の強化の重要性を訴え、その対策の充実を求めてきたところであります。
そこで2点目の質問です。

いざという時に市民一人ひとりが主体となって、自らの役割と責任を果たせるようになるためには、普段からの地域における自主的な取組や、行政のサポートによる防災力向上が重要と考えますが、このことについての認識と今後の取組について、お伺いします。
(1) 想定外の地震に対する対応について
 連続して大きな地震が発生することを想定した防災計画は、国や他の自治体でも策定されておらず、今後、様々な検討が行われると考えている。

 札幌市としても、連続して大きな地震が発生する可能性について検討する必要があると考えており、今後、地域防災計画の基となる国の防災基本計画の見直しの動向などを注視するとともに、専門家の意見も参考にしながら、対応してまいりたい。
(2) 大規模災害に備えた地域防災力の向上について
 災害時に、地域が主体となって防災対策を行うことは重要であり、そのために、地域の自主的な活動を促すきっかけづくりや、活動の継続性を維持していくための行政の支援も必要と認識。

 これまでも、防災リーダーの育成やDIG(災害図上訓練)、HUG(避難所運営ゲーム)などの実施、また、避難場所運営研修や避難場所の実情に応じた運営マニュアルの作成支援などを通じて、地域防災力の向上に努めてきたところ。

 今後もこれら取組を継続するほか、避難場所運営研修の回数を増やすとともに、ハザードマップや自主防災マニュアルを充実するなど、地域への働きかけを拡充し、地域防災力の一層の向上を目指してまいりたい。
no1
地域産業の活性化について
(1) 産業振興ビジョンの改定について
 我が国の経済は、緩やかな回復基調が続いているものの、中国を始めとする海外経済の不確実性の高まりや、急激な為替変動などにより不透明感を増しており、景気の先行きへの不安感から企業の景況感があがっていないという状況にあると思います。また、札幌経済も同様に、緩やかな回復基調にあるものの、札幌市がまとめた直近の企業経営動向調査によると、企業の景況感は悪化しています。

 札幌市では、中小企業の創意工夫と自主的な努力を尊重し、産業構造の特性に配慮するという「札幌市中小企業振興条例」の理念に基づき、今後の産業振興の方向性を定めた札幌市産業振興ビジョンを平成23年1月に策定しています。

 しかし、策定から5年が経過し、札幌市の人口は少子高齢化の進行などにより、ここ数年のうちに人口減少に転じることが見込まれるなど札幌市産業を取り巻く環境が変化していることから、生産年齢人口の流出防止・流入増加や、女性・高齢者の活躍推進などの視点を強化する方向で、産業振興ビジョンの改定を行うと伺っております。

 人口減少は、消費者の減少によるマーケットの縮小や働き手の減少による人手不足につながり、サービス産業等のいわゆる内需中心の産業構造を持つ札幌市にとって大きな影響があると考えられます。

 そこで質問ですが、産業振興ビジョンは、これらの環境の変化に、的確に対応した内容に改定すべきと思いますが、どのような方向性で改定を考えているのかお伺いします。

 また、現在の産業振興ビジョンには数値目標が設定されていませんが、私は、市民、企業、行政が課題認識や目標を共有し、一丸となって経済を活性化させていくことが重要であることから、成果指標を持つべきだと考えています。

 そこで質問ですが、産業振興ビジョンに成果指標を設けることについて札幌市の考えをお伺いします。
(2) 人手不足分野のミスマッチ解消について
 本市の中小企業は人材確保の面で大きな課題を抱えております。全国と同様に札幌圏の有効求人倍率も、前年同時期と比べて改善が続いており、昨年10月には、1.01倍に到達し、仕事を探す市民にとって、就職しやすい環境となりつつあります。

 しかしながら、事務職では依然として仕事が見つけづらいのに対し、建設や介護の職では有効求人倍率が2倍に達し、求人の半分程度しか応募がないといったミスマッチが生じており、特に中小企業では、ハローワークに求人を出しても、必要な人員が確保できていない状況です。

 業界としても労働者の待遇改善に取り組むことは当然ですが、建設投資が底堅く推移する中、また、介護サービスの利用希望者が増加する中、札幌市としてもこうした分野の中小企業の人材確保を支援していく必要があるのではないでしょうか。

 そこで質問ですが、人手不足分野のミスマッチ解消に向けて、どのように取り組んでいくつもりなのかお伺いします。
(1) 産業振興ビジョンの改定について
 道内マーケットの縮小や人材不足などの経済環境の変化に対応するため、海外からの需要獲得や企業活動の源となる人材への支援の観点などを強化するとともに、札幌経済の成長をけん引する重点分野を拡充する方向で、ビジョンの改定を検討している。

 また、産業振興の目的は、雇用の創出や、企業及び就業者の収入増加を通じた税収の確保により、まちづくりの好循環を生み出していくことであるため、改定版ビジョンには、これらの目的に沿った成果指標を掲げていきたいと考えている。
(2) 人手不足分野のミスマッチ解消について
 雇用情勢が改善する中、人手不足分野が生じていることは、市民生活に影響を及ぼしかねないものと考えており、これまでも企業見学会や合同企業説明会などを実施してきたところ。

 今後は、これらの取組に加え、求職者に仕事の内容や魅力をわかりやすく伝える業界研究セミナーの開催や、企業の採用力向上のためのコンサルタント派遣などを通じて、人手不足分野の人材確保を支援していく。
no1
都心アクセス道路について
 札幌市は他の大都市に比べ、広域的な交通ネットワークを担う高速道路と都心部の距離が遠く、アクセス性が脆弱であります。

 札幌市、とりわけ都心部周辺には専門性の高い救急指定病院が集中しており、札幌市内だけではなく、近隣自治体から札幌市に救急搬送されるケースも多くなっております。1分1秒が重要となる中で、創成川通の混雑解消は人命にかかわる大きな課題であります。

 また、大規模災害時においても、都心部には関係行政機関や高度医療施設が集積しており、物資輸送や人員移送の拠点である新千歳空港や丘珠空港、石狩湾新港等との防災拠点との連携強化が重要であり、第一次緊急輸送道路として位置付けられる創成川通が防災上担う役割は非常に大きいものです。

 このように、創成川通の機能強化の果たす役割が様々な観点から期待されており、この中で、昨年度には市長就任後の補正予算として、この事業について初めて調査費が計上されました。

 また、「札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015」を始めとする様々な計画にも位置付けがされており、検討が鋭意進められていることについては大いに評価をしているところです。

 そこで質問ですが、昨年度の検討はどのような結果となったのか、また、今後どのように取組を進めていくのか、お伺いします。
 昨年度の検討では、都心部と高速道路を結ぶ創成川通の機能強化について、現況の課題分析や期待される効果の分析を実施。

 その結果、現況の課題としては、朝夕ラッシュ時、特に冬期の積雪時に自動車の速度低下が著しいことや移動時間のばらつきが大きいことなどを把握。

 また、物流・医療などの関係者へのヒアリングを実施し、物流の効率化や救急搬送時間短縮による救命率の向上など様々な面で効果が期待されるとの意見を伺っているところ。

 今後は、創成川通の機能強化による交通の流れの変化などを予測していくとともに、効果分析をさらに深め、これらの検討結果について市民へ情報提供してまいりたい。
no1
北海道新幹線開業後の取組について
 新幹線の早期札幌延伸と周辺環境の整備は、北海道全体の活性化に向けた重要なテーマであると考えます。

 一方で、今年の新函館北斗開業の様々な効果を札幌延伸につなげ、機運を醸成していくことが重要であります。

 その一つとして、東北地方との交流を促進することで、観光だけではなく、ビジネスや文化、スポーツ、行事等様々な分野において積極的に交流することが重要と考えられます。

 新幹線の開業で北海道民は、これまでにはなかった、高速で時間に正確な鉄路での移動交通手段を得ることになりました。東北地方との関係でいえば、これまでの空路や海路と比較しても、移動における時間短縮が図られ、また新たな移動手段が増えることから、様々な機会を捉えて交流機会の掘り起こしを行うことが、開業効果拡大のチャンスを得ることになります。

 そこで質問ですが、北海道新幹線の札幌延伸も見据え、市長のトップセールスなど札幌市が先頭に立って、戦略的に北海道と東北地方の交流促進を行う必要があると考えますが、市長の考えを伺います。
 北海道新幹線の開業により、東北地方との所要時間が大きく短縮され、青函圏、仙台圏などでは、相互の交流に力を入れて取り組んでいるところ。

 札幌延伸時には、さらに札幌や沿線自治体が新幹線で結ばれ、大きく一体となった経済圏が形成されることとなり、様々な分野での交流を促進することが、開業効果を高めることにつながると認識。

 このことを踏まえ、東北地方から北海道・札幌への誘客を強化することのみならず、東北地方へ足を運んでもらうことも重要。

 このため、市内で開催される、東北地方の自治体が地域の魅力をPRする催しと今後も連携・協力しながら、北海道と東北地方の相互交流が様々な分野で活発となるよう取り組んでまいりたい。
no1
観光都市としての外国人向け医療体制の整備について
(1) 札幌市における必要性の認識について
 札幌市の外国人宿泊者数は、平成24年度は68万人、25年度は105万人、26年度は142万人と右肩上がりに増加しており、さらに、27年度上半期も86万5千人と、前年度比144.3%の大幅な増加となっております。

 外国人観光客が医療を受ける場合、団体旅行では、旅行会社や添乗員、ホテルの従業員などが通訳として対応することで、支障をきたすことが少なかったものと思われます。しかし、個人旅行の場合は、日本語が分からないまま医療機関を受診しなければならない場面や、受診そのものをためらい、我慢してしまう場面が増えていくのではないかと懸念されます。

 このようなことから、外国人観光客にとって、言語の壁を感じることなく、必要な医療を受けられることは、大きな安心材料となります。

 したがいまして、札幌市としては、外国人患者を適切な医療につなげる仕組みを整えることで、観光都市としての魅力や評価を高めることが重要であり、このことにより、外国人観光客のさらなる受け入れや、冬季オリンピック・パラリンピックの誘致にもつなげていくことができると考えます。

 そこで質問ですが、観光都市としての外国人向け医療体制の整備について、札幌市ではその必要性をどのように認識しているのか伺います。
(2) 今後の取組の方向性について
 また、相談対応や診療受入の仕組みづくり及びこれらの周知など、今後の取組の方向性について、併せて伺います。
(1) 札幌市における必要性の認識について
 外国人観光客が、旅行中の病気やけがの際に、言語を心配することなく、安心して医療を受けられる体制を整備することは、観光都市としての魅力を高めていくうえで、大変重要であると認識。
(2) 今後の取組の方向性について
 急な病気やけがの際の電話相談窓口である「救急安心センターさっぽろ」では、外国人からの相談にも直接対応できるよう、本年10月から、英語、中国語、韓国語、ロシア語、タイ語、マレー語の6か国語対応を行う予定。

 また、今年度中に全救急車に外国語の翻訳機能を備えたタブレット端末を配備する予定。

 これらに加え、外国人患者を電話相談から対応可能な医療機関へスムーズにつなげるための体制の整備とともに、宿泊施設や旅行会社、さらには札幌を訪れる外国人などへの周知に向けた取組を、庁内関係部局による連携を密にし、着実に進めてまいりたい。
no1
北海道の食資源を活かした食産業施策の振興について
 北海道の農業は、安全・安心な農畜産物の生産と安定供給を通じて、国民・道民の豊かな食生活に貢献するとともに、地域社会・経済を支える役割を果たしております。

 また、産業としての食は、農業はもちろん、一次産品を加工する製造業を始め、卸売業、運輸業、飲食業・小売業、サービス業など1次産業から3次産業まで幅広く関連しており、業種の垣根を越えて、相互に結びついております。

 「食」産業は、各分野への波及効果が高く、札幌市経済の成長を牽引する重点分野であるといえます。平成25年に策定された札幌市まちづくり戦略ビジョンにおいても、「食の魅力を活かした産業の高度化」が盛り込まれており、道内一次産品と市内の製造業などとの連携を促進し、食の魅力を活かしながら、産業の高度化や道産品の付加価値の向上を図っていく必要があるとされています。

 北海道の農業を守り、育てるという観点からも、札幌市において、道内の農産品を活かした食産業の振興が今までになく重要になってきていると考えます。

 そこで質問ですが、北海道産の農産品を活かした食産業施策の一層の振興について、今後どのように取り組もうと考えているのか伺います。
 北海道の食の優位性を活かして、札幌市において食関連産業の基盤を強化していくことは極めて重要であると認識。

 このことから、第1次産業、第2次産業、第3次産業が相互に連携を強める、いわゆる6次産業化を進め、北海道の食資源の高付加価値化に、引き続き取り組んでまいりたい。

 また、国内のみならず海外への販路拡大に向けて、新たな市場を開拓し需要を創出していくことも重要。

 そのためには、国内外における商談会の機会の創出や有力バイヤーの招聘等に加えて、今年度は北海道と札幌市が一体となって販路拡大に向けた取組を推進していく。

 また、市内商社と連携して、商社が持つ既存の商流・物流ルートの活用や現地バイヤーの発掘・拡大等を通じて、輸出体制モデルを構築するなど、戦略的に食産業の外需獲得の施策を展開してまいりたい。
no1
がん対策推進計画の策定について
(1) 重点的な施策の方向性について
 がんは、今や生涯のうち2人に1人が罹患する「国民病」といわれており、札幌市においても昭和56年より市民の死因の第1位となっています。

 国においては、平成18年6月に制定した「がん対策基本法」成立から10年の節目を迎え、超党派の「国会がん患者と家族の会」が改正案をまとめ、国会への提出を予定しています。

 札幌市においては、昨年度から「がん対策部会」を設置し議論を重ね、「札幌市におけるがん対策のあり方に関する提言書」をまとめ、4月13日には、市長へ手交されたと伺っているところであり、その提言書を踏まえて、今年度中には具体的ながん対策推進計画を策定する予定と聞いています。

 そこで、質問ですが、今回「がん対策部会」から「札幌市におけるがん対策のあり方に関する提言書」を受け、今後がん対策推進計画の策定を進めていくにあたり、札幌市としてどの分野を重点的な施策として盛り込むお考えなのか、その方向性について伺います。
(2) ピロリ菌検査の導入について
 さらに、これからのがん対策について、早期発見・早期治療の観点からは、がん検診受診率向上のために未受診者へ個別受診勧奨と再受診勧奨を行う「コール・リコール」の実施が有効であると考えており、さらに、国においても本年2月に「がん検診実施のための指針」を改正し、従来のエックス線検査に加え、胃がん検診に新たに推奨された胃内視鏡検査を導入するよう積極的な検討がなされるべきと考えます。

 そこで質問ですが、我が会派が以前から繰り返し要望しているピロリ菌検査の導入については、本年2月1日現在、道内35市町村ですでに実施しており、札幌市においても導入すべきと考えるが、今後策定されるがん対策推進計画の中でどのような位置付けとなるのか伺います。
(1) 重点的な施策の方向性について
 市民のかけがえのない命や生活を守るという観点から、がんによる死亡者の減少、がんになっても安心して暮らせる社会の構築が重要と認識。

 このため、計画策定に当たっては、感染に起因するがんへの対策、たばこ対策などを含む「がん予防」、がん検診受診率の向上などを目指した「早期発見・早期治療」、「がん患者及びその家族等への支援」の3つの分野を重点施策として位置付け、実効性の高い計画としてまいりたい。
(2) ピロリ菌検査の導入について
 避けられるがんを防ぐことは、がん予防の基本であり、ピロリ菌の除菌については、胃がん予防において極めて重要な役割を担うものと認識。

 このため、計画の重点施策となる「がん予防」の取組の一つとして位置付けるよう検討してまいりたい。
no1
切れ目のない子育て支援対策について
(1) 子育て世代包括支援センターについて
①子育て世代包括支援センターの機能の認識

 子育て世代包括支援センターは、妊娠期から子育て期にわたるまでの様々なニーズに対して総合的に相談支援を提供するワンストップ拠点として、保健師などの専門職を配置し、細やかな支援を行うことにより、妊娠・出産・子育てへの安心感を醸成する役割を担うとされております。

 国は、一人の保健師等が全数面接等の支援を行うことのできる妊婦の数は100~200人としているところ、札幌市は、保健師一人あたりの担当人数は多く政令都市の中では17番目と、保健師の充足は喫緊の課題であると考えます。

 また、子育ての不安や悩みへの相談に対応するためには、カウンセリングなど心理学的援助を行う心理職の配置なども必要であることから、より専門性の高い支援を提供するために、子育て世代包括支援センターに係る国の交付金を有効に活用し、本市の課題である保健師の充足や心理士の配置などについて検討する必要があると考えます。

 そこで質問ですが、国は平成32年までに、子育て世代包括支援センターの設置の全国展開を目指すとしていますが、札幌市では、子育て世代包括支援センターの機能をどのように認識しているか伺います。

②子育て世代包括支援センターの設置

 また、子育て世代包括支援センターの設置について、どのように考えているか伺います。
(2) 保育コンシェルジュ機能の強化について
①実績に対する認識

 札幌市の保育所待機児童については、いわゆる国の定義で言う数値は4月1日時点で8人、全体数は816人と発表され、待機児童全体を減らしていくために、今後も様々な対策を講じる必要性があります。

 札幌市では、平成25年に市内全ての区に保育コーディネーターを配置し、可能な限り保護者のニーズに合った保育サービスを紹介できるよう体制を整えたところでありますが、待機児童対策が注目される中にあって、市民の方より体制の充実強化を求める声をいただいているところです。

 先般、国から「待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策について」通知がなされ、この中では「保育コンシェルジュ」について取り上げられており、対象となる自治体へ設置の促進や、夜間・休日などの時間外相談の実施など機能強化の推進が掲げられています。

 「保育コンシェルジュ」は、札幌市で言うところの「保育コーディネーター」にあたりますが、こうした市民の声を踏まえ、国の緊急対応にあるように時間外相談の実施や、保育コーディネーターの対応能力の向上など、その機能を強化していく必要があると考えます。

 そこで質問ですが、保育コーディネーターのこれまでの取組についてその実績などをどのように認識しているか伺います。

②今後の機能強化

 より一層の待機児童対策として機能の強化が必要と考えますが、今後の機能強化についての認識を伺います。
(1) 子育て世代包括支援センターについて
1点目の子育て世代包括支援センターの機能の認識について

 子育て世代包括支援センターは、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を確保する仕組みとして、総合的な相談や支援をワンストップで行う機能を担うことから、安心して生み育てられる環境整備を進める上で極めて重要であると認識。

2点目の子育て世代包括支援センターの設置について

 札幌市では、各区の保健センターにおいて、保健師等の専門性を活かした相談支援、関係機関との情報共有やネットワークの構築などを行っているところ。
さらに、今年度は、支援を必要とする方へのサービスの充実を図るため、新たに産後ケア事業の開始を予定。

 このように、保健センターは国が示している子育て世代包括支援センターの機能を果たしているところであり、今後も、包括的・継続的に支えていく仕組みをさらに強化し、子育て世代への支援の充実に取り組んでまいりたい。
(2) 保育コンシェルジュ機能の強化について
1点目の実績に対する認識について

 平成25年10月に保育コーディネーターを配置して以来2年半が経過し、相談件数は平成26年度、27年度ともに1万件を超えている。

 このように保護者のニーズに幅広く応えていることに加え、いわゆる国定義の待機児童が着実に減少しているといった効果も出ている等、子育て支援策において保育コーディネーターは必要不可欠な存在となっていると認識。

2点目の今後の機能強化について

 これまでも具体的な事例検証をテーマに実践的な研修を行う等、対応能力の向上に努めるとともに、保護者に提供する情報についても、施設の概要はもとより保育サービスの特長を合わせて伝えるなど、その充実を図ってきたところ。

 今後とも、待機児童数の推移やその発生している要因等を踏まえながら、必要な機能の在り方について検討してまいりたい。
no1
学校における課題への対応力向上について
(1) 一人一人の子どもの状況に応じた対応について
 国では、本年度から5か年計画として「次世代の学校・地域」創生プランを公表し、一億総活躍社会の実現と地方創生の推進のため、学校と地域が一体となった取組を進めております。

 札幌市においても、一人一人の子どもの状況に応じ、迅速で、適切な対応が求められております。チームとしての学校の在り方については、現段階では検討中だと思いますが、子どもがそれぞれ抱える課題に適した相談や指導などについては、今すぐにでも取り組むべきであると考えます。

 そこで質問ですが、一人一人の子どもの状況に応じた対応について、札幌市の現状と課題及び今後の取組について伺います。
(2) 「チーム学校」の実現に向けた教員の資質能力の向上について
 一人一人の子どもにしっかりと向き合い、適切に対応していくためにも「チーム学校」を実現し、教育力を高めていくことが、今後より一層求められると考えております。

 そして、この中心を担い、学校の多種多様な課題に直接対応する教員には、常日頃から資質能力のスキルアップを図るとともに、組織の一員としての役割に応じた活躍が求められていると考えます。

 しかしながら、近年、定年による教員の大量退職、大量新規採用の影響等により、教員の経験年数の均衡が顕著に崩れ、かつてのように先輩教員から若手教員への知識・技能の伝承がうまく図ることのできない状況が生じていると聞いております。

 私は、教員が、これまで以上に、密に子どもに寄り添い、子どもと保護者、地域との信頼関係を築き、そして「チーム学校」の中心として活躍していくためにも、教員の資質能力の向上が求められていると考えます。

 そこで、質問ですが、「チーム学校」の実現に向けて、札幌市は教員の資質能力の向上について、どのような取組を進めていこうと考えているのか伺います。
(1) 一人一人の子どもの状況に応じた対応について
 学校においては、子どもが抱える心の問題や、その背景にある家庭の問題に対して、教員がスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどと連携しながら、きめ細かに対応してきたところ。

 子どもを取り巻く環境は、一層複雑化・深刻化していることから、専門性を有する多様な人材が、学校組織の中でさらに連携を深めていくことが必要。

 今後、様々な人材が教職員とともに学校運営に参画し、それぞれの専門性が発揮されるよう、その仕組みづくりに取り組んでまいる。
(2) 「チーム学校」の実現に向けた教員の資質能力の向上について
 学校が一つのチームとして機能するためには、教職員と専門性を有する多様な人材が一体となって学校運営を推進し、それぞれの役割が十分に発揮されることが重要。

 管理職においては、リーダーシップやマネジメント力の向上を図る研修を充実するとともに、教員においては、様々な人材と連携する意義や方法などについて理解を深める研修を実施。
no1
東区の諸課題について
(1) 丘珠空港の利用促進について
 丘珠空港周辺には、モエレ沼公園やサッポロさとらんど、コミュニティドーム「つどーむ」など東区を代表する観光やレクリエーション、スポーツの拠点が存在しております。また、平成10年度に策定された「丘珠周辺のまちづくり構想」に基づいて、順次整備が行われてきた丘珠空港緑地についても、先日、南東地区に続いて、北西地区の供用が開始され、観光的要素を持った施設が充実している状況にあります。

 こうした中、先日、フジドリームエアラインズ(FDA)より、6月から静岡空港との間で定期路線を開設するとの発表がありました。

 これまで丘珠空港は道内航空ネットワークの拠点として、ビジネスや医療など、北海道全体の経済活動や快適な道民生活を支える役割を担ってきていますが、今回の新規路線の開設を契機として、札幌観光の拠点という新たな役割を担っていくことも想定されます。

 そして、モエレ沼公園など近隣の施設と連携し、道外の観光客の誘致を図っていくことで、東区の活性化につなげていけるのではないかと考えます。

 そこで質問ですが、こうした動きを加速していくため、静岡線のみにとどまらず、他の道外路線の誘致についても積極的に行っていくべきであると考えるが、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
(2) 東雁来第2土地区画整理事業の整備状況について
①人口増加、企業進出、公共施設の状況

 現在、東区東部に位置する東雁来において、平成8年から土地区画整理事業による210.8㏊におよぶ大規模な都市基盤整備が行われております。

 事業開始後20年が経過した現在は、戸建ての住宅はもちろん、子育て世帯に配慮した市営住宅、大型ショッピングセンターや医療、介護施設などが立ち並び、バス路線も通るなど、街の変化には目を見張るものがあります。

 さらに今後は、地域全体で子育てを促進し、子どもたちを中心に地域の方も気軽に利用できる施設として、札苗緑小学校区多世代交流施設の建設が開始されるなど、福祉の党である我が党としても、大変喜ばしく思っています。

 さらに、生活や企業活動を支える道路や河川等の公共施設の整備も着実に進み、地区内の公園や緑道等、さらには近隣にモエレ沼公園・サッポロさとらんど・豊平川など自然環境にも恵まれ、市民の皆さまに受け入れられる地域となりつつあると感じております。

 そこで質問ですが、この21年目を迎えた東雁来第2地区の土地区画整理事業における人口増加の状況、新たに進出した企業の状況、さらに地域の方々の生活を支える公共施設の状況についてお伺いします。

②課題、収支の見通し

 また、札幌市は平成29年度の事業完了に向け、残る宅地や道路等の整備を着実に進めているように見受けられます。

 しかし、地域住民にとって、念願である事業になかなか協力を得られず、工事が予定通りに進められないエリアや、地権者から少しずつ土地の提供を受けて事業の財源とするために販売していた保留地が、思うように売れない時期があったと記憶しています。

 そこで質問の2点目は、これらの課題について、現在はどうなっているか、また、土地区画整理事業としての収支の見通しについて、2年後に控えた事業完了を踏まえてお伺いします。
(1) 丘珠空港の利用促進について
 今回、静岡線が週2往復の就航に至ったものの、いまだ発着枠が十分に活用されていない状況にあることから、丘珠空港の活性化に向けて、さらなる路線の拡大に取り組んでいく考え。

 具体的には、航空会社に対して、都心や市内観光地に近接しているという利便性や、空港ビルの施設整備の状況、関係者が一体となった利用促進の取組などについて説明しながら、働きかけを進めてまいりたい。
(2) 東雁来第2土地区画整理事業の整備状況について
1点目の人口増加、企業進出、公共施設の状況について

 事業区域内における人口は、計画人口8,000人に対し、平成28年4月時点で約5,800人、この1年間で約650人の増加があり、転入の主体は比較的若い世代。

 工業系エリアでは、日本郵便をはじめとする物流企業や、食品、製造、自動車整備など様々な地元企業が進出、または、建設中。

 公共施設は、都市計画道路や公園などのインフラ整備はおおむね完了しており、市営住宅や札苗緑小学校区多世代交流施設が建設予定。さらに、老人ホーム、次世代住宅など、多様な世代に対して充実した住環境が整備されつつある。

2点目の課題、収支の見通しについて

現在は、全ての地権者から協力が得られ、工事の見通しが立っている状況。
保留地分譲は近年好調に推移し、平成28年4月時点で累計予定額の93%を達成。
今後も、平成29年度の事業完了に向けて全力で取り組む。