議会報告

平成28年第1回定例議会
代表質問 福田 浩太郎 議員
(手稲区)

2月24日札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して福田浩太郎 議員が代表質問を行いました。

市長の政治姿勢について、地域包括ケアシステムの構築について、生活困窮者自立支援の充実について質問しました。

以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。
no1
市長の政治姿勢について
(1) 財政問題について
①市債に対する認識
 平成28年度予算案の総額は9,366億円と、前年度より355億円増の過去最大の規模となり、将来世代への負担とも言える一般会計の平成28年度の市債の発行額は1,183億円で、前年度比189億円増となり、平成28年度末の残高見込みでは、1兆621億円と、前年度より481億円増となっております。

 必要な事業について積み上げた結果であるという所は理解していますが、将来を見据えると、予算規模が拡大し、市債の発行額や残高見込みが大幅に増えていることについて、些か不安を感じるところではあります。 

 一般会計の市債の発行額や残高見込み額が大幅に増えていることについて、市長の認識をお伺いします。

②今後の財政運営
 また、人口減少・超高齢社会の進展や、市有建築物の更新需要の本格化などを考えると、このように市債の発行額や残高見込みが増加傾向にあることについては、持続可能な財政運営が今後も維持できるのか、懸念を覚える市民もいらっしゃると考えます。

 しかしながら、市有建築物が更新時期を迎えることへの対応や、札幌の街をリニューアルする事業が続くことを考えると、市債の活用は不可欠な側面もあります。

 市長は、今後の財政運営についてどのようにお考えなのか、市債残高の今後の見通しも含めてお伺いします。

(2) スポーツ施策の推進と様々な部局や団体との連携について
 スポーツ施策の中でも、冬季オリンピック・パラリンピックをはじめとした国際スポーツ大会の招致推進や障がい者スポーツの振興は、年齢や障がいの有無に関係なく、広くスポーツを通じて交流を深める機会を作り出し、皆が生き生きと暮らすことができる共生社会を実現するうえで重要な施策であります。

 今回、新たにスポーツ局を設置することは、国際スポーツ大会の招致機能の強化や、障がい者スポーツの振興といった取組により力を注いでいく姿勢が示されたものとして、一定の評価はできるものと考えています。

 一方で、札幌の魅力をより高めていくために、こうしたスポーツに関する取組は、スポーツ局単体で取り組むのではなく、関連する部局や関係団体などとの連携を図り、今後のまちづくりや経済・観光振興策などに活かしていくことが必要であると考えます。

 スポーツ施策の推進にあたっては、スポーツを通じて札幌の魅力をより高めていくために、様々な部局や団体との連携を図っていくべきと考えますが、いかがかお伺いします。

(3) オリンピック・パラリンピック基金を活用した寄付文化の醸成について
 今回、基金条例の改正案として「オリンピック・パラリンピック基金」の設置が提案され、平成27年度予算の補正予算として30億円を積み立てるとされています。

 私は、オリンピック・パラリンピックを、この札幌で開催すること自体は、札幌市民が共有する夢であると考えておりますが、一方で、開催費用や維持費など将来の財政負担に対して懸念を抱いている市民も多いのではないかとも思っております。

 このような懸念に対しては、開催概要計画策定の過程において財政負担を明らかにした上で、オリンピック・パラリンピックによって市民にどのような恩恵がもたらされるのかという効果の説明を丁寧に行うとともに、将来世代に過度な負担を残さないために、現役世代が早い段階から財政的な面でしっかりと備えていくことが非常に重要であると考えております。

 今回設置が提案されている基金は、オリンピック・パラリンピックの招致・開催に必要となる招致経費や競技施設整備費、あるいは大会運営費などの多額の財政負担に備えるということだけでなく、市民や企業からの寄付を募り、この基金に積み立てていくということであります。

 今回設置する基金を活用して、オリンピック・パラリンピック開催に向けた寄付文化を醸成することについて、どのようにお考えなのかお伺いします。
(4) マイナンバー制度の今後の活用について
 マイナンバー制度は、公平公正な社会の実現、国民の利便性向上、行政の効率化を目的として、社会保障と税、災害対策に限定して、導入された制度でありますが、利用が拡大して行くことにより、社会基盤として大きく発展することが期待されています。

 国においては、平成29年1月から国民ひとり一人が各自の情報提供記録を確認したり、行政機関からのお知らせを受領できたりするポータルサイト「マイナポータル」を開設することを予定しているとともに、各種民間オンライン取引や健康保険証としての利用など、個人番号カードの利便性拡大策の検討も進めていると聞いております。

 一方、個人情報の安全性を不安視する声が市民の中に聞かれるのも現実であり、利便性拡大と安全性確保の両立は制度拡大のため必須の条件であることは言うまでもありません。
私は、市民サービスの向上につながるような、本市独自のマイナンバー利用を積極的に推進し、市民の利便性拡大を図ることで、さらに利用が拡大するといった好循環を作りだし、これよって社会基盤としての制度発展を図るべきと考えます。

 札幌市は今後どのようにマイナンバー制度に対する市民の不安を払拭するとともに、独自利用をはじめとした市民生活の利便性向上を進めて行こうと考えておられるか、お伺いします。
(1) 財政問題について
1点目の市債に対する認識について
 平成28年度においては、都心の再開発等の大型事業が重なることから、建設事業費が一時的に多額となり、それに伴い市債の発行額や残高も増加しているところ。

 財政規律については、中期財政フレームによりアクションプラン期間全体を通じて堅持していくこととしており、中期財政フレームとの比較では、市債の残高は想定を下回る見込みとなっている。

2点目の今後の財政運営について
 人口減少や超高齢化社会を迎える中において、子ども子育てや医療・介護などの社会保障分野に加えて、都市の活力や経済の活性化を促す取組など、札幌市の将来を見据えた未来への投資も着実に進めることが重要。

 一方で、今後も公共施設の維持・更新や、まちの再構築に向けた投資などの財政需要が見込まれる中、今後の建設事業費の推移によっては、後年次の市債償還額が増加し、財政の硬直化を招く恐れもある。

 したがって、引き続き、必要な投資の実施と財政規律の堅持の両面に意を用いながら、市債残高の抑制にも努め、将来に過度な負担を残さないようバランスを重視した持続可能な財政運営を行っていくことが必要。
(2) スポーツ施策の推進と様々な部局や団体との連携について
 国際スポーツ大会の招致に当たっては、集客交流の促進という観点から関係する部局も一体となって進めるとともに、今後設立する札幌版地域スポーツコミッションでは、北海道やスポーツ団体に加え、経済団体や観光協会等の参画も予定しており、これら団体との連携をさらに強化していく考え。

 また、障がい者スポーツの振興を通じて、今後のまちづくりにおけるバリアフリー化の推進やノーマライゼーションの理念の普及などを実現していくに当たっては、現在障がい者スポーツに関する有識者等からなる検討会議において議論を進めているところであり、今後も関係部局や団体とのさらなる連携を図っていく。

 こうしたことにより、スポーツ施策を通じて、経済・観光の活性化や共生社会の実現などにつなげてまいりたい。
(3) オリンピック・パラリンピック基金を活用した寄付文化の醸成について
 オリンピック・パラリンピックの招致から開催までの取組は、市民・企業・行政が一体となる、いわば「まちづくり運動」そのものであり、その趣旨に賛同された方々に寄付という形で参画をしていただけることは、大変すばらしいこと。

 そこで、多くの方々から寄付をいただけるような仕組みづくりについて、経済団体や競技団体などで構成される「冬季オリンピック・パラリンピック札幌招致期成会」などとともに、今後その具体的な手法について協議を進めるとともに、ふるさと納税制度などの活用についても検討してまいりたい。
(4) マイナンバー制度の今後の活用について
 マイナンバーの利用拡大に備え、インターネットを通じた外部からの攻撃を遮断する仕組みや、USBなどの外部記憶媒体の利用を制限する仕組みなどを導入し、セキュリティ対策をさらに強固なものとしていく。

 市民生活の利便性向上に向けた、マイナンバーの独自利用については、平成28年度中に住民票などのコンビニ交付をスタートさせるほか、今後、ICT活用の戦略の策定に合わせて検討してまいりたい。
no1
地域包括ケアシステムの構築について
 2000年に介護保険制度が始まって以降、3年ごとに制度が見直され、重度の要介護者や認知症高齢者を支えるための、新たなサービス類型が次々生み出されてきていますが、利用する側にとってはわかりにくくなっているともいえます。

 特に、高齢者のみの世帯では、実際、サービスを使うとなると、制度ごとに分かれた手続きや様々な書類の準備に戸惑う声も聞いております。

 地域包括支援センターの総合相談窓口をPRしていくことは、引き続きお願いしたいところでありますが、市民の身近な相談場所は単一の機関だけで担いきれるものではなく、むしろ、様々な機関がつながって網の目の細かいネットワークを作っていくことこそが、地域包括ケアシステムであると考えます。

 今後は、介護側のシステムと融合していく必要があり、どちらに相談しても情報が共有され、高齢者の心身の状態と生活上のニーズを専門職が総合的に判断してサービスにつなげてくれる仕組みを創っていくべきと考えます。

 高齢者の生活上の困りごとは、要支援者や元気な高齢者にもあり、日常のちょっとした生活支援ニーズは、単身高齢者が増えることによって今後ますます需要が高まっていくものと思われます。これらを住民の互助で対応するには限界があり、離れて暮らす子や孫を呼んで対応することも現実的ではなく、また、介護保険制度にもなじまないものであります。

 介護保険制度としての介護予防・日常生活支援総合事業(いわゆる新総合事業)と、生活支援サービスの充実は両輪で進めていく必要があり、わかりやすく高齢者に届けるための新たなシステムづくりが求められるものであります。
医療従事者と介護従事者の連携システムについて
 高齢者の医療・介護ニーズを早期に把握し、適切な支援につなげるためには、医療従事者と介護従事者の連携システムを創るべきと考えますが、市長の見解をお伺いします。
新総合事業のサービスと介護保険外の生活支援サービスの充実について
 高齢者の生活支援ニーズが高まるなか、新総合事業における要支援者のサービスと、介護保険外の生活支援サービスの充実について、札幌市では今後どのようにしていくつもりか、お伺いします。
医療従事者と介護従事者の連携システムについて
 様々な専門職が、それぞれの所属や専門性の垣根を超えて、高齢者の病状や介護ニーズを共有しながら、切れ目のない支援を行うことが重要と認識。

 これまでも、医療、介護の専門職が一堂に会する研修会などを行うことにより、相互の連携を推進してきたところ。

 今後も、入院患者が退院する際の情報を共有するための退院時連携パス等の活用や、専門職向けの相談会の実施などにより、医療、介護関係者が連携するための仕組みづくりを行ってまいりたい。
新総合事業のサービスと介護保険外の生活支援サービスの充実について

 要支援者の中には、生活支援と同時に身体介護や健康観察など、専門職によるサービスを必要としている方もいることから、新総合事業においては、介護保険事業所による訪問型・通所型サービスも位置付ける方針。

 一方、介護保険制度の対象とならない、庭木の剪定や電球交換のような生活支援ニーズに対応するため、民間企業、NPO、住民組織などの担い手を発掘・創出するための人材を、新年度から配置し体制整備していく考え。

no1
生活困窮者自立支援の充実について
(1) 関係する支援機関との連携について
 札幌市では、生活に困窮する方々に対して早期のうちから支援を行い、自立を促すことを目的に「札幌市生活就労支援センター・ステップ」を開設し、幅広い年齢層の方から、様々な悩みについて相談を受け、支援を行っているとのことであります。相談に訪れる方の中でも、支援が難しく長期化してしまう方の傾向としては、経済的な課題を抱えつつ、メンタル面での弱さ、コミュニケーション能力不足などといった様々な要因が根底にて絡み合って自立を妨げているようであります。

 こうした方々は、日を追うごとに支援が難しくなっていく傾向にあり、「ステップ」や行政機関のみならず、様々な人的ネットワークの中で、早期発見・早期支援をしていくことも必要であると考えます。

 これまで、「ステップ」では、関係する支援機関との間でどのような連携を行いながら支援を行ってきたか。今後、こういった関係機関との連携をより一層図っていくため、どのような方策で進めていくのか、併せてお伺いします。
(2) 就労準備支援事業の進め方について
 生活困窮者自立支援制度においては、就労意欲が著しく低下している等の理由で、一般就労に向けた準備がまだ整っていない方については、「就労準備支援」といった段階の支援を行うこととされております。

 こうした「就労準備支援」のメニューとして、就労体験等の場を提供することにより、社会的能力や就労意欲の向上を促すことは、就労支援の質を更に高めることにもつながると思います。
札幌市では、生活困窮者に対する「就労準備支援事業」は行っておらず、こうした取組については、本格的に実施していくことが必要だと考えております。

 また、生活保護受給者に対する「就労準備支援」の取組としては、札幌市ではこれまで、「就労ボランティア体験事業」を実施してきたところです。

 生活困窮者に対する「就労準備支援」の取組については、これまでに実施してきた「就労ボランティア体験事業」との関わりを踏まえた上で、どのような形で進めていこうと考えているのか、お伺いします。
(1) 関係する支援機関との連携について
 ステップでは、個別の支援ケースにおいては、区保護課や社会福祉協議会、ハローワークなど、関係する支援機関に参加を呼びかけた支援調整会議の中で、それぞれの役割分担等を話し合うなどの連携を行ってきた。

 また、民生委員児童委員協議会や自立支援協議会など、関係する各支援機関が属する既存の会議やネットワークの場に積極的に参加し、制度周知や事例検討を通じて、困難ケースでの連携確認や課題の把握を行ってきた。

 今後は、これらの活動の中で把握された課題への対応等について、各支援分野の代表が集まって討議する「生活困窮者自立支援ネットワーク会議」を設置し、ネットワークを更に広げていきたい。
(2) 就労準備支援事業の進め方について
 これまで、札幌市では、生活保護受給者に対する就労準備支援の取組としては、「就労ボランティア体験事業」を実施しており、就労意欲等の向上を促す事業として一定の効果があったものと認識。

 また、国においては、生活困窮者に対する就労準備支援については、事業の効率的かつ継続的運営の観点から、生活保護受給者に対する支援と一体的に実施することを推進している。
 そうした状況を踏まえ、来年度は、「就労ボランティア体験事業」の対象者に、生活困窮者を加えた上で、生活保護受給者とあわせて、一体的な就労準備支援を行う事業として実施することを予定。
no1
障がい者等への支援強化について
(1) ヘルプマークの導入検討について
 札幌市も「障害者差別解消法を踏まえた札幌市の対応方針」を定め、その新たな取組の一つとして、ヘルプマーク等の制度の導入を検討することとしております。このヘルプマークは、内部障がいや難病・妊娠初期など、援助や配慮を必要としていることが外からは見えづらい方が、ストラップ型のマークを身に付けることで、援助を得やすくするものであり、まさに、障害者差別解消法に定める合理的配慮を行う上での入口にあたると考えております。

① 検討の進め方やスケジュール等
 ヘルプマーク等の導入について、今後、いつまでに、どのように検討を進めていくのか、また現段階での導入予定時期について、お伺いします。

② デザインの検討の方向性
 東京都以外の自治体でも、独自のデザインによる同一趣旨のマークが作成、使用されておりますが、確認の意味も含め、デザインについては、東京都と同一のものを採用する方向で検討を進めるのかどうかについてお伺いします。 
(2) 難病のある方の就労支援の基本的な考え方について
 障害者差別解消法の施行に併せて、「障害者の雇用の促進等に関する法律」も改正され、雇用の分野でも、難病を含む障害者に対する差別が禁止され、合理的配慮の提供が義務化されることになります。

 難病の症状は、同じ疾病であっても個人差が大きいことから、見えづらい疾患と言われ、症状は多種多様であり、発症時期による就労期間や経験の差が大きいことから、難病患者の就労支援は、単純に一括りにできません。

 このような難病の症状と向き合いながら、就労したいという患者のニーズに応えるためには、主治医の適切な助言を受けながら、各職場において、患者の健康と安全が確保されるよう合理的配慮が求められるところであり、就職と職場定着を円滑に進める上では、難病患者に寄り添いながら企業に助言し、就職や職場定着の支援を行う専門家の存在も、欠かせないと考えるところです。

 難病のある方の就労支援について、札幌市としてどのように考えているのか、基本的な考えをお伺いします。
(1) ヘルプマークの導入検討について
 

1点目の検討の進め方やスケジュール等について
来年度のなるべく早い時期に、障がい者団体等から意見を聞く場を設け、半年程度をかけて検討等を行い、平成29年度中の導入を目指していきたい。

2点目のデザインの検討の方向性について
 具体的には、障がい者団体等からの意見聴取を経て、決定したいと考えているが、こうしたデザインは、全国的に統一が図られることが望ましく、京都府も来年度から東京都のヘルプマークを活用し、制度を開始する予定と聞いているところ。

札幌市としては、他都市と連携しながら普及啓発を図ることが可能なことなどメリットも多いことから、基本的には、東京都のヘルプマークをそのまま活用する方向で検討を進めたいと考えている。

(2) 難病のある方の就労支援の基本的な考え方について
 難病のある方への就労支援については、国や北海道、医療機関等を中心とした支援体制が構築されてきたところ。

 札幌市としても、就労支援の必要性を認識し、市内4か所の就業・生活相談支援事業所において、症状や通院・治療の状況に応じて能力を発揮できるよう支援しているところ。

 今後も、関係機関等と連携しながら、事業者に対する啓発や支援事業に従事する職員の資質向上に努め、難病のある方がより多く就労に結びつき、必要な支援を受けながら働き続けることができるよう取り組んでまいりたい。
no1
超高齢社会への対応について
(1) 日本版CCRCの意義について
 現在65歳以上の高齢者がいる世帯は増え続けており、中でも、一人暮らしの高齢者の増加は男女ともに著しいものがあります。また、高齢者の生活の質の向上が言われてきましたが、そのためには、アクティブシニアとして生活し続けるための暮らしの場を、どのように理想に近づけるかであり、介護中心の高齢者住宅ではなく、健常期から終末期まで安心して、生きがいを持って住み続けられるコミュニティが必要となると考えるところであります。

 しかし、高齢化に伴う症状や骨折などが原因となり、介護が必要となってから支援施設や高齢者施設に移動するケースがほとんどであります。

 そこで「健康な」うちからコミュニティで暮らし、健康でアクティブな生活を送るとともに、医療や介護が必要な時には継続的なケアを受けることが出来るような地域づくりを目指す、「生涯活躍のまち」いわゆる「日本版CCRC」構想の最終報告が昨年12月に地方創生担当大臣に手交され、今月の5日に地域再生法の一部を改正する法律案が閣議決定されました。

 日本版CCRCは単なる地方移住促進策のみならず、地域課題解決の総合的な取組です。事業者によって居住・コミュニティ空間が提供され、居住者は見守り、生活支援やコミュニティ形成に携わることはもちろんのこと、行政や大学など地域との連携により、生涯学習や社会参加、そして地域の子どもたち、若者などの多世代交流の機会があり、当然、介護・医療機関との連携により、健康づくりや介護・医療のサービスが受けられます。つまり高齢者が、主体的な存在として社会と関わり合うことになります。

 さらに事業面からみると、公的保障に依存しない収益に重点が置かれています。雇用面でも、公的保険外サービスである介護予防、認知症予防、健康維持・増進、社会参加など多面的な雇用を創出する効果が期待されています。また、医療介護サービスにおける人材不足に対応するため、IT活用など効率的なサービス提供を目指しています。

 多面的なメリットをもたらす日本版CCRCは、地域課題を解決する力といえるのであり、札幌市においても日本版CCRC を導入・普及させるため、市民性、地域性、現行制度を踏まえた「札幌型モデル」を検討していくことが重要と考えます。

 1点目として市長は日本版CCRCの意義をどのように考えるのか、お伺いします。
(2) 高齢者の社会参加支援について
 2点目として高齢者が社会の主体的な存在として、生涯現役で暮らし続けていくために必要な社会参加支援に向けて、多面的な観点から取り組むべきと考えますが、いかがかお伺いします。
(1) 日本版CCRCの意義について
 日本版CCRCは、東京圏からの移住にとどまらず、近隣地域への住み替えも対象としており、高齢者の「健康でアクティブな生活の実現」や「継続的なケアの確保」を基本コンセプトとしている。

 これは、アクションプランで掲げた未来の札幌の姿「誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街」と軌を一にするものと認識。

 日本版CCRCの導入については、他都市事例の状況を調査するとともに、国の支援制度の動向を注視しながら、近隣市町村と連携を図ることも視野に入れて、検討してまいりたい。
(2) 高齢者の社会参加支援について
 超高齢・人口減少社会においては、高齢者が支えられるだけではなく、豊富な経験と知識を生かしながら、社会で活躍できる環境を整えることが重要と認識。

 このため、平成28年度から、福祉、雇用や地域活動などの多様な観点に立ち、一体的に、高齢者の社会参加支援の在り方について、検討してまいりたい。
no1
経済の好循環に向けた札幌市の取組について
(1) 人材面の優位性を生かした企業誘致について
 札幌には多くの高等教育機関が集積し、地元志向が強く、真面目で優秀な人材が多いと言われており、企業が質の高い人材を確保できることは、企業誘致における札幌の大きな優位性であります。この点を、全国的に人材確保が厳しい社会経済情勢の中で、企業誘致に大いに生かすべきと考えるところです。

 一方、札幌圏でも近年、有効求人倍率が上昇を続け、人材不足という全国的な波が押し寄せてきております。企業間の人材の奪い合いが生じ、今後、企業の進出意欲が停滞していくことを防ぐためにも、人材の掘り起こしにつながる各種施策を上手に活用し、札幌の優位性が失われないよう取り組むことも企業誘致において重要と考えます。

 今後、本市では、雇用施策と十分連携しながら、札幌の強みである人材面の優位性を積極的に生かした企業誘致を行うべきと考えますが、市長の見解をお伺いします。
(2) ものづくり産業の競争力強化に向けた取組について
 国では補正予算により、国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新事業を創出するため、中小ものづくり企業の新製品開発や生産性向上に係る設備投資などを支援する1,000億円規模の「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」(いわゆる「ものづくり補助金」)制度を4年連続で実施することとしており、本市においても多くの企業の活用が見込まれます。

 しかし、独自性のある付加価値を内在しないものは、価格競争の波に飲み込まれ早期に衰退の道を辿ることが必然となっております。これからの製造業が市場で存在感を保ち、生き残っていくためには、ユーザーが求める価値・経験を捉え、高い付加価値を備える製品を独自に構想・提案できる力を身につけることがますます重要となっています。

 札幌市内には、デザイン学部を擁する札幌市立大学や製品開発を支援する北海道立総合研究機構工業試験場などの公的研究機関が多数存在しています。こうした資源を活用することで、高い付加価値を生み出すことのできるものづくり産業を成長させていくことも十分に可能であり、今後は企業間、産学官の連携をいかに促進させていくかが重要だと考えているところです。

 札幌のものづくり産業の競争力強化に向け、付加価値の高い製品をより多く生み出していくための取組を市としてどのように進めていくのかお伺いします。
(3) 委託業務における入札・契約制度の改善について
 

地域の実状に合わせた就労環境の改善に向け、我が党では「地方版政労使会議」を提言し、札幌市からは「この会議に積極的に参加し、特に若年労働者の処遇改善につながる施策に取り組む」との答弁がありました。

北海道での「地方版政労使会議」は平成27年12月24日に行われ、全国平均より劣っている就労環境を改善するため、「北海道働き方改革・雇用環境改善に向けた共同宣言」が採択されました。

その際

1)長時間労働の抑制や年次有給休暇を促進する「働き方改革」
2)「非正規雇用労働者の正社員転換・待遇改善」
3)「女性の活躍推進」
4)「魅力ある雇用機会の創出」

の四項目に取り組むことが示されましたが、これはまさに札幌市の建設業に該当するのであり、技術者確保、担い手育成のためにも就労環境を改善しなければならないと考えます。

 その方策の一つに、企業の安定経営を促し、幅広く受注機会を確保するための入札・契約制度の改善があります。建設工事については「幅広い受注機会の確保」や「若手・女性技術者の育成・活躍の推進」などの観点から総合評価方式を改善しました。委託業務については「最低制限価格の引上げ」を行い、関係業界も一定の評価しているところではあります。

 しかし、建設業全体のレベルアップのためには、工事の計画や方針、また詳細な設計を行う建設コンサルタント業務が基本となるのであり、札幌市も質の高い成果品が得られるよう発注方法や入札制度の改善を一層進めるべきと考えます。

 将来にあっても高度な技術を伴うインフラ整備を実現するには、優秀な技術者を確保、またUターン、Iターンしてもらえるよう就労環境整備への改善が不可欠であると考えます。

 中小企業や小規模事業者が多い地元の設計・測量など建設コンサルタント業の経営安定・雇用促進に資するため、委託業務においてもさらに入札制度の改善を進めていくべきと思いますが、市長の考えをお伺いします。

(1) 人材面の優位性を生かした企業誘致について
 本市ではこれまで、低い災害リスク、人材の豊富さ、ビジネスコストなどの優位性を生かした誘致活動を行ってきたが、その中でも、昨今の首都圏等の深刻な人材不足を踏まえ、本市の人材面の強みを積極的に訴えることが重要と認識。

 また、この強みを更に強化する観点から、先を見据えた対応も必要と考えており、今後、首都圏からのUIJターンの推進や、地元就職支援による人材流出の防止などの各種雇用施策を十分活用しながら、引き続き企業誘致に取り組んでまいりたい。
(2) ものづくり産業の競争力強化に向けた取組について
 付加価値の高い製品を生み出すには、消費者が求める機能、形状に加え、使用により得られる高い満足感の提供に向け、製品の企画から販売まで一貫した戦略で進める手法や、それぞれの企業が強みとして有する技術を効果的に結びつけることが有効と認識。

 このため、こうした手法を広める事業を公的研究機関と連携して実施してきたほか、次年度からは企業間連携を促すためのコーディネーターをさっぽろ産業振興財団に配置することとしている。
 さらに、現在、市内ものづくり企業約1,600社に対し、現状や課題などを把握するアンケート調査を実施しており、今後は、この調査結果を踏まえつつ、取組の更なる拡大を図ってまいりたい。
(3) 委託業務における入札・契約制度の改善について
 設計・測量などの委託業務については、最低制限価格を引上げたところであり、更に、次年度において、測量業務では初めて総合評価方式を導入するなど、今後とも積極的に入札・契約制度の見直しを進めてまいりたい。
no1
国内観光客誘致の取組について
(1) 国内客減少への対策について
 市内観光業界は好調を維持していますが、それを牽引しているのが外国人観光客であり、前年度比44.3%の大幅増と、この傾向はしばらく続く見込みであります。

 一方、国内客は平成25年度をピークに微減しています。新しい市場として外国人客の取り込みは大切ですが、為替相場や政治情勢などの外的な要因に左右されやすいのも事実であり、札幌の観光客の約9割を占める国内客対策をしっかり行っていくことが、観光産業の土台を強固にしていく上で重要と言えます。

 市長は国内客が減少していることについて、どういう対策を検討しているのかお伺いします。
(2) 北海道新幹線と観光振興について
 国内客対策の大きな起爆剤になるのが、来月26日に開業する北海道新幹線であります。
国内の大動脈である新幹線が北海道につながり、更に2030年度の札幌延伸が見えている状況において、この新幹線開業を札幌の交流人口拡大につなげるために、官民一体となって取り組むことが必要であります。

 北海道は、開業効果を全道に波及させるべく、2次交通強化の支援や道外プロモーションなどの取組を積極的に行っていると聞いていますが、札幌市もこうした需要を取りこぼすことのないよう、積極的な取組を進めていくことが重要であります。

 市長は、北海道新幹線開業を札幌の集客交流に活かしていくために、どのように取り組んでいくのかお伺いします。
(1) 国内客減少への対策について
 国内においては、札幌の知名度は既に高いものの、さらなる国内客獲得のためには、多様化している旅行者ニーズにきめ細かく対応していく必要があると認識。

 今後は、旅行意欲の高い女性やシニア層に対し、食や自然といった素材を活かしながら、文化・芸術やスポーツと組み合わせ、札幌ならではの魅力的な体験観光を提案するなど、国内観光客の掘り起しにつなげてまいりたい。
(2) 北海道新幹線と観光振興について
 北海道新幹線の開業を国内客の目が北海道に向くチャンスと捉え、修学旅行誘致を更に強化していくとともに、北海道や関係市町村、交通事業者と連携して、函館―札幌間の魅力的な周遊ルートを創出し、道外に向けて積極的に発信してまいりたい。
no1
札幌市における大規模地震等への対応と対策について
(1) 地域防災力の強化について
 札幌市でも平成26年9月11日には、豪雨により33年ぶりの避難勧告が発令されたほか、先月14日には市内で最大震度4の地震が観測されたところです。

 万一、このような大規模な地震が発生した場合には、市が担う防災、減災に向けた様々な対策は当然でありますが、市民一人ひとりの自助、共助の意識に立った活動が、地域の中で被害を最小限に食い止める上で効果があり、重要であるということは過去の例からも明らかであります。

 東日本大震災を教訓とし、この間、法律の改正やハード面・ソフト面についても様々な対策がなされてきたところでありますが、住民による自主防災組織と地域の大学や企業などが連携することで、今まで以上に災害に対する備えや対応力が向上するのではないでしょうか。

 今後、地域の連携強化に向けた取組を、どのように進めていくのか、お伺いします。
(2) 本庁舎が利用できない場合の対応について
 先月22日には、札幌市の災害対策本部訓練が実施されましたが、大地震の際には市役所本庁舎は利用できなくなる可能性があるとの新聞報道がありました。

 札幌市の地域防災計画では、市役所本庁舎が利用できない場合は、災害対策本部を消防局庁舎に設置することとなっております。また、その他の部局については、昨年策定した札幌市業務継続計画に基づき、所管の他庁舎や昨年協定を締結した民有施設を代替庁舎として利用し、業務を継続するとのことであります。

 しかしながら、大地震が発生し、本庁舎が利用できない場合、災害への応急対応が十分にできるのかと、不安に思うところであります。

 消防局庁舎の活用を想定した訓練などを行うべきと考えますが、今後の取組についてお伺いします。
(1) 地域防災力の強化について
 ご指摘のとおり、地域防災力の強化には、自主防災組織の活動に加え、企業で働く方々や大学生などが、その地域の防災活動に参加することや、企業などが持つ資材等を活用することも有効と認識。

 お話のあった事例のほかにも、災害時にホームセンターから物資の提供を受けることや、病院の地下水を飲料水として活用できることについて合意するなど、独自の取組を行っている地域もある。

 今後、こうした取組が他の地域へ広がっていくよう、事例の紹介や防災活動への参加に意欲のある企業・団体の登録制度など、企業等が地域の防災活動に参加しやすい仕組みを検討してまいりたい。
(2) 本庁舎が利用できない場合の対応について
 本庁舎が利用できない場合は、災害対策本部を速やかに消防局庁舎に設置できるよう準備している。しかし、消防局庁舎は、本庁舎よりも設置スペースなどに制約があるため、より効率的な運用が必要。

 今回の本庁舎における訓練でも、必要な資機材やレイアウト等に課題があったため、今後、それらを整理したうえで、消防局庁舎での運用の確認や設置訓練を行い、本部運営を万全にしてまいりたい。
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女性の活躍支援について
(1) 産前産後の切れ目ない支援について
 我が党では、平成26年5月に「女性の元気応援プラン」を策定し、出産直後の母子をサポートする産後ケアの位置づけや利用者負担軽減、産後ケア従事者の養成及び充実等を国へ提案して参りました。

 札幌市においては、妊娠期からの切れ目ない支援として、出産後に頼れる人が身近にいない産婦で、心身の不調または育児不安等がある場合に利用できる「産後ケア事業」が、アクションプランに盛り込まれたことは、評価をしているところです。

①産後ケア事業の実施内容
 札幌市の「産後ケア事業」はどのような内容で実施するのか、お伺いします。

② 産後ケア事業の利用後の支援
 また、「産後ケア事業」の利用者には、利用後も継続的な支援が必要な事例が多いと思われ、妊娠期からの切れ目ない支援体制をさらに強化するためには、保健師等の専門職の充実についても必要と考えるところであります。
 「産後ケア事業」利用後の支援については、どのように考えているか、お伺いします。
(2) 女性が働き続けることができる環境整備について
 国では、「女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針」を閣議決定し、女性一人一人が就業希望を叶えることのできる社会の実現を推進しています。

 しかし、第1子出産後の女性の継続就業率は、38%に過ぎず「仕事」と「結婚、妊娠・出産、子育て」が二者択一の状況になっていることが明らかとなっています。

 国の取組を活用し、女性の継続就業と再就職を加速させていくことこそが、今後の札幌市に求められているのではないでしょうか。

 本市が女性向けの職場体験事業が「子育てママ再就職支援事業」として、育児休業からの復職を目指す女性を支援する取組とともにアクションプランに盛り込まれたことは、大変評価しているところです。

 しかしながら、こうした事業で支援を受けられる女性は一握りに過ぎません。札幌市内の復職、再就職を希望する多くの女性がその希望を実現するためには、社会全体がこうした女性を後押しするような環境整備も必要と考えます。

 女性がライフステージの変化に合わせて働き続けることができるよう、環境整備に本市がどのように取り組んでいくつもりなのか、お伺いします。
(1) 産前産後の切れ目ない支援について
1点目の産後ケア事業の実施内容について
 産後ケア事業は、宿泊または日帰りにより、助産師等が心身のケアや保健指導を行うほか、不安や悩みへの相談と育児支援を行う。

 具体的には、産婦が日常生活の場に近い環境で休養でき、必要な支援が受けられるよう、当面、助産所に委託して実施することとし、利用にあたっては、産婦が希望する助産所に直接申し込むことを想定。

2点目の産後ケア事業の利用後の支援について
 産婦が抱えている心身の不調や育児不安等の状況を踏まえ、継続的な支援を行う必要があると考えている。

 産後ケア事業の利用状況について、助産所と保健センターとで情報を共有し、家庭訪問や子育て支援事業につなぐなど、対象者一人ひとりのニーズに応じて、きめ細かく支援してまいりたい。
(2) 女性が働き続けることができる環境整備について
 女性がライフステージの変化に合わせて働き続けるためには、出産後も仕事を継続でき、また、退職した場合も容易に再就職できる環境づくりが重要と認識。

 このため、女性社員と企業を対象とした継続就労のためのセミナーに加え、今後は、子育て中の女性の再就職に向けた職場体験を実施するとともに個々のニーズを踏まえた求人開拓を行っていく。

  さらに、女性の活躍推進のための取組を進める北海道と連携し、様々な働き方の事例を多くの企業に発信していきたい。
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移住促進への取組について
 「さっぽろ未来創生プラン・人口ビジョン編」によると、札幌市も近く人口減少に転じ、2060年には人口減少が社会に与えるダメージは、私たちが考えている以上に深刻だと言われており、例えば生産年齢人口は現在より60万人減のほぼ半減になるとのことです。

 全国の自治体が地域の存続をかけた地方版総合戦略の策定にしのぎを削っており、静岡市では、昨年全国に先駆けて、県とは別に独自の「移住支援センター」を東京都内に設置しました。移住後の暮らしが具体的にイメージできることが重要とし、移住希望者に対し、東京ではかなえられない多様なライフスタイルを提案し、移住者数を積み上げています。

 最新の「地域ブランド調査」によると、2015年都道府県魅力度ランキングでは、北海道が第1位。市区町村では札幌市が函館に次いで第2位と評価されています。

 そして、調査項目に「居住意欲度」があり、札幌市は直近の調査結果で全国1000自治体中、第5位、前年の調査では、全国第2位の高評価であります。この結果から札幌市は単に「行ってみたい街」というだけではなく「住んでみたい街」でもあるという事がわかります。

 現在、札幌市として移住への取り組みは、総務省のポータルサイト「全国移住ナビ」への情報掲載や、市ホームページでの情報発信、民間のIT企業が進める移住イベントへの支援等を行っているとのことですが、もっと積極的に内外へのアピールを行うべきと考えます。

 移住希望者のニーズは多様であり、都市機能と大自然が調和し、豊かな食や教育環境や住宅など恵まれた「札幌スタイル」の生き方を求めている方は数多くいると思います。
そして、一度に千人、2千人を期待するのではなく、5人、10人という風に、顔の見える移住促進を粘り強く進めるべきと考えます。

 道外から札幌市への移住促進について、今後どのように推進していくのか、見解をお伺いします。
 札幌市は、依然として転入超過の状況が続いているが、20歳から29歳までの若年層においては、就職を理由とした道外への転出が多いことから、企業誘致などの産業振興の取組を積極的に進め、安定した雇用の場の創出に努めていきたい。

 実際に移住を考えている方々を対象とした調査でも、若者世代の相談者が増えていること、希望するライフスタイルとして「就労」、「就職」を挙げる人の割合が増加していることが明らかになっている。

 したがって、札幌への移住を希望される方々に対しては、札幌の暮らしや就労・就職等に係る情報発信を、道内他市町村や民間企業と連携した取組など様々な機会をとらえ、更に進めてまいります。
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共生社会の形成に向けた特別支援教育の充実について
 共生社会の形成に向けては、障がいのある方とない方とが互いに認め支え合う心情を育て、今後の共生社会を担う人を育む学校教育の役割が極めて大きなものであると考えているところであります。

中でも、障がいのある子どもの学びの充実はもとより、障がいのない子どもたちが障がいのある方の理解を深められるようにすることは、豊かな人間性を育てる上で、大変大きな意義があると考えています。

我が会派としても、共生社会の形成に向けて、多様な教育的ニーズに即した一層きめ細かな教育の充実が大切と考え、高等支援学校等の整備や教育内容の充実、そして通常の学級における障がいのある子どもの支援の充実など、特別支援教育の推進を度々、取り上げてきたところであります。

 一方で、共生社会の形成に向けては、自立と社会参加を見据えた個別の教育的ニーズに応えるとともに、国連の障害者の権利に関する条約に基づき、可能な限り、障がいのある子どもがない子どもと同じ場で学ぶことを追求する教育の推進が求められることとなっております。
また、障害者差別解消法が施行されるのに伴い、学校教育においても、合理的配慮の提供による学びの充実が求められることになります。

 このように共生社会の形成に向けては、学校教育において、子どもの実態に応じて適切な指導と必要な支援が受けられるようにすることとともに、可能な限り、障がいのある子どもたちが障がいのない子どもたちとともに学ぶことができるよう環境を整えていくことが必要であると考えております。

 共生社会の形成に向けて特別支援教育をどのように推進してきたかお伺いします。また併せて、4月から障害者差別解消法が施行されることを踏まえて、今後どのように取組を充実させていくのか伺います。

 共生社会の形成に向けては、障がいのある方と障がいのない方との触れ合いを通して、互いに理解を深め、尊重し合うことが大変重要であると認識。

 各学校では、特別支援学校や特別支援学級の子どもと通常の学級の子どもとが、学校行事や給食などで交流したり、共同学習を行ったりする機会を増やすなどの取組を推進してきたところ。

 今後は、パラリンピックに参加した選手の学校派遣などを通して、 子どもたちの障がいのある方への理解を一層促進。

 また、障害者差別解消法の施行に伴い、学校職員に対して、法の趣旨はもとより、合理的配慮の考え方や教材教具の工夫といった具体的な例などについても周知してまいる。

 全ての学校において、障がいのある子ども及びその保護者に寄り添いながら確実に合理的配慮を行えるよう努め、より一層子どもたちの学びの充実を図ってまいりたい。
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多様なまちづくり活動のアイディアや意欲を実現するための人材育成について
 私は、高齢化対策と観光振興をキーワードにした地域づくりについて、北海道科学大学未来デザイン学部の、あるゼミの協力を得て、生徒による様々なアイディアを提案してもらいました。

 高齢化対策については、高齢化に伴いコミュニティが疲弊しているエリアが存在しており、今後はさらに進展することから地域コミュニティを活性させ、快適で住みやすい環境づくりに向けた方策について話し合われました。

 また、新興住宅地の開発や駅周辺の分譲マンション集積により、働き盛りの子育て夫婦も増えていることから、元気な高齢者によるベビーシッターサービスがコミュニティビジネスとして展開できるのではないか、高齢者を対象とした施設が複数存在していることを踏まえ、大学生や元気な高齢者をサービス提供者とした訪問サービスを行い、豊かな経験を積み重ねてきた利用者との有意義な交流促進も進めるというプラン、民間の空き家や公共施設の空きスペース等を活用した高齢者の手による高齢者のためのコミュニティカフェについて、地元産の食材を加えながら高齢者向けの新しいメニュー開発や、高齢者同士あるいは地域の若者や児童等との交流促進も図りつつ設置ができないか提案がありました。

 観光振興においては、手稲山や前田森林公園など観光資源があるものの、訪問者数や消費額などの点では伸びる余地は大きいという現状と、観光地小樽とも隣接しており、観光ポテンシャルは大きいものと考えられることから、アウトドアや景勝ポイント、食などを活かした方策について話合われました。

 例えば、手稲山を活かした観光については、ビギナー登山客の誘致促進や手稲山をフィールドとした自然散策が提案され、初心者向けの登山ルートとハイキングルートを新たに整備し、区民の方がガイドとなって手稲山の自然や歴史等について語っていただくなど、魅力を高める観光メニューの展開方法が示されました。他にも冬季オリンピック・パラリンピックの招致を意識した手稲山の整備について、効果的な招致活動を進めるために多くの観光客を受け入れるハード・ソフト両面での整備が期待されました。

 高齢者施策や観光施策をより充実させていくためには、ニーズを敏感に捉え公的なサービスとは別な手法での魅力的なサービスの提供を促進していくことが、大都市札幌の多様で底の深いまちづくり活動、魅力アップにつながることでしょう。

 多様なまちづくり活動のアイディアや意欲を実践につなげるためには、課題の整理の仕方や解決する手立て等のノウハウを持つ人材の育成が不可欠であると考えますが、どのような取組を進めていく考えかお伺いします。
 複雑・多様化する地域課題の解決を進めていく上で、まちづくり活動の核となる人材を発掘・育成することは非常に重要であると認識。

 このため、昨年度より、課題を発見して解決するまでの過程を学ぶセミナーやワークショップを実施し、まちづくり活動を実践する人材の育成に努めているところ。

 今後は、更にNPOや町内会、ボランティア団体、企業など、多様な活動主体が連携協力するために必要な専門的スキルを有するコーディネーターを育てることが不可欠と思料。

 このため、来年度は、実践者の育成に加え、コーディネーターの育成プログラムの構築など、育成策の強化充実を図るとともに、これらの人材が活躍するための仕組みづくりを検討していく。