議会報告

平成27年第3回定例議会
代表質問 丸山 ひでき 議員
(厚別区)

9月29日札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して丸山 ひでき 議員が代表質問を行いました。

市長の政治姿勢について、オリンピック・パラリンピックの招致に向けた取組について、おもてなしの観光施策について質問しました。

以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。
no1
市長の政治姿勢について
(1) 豪雨災害に対する取組について
① 住民への避難勧告等

   自然災害から身を守り、被害を最小限にとどめるためには、住民の早い段階での避難が重要でありますが、行政から出される避難勧告、避難指示が適切に行われず、その判断の遅れが、被害を拡大させ、また、避難勧告等が発令された地区においても、適切な住民避難がなされていなかった事例が見受けられたとも報道されています。

   札幌市でも、昨年9月の豪雨では、中小河川の氾濫がおこり、幸いにも、人的被害はありませんでしたが、南区や清田区を中心に、道路崩壊などの被害が発生したところです。 その際には、市内中心部を流れる豊平川が氾濫することはありませんでしたが、今回のような大雨が降った場合に、豊平川においても大きな被害が出るのではないかと不安に思っている市民からの声が多く寄せられております。

   万一、豊平川が氾濫した場合の避難勧告等の発令について、どのような取り組みをしてきたのか、また、今回の関東・東北豪雨による被害をどのように受け止め、今後、どのように取組を進めていくのか、お伺いたします。

② 地下施設等の水害対策

   札幌市中心部には、多数の人が集まる地下街、地下歩行空間、さらには、基幹交通である地下鉄などがあり、豊平川の堤防が決壊した場合、大きな被害がでることが予想されます。

   しかしながら、これらの地下施設には、地下街だけではなく地下街に接続する多くのビルがあるため、そのいずれについても浸水対策、避難計画などの適切な対応が求められます。

   浸水防止計画等の策定は相当進んでいると伺っておりますが、具体的にどのような状況であるのか、また、計画の実効性を高めるためには、地下街等に接続する多くの事業者が連携を図ることが必要と考えますが、今後の取組について、お伺いします。
平成26年度決算について
① 市税決算額の増に対する認識

   平成26年度決算の執行率は、歳入が95.8%、歳出が94.9%となり、昨年度と比較すると、歳入は1.5ポイント、歳出は1.7ポイント増という状況で、歳入、歳出とも執行状況が好転していることが見て取れます。

   市税収入では、平成25年度決算で、前年度比プラス57億円、平成26年度決算においても、前年度比プラス72億円の2,868億円と増加しており、この額は、景気回復を裏付けるものではないかと思います。

   市税収入を伸ばすことで、財政調整基金など基金の取り崩しを抑制し、貴重な財源を将来に残していくことは、札幌市のこれからのまちづくりを考えていくうえで、大変重要であると考えます。

   平成26年度決算における市税決算額の増についてどのように認識しているのか、お伺いします

② 来年度の地方財政の動向と札幌市への影響

   国は、経済再生を進めるとともに、2020年度までに国・地方の基礎的財政収支を黒字化する目標を立て、来年度からの3年間を「集中改革期間」と位置づけ、経済・財政一体改革を進めることにしており、地方財政に関しても、一定程度、財源的な配慮がなされているところであります。

   しかしながら、歳出については、「聖域なく徹底した見直しを進め、地方においても、国の取組と合わせ、徹底した見直しを進める」としており、地方財政全体に縮小の圧力が高まることも危惧されます。

    来年度の地方財政の動向と札幌市への影響についてどのように認識しているのか、お伺いします
(3) 地元中小建設業への継続的な支援について
   政権交代以降、公共投資は回復基調にありますが、これまで経営資源への投資を抑制し、経営を継続してきた、建設業界の人材・資機材不足が顕在化しています。この状況を受け、国は平成26年6月に「公共工事の品質確保の促進に関する法律」いわゆる品確法を改正し、地域のインフラ維持や災害対応を担う建設企業が、担い手の育成・確保に必要となる適正な利潤が確保できるよう、発注者の責務を法定化しました。

   秋元市長は公約で、「地元企業の受注拡大に努め、入札・契約制度の改善を行う」と明言し、地元企業を積極的に支援する方針を打ち出しており、大いに期待しているところであります。
   しかしその一方で、地元中小建設業からは、回復基調にあった公共投資は、今年度、過去2年間の勢いが感じられず、発注本数の減少や「くじ引き」によって落札者が決定される事案の多発など、人材育成や経営について計画が立てられない現状から、将来に向け危機感を抱いているとの声を数多く聞いています。

   こうした実情を踏まえ、整備・維持をはじめ、災害対応、除排雪事業などを通じ、市民生活を支える重要な役割を担っている地元中小建設業に対して、弾力的で継続的な支援を積極的に実施していくべきと考えますが、地元中小建設業への支援について、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いします
(4) 「(仮称)さっぽろ未来創生プラン」について
① 未来創生プランに対する市長の想い
   札幌市が作成した素案には、外国人観光客の受入体制の整備をはじめ、多様な保育サービスの提供や子どもの学習支援の充実など、様々な分野の施策が総合的に盛り込まれており、一定の理解をするところです。

   しかしながら、これまでの有識者会議において、若者が希望を持てるようなメッセージ性を打ち出すべきとの意見が出されているところです。

   今後札幌市は、さっぽろ未来創生プランの成案に向けて検討を進めていくことになりますが、若者に強く訴えかけるものにするためには、市長の想いが強く込められていなければならないと考えます。市長はどのような想いを込めてプランを策定しようとしているか、まず市長の考えをお伺いします

② 政府関係機関の誘致
   また、さっぽろ未来創生プランの素案では、理系人材の受け皿とするため、健康・医療・バイオ関連企業や研究機関の誘致に取り組むこととしています。

   先般、北海道が国に対し観光庁や医薬品医療機器総合機構、さらには、情報処理推進機構などの札幌市への誘致を提案しました。

   政府関係機関の誘致は、中央省庁や対象機関との調整が必要となるほか、他県との競合が発生しており、簡単には進まないものと思いますが、積極的に「攻めの姿勢」で取り組む必要があります。

    政府関係機関の誘致に関する提案について、どのように北海道と連携して取り組んでいくのか、市長の考えをお伺いします
(5) 今後の円山動物園の飼育体制について
    これまで円山動物園は、ホッキョクグマに代表される希少動物の繁殖・種の保存に関する取組や、多くの子供たちに夢を与えるふれあい体験事業などを、職員が一丸となって取り組み、大きな社会的役割を果たしてまいりました。

    しかし、今回の動物死亡事案から浮かび上がる動物園運営の問題として、動物の健康管理や獣医療業務を含めた飼育体制は本当に十分であったのか、また飼育員の人数や職種は適切であったのか、過重労働になっていなかったのか、については疑問を持たざるを得ないわけであります。

    今、円山動物園は過去に例を見ないほど、大変に厳しい状況に置かれておりますが、今こそ職員が一致団結し難局に立ち向かうためにも、飼育組織体制の立て直しを図り、再出発すべきと考えます。

    今後の円山動物園の飼育体制について、市長の見解をお伺いします

(1) 豪雨災害に対する取組について

1点目の住民への避難勧告等について

   避難勧告などの避難情報を、躊躇なく適切に発令できるよう、河川水位に基づく発令基準や区域などを定めたマニュアルを作成している。

   また市民の適切な避難行動を促すため、豊平川の氾濫時の浸水想定区域や、避難情報の解説を記載した「洪水ハザードマップ」を作成し、市民へ配布するなどの啓発に努めてきたところ。

   今回の豪雨災害では、情報発信の重要性や、実際の避難行動に結びつく情報伝達の難しさを、あらためて感じたところ。

   今後、国や各自治体での検証などを注視し、その改善点など、参考にすべきところは、本市の防災計画に反映させていきたい。

2点目の地下施設等の水害対策について

   止水板や土のうによる浸水防止や、避難経路を明確にした浸水防止計画等については、手引きを作成し、地下街や接続ビルに対し、指導するなど、早期の作成を促してきた。

   現在、都心部の対象施設の97%が計画を作成済みで、残るビルも現在調整を進めており、早期に作成される予定である。

   計画の実効性を高めるためには、それぞれの事業者が共通の意識を持って災害に対応することが、重要であると認識している。

   このため、地下街と接続ビルで構成する防火防災協議会などで、水害対策についての啓発を行ってきたところであり、今後も、より一層、事業者間の情報共有化や連携の強化を図ってまいりたい。
(2) 平成26年度決算について
1点目の市税決算額の増に対する認識について

   景気の緩やかな回復を背景とした個人所得や企業収益の増により、個人市民税、法人市民税が増となったほか、家屋の新増築等により固定資産税が増となったこと。

   また、種々の納税対策の結果、収入率が0.6%向上したことなど、様々な要因の結果であると認識。

2点目の来年度の地方財政の動向と札幌市への影響について

   「経済財政運営と改革の基本方針2015」においては、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額について、平成27年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとされている。

   一方で、国の取組と基調を合わせた歳出改革が地方にも求められており、その観点からの地方交付税等の改革や、歳出特別枠や別枠加算といった特別措置の見直しにも言及されているところ。

   これらの動向によっては、歳入に占める地方交付税の割合が高い本市の財政運営にも影響があるものと考えており、今後の国の議論に注視してまいりたい。
(3) 地元中小建設業への継続的な支援について
   地元建設業は、市民生活の安全・安心を守る上で、必要不可欠な存在であり、まちづくりの重要なパートナーであると認識。

   このため、これまでも、業界団体との意見交換会などを通じ、事業者からの声をお聞きしながら、様々な施策を講じてきており、今年度からは、企業の経営努力や地域への貢献度がより反映される総合評価落札方式の入札案件などを増やしたところ。

   また、現在策定中のアクションプランにおいて、平成31年度までの事業費の見通しを示すこととしており、引き続き、地元建設業の経営安定化に資する施策に積極的に取り組んでまいりたい。
(4) 「(仮称)さっぽろ未来創生プラン」について
1点目の未来創生プランに対する私の想いについて

   「(仮称)さっぽろ未来創生プラン」では、安定した雇用の創出と結婚・出産・子育てを支える環境づくりを基本目標に据え、積極的な企業誘致の展開や子育て世帯の経済的負担の軽減などの施策を盛り込んでいく。

   プランに盛り込んだ施策を着実に実施することで、将来を担う若い世代の方々が、仕事や出産・子育ての希望を実現して安心して暮らしていけるまち「さっぽろ」をつくっていきたいと考えている。

2点目の政府関係機関の誘致について

   この度の政府関係機関の誘致提案は、観光、健康・福祉、IT分野に関するものであり、機関の誘致が関連する民間企業の集積を呼び込むなど、それぞれの分野の振興につながることを期待しているところ。

   これまで北海道とは本社機能の誘致などに連携して取り組んできたところであり、今後は、国における移転に係る基本方針の決定に向けて、北海道と緊密に連携しながら、国に働きかけてまいりたい。
(5) 今後の円山動物園の飼育体制について
   先のマレーグマの死亡事案を受けて、8月28日に円山動物園が策定した改善計画書に基づき、まず、獣医師機能の集約・増員といった機能強化を図ったところ。

   さらに獣医師や飼育員に関しては、外部の専門家の意見も参考にしながら、市民動物園会議でのご議論を踏まえて、専門職制度や適切な人員配置のあり方などについて検討して参りたい。

   今後、将来を見据えながら、技術を蓄積し、それを確実に受け継いでいく飼育体制を構築して参りたい。
no1
オリンピック・パラリンピックの招致に向けた取組について
(1) ウインタースポーツの国際大会の招致について
   冬季オリンピック・パラリンピックという世界最大の冬のスポーツイベントを開催することは、まちに賑わいを生み出し、再び世界に札幌の魅力を発信する絶好の機会となります。

   また、パラリンピックの開催に向けて、ハード面でのバリアフリー化を進めることはもちろん、いわゆる「心のバリアフリー」の広がりが、共生社会を実現するための重要な要素であることから、招致の段階から障がい者に対する市民理解を進める取組を行うことも重要と考えます。

   オリンピック・パラリンピックの招致実現という夢をかなえるためには、札幌におけるウインタースポーツをさらに活性化しなければなりません。

   そのためには、ウインタースポーツの国際大会を継続的に開催し、市民にトップレベルの選手の技術や技を直に見ることができる機会を数多く提供する必要があります。

   札幌市においては、毎年、スキージャンプのトップ選手が参加するワールドカップが開催されておりますが、他の種目においては定期的に開催されている国際大会は数少ない状況です。

   ウインタースポーツの国際大会を継続的に開催して行く必要があると考えますが、いかがかお伺いします
(2) 障がい者の競技スポーツの振興について
オリンピックの招致を目指すということは、同時にパラリンピックの招致も行うということであることから、障がい者スポーツの振興は、今後ますます重要となってきます。

   一昨年、9月に2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決定しました。その最終プレゼンテーションの中で強烈な印象として残っているのが、19歳の時に骨肉種を患い、足を失ったにもかかわらずパラリンピックを目指した佐藤真海選手のスピーチであります。

   「私がここにいるのは、スポーツによって救われたからです。スポーツは私に人生で大切な価値を教えてくれました。」という言葉で始まるスピーチは、東日本大震災の被災者にスポーツを通して自信を取り戻してほしいという活動を通し、スポーツの持つ真の力を示したものとなりました。そして、スポーツは卓越、友情、尊敬といった言葉以上の大きな力をもつと締めくくられています。

   このスピーチは、スポーツが人間形成の上で障がいのない人はもちろんのこと、障がいがある人にも大きな力をもつということを世界中に再認識させ、東京招致成功に大きな役割を果たしたといっても過言ではないと考えます。

   オリンピック・パラリンピック招致の気運醸成にあたっては、障がい者スポーツの振興が何よりも欠かせないものであると考えます。

   オリンピック・パラリンピック開催を見据え、障がい者の競技スポーツの振興をいかに進めようと考えているのか、お伺いします
(1) ウインタースポーツの国際大会の招致について
   アジアで初めて冬季オリンピックを開催した札幌市が、その競技施設や運営ノウハウを活用しながら様々な国際大会を開催することは、単に世界中からの注目を集めるにとどまらず、アジアにおけるウインタースポーツの拠点都市としてのブランドを持続させることにつながると認識。

   さらに、冬季オリンピック・パラリンピックを招致するためには、国際大会の開催実績を積み重ねながら、国際競技連盟などに札幌の開催能力の高さを訴えていくことが極めて重要なものと考えている。

   そこで、様々なスポーツイベントの招致を担う地域スポーツコミッションの設立に向け準備を進めているところであり、私がトップセールスをすることも含め、今後、積極的にウインタースポーツの国際大会の招致に取り組んでまいりたい。
(2) 障がい者の競技スポーツの振興について
   障がい者の競技スポーツに関しては、日本パラリンピック委員会に加盟する全国的な競技団体はあるものの、札幌市においては、このような団体が体系的に組織されていないことから、選手の発掘や育成といった取組が十分ではないものと認識。

   そこで、今年度、障がい者のスポーツへの参加促進などを目的に、競技連盟や障がい者団体の関係者による有識者会議を立ち上げたところ。

   この会議での議論を踏まえながら、今後、障がい者競技スポーツの振興を担う団体の組織化や活動に向けた支援を行うとともに、障がい者スポーツの市民理解と普及活動を行うためにも、パラリンピック競技種目の国際大会の招致にも積極的に取り組んでまいりたい。
no1
おもてなしの観光施策について
   観光産業が好調である一方で、札幌市が平成26年度に行った来札観光客満足度調査によると、「食」や「観光スポット」の満足度に比べ、「おもてなし」に満足した人が低いという結果になっております。

   具体的な要因として、外国人を敬遠する飲食店や、ムスリム対応で苦慮している飲食店など、まち全体のおもてなし力が低いことによるとの声も聞こえてきております。

   観光産業の難しさは、地域経済の向上にどの程度寄与するのか推し量ることは難しいことですが、観光客の消費動向を調査し、消費がどのように産業に波及していくのかを具体的な数値で把握し、広く市民に協力を求めていくことが不可欠と考えます。

   激化する都市間競争を勝ち抜くためには、札幌ファンを増やし、リピーターになってもらうことが必要であり、飲食店などの観光事業者はもちろんのこと、まち全体でのおもてなし力をレベルアップさせ、来札してくれた人の満足度を上げていくことが重要であります。

   来年3月には、北海道新幹線が函館延伸となり、それを契機に札幌への観光客数を今以上に増やそうとするならば、おもてなしの向上を意識した取組がより一層行われなければならないと思います。

   おもてなしの向上に向けて、どのような点に注力していくのか、市長の考えをお伺いいたします
   街全体のおもてなしレベルをアップし、満足度を高めるためには、観光関連事業者のみならず、市民の協力も欠かせないと認識。

   そこで、イベントやキャンペーンを通じて意識を高め、市民一人ひとりの行動につなげていくことにより、街全体の歓迎ムードを醸成し、市民と観光客とのふれあいを通じて、「札幌は街も人もすばらしいところ」「ぜひまた来たい」と思っていただけるようになってほしいと考えている。

   また、こうした取組を一過性のものではなく、街全体に広がるおもてなし運動とし、札幌の街におもてなしの風土をつくっていきたい。
no1
健康寿命を延ばすための食環境整備と若者の食育の推進について
(1) 外食産業を巻き込んだ食環境整備の推進状況について
高齢化の進展により医療費の増大が見込まれるなか、生活習慣病と言われている糖尿病や高血圧症などの発症を遅らせるためにも健康政策は大変重要であります。

   私は昨年、札幌市民のためには勿論のこと、札幌市を訪れる観光客にも糖尿病や高血圧の持病を持つ方が大勢いることを考えると、ホテルなどの料理にエネルギーや塩分等を表示することが有益であると考え、外食産業を巻き込んだ食環境整備の充実を進めることを提案しました。

   外食産業を巻き込んだ食環境整備の推進状況について、お伺いします
(2) 市政世論調査結果を踏まえた若者の食育の推進について
   先の世論調査の結果では、20歳代で、朝食を食べている人は64.3%と、約3人に1人が朝食を食べていないという結果が出ており、若い世代に課題が多いということがわかります。

   昨年の世界糖尿病予防デーでは、「健康的な朝食が糖尿病のリスクを減らす」として、朝食の重要性が言われており、朝食を食べなかった場合、次の食事の時に急激な血糖の上昇を招き、糖尿病を発症しやすくなることを指摘しております。

   この世論調査では、「野菜や果物を摂取することが高血圧の予防になることを知っているか」との問いもありましたが、その結果として若い年代の栄養や食生活の知識不足が明らかとなりました。

   糖尿病や高血圧症の予防は、医療費削減にも直結するものであることから、今後はより一層若い年代への健康的な食生活に関する知識の普及と、実践力を養う食育推進が必要と考えます。

   市政世論調査結果を踏まえた若者の食育の推進について、どのように進めようとしているのか、お伺いします
(1) 外食産業を巻き込んだ食環境整備の推進状況について
   昨年度から開始した「働く世代の食生活支援事業」では、市民から募集したヘルシーメニューをレシピ集にまとめ、広く周知した。その結果、社員食堂や外食店において実際に提供されるなど、広くその活用が図られている。

   このほか、今年度から、「食の安全・安心おもてなしの店」推進事業を開始した。この事業は栄養成分表示やアレルギー表示などを行う店を登録し、特製PRボードを贈呈するもので、市民はもとより、札幌を訪れる観光客にも、安全・安心で健康に配慮した食事を提供できるよう、登録店の拡大を目指しているところ。

   今後も外食産業と連携し、健康に配慮した特色あるメニューの提供を呼びかけるとともに、食と健康に関する情報の発信に取り組むなど、健康寿命の延伸に向けた食環境整備を進めてまいりたい。
(2) 市政世論調査結果を踏まえた若者の食育の推進について
   食育は、どの年代においても重要であるが、ご指摘のとおり若い年代の食育は特に重要であると認識。

   食事作りの機会が少ない若者に、食への関心を高めてもらうためには、料理体験など、気軽に楽しく参加できる取組が重要。

   そこで今年度から、多くの若者が参加できる取組として、市内の中学生、高校生からお弁当のレシピを募集し、表彰する「札幌市お弁当プロジェクト」を実施しているところ。

   若いころから健康的な食習慣を身に付けることが今後ますます重要となることから、学校やPTA協議会等との連携を深めながら、若者の食育を進めてまいりたい。
no1
子育て支援について
(1) 子どもの貧困対策について
① 子どもの貧困対策の取組

   札幌市では、今年の12月下旬を目途に、中期実施計画を策定することとしており、この中に、市長公約である貧困対策が盛り込まれ、計画策定に係る経費や、その他「給付型奨学金の創設」を始めとする子どもの貧困対策の強化に係る経費が今後、計上されるものと期待しているところです。

   法律では、都道府県に対し、子どもの貧困対策についての計画を定めるよう努力義務が課されており、北海道においても、このことを受け、計画の策定に向け検討が進められていると聞いておりますが、札幌市は、どのようなことを重視し子どもの貧困対策に取り組むのか、お伺いします

② 子どもの貧困対策に関する計画

   また、札幌市の特徴として、生活保護の保護率は、3.8%と全国の保護率より高く、ひとり親家庭の割合でも全国平均を上回る2.14%となっております。更に、児童養護施設等にいる子どもたちの中学校卒業後の進学率、就職率を見ますと、全国・全道と比較しても低い状況になっています。

   こうした札幌市の現状を踏まえた、「こども貧困対策計画」について、どのように検討を進めていくつもりか、お伺いします
(2) 病後児デイサービス事業の拡充について
   病後児デイサービス事業は、現在、市内5か所で実施されていますが、定員超過等により利用できなかった児童は、年間1,000人程度おり、区内に施設が無いため申し込めないという潜在的な需要も含めると、かなりの数にのぼると考えられます。

   札幌市が子育てをしやすい街となるためには、保育所定員の拡大はもとより、病後児保育等の多様な保育ニーズに応え、様々な子育て支援策を充実させる必要があり、この病後児デイサービス事業は、そうした意味からも極めて重要な事業であると考えます。

   また、札幌市はこの事業を小児科がある医療機関に委託しておりますが、運営の困難さから公募しても受託希望者が少ないと聞いており、大変危惧しているところです。新制度をむかえ、国の補助体制が決まり、より安定した事業にするための財政支援も可能となっていることから、公募方法については、改善の余地があるのではないかと考えます。

   病後児デイサービス事業の必要性について、どのような認識を持っているのか、また、利用希望者が利用出来ていない状況を解消するための今後の対応について、お伺いします
(3) 配慮を要する子どもの相談支援体制の充実について
   現在、子どもに関する相談機関は、地域の身近な相談窓口である区の保健センターや、専門機関である児童相談所などが担っておりますが、市民にとって相談内容に応じた適切な相談機関がどこなのか、分かりにくい状況にあります。

   そうしたなか、児童相談所については、児童虐待や非行などの問題に強い権限を持って対応し、子どもの安全と福祉を図る専門機関である一方、育児の困難さや不安を感じる保護者の相談に広く応じる、子育て支援機能も有しており、その役割は年々高くなっていると思います。

   虐待通告はここ3年間で3割以上増加し、特に虐待や家庭不和を含む養護相談の件数が急増しており、その相談内容が複雑化していることから一件の相談に時間を要さざるを得ない状況にあります。また、障がいの発達相談においては、療育手帳の取得など必要な心理判定に対し予約連絡を入れてから実際に心理検査や面談が行われるまでの待機期間が、おおむね2か月を要する状況となっており、現場での対応が相談ニーズに追いついていないように思われます。

   市長は公約で、「医師職員の配置や第二児童相談所の開設などの取組で児童相談所のレベルアップを図る」ことを掲げておりますが、児童相談所に対する児童福祉司、児童心理司、専任医師などの適正な人員配置は喫緊の課題であると考えます。

   また、児童相談所の相談体制の機能強化を図り、市民の利便性から、より地域に身近なところで相談ができるよう、将来的には第二児童相談所の設置が必要と考えます。

   第二児童相談所の整備などを含む配慮を要する子どもの相談支援体制の充実について、どのように取り組んでいこうと考えているのか、お伺いします
(1) 子どもの貧困対策について
1点目の子どもの貧困対策の取組について

   子どもの貧困対策は、子どもの将来がその生まれ育った環境で左右されない環境づくりが重要と認識しており、現在貧困の状態にある子どもや家庭への支援はもちろんのこと、貧困の世代間連鎖の解消も考慮した、総合的な取組が必要と考えているところ。

   こうした取組を進めるに当たっては、まず第一に子どもに視点を置き、そして成長段階に即して切れ目のない対応ということを重視しながら取り組んでいきたい。

2点目の子どもの貧困対策に関する計画について

   計画の検討に当たっては、教育の支援や生活の支援など、各分野において国や道とも密接な関係を有し、それぞれの施策との連携が重要であることから、新たな制度設計などを含め、国等の動向を注視するとともに、実態を十分把握しながら、策定に向けた検討を進めていきたいと考えている。
(2) 病後児デイサービス事業の拡充について
   この事業は、病院の看護師によるケアのもと、保護者の方々が安心して子どもを預けられることはもとより、女性が活躍できるまちづくりという観点からも、重要な事業と認識。

   札幌市では、個人の登録会員が、病児・病後児を預かる、緊急サポートネットワーク事業を平成22年度から開始し、充実に努めてきたところであるが、病後児デイサービス事業についても、医療関係者の協力を得ながら、事業拡充に積極的に取り組んでまいりたい。
(3) 配慮を要する子どもの相談支援体制の充実について
   増加する児童虐待などから子どもの安全を守るとともに、子育てについての不安や負担の軽減を図ることは、子どもの健やかな成長を支えるうえで、非常に重要なことと認識している。

   そうしたことから、今後は、障がいに関する相談などへの速やかな対応や専門性の向上という点を十分考慮しながら、第二児童相談所の設置を含めた、配慮を要する子どもに対する相談支援体制の在り方について検討を進めていきたい。
no1
教育課題について
(1) 公立夜間中学の設置について
   義務教育未修了者とは別に、様々な事情から学校に通えず、実質的に十分な教育を受けられないまま、学校の配慮等により、中学校を卒業した方が全国に相当数いると言われています。

   その数は全国で100万人にのぼるとも言われており、その原因を、夜間中学の関係者に伺うと、いじめや病気、引きこもりなどによる不登校や、戦後の混乱期で学校に通えなかったなど、理由は様々ですが、そうした方々に共通していることとして、十分な教育を受けることができなかったために、自信を持って人生を送れずにいるとの事でありました。

   札幌市でも25年前に自主夜間中学校として札幌遠友塾が発足されており、数々の苦難を乗り越え、現在では中央区にある向陵中学校の教室を使用し授業が行われています。

   自主夜間中学の取組が全国的な広がりを見せる中、趣旨に賛同した超党派の国会議員により昨年4月「夜間中学等義務教育拡充議員連盟」が発足し、関係議員が国会で夜間中学校の拡充を訴え続け、公立夜間中学設置の機運は大きく高まりました。

   そして、本年7月、公立夜間中学において、これまでの義務教育未修了者だけでなく、中学校既卒者が、改めて公立夜間中学で学び直すことを希望した場合、入学を受け入れることが適当であるとの考えが示されました。

   平成22年の国勢調査によると、義務教育未就学者は全道で7,374人と大阪府に次いで多く、うち札幌市内では2,001人。また十分に教育を受けられなかった形式的卒業者も相当数にのぼると言われています。しかしながら、道内には、公立夜間中学がまだ1校も設置されておりません。

   真に豊かな地域社会の構築を目指す札幌市においても、義務教育未修了者や形式的卒業者に対応した、公立夜間中学を設置すべきと考えますが、見解をお伺いします
(2) 「ふるさと札幌の学び」について
   札幌市では、「札幌市教育振興基本計画」の「札幌市教育アクションプラン」において、「ふるさと札幌のよさを実感し、豊かな創造力を育む学習活動の推進」を具体的な施策として位置付け、その推進を図るとしております。

   札幌市はこれまで、札幌芸術の森や札幌コンサートホールKitara、アイヌ文化交流センターなどの施設の活用や、PMFをはじめとした文化・芸術に関する行事の開催など、札幌の特色を生かした体験的な活動や、雪・環境・読書をテーマとした札幌らしい特色ある学校教育を積極的に推進してきており、子どもが「ふるさと札幌」を意識できるような教育が着実に根付いてきていると感じます。

   一方で、自分のふるさとである札幌を自らの手でよりよくしていこう、自分もまちづくりに参画しようという態度や意欲を育むことについては、相対的に低いという結果が出ております。

   これまで札幌市では、「社会参画」を踏まえた「ふるさと札幌の学び」について、どのような取組を行ってきたのか、また、今後、どのように取り組んでいくのか、お伺いします
(1) 公立夜間中学の設置について
   国においては、今般、義務教育未修了者に加え、形式的卒業者も入学対象とする公立夜間中学の設置を促進しており、札幌市教育委員会としても、設置の必要性は認識している。

   今年度、文部科学省の設置促進にかかる事業を受託した北海道教育委員会と連携して、就学希望者の把握や、履修状況が様々な生徒たちへの教育方法等の課題について、検討に着手したところ。
(2) 「ふるさと札幌の学び」について
   教育委員会では、雪・環境・読書を中心とした札幌らしい特色ある学校教育の中に、ふるさと札幌について理解を深める学習を加え、各学校において取り組んでいるところ。

   特に、札幌のまちづくりについて、教育委員会と関係部局が連携して作成した学習資料を活用して授業を行っているところ。

   小学校では、町内清掃など身近な地域活動を体験する学習などを、中学校では、人口減少に伴う問題を捉え、解決策を自分なりにまとめる学習などを実施。

   現在、ふるさと札幌に関する学習の新しい教材づくりなどを進めており、子どもたちが地域への愛着を感じ、主体的に地域に関わろうとする姿勢を育む学習をより一層充実。
no1
市営住宅の住環境対策について
   札幌市の住宅施策の方向性を示す札幌市住宅マスタープランには、当然のことながら市営住宅についても含まれておりますが、市営住宅の特性として高齢者の割合が非常に高いことが挙げられます。

   このような高齢者等が、エレベーターが設置されている団地に居住していれば日常生活における外出もよりスムーズであると思われますが、エレベーターが設置されている団地は市内全体で774棟のうち169棟しかなく、未設置率は実に78.2%であります。

   既存団地にエレベーターを設置していくことが望ましいところですが、財政的に大きな負担となることや、試験的に設置した団地では、建物の構造上完全なバリアフリーにならなかったこともあり、残念ながら現実的な対応と言えません。

   市営住宅に入居を希望する方は依然として多く、昨年度の定期募集は平均26倍の応募倍率があったことから、公募用に提供する住宅との兼ね合いには十分配慮する必要があります。

   しかしながら、住替え登録のあった件数に対し、実際に住替えに至った割合は、ここ数年2割にも達しない状況で推移しているとのことであり、多くの方の住替え希望に応えられていない現状にあると言わざるを得ません。
(1) 住替え制度の課題にかかる認識について
現行の住替え制度の課題点についてどのように認識しているか、お伺いします
(2) 課題の改善に向けた取組について
その課題点の改善について、今後どのように取組んでいくのか、お伺いします
(1) 住替え制度の課題にかかる認識について
   住替えを希望する世帯は増加する一方、希望者のニーズに合った住宅を十分に確保できず、住替えが進んでいない現状から、現行制度の運用の見直しが必要と認識。
(2) 課題の改善に向けた取組について
   住替え用住宅の確保方法を見直すとともに、手続きの簡素化にも取り組む等、より実効性のある制度を目指し、今年度中に取りまとめたい。
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新さっぽろ駅周辺地区のまちづくりについて
(1) G街区における教育機関などの誘致について
   新さっぽろ駅周辺地区は、地域交流拠点の中でも地下鉄始発駅として、後背圏の住民の交流や、様々な機能集積並びに歩行者ネットワークの充実を進めるなど、重点的に整備を促進する地区として位置付けられております。

   そのようななか、当地区では、市営住宅の建て替え・集約化により、G団地、Ⅰ団地合わせて約5㏊という広大な余剰地が発生することから、地区のまちづくりの基本的な方向性を示す、新たなまちづくり計画が平成27年3月に策定されました。

   当地区は、JR・地下鉄などの公共交通機関が充実しており、交通結節点として重要なアクセス拠点となっています。

   そのため、新たなまちづくり計画が策定されたこと、また、徐々に進んでいる市営住宅団地の解体を見て、いよいよこの地区の新たな開発が始まるという期待が高まるとともに、この機会を逃すことなく、にぎわいや活性化を生む新たなまちづくりを成功させなければならないと考えます。

   しかしながら、住民の高齢化やその子供世代の流出、既存施設の老朽化などにより、昔と比べると、大変残念なことですが現在は、活気がなくなってきたと言わざるを得ない状況にあると感じます。

   当地区を再び魅力と活気あふれる地域としていくためには、札幌市の中では2番目に高齢化が進行している厚別区の問題を直視し、その福祉のニーズに可能な限り応えることが、当然大事なことですが、将来を見据え若者が魅力を感じるまちにし、そこに集まり、留まることができる環境作りが必要と考えます。

   そこで私が注目しているのは、まちづくり計画の中で「文化・教育機能を中心とした機能集積」と位置付けられ、青少年科学館に隣接しているG街区です。

   このG街区については、都心への回帰傾向がある大学などの教育機関の誘致に寄与するべきと考えます。

   行政が率先して、医療・福祉分野の産業が大学などと連携し、研究・開発などを行う「産学官連携」の仕組みを推し進める場を用意することができれば、全国的な課題である高齢化をテーマに研究・開発を進めることができる一方、高度な専門知識を持つ人材を育成し、新事業の創出を図ることが可能となります。

   これにより、新事業創出や人材育成は高齢化対策への貢献が可能となるばかりでなく、この地域で学生が学び、まちづくりに参加することで、地域の活性化につなげることが出来ると考えます。

   そこで質問ですが、G街区において教育機関などを積極的に誘致すべきと考えますが、いかがかお伺いします
(2) 歩行者ネットワークの充実について
   私は、高齢者に優しいまちづくり、また地区のにぎわいや活性化のために、わかりやすく安全な歩行者ネットワークを構築する必要があると思っております。

   新さっぽろ駅周辺地区においてどのように歩行者ネットワークの充実を図っていく考えなのか、お伺いします
(1) G街区における教育機関などの誘致について
   現在、市営住宅余剰地の具体的な活用に向けた方向性の整理や準備を進めているところ。

   G街区については、教育機関が立地し、地域や民間企業と連携することは、魅力的なまちづくりを進める上でも望ましいことから、その可能性も含めて活用方法を検討。
(2) 歩行者ネットワークの充実について
   新さっぽろ駅周辺地区全体の歩行者ネットワークの充実については大変重要であると認識。

   併せて、歩行者ネットワークは土地利用と密接な関わりがあることから、今後実施する市営住宅余剰地活用の公募において、歩行者ネットワークの充実を提案条件のひとつとすることでその実現を図る。