議会報告

平成27年第4回定例議会
代表質問 よしい七海 議員
(豊平区)

12月3日札幌市議会本会議において公明党議員会を代表してよしい七海 議員が代表質問を行いました。

これからのまちづくりの基本的な考え方について、来年度の予算編成の考え方について、北海道新幹線開業効果拡大の取組について質問しました。

以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。
no1
これからのまちづくりの基本的な考え方について

   秋元市長が、まちづくりを進める上で、「人を大事にする」ということを、原点にすえておられる事については、私も賛同するところであり、とりわけ、将来を担う若者が、希望を持ち、札幌の街で活躍していくことが重要と考えます。

    将来を担う若者が、仕事や出産・子育てに、希望を実現して、安心して暮らしていける街をつくっていくことを目指して、秋元市長は先般、「さっぽろ未来創生プラン(案)」の計画案を公表し、現在パブリックコメントを実施しているところでありますが、このプランでは、2060年までを対象期間として、札幌市における、人口の現状を分析するとともに、人口の将来展望と目指すべき将来の方向を提示した上で、今後5か年に、取り組む施策をまとめており、将来の人口減少の緩和に向けて、しっかりと、取り組むことが重要と考えます。

   しかしながら、各種の施策を実行し出生率向上につなげるには、一定の時間がかかると考えられ、更に、仮に出生率が向上しても将来の人口に、明確な効果が生じるまでには長い時間を要します。
プランにおける将来推計人口においても、出生率が向上すると仮定した場合でも、2060年までに現在よりも人口が20万人以上減少するとされており、当分の間、人口減少は 避けることができないことが示されております。

   人口が減少することで、経済規模の縮小などにより税収が減少する一方で、少子高齢化の進行により社会保障費が増大し、行政運営も、厳しさを増すことが想定され、将来に対して不安を感じる市民も多くいるのではないかと思われます。

   したがって、人口が減少することを踏まえながらも、将来を担う若者が、未来に希望を持つことができるような、まちづくりの方向性を示すことが、これからの、札幌市のかじ取りを担う、秋元市長に求められていると考えます。

   今後札幌市の人口が減少していく中にあっても、市民が明るい希望を持つことができるよう、市長はこれからのまちづくりをどのように行っていくのか、その基本的な考え方を、お伺いします。

   札幌は、ここ数年のうちに、人口減少局面に転じることが見込まれているものの、私は、多くの人々を魅了し、誰もがいつまでも住み続けたいと思う街を築き上げ、この誇れる街・札幌を次の世代に引き継いでまいりたいと考えている。

   そのため、10年先、20年先の将来を見据え、アクションプランには、未来を担う若い世代が希望を持つことができるよう、子育て世帯を支え、子どもを健やかに育む事業など、未来への投資につながる取組を積極的に盛り込んだところ。

   今後は、冬季オリンピック・パラリンピックの招致や北海道新幹線の札幌延伸を視野に入れつつ、再開発事業など民間投資を誘発する取組を進め、国内外から人、モノ、情報などを呼び込み、札幌の魅力を高めていく。

   「人を大事にする」ということを市政運営の原点に据え、市民、企業、行政の総力である「市民力」を結集しながら、「誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街」と「世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街」を実現してまいりたい。
no1
来年度の予算編成の考え方について
(1) 国の動きを見据えた予算編成について
   安倍内閣は、少子高齢化という日本の構造的な問題について、正面から取り組むため、「希望を生み出す強い経済」、「夢を紡ぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」の「新三本の矢」を推し進めることによって、「一億総活躍社会」の実現に向けたプランの策定に取り組むことを打ち出しました。

   国においては、現在、このプランの策定に向けて、安倍内閣総理大臣を始めとする各大臣や有識者らから構成される一億総活躍国民会議を設置し、様々な議論が交わされているところです。
   先日、安倍首相は、一億総活躍社会の実現に向けた緊急対策を柱のひとつに掲げ、補正予算の編成を閣議において指示したところです。

   加えて、国における平成28年度予算編成においても、この一億総活躍社会の実現に向けた取組について重点的に盛り込まれることが想定されるところであります。
   地方においても、この機を捉え、引き続き、国の政策と連動した積極的な施策の推進が求められていると考えます。


   そこで質問ですが、国のこうした動きに対し、札幌市としてどのように対応する考えか、お伺いします。
(2) 予算編成に対する市長の想いについて
   札幌市は、10月7日に平成28年度の予算編成方針を定めて、その概要を公表したところであります。

   将来を決して楽観視できない中での予算編成を行うことになりますが、そのような中でも、札幌という街やそこで暮らす人々の未来を明るく照らすような予算としていただきたいと願うところです。

   来年度の予算は、市長にとって初めての、一年を通した本格予算となりますが、市長は今回の予算編成にどのような想いをもって挑まれるのか、お伺いします。
(1) 国の動きを見据えた予算編成について
   アクションプランにおいては、安定的な雇用の場の確保や、社会全体で子育てを支える仕組みづくり、また、いつまでも安心して暮らせるよう、誰もが社会で活躍できる環境を整えていくことなどに重点を置いて取組んでいくとしている。

   こうした考え方は、一億総活躍社会の実現に向け、国で検討が進められている取組の方向性とも軌を一にしたものと認識。

   今後、国の政策に関する情報収集に努め、有利な財源や制度については、積極的に活用するなど、施策の推進を図ってまいりたい。
(2) 予算編成に対する市長の想いについて
   厳しい財政状況を踏まえ、将来に過度な負担を残さないバランスを重視した財政運営に留意しながら、先ほど申し上げたまちづくりの基本的な考え方に沿って、私が描く都市像の実現に向け、しっかりと取り組んでまいりたい。

   具体的には、福祉や医療、介護など社会保障の分野については、しっかりと予算に盛り込むことはもちろんのこと、波及効果の大きい観光産業を振興し、経済の活性化や雇用の創出を図るほか、社会全体で子育て世代を支援するなど、札幌の街や市民の未来への投資となる取組を積極的に進めていく考え。
no1
北海道新幹線開業効果拡大の取組について
(1) 開業効果波及拡大の取組について
   整備新幹線の役割は、いかに地方の活性化に寄与するか ということにあります。飽和状態にあった鉄道需要に対応しようと造られた東海道・山陽新幹線などとは、もともと意味合いが違い、新たな需要を、地方が生み出す、そのための知恵や努力、創意工夫が重要と考えます。
札幌市としても、5年間の工期短縮が決まった札幌延伸も踏まえ、新幹線効果を全道に波及させる取組を加速していかなければなりません。

   九州新幹線の開業事例を見てみると、航空需要も減っておらず、乗客を奪い合うような形にはなっていません。これは、工夫次第で、新たな需要を掘り起こすことができ、相乗効果で地域経済全体の底上げにつなげていくことができる、参考となる事例といえます。

   外国人観光客からは、ドライブしながら観光地を巡りたい、といった声も聞かれ、外国人ドライバーへの支援を始め、多様化するニーズに応える仕組みづくりは不可欠です。地域の魅力を的確に発信し、観光に役立つ情報を提供する、良質なガイドの養成などは、官民が一体となって取り組むべき課題です。

   今後の札幌延伸につなげていくためにも、札幌市として開業効果をより一層波及拡大させるための取組を全力で推進していかなければなりません。その意味で、札幌市の役割は非常に重要であります。

北海道新幹線開業効果の波及拡大に、札幌市はどのように取り組んでいるのか、お伺いします。
(2) 札幌市民に新幹線利用を促す取組について
   また札幌延伸に向けての様々な取組について、これまでは、増加が見込まれる観光目的などの来道者を受け入れるといった視点が主であったと思います。

   しかしながら、函館開業により、道民のみならず札幌市民が、これまでより身近に新幹線を利用することができるようになるといった新たな啓発も、札幌延伸に向けた機運を醸成するためには効果的であると考えます。

   札幌市民に新幹線利用を促すような、新たな視点での取組が必要と考えますが、いかがかお伺いします。
(1) 開業効果波及拡大の取組について
   北海道新幹線の開業により、函館を始めとする道南方面に多くの方が訪れることが期待され、さらにその方々が、札幌を始めとする北海道各地を周遊することにより、開業効果は広く波及するもの。
   そのため、北海道新幹線開業の認知度向上を図るとともに、沿線各市町の観光・物産といった地域の魅力を発信し、より一層の興味、関心を喚起する活動を、庁内はもとより、北海道や関係自治体などと連携し積極的に実施してきた。

   北海道が主催した「東京駅スペシャルジャック」や、札幌市独自で実施した東京ドーム日本ハム公式戦でのPR活動を通じ、首都圏を始めとする多くの方に、早く乗ってみたいといった声をいただくなど、大きな関心を持っていただいたものと認識。

   今後は、これまでの取組に加え、教育旅行誘致や北関東・東北地方でのキャンペーンの実施などに取り組んでまいりたい。
(2) 札幌市民に新幹線利用を促す取組について
   北海道新幹線は、札幌を含めた道内各地と東北や北関東への移動手段が増えるとともに、より利用しやすい身近な乗り物であるということを、多くの道民・市民に認知してもらうことが重要と考え、これまでも沿線自治体などと連携した取組を実施してきた。

   今年度も、市内で開催されたさっぽろオータムフェストなど多くのイベントで、独自に作成した新幹線の特徴や利便性などを記載したパンフレットを配布するなど、多くの市民への周知を図ったところ。

   今後の取組として、東北や北関東の自治体などが札幌市内で開催するイベントと連携して、新幹線を利用しての各地への訪問をPRするなど、多くの道民・市民に来年3月開業の新幹線を利用してもらえるようなPR活動を推進する考え。
no1
オリンピック・パラリンピックについて‐
(1) 共生社会の実現について
   内閣官房東京オリパラ競技大会推進本部事務局長を務められている平田先生は、これからの日本の社会が高齢化に向かう中で、誰もが車いすになるなど障がいを持つことになる可能性を考えると、障がいのあるなしに関わらず、活き活きと暮らすことができる、共生社会の実現を目指すべきであり、2020年の東京パラリンピックの開催は、東京、そして日本を変えていく大きなチャンスになる、というお話をされておりました。

   今回、札幌での冬季オリパラの開催に向けて、この大会コンセプトを議論する検討委員会の中でも、共生社会の実現や心のバリアフリー化が掲げられております。

   パラリンピックを札幌で開催し、世界レベルの障がい者アスリートのパフォーマンスを身近で観ることができることは、障がいのあるなしに関わらず、多くの市民にとって、大きな感動を与えると共に、まちづくり戦略ビジョンで掲げられている「互いに手をたずさえ、心豊かにつながる共生のまち」の実現に向けて、大きく加速させるきっかけとなると考えます。

   オリパラを契機とした共生社会の実現に向け、どのように取り組んでいくつもりか、お伺いします。
(2) 障がい者スポーツの拠点整備について
   札幌のオリパラ開催にあたっては、開閉会式会場として、札幌ドームを使うことが想定されていますが、この札幌ドーム周辺をスポーツのための研究・振興する拠点とする案も検討委員会の中で提案されております。

   このスポーツ拠点において、障がい者スポーツも含めた整備を行うことで、日本国内はもとよりアジア、そして世界中からの障がい者のアスリートを受け入れることができると考えます。

   オリパラ施設の整備に併せて、障がい者を含めたスポーツ振興の拠点を整備すべきと考えますが、いかがお伺いします。
(1) 共生社会の実現について
   今後迎える超高齢社会を見据え、誰もが安心して暮らせる共生社会の実現に向けて、札幌で初の招致となるパラリンピックを今後のまちづくりの大きな起点として位置づけていきたいと考えている。

   そこで、現在作成中の開催概要計画においては、競技会場や交通アクセスにおけるバリアフリー化を積極的に進めることはもちろんのこと、多くのパラリンピアンが利用する選手村などは、今後札幌市が目指す、人にやさしい先駆的なまちづくりのモデルケースとして検討してまいりたい。

   加えて、今後、障がい者スポーツの普及や国際大会の誘致を積極的に進めるとともに、教育委員会とも連携しながら、オリンピック・パラリンピック教育を行う中で、ノーマライゼーションの理念を広めるなど、札幌らしい共生社会の実現を目指してまいりたい。
(2) 障がい者スポーツの拠点整備について
   パラリンピックの開催に向けては、選手の発掘や育成等の障がい者競技スポーツの振興を図ることは極めて重要と認識。

   そこで、現在、障がい者スポーツの競技力向上や組織体制のあり方などについて、障がい者スポーツに関する有識者からなる検討会議において、検討を進めているところ。

   今後、これらの議論を踏まえながら、競技施設や支援体制、さらには、その拠点のあり方も含めて、障がい者スポーツの振興策について鋭意検討してまいりたい。
no1
都心のまちづくり計画について
   新しい都心まちづくり計画は、ビジネス環境の高度化を通して経済の活性化を下支えするまちづくりを目指すとしております。しかし本市の都心部は、ビジネスの中心拠点であると同時に、国際都市札幌の観光拠点であり観光スポットそのものであります。

   今こそ札幌が魅力ある国際観光都市として成長し、海外からの旺盛なインバウンド需要を取り込み、交流人口を拡大させ、経済活性化や雇用創出など、「地方創生」へとつなげていくことが重要であります。

   札幌市のまちづくり計画は、「ビジネス」ともに「観光」を明確に位置づけ、ビジネス・観光の二本柱で進めていくべきであると考えます。

   札幌市の都心部は、多くの観光客が訪れることから、より一層、観光客にとって、ショッピングや食べ歩きなど、様々な都市の魅力、都市観光を、わくわくしながら安心して分かりやすく楽しむことができるまちに創り変えていく必要があるものと考えます。

   例えば、観光客や市民にとって安全な歩行空間を確保し、安心して周遊できるまちづくりを進めること、また、大通公園から創成イーストへの東西の往来と、札幌駅から大通公園を経て中島公園に到る南北の往来の充実とともに、都心内の多様なエリアを奥行きのある「面」として充実することで、都心全体として歩いて楽しいエリアとすることが必要と考えます。

   東西両地区のまちづくりを進め、両地区の行き来を更に充実することが、楽しく周遊できるまちの実現にとって必要であると考えます。

   新たな都心まちづくり計画素案は、歩きたくなるまちの実現、創成イーストの充実、交通結節機能の強化など、経済活性化のために観光都市を目指すまちづくりを進めることをもっと明確にしていくべきと考えます。

   札幌市は、都心まちづくり計画において「観光」を重視することを積極的に打ち出すべきと思いますが、ご見解をお伺いします。
   札幌市では、市内経済をさらに活性化させ「雇用を生み出す力強い街」を実現するために、「観光」をこれからの成長分野に位置づけている。

   その実現に向け、時計台や道庁赤レンガといった定番の観光資源のみならず様々な文化施設や魅力的な飲食・商業機能が集積している都心部が果たす役割は数多くある。

   例えば、地下歩行空間などの広場機能を活用した観光イベントの創出のほか、観光スポットや交通手段の情報を手軽に収集できるWi-Fi環境や観光サインの充実など、市民や観光客等が楽しく便利に周遊できるまちづくりを官民が連携して進める必要があると認識。

   現在策定を進めている新たな都心まちづくり計画においても、経済活性化の視点から、「観光」を重要な要素として捉え、都市観光を充実させていく。
no1
若年労働者の処遇改善に向けた地方版政労使会議について
   札幌市では、これまでも若者が正社員として地域に根をおろし、働くことができるよう、新卒未就職者への就労支援や職場への定着支援等を実施してきました。

   一方で就職後、若者が良好な労働条件の下で働き続けることも、就職機会の確保や支援と同じように重要なことなのではないでしょうか。

   札幌市の産業を担うのは主に中小企業であり、市内で働く若者の多くもこうした中小企業に勤務しています。大企業と比較して、スケールメリットが少ない中小企業は、労働生産性が低く、残念ながら賃金水準が低いことなど、雇用の質という点で改善が望まれております。

  国では、雇用環境の改善に関する取組が進んでおり、その司令塔となっているのが我が党の提言によって2013年に設置された「経済の好循環実現に向けた政労使会議」です。

   この会議は、政府、労働界、経済界の代表者で構成され、景気の好循環を末端の勤労者まで行きわたらせ消費活動を刺激し、さらなる景気の拡大を実現することを目的としており、本年の春闘では、定期昇給を含む賃上げ率が2.2%と2年連続で前年同期を上回る結果となりました。

   しかし、こうした景気回復の効果は、まだまだ限定的であり、中小企業と大企業では、波及効果に大きな差があることが判明しております。中小企業が集中する地方都市においても、景気回復が行きわたれば、賃上げだけでなく、安定した雇用の大前提となる非正規から正規への転換も進むことになります。

   我が党では、好循環に向けた取組を地方でも進めるため、地域の実情を理解する地方自治体や経済団体等の代表者が賃上げや働き方の改革について話し合う「地方版政労使会議」を設置するよう国に求め、札幌市も進んで参加する予定だと聞いております。

   若年労働者の処遇改善に向け、地方版政労使会議の活用を含め、今後、どのように取り組んでいくつもりなのか、お伺いします。
   若年労働者の処遇改善については、官民が協力して取り組む必要があり、新たに設置される「地方版政労使会議」は、国や地方自治体、経済団体、労働団体が話し合う貴重な場と考えているところ。

   今後、札幌市もこの会議に積極的に参加し、正社員転換や賃金改善の機運を高めながら、中小企業の経営基盤の強化や若者の正社員就職に向けた支援など、若年労働者の処遇改善につながる施策に取り組んでいく。
no1
杭の施工データ流用問題について
   旭化成建材による杭の施工データの流用が全国的に広がっているほか、業界大手の複数の施工会社においても施工データの流用が判明し、この問題が更なる拡大の様相を見せ始めたことに驚きを禁じ得ません。

   業界大手においても施工データの流用が行われていたことは、杭が確実に支持層に達していれば、施工データが取れなくても他から流用すればよい、という安易な考えが業界全体に蔓延していたことを疑わざるを得ません。

   現在のところ、今回の杭の施工データの流用が起こった原因の一つとして、工事を受注した元請の建設会社が一次下請に、一次下請は二次下請に、二次下請は三次下請に、それぞれ仕事を発注するという多重下請けの構造に問題があるなどの、様々な指摘がありますが、今回の杭のデータ流用が建設会社の問題なのか、個人の問題なのか、制度の問題なのか、原因ははっきりとしておりません。

   しかしながら、元請の建設会社や本市において、施工データの流用を見抜くことが出来なかったことは事実であり、何らかの改善が求められるものと考えます。

   10月に施工データの流用が発覚したことを受け、今年度の札幌市発注工事において、どのような対策を取ったのか、また、今後再発防止に向けて、札幌市は、発注者として主体的に対策を取ることが求められますが、このことについてどのように考えているのか、併せてお伺いします。
   施工データ流用が発覚した以降の今年度の杭工事における対策について、元請建設会社に対して施工時の立会いや施工データの保存の徹底など、施工管理体制の強化を指示したところ。

   また、来年度以降の杭工事については、これに加えて元請建設会社、工事監理者、本市職員による施工状況の確認や監督体制を強化するなど、発注者として再発防止に取り組んでまいりたい。
no1
札幌市の動物愛護に対する取組の方向性について
(1) 札幌市が目指す動物愛護のあるべき姿について
   動物管理センターでは、年間約2千件もの犬猫に関する苦情・相談に対して現地対応を行い、また、譲渡の推進や動物愛護の普及啓発など、動物愛護に関する様々な取組を地道に行ってきた結果、平成26年1月には、犬の殺処分ゼロを達成しました。また、夜間・土・日、祝祭日も緊急体制をとって負傷した犬猫の保護収容対応も行うなど、日夜、動物の愛護を進める取組を展開しています。

   札幌市は今年の5月に、新たに、今後の札幌市における動物愛護管理についての基本的な考え方や方向性を示した札幌市動物愛護管理基本構想を策定しました。

   この基本構想の中で、人と動物が共生する社会の実現、「人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろ」という基本理念を示しており、大変期待するものであります。

   今回、新たに策定した基本構想の中で、市民・事業者・教育機関等の関係団体と行政は一体となって協働連携して動物愛護事業を実施していくこととしています。

   「人と動物が共生する社会の実現」に向けて、最も大切なことは、札幌市が協働の相手となる市民や事業者等から、パートナーとしていかに信頼される存在になるかだと考えております。

   動物管理センターについては、今後、さらなる動物愛護の推進のために増大する相談・対応業務等の市民ニーズに的確に対応していくよう、ソフト・ハードの両面から運営体制の一層の充実を図るべきであると考えますが、今後、札幌市が目指している、動物愛護のあるべき姿について、市長のお考えを、お伺いします。
(2) 動物管理センターの機能強化と推進計画について
   動物管理センターに対し、陳情者の声、署名の方々の声など、私たちのところに多くの声が寄せられていますが、先の7月30日の厚生委員会において、「動物愛護センターの新設」を求める陳情について審議され、継続審査となったところであります。その陳情の内容は、西区にある札幌市動物管理センターと北区にある同センターの福移支所とを統合して、「動物愛護センター」として、利便性のよい市の中心部に新設し、子どもたちが動物の命について学んだり、災害時に動物と飼い主が一緒に避難したりできるような施設の新設を求める内容でありました。

   市の中心部に動物愛護センターを新設することにより、大きく譲渡が推進され、ボランティアなどの活動の場となり、市民の交流が深まることにもつながると考えます。

① 機能の強化
   動物管理センターが、今後、より一層、市民の期待に応え、この拠点施設としての役割を果たしていくためには、センターの機能充実が必要と考えますが、動物管理センターは、今後どのような機能の強化を図るのか、市長はどのようにお考えか、お伺いします。

② 推進計画の内容
   さらなる動物愛護の推進を図るために、今後の計画を策定するとのことですが、動物愛護センター新設を含め、その計画の内容について併せてお伺いします。
(1) 札幌市が目指す動物愛護のあるべき姿について
   「札幌市動物愛護管理基本構想」においては、市民、事業者、関係団体、行政が一体となって動物愛護の取組を展開し、札幌の未来を担う子どもたちから高齢者まで幅広く動物愛護の心を育むこととしており、こうしたことを通じて、「人と動物が共生する社会の実現」を目指してまいりたい。
(2) 動物管理センターの機能強化と推進計画について
1点目の機能の強化について
   子どもや学生などの動物愛護に関する教育、動物を通じた幅広い年齢層の交流、関係団体との連携による取組などを推進する拠点としての機能を強化していく必要があると考えている。

2点目の推進計画の内容について
   新しい条例に基づく第三者委員会を立ち上げて、具体的に検討していくが、基本構想に基づき、返還譲渡率などの数値目標の設定、子どもに対する動物愛護教育などの必要な施策、動物管理センターのあり方の検討などを盛り込む考え。

   動物愛護センターの新設については、この推進計画を策定する中で、動物管理センターの機能をいかに充実強化していくかという観点から、センターのあり方を含めて検討してまいりたい。
no1
歯科保健対策について
(1) 歯周疾患検診の対象年齢拡大について
   自分の歯を生涯にわたって保つことが、健康の基盤であるといっても過言ではありません。

   しかし、歯周病によって多くの方が歯を失っているのが現状であります。

   近年、歯周病に罹っていると心疾患や糖尿病のリスクが高まるなど、全身の疾患との関係が明らかとなっており、歯が早く抜けることで、健康寿命にも影響します。

   特に、妊婦が重度の歯周病に罹ると、低体重児出産や早産のリスクが高くなることが報告されており、先の決算特別委員会で、わが会派が、妊婦歯科健診を歯科医療機関で個別健診方式として、受診しやすくするべきではないかと質問したところ、妊婦歯科健診の受診率向上が課題であり、個別健診方式の導入について、議論していきたいとの答弁でありました。

   健診により歯周病の早期発見、早期治療を図ることは、安心・安全な出産につながることでありますので、妊婦歯科健診の個別健診方式導入については早期に検討を進め、ぜひ実現していただきたいと思います。

   体の健康診断は、特定健康診査があり、40歳以上の方は毎年、受診できる制度となっておりますが、歯の検診は、国の健康増進事業として歯周疾患検診だけであり、その対象となる年齢は40,50,60,70歳の、10年に一度だけの、いわゆる節目検診で、早期発見・早期治療には、ほど遠い状況であります。

   歯周疾患検診の対象年齢は、国の施策ではありますが、独自に対象年齢を拡大し、早期発見・早期治療の機会を確保している自治体もあります。

   歯周疾患を早期に発見するためには、市民が毎年受けられるよう歯周疾患検診の対象年齢を拡大すべきと考えますが、いかがかお伺いします。
(2) 子どものむし歯予防の今後の取組について
   昭和50年前後は、全国的に子供のむし歯が非常に多かった時期であり、3歳児では82.1%が、12歳児では、97.6%の子どもがむし歯に罹っておりました。

   現在は、生活習慣の改善や歯みがき習慣の定着、そしてむし歯予防を目的としたフッ化物の利用の普及等により、子どものむし歯は減少し、状況は非常に改善されてきておりますが、柔らかい食べ物での、歯並びや咬み合わせの問題が起きています。

   歯と口の健康という視点だけではなく、健康で質の高い生活を送る上で、子どものむし歯を予防すること、さらに、この改善傾向を進めていくことが重要と考えますが、札幌市の子ども達のむし歯予防対策を、今後どのように進めていくのか、お伺いします。
(1) 歯周疾患検診の対象年齢拡大について
   歯周病を早期に発見し治療につなげることは、体や心の健康を保つ上で重要であると認識。
   歯周疾患検診は、健康増進事業として国から補助を受けて実施しており、国の実施要綱により対象年齢が定められていることから、年齢の拡大については、財源の確保など、実施に向けては課題が多いものと考えている。

  この事業は、平成15年度から取り組んでいるが、これまで受診率の低迷が課題であった。このため、今年度から事業の対象となる方に受診券の個別送付を開始したところであり、先ずは現在の対象年齢の方の受診率向上に努めてまいりたい。
(2) 子どものむし歯予防の今後の取組について
   札幌市ではむし歯のない3歳児の割合が増加するなど、子どものむし歯の状況は改善しているが、さらにむし歯予防対策を進めることが必要。

   そこで、健康さっぽろ21(第二次)においても、「むし歯のない子供を増やすこと」を今後10年間の取組の柱の一つとしたところ。

   また、札幌市の歯科保健対策を進めるために、仮)歯科口腔保健推進計画の策定をアクションプランに盛り込んでいるところであり、この推進計画の中で子どものむし歯予防対策について具体的な取組を検討し、一層の推進を図ってまいりたい。
no1
子どもたちの学びを市民みんなで支える取組について
(1) 進学のための経済的支援にかかる市民理解促進について
   本年7月、「青年政策アクションプラン2015」と「公明党学生局政策提言」を政府に提言し、その重点項目の一つである子どもの貧困対策として、ひとり親家庭への支援の実施や、学生が安心して学び続けられるよう、学生の教育費負担の軽減策などを訴えているところであります。

   中でも奨学金制度の充実については、従来より長らく我が党の重要施策の一つと位置付けており、「有利子型から無利子型へ」の流れを一層加速させ、無利子型の奨学金を拡充させるほか、貸与型ではない、給付型奨学金制度の創設を一貫して訴えてきております。

   このような中、国においては、昨年度より返還の必要のない高校生向けの奨学給付金制度を始めたところであり、今後は、大学生向けの給付型奨学金制度の創設が求められると考えます。

   一方、札幌市では、昭和26年から、給付型の奨学金を運用しており、学生にとって非常に使いやすい奨学金であるといえますが、給付申請をしても予算の制約上給付されない学生がいるといった課題もあるところです。

   札幌市奨学金は、市民などからの寄附を積み立てた基金の運用益を原資としており、この奨学金を、より多くの学生に利用してもらうためには、寄附募集について市民の理解を進めていくことが求められます。

   札幌市奨学金制度の市民理解促進について、今後どのような取組を進めて行くのか、お伺いします。
(2) 子どもの学習支援事業について
  生活保護世帯の中学生を対象とした「子どもの学習支援事業」を平成26年度には全区を対象として実施してきたところです。

   子どもの学習支援事業は子どもが、大人になって再び生活困窮に陥るという「貧困の連鎖」を防止するために、生活困窮世帯の中学生を対象に勉強の面白さを伝えるとともに、ボランティアである大学生とふれあうことで進学の意欲を醸成するうえでも非常に有効な取組であると考えるので、札幌市としても、継続的に実施していくべきであると考えます。

   このように、学びたいという意欲がありながら、進学等をあきらめることがないよう、どの子も平等に学ぶ場を提供するためには、今までもこれからも経済的支援はもとより学生などの市民力を活用した人的な支援についても、今や必要不可欠なものとなっており、札幌市として取り組んでいる子どもの学習支援事業を、より充実させていく必要があると思います。

    子どもの学習支援事業について、これまでの事業の効果と、今後の方向性について、お伺いします。
(1) 進学のための経済的支援にかかる市民理解促進について
   奨学基金造成のため、金融機関や福祉施設等へ周知を依頼するなど、広く市民に対し寄附の呼びかけを行っているほか、経済団体などを通じ企業等にも協力を依頼することで、さらなる基金造成に努めているところ。

   札幌市奨学金制度を拡充していくためには、市民の皆さまの御協力が不可欠であると考えている。

   今後においては、給付型の奨学金制度を運用していることの意義、効果等について、より広報を充実させ、市民理解の促進を図ってまいりたい。
(2) 子どもの学習支援事業について
   この事業の効果としては、ほとんどの参加者が高校進学したことに加え、学習習慣の改善や自己肯定感を持てるような居場所の提供という点においても、大きな効果があったものと考えている。

   こうしたことから、全市合計30会場で実施している学習支援の会場数を増やすことにより、受け入れ人数を拡大する方向で検討していく。

   今後もこの事業を通じて、一人でも多くの子ども達が明るい将来を思い描くことができるよう、寄り添った支援を行ってまいりたい。
no1
豊平区の諸課題について
(1) 豊平公園・新緑のセンターの今後の活用について
   豊平公園は、昭和52年に、林業試験場の跡地を利用して生まれた公園であり、園内は大木に覆われ、多くの野鳥が訪れるほか、ムスカリやバラなど四季を通して様々な花が見られ、散策や幼児の遠足など、近隣住民の憩いの場として親しまれております。

   また、豊平公園の中にある緑のセンターは、資料によれば、緑あふれるまちづくりを進める、情報発信基地として、札幌市最初の都市緑化植物園として開設され、緑化技術の普及啓発を目的に、北の風土に合わせた、花づくりや庭づくり、地域の景観美化に向けた情報を提供しているとのことです。

   この緑のセンターは、開設後30年以上を経過し、建物の老朽化に加え、地震に対する強度も不足していることから、建替えの検討を行い、平成25年度に地元住民との意見交換会を経て、きたえーる横の地下鉄出入口から近い、以前スキー山があった場所に移築を決定しました。今年度末に竣工、来年の夏には、新センターがオープン予定とのことです。

   今の緑のセンターがある場所は、夜間は地域住民から防犯上からも、治安を不安視する声が数多く寄せられており、明るくするなどの工夫が必要と感じました。

   新センターは、地下鉄駅そばの明るく日当たりのよい場所に移築されると伺っておりますが、このことを契機に、地域住民のみならず、多くの市民の利用者に、より親しまれる公園にしていく必要があると考えます。

① 新緑のセンターの活用を図る取組
   今回のリニューアルを機に、さらなる都市緑化の拠点として、新しくなる緑のセンターの活用を図ることが重要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、お伺いします。

② 現緑のセンター跡地の活用
   センター移設後の広い跡地を、今後どのように整備、活性化する計画なのか、お伺いします。
(2) 福住駅から札幌ドームまでの魅力ある空間形成について
   豊平区には、札幌ドームや通年型のカーリング専用スタジアム、月寒体育館、月寒屋外競技場、北海道立総合体育センター(通称きたえーる)、平岸プールなど、様々なプロスポーツ選手が使える施設が多く立地し、例えば、月寒屋外競技場では、大学・社会人や国際試合などトップレベルのラグビーの試合が毎年行われているほか、高校生を中心として弓道やアーチェリーの競技など、様々な大会などが行われております。

   道立のきたえーるでは、プロリーグによるバスケットボールの試合や、月寒体育館では、通年型のスケートリンクとしてアイスホッケーのアジアリーグなど、多くの国内大会や国際大会といった大会規模の大きいスポーツが行われている、「アスリートの街」とも言えます。

   こうしたことから、豊平区の特徴であるスポーツ施設の集積を生かして、まちづくりを進めていくことが重要であると考えます。

   特に、地下鉄福住駅から約600mにある札幌ドームでは、プロ野球やサッカーの試合が、毎年70試合程度行われているほか、2017年には冬季アジア札幌大会の開会式会場になることが決定しており、2019年にはラグビーのワールドカップの開催が予定されております。

   しかしながら、現在、福住駅と札幌ドームの間は、少しずつ飲食店や物販店舗が立地してきているものの、まだまだ集積が少なく、更に自転車の駐輪場も足りていないため歩道に駐輪されている状況で、福住駅を降りて来られた世界中の方々への、おもてなしの空間にはなっていないと思います。

   福住駅から札幌ドームまでの魅力ある空間形成について、市長の考え方をお伺いします。
(1) 豊平公園・新緑のセンターの今後の活用について
1点目の新緑のセンターの活用を図る取組について
   今回改築する緑のセンターは、地下鉄駅出入口に近接した場所に設置するとともに、バリアフリー化などにより、利用者の利便性の向上を図る。

   また、ボランティアルームやアトリウム内に休息スペースを設けるほか、壁面緑化を始めとする最新の緑化手法の展示を行う。

   これらの新たに充実する施設をいかしながら、より一層の緑化技術の普及啓発に取り組み、市民との協働による花とみどりの街づくりを進めていく。

2点目の現緑のセンター跡地の活用について
   現在の緑のセンターは、移転終了後、来年度中に取り壊し、その跡地は、平成29年度に整備を予定。

   明るく広いスペースとなる跡地には、スキー山や芝生広場を造成し、既存の遊具広場などと合わせて、地域の方々にもより親しまれる憩いの空間として整備し、活性化を図りたい。
(2) 福住駅から札幌ドームまでの魅力ある空間形成について
 平成25年に策定したまちづくり戦略ビジョンにおいて、福住駅周辺を地域交流拠点の一つとして新たに加え、札幌ドーム周辺については、引き続き、高次機能交流拠点として位置付けているところ。

   今年度中に策定する都市計画マスタープランにおいても、同様に位置付けることとしており、福住駅周辺と札幌ドーム周辺は、市内で最も近接した拠点同士となることから、それぞれの魅力向上により、相乗的な効果を生み出すことが重要と認識。

   このため、まずは、福住駅周辺における民間開発の誘導による都市機能の集積を図る中で、スポーツを楽しむ前後に立ち寄りたくなる施設や空間の在り方について、検討を進めて行く考え。

   今後、地域の理解や協力を得ながら、地域のまちづくりに取り組むことにより、福住駅から札幌ドームまでの魅力ある空間形成を図ってまいりたい。