議会報告

平成25年第3回定例議会
代表質問 芦原 進 議員
(豊平区)

9月26日札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して芦原 進 議 議員が代表質問を行いました。
市長の政治姿勢について、財務情報の透明化と公会計制度の整備について、生活困窮者対策について質問しました。
以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。
no1
市長の政治姿勢について
(1) 財政問題について
①平成24年度決算の執行率について
 平成24年度の最終予算額は、対前年度比1.5%増となる8,982億円余りとなりました。
この予算が実際に年度中にどのくらい使われたのか、歳出の執行率を見てみますと、93.2%ということであります。
平成24年度決算における歳出予算の残額は611億円に達し、また歳入から歳出を差し引いた形式収支が71億円でありますから、もう少し執行率を上げて市民に還元することが必要なのではないでしょうか。
  平成24年度の歳出決算において、多額の予算残額が生じた主な理由と、93.2%という執行率を、市長はどのように評価し、今後の財政運営にどのように生かしていこうと考えているのか伺います。

②財務情報の透明化と公会計制度の整備について
 現在、総務省では、地方自治体における公会計制度をさらに推進していくため「今後の新地方公会計の推進に関する研究会」を設置し検討を行っており、今年度末の研究会最終報告に向け、複式簿記による新たな基準を用いた財務書類の作成手法などの具体的な検討を行うこととし、研究会の最終報告を受けた後、総務省が地方に対して新たな基準による財務書類の作成を要請することとなっております。
  最近の国の動向を踏まえ、札幌市として今後どのように財務情報の透明化と公会計制度の整備を行っていく考えか伺います。
(2) 生活困窮者対策について
①法案が成立しなかったことについての市長の見解
 昨年、民主党政権時代に設置された、社会保障審議会の「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」の委員に上田市長は就任され、地方自治体の立場から種々提言されたと聞いております。
特別部会の報告を受け、「生活保護法の一部を改正する法律案」と「生活困窮者自立支援法案」が提出され、衆議院で民主党を含む野党の方々も賛成し、参議院に送付されましたが、政局を優先する野党により審議未了となり、廃案となりました。
  新聞報道等によると、厚生労働省は、秋の臨時国会に再度これら2法案を提出し、成立を図る考えのようです。
  特別部会の委員でもあった市長は、これら2法案が成立しなかったことについて、どのような見解かお尋ねします。

②生活困窮者支援の早急な対策について
 秋の臨時国会でこれら2法案が成立したとしても、当初の国の予定からは4カ月以上遅れることとなり、この遅れを取り戻すべく、札幌市として早急に対策を講ずるべきと考えるが、いかがか伺います。
(3) 戦略的なスポーツ行政に取り組むことの重要性について
 9月8日早朝、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催決定という、大変うれしいニュースが届きました。
加えて、東京都の大会計画では、サッカー会場の一つに札幌ドームが入っており、計画通りに実施されると、札幌は、夏・冬の両オリンピックが開催される都市になるという栄誉に浴することとなります。
  札幌ドームが会場となれば、札幌市民にとっては、東京オリンピックを更に身近に感じることができることとなり、札幌の魅力を世界に対して広くアピールする絶好の機会であります。
先日、2015年世界女子カーリング選手権の札幌開催について発表がありましたが、その後には2017年の冬季アジア札幌大会が開催されるなど、国際的なスポーツ大会が続く中、その延長線上に冬季オリンピックの開催があるのではないかと考えます。
  将来的な冬季オリンピック誘致につなげるためにも、東京オリンピックを契機とした札幌の魅力発信や国際的なスポーツ大会の誘致などに戦略的に取り組むことが必要と考えますが、市長のご認識を伺います。
(4) 新エネルギー対策について
 札幌市では、再生可能エネルギー普及促進の具体的な取組として、昨年度、市の遊休地を利用したメガソーラー事業の公募を行い、地元企業の土屋ホールディングスが選ばれ、今年の3月には、出力2千kWの太陽光発電が完成しております。
  しかしながら、今年の4月17日に資源エネルギー庁が発表した「北海道における大規模太陽光発電の接続についての対応」によると、北海道は、もともと電力の系統規模の小ささから、再生可能エネルギーの接続量に限界があり、特に、大規模の太陽光発電については、現状の設備・接続条件を前提とすると、その限界に近づきつつあるとのことであります。
  北海道内で計画されている、出力2千kW以上の太陽光発電接続量は限界の40万kWを超えているため、北海道電力が既に受け付けている内の4分の3は建設断念、又は計画変更が必要な状況となっております。

①北海道電力からの回答内容の評価と今後の対応
  この資源エネルギー庁が発表した接続に対する制約について、札幌市は資源エネルギー庁と北海道電力に対し、計画される全ての大規模太陽光発電が受け入れ可能となるよう、応策を講じるべき旨の要望書を提出し、北海道電力からは北本連系線の増強を行うなど、文書による回答があったと報道されましたが、その回答内容の評価と今後の対応について伺います。

②今後の札幌市の取組
  これまでに取り組んできた太陽光発電の普及促進はもちろんのことでありますが、その他の再生可能エネルギーの普及拡大など、原子力発電に依存しない社会を目指すために、どのように取り組んでいく考えなのか併せて伺います。

(1) 財政問題について
 1点目の平成24年度決算の執行率について、歳出予算に残が生じた主な理由としては、まず、国の緊急経済対策の活用など、平成24年度補正予算を平成25年度予算と一体的に、いわゆる15ヵ月予算として編成したことにより、多くの繰越額が生じたことが挙げられる。
  その他の不用額については、例えば中小企業融資制度のように、中小企業の資金需要の影響を受けたものや、国民健康保険会計への繰出金のように他会計の運営状況等による変動が挙げられる。このような様々な理由により、執行率が前年度と同じ93.2%となったが、予算で見込んだ所期の目的をほぼ達成できていると考えている。今後とも、予算の効果を早期かつ十分に発揮させるためにも、収支状況に十分留意しつつ、可能な限り速やかな執行に努めてまいりたい。
(2) 生活困窮者対策について
 1点目の法案が成立しなかったことについての市長の見解については、議員のご指摘のとおり、人口が集中する大都市においては、生活困窮者が増加し、切迫した状況にある。札幌市においても、生活困窮者対策は、早期かつ積極的に取り組む課題と認識している。2法案には、特別部会の報告書の提言が盛り込まれ、成立を期待していたところであり、廃案となったことは、誠に遺憾である。今年7月の指定都市市長会議において、2法案の早期成立についての要請書を採択し、国へ要請したところである。
  2点目の生活困窮者支援の早急な対策については、2法案が成立した場合、新たな生活困窮者支援制度は、平成27年4月に施行される予定である。
国においては、今年度からの予算事業として、全国の自治体にモデル事業の実施を要請し、法案の成立を見込んで、制度の設計を進めているところである。札幌市としても、生活困窮者支援の制度化に向けた計画的な体制構築は必要と考えており、今年度の国の予算成立を受け、モデル事業の検討を進めてきたところである。今定例会において、モデル事業の実施に当たっての補正予算についてご審議いただき、速やかに実施してまいりたい。
(3) 戦略的なスポーツ行政に取り組むことの重要性について
 ウインタースポーツシティ札幌を強く世界に発信していくためには、様々な国際スポーツ大会を計画的に誘致、開催することにより、地道に実績を積み重ねていくことが重要と認識。東京オリンピックでは、札幌ドームがサッカー会場として予定されており、札幌にとっても貴重な経験を積むことができるよい機会。また、札幌の魅力をPRする重要な大会であることから、東京都と連携し、開催地としての役割をしっかり果たしていきたい。現在、今後10年を見据えた札幌のスポーツ行政の指針となる札幌市スポーツ推進計画を策定しているところであり、こうした取り組みの方向性について、しっかりと盛り込んでいきたい。
(4) 新エネルギー対策について
 1点目の北海道電力からの回答内容の評価と今後の対応については、北海道電力からは、北海道と本州を結ぶ北本連系線の増強の他、日射量予測技術の開発、大型蓄電池の導入など再生可能エネルギーの受入れ拡大に向けた具体的な取組が示されたと認識。再生可能エネルギーの宝庫と言われている北海道において、その普及が停滞することのないよう、国や北海道電力に対し、今後も、情報の提供を求め、より一層の実効性ある取組が進められるよう継続して働きかけてまいりたい。
  2点目の今後の札幌市の取組について、札幌市としては、当面、受け入れ制限のない規模の太陽光発電の普及拡大を図るとともに、近年、新たに技術開発されている小型風力発電の導入などの検討も必要と認識。また、東日本大震災以降、防災上有効な電源として位置付けられている蓄電池は、太陽光発電と組み合わせることで電力供給の安定化に寄与できることから、その普及に向けて取組を進めてまいりたい。併せて、これまでの節電・省エネルギーの取組を更に推進し、原子力発電に依存しない社会の実現を目指してまいりたい。
no1
観光施策について
 8月20日に発表された平成24年度の来札観光客数の統計調査では、1,304万1千人の観光客が札幌を訪れております。これは前年度比5%程度の伸びを示しており、LCCの就航や増便などが影響したものと考えられます。中でも特筆すべきは、外国人宿泊数が過去最高の68万1千人を記録したことで、前年度比58.6%増となっております。これは東日本大震災の影響で大幅に減少した23年度と比べ、観光客が戻ってきただけではなく、台湾の新千歳行き直行便の増便により台湾観光客が66.5%増加した事と、タイの新千歳直行便の就航により前年度比3.4倍の伸びを示した事、更に円安が追い風となった事も大きな要因だったと考えられます。
正に今、国や道で中長期的な視野に立って観光立国を推進しており、2020年の東京オリンピックも決定したことから、の追い風に乗って、本市も積極的な観光施策を展開して行く事が必要と考えます。
(1) 観光客誘致におけるターゲット別の施策について
  道内客、道外客のターゲット別の対策についてどう考えているのか。
(2) 観光入込数の目標について
 観光入込数の目標について、現在の新まちづくり計画では1,400万人となっておりますが、これについてどう考えているのか。国や道の動向を踏まえて、もっと積極的な目標を掲げるべきと考えるが如何か。
(3) 外国人観光客の受入整備について
 外国人観光客の受け入れ環境の整備について伺います。
(4) 東京オリンピックに関連した観光客誘致について
 東京オリンピックに関連した観光客誘致の考え方についても伺います。
(1) 観光客誘致におけるターゲット別の施策について
 道内客、道外客の誘致に当たっては、既存イベントや集客交流拠点の新たな魅力づくりに努め、特に道外客については、MICEの誘致や効果的なシティプロモートの展開により誘客を図っていく。また、海外客については、今後の有望市場である東南アジアを中心に、国際直行便の誘致や、旅行博・見本市への出展、さらにはセミナーや商談会の開催など、国や道、経済界などと連携しながら積極的に現地プロモーション活動を展開していく。
(2) 観光入込数の目標について
 第3次新まちづくり計画で立てた1,400万人は、札幌市の過去最高の入込数を意識した目標数値であったが、今後は、海外客を現状より約90万人増やすことなどにより、昨年度実績の1,304万人から10年間で約200万人増加させ、1,500万人とすることで検討している。
(3) 外国人観光客の受入環境の整備について
 受入環境の整備を進めることは、来札外国人の満足度を高め、リピーターの増加にもつながるなど、極めて重要であると認識していることから、今後は、国や道、さらには民間事業者などと連携を図りながら様々な取組を推進。
  具体的には、観光サインや観光ホームページの外国語対応、公衆無線LAN環境の整備、ムスリム対応の推進など、外国人が快適に安心して観光できる環境づくりを進めていく。
(4) 東京オリンピックに関連した観光客誘致について
 東京オリンピックが観光に及ぼす影響や波及効果は、計り知れないものと考えており、札幌市としても、自然や気候、食といった札幌の魅力を積極的にアピールし、サッカーの予選開催予定地という優位性も生かしながら来札外国人の増加につなげていきたい。
no1
先端医療技術を活用した産業の振興について
 先日まで市民の意見を公募していた「札幌市まちづくり戦略ビジョン」の「戦略編」においては、「先端医療技術を用して、新たな価値を創造します」と記載されており、札幌市としても、北海道大学や札幌医科大学などで行われている、世界に負けない先端的な医療研究に、注目しているようであります。
  このような世界最先端の研究が活発になると、多くの研究者や技術者、関連する企業も札幌に集まってくることとな、経済の活性化や新しい視点でのまちづくりにもつながっていくと考えております。
  昨年の第3回定例市議会において、我が会派が、「先端医療を活用したまちづくり」について質問を行い、市長より、「先端的な医療分野の研究成果を活用し、地域経済の活性化に結び付けていくという視点は重要であり、市内で行われている先端医療研究の優位性や産業化の可能性について調査を行う」との答弁がありました。
行われた調査の結果はどのようなものであったのか、また、その結果を踏まえ、どのように産業振興につなげていこうと考えているのか伺います。
 昨年度に実施した調査では、北大及び札幌医大において、数多くの優れた、しかも世界レベルの研究が行われており、中には、議員のお話の事例のように、実用化が近いものもあることが確認された。それら有望な医療研究に、現状では、市内企業が中心となって関わっている状況ではないが、先端医療の周辺分野においては、その技術を活かすことのできる企業が、市内にいくつも存在することがわかった。
  例えば、細胞の培養や医療機器の部品製造、画像診断のための情報技術などは、市内中小企業が力を発揮することが期待される分野である。こういった分野においては、法令による許認可などさまざまなハードルがあることから、市内企業が、医療関連産業へ新たに参入するための環境作りを進めてまいりたい。
no1
高齢者及び障がい者の施策について
(1) 「障害者優先調達推進法」等による支援対策について
①札幌市の基本姿勢
「障害者優先調達推進法」が本年4月から施行され、国や地方公共団体等に対して、障がい者施設等から優先的に調達すための方針を策定・公表し、調達実績についても、公表することになりました。障害者優先調達推進法に基づく調達方針を策定するにあたって、札幌市の基本的な姿勢は、どのようなものであるのかお尋ねします。

②札幌市の今後の取組障がい者施設等への調達を拡充する上では、障がい者施設等からどのような製品や役務の調達が可能か、市役所内で周知徹底を図るべきであり、民間企業への波及を視野に入れた取組も、積極的に行うべきと考えます。札幌市においては、調達の拡充のための取組を、今後どのように行っていくつもりであるのか伺います。
(2) サービス付き高齢者向け住宅について
①サービス付き高齢者向け住宅の登録数、介護サービス事業所等の併設状況
  平成23年10月、バリアフリー構造に加え、安否確認や生活相談サービスも備えられた「サービス付き高齢者向け住宅」という制度が創設されました。基本的な見守りサービスに加え、施設によっては食事や掃除などのサービスを受けることができ、また、介護保険サービス事業所を併設しているものも見受けられます。
札幌市内のサービス付き高齢者向け住宅の登録数はいくつで、介護保険サービス事業所の併設の状況及び医療との連携はどうなっているのか。

②入居者の状況
 介護の必要な方が入居しているのか、入居者の状況について伺います。

③サービス付き高齢者向け住宅についての認識、今後の施策への位置づけ
  札幌市としてはこの状況をどう認識し、今後の高齢者対策にどのように位置づけようとされるのか伺います

(1) 「障害者優先調達推進法」等による支援対策について
 1点目の札幌市の基本姿勢について、障がい者の自立を促進するためには、障がい者施設等の運営を安定させ、雇用の拡大や賃金の向上等に

つながる取組が求められるところであり、この度の法律の制定は大きな意義を有するところ。したがって、市の調達にあたっては、母子家庭や高年齢者の雇用安定等の各種施策との調和を図りながら、一定の調達目標額を設定して、可能な限り多くの障がい者施設等から調達してまいりたい。

 2点目の札幌市の今後の取組について、各障がい者施設等が提供可能な物品等の情報や受注能力等を福祉部局がとりまとめて、これを庁内で共有するとともに、新たに連絡会議を設置して、全庁的な調達の拡充を図ってまいりたい。さらに、札幌市だけでなく民間企業における発注促進のために、障がい者施設等における魅力ある製品づくりへの支援や、民間企業への情報提供についても取り組んでまいりたい

(2)サービス付き高齢者向け住宅について
 1点目のサービス付き高齢者向け住宅の登録数、介護サービス事業所等の併設状況、医療との連携について平成25年3月末現在で63棟(2,460戸)が開設され、2,146人が入居している。開設予定を含めた登録数は、8月末時点で118棟、このうち92棟には訪問介護、訪問看護などの介護サービス事業所が併設されている。医療との連携については、7棟に診療所が併設されているほか、看護師による健康相談や提携医療機関による訪問診療などの形態により行われている。

2点目の入居者の状況について、入居者(2,146人)のうち、要介護認定を受けている方がほぼ半数(1,084人)、要支援認定を受けている方(476人)といずれの認定も 受けていない方(576人)が、ともに約4分の1となっている。(※不明10人)

 3点目のサービス付き高齢者向け住宅についての認識、今後の施策への位置づけについて、これらの状況から、サービス付き高齢者向け住宅は、支援が必要な高齢者にとっても、どのように暮らすかを考えるときに、重要な選択肢の一つになっていると認識している。また、サービス付き高齢者向け住宅は在宅福祉の新たな形態の一つであるが、災害への対応等も含め、入居者が地域で安心した生活を送るためには、地域の一員としてのつながりを持ち、近隣住民と互いに支 えあうことが重要と考える。 現在、社会福祉施設、医療機関等の専門機関も含めた地域福祉のネットワークづくりを進めているところだが、サービス付き高齢者向け住宅を運営する事業者に対しても、参画を働きかけてまいりたい。

no1
安全・安心な生活環境について
(1) 雨水対策について
 札幌においても、突然、黒い雲が広がり、雷鳴とともに大粒の雨が、地面叩きつけるように激しく降ることがあり、明らかに、雨の降り方が変わてきていると実感しております。
実際に、8月下旬から9月上旬にかけて、市内各所で局地的な豪雨、いわるゲリラ豪雨があり、特に、8月27日には、西区や白石区を中心に住宅の浸水や道路冠水などの被害が多数発生しました。

①今後の雨水対策の進め方
  札幌市の下水道では、雨水対策事業を「アクアレインボー計画」と名付け昭和53年より下水管やポンプ場の増強を進め、現在87.5%の進捗と聞いおります。
雨水対策については、スピード感を持って進めていく必要があると考えまが、現計画で残っている雨水対策について、今後どのように進めていくか、お考えを伺います。

②ゲリラ豪雨対応への考え方
  ゲリラ豪雨は、今後も全国的に増えていく傾向が明らかとなっており、地形的に浸水しやすい場所においては、今後、ゲリラ豪雨による被害が、一層拡大するのではないかと、大変危惧しております。今後も、ゲリラ豪雨が増加すると想定される中、こういったゲリラ豪雨への対応について、どう考えていくのか伺います。

(2) 交差点の安全安心対策について
 札幌の人口が百万人を超えた1970年代前後、幹線道路等の交差点に、多く横断歩道橋が市内各地に設置されました。子ども達など歩行者を、交通故から守る為の設置でありました。
しかし、歩道橋のある交差点には同時に横断歩道が設置されず、自転車専用通路が設置されており、これは、道路を横断する施設を、2重に設置すことになっております。
このことが結果として別の問題を生んでおります。そこには、車いすやベビーカーなどが歩道橋を遠回りしないと交差点を渡れないという現実、そして急速な高齢化の進展があります。
市には国道も含め70箇所以上の横断歩道橋があると聞いております。平成24年度には「横断歩道橋のあり方検討会」の立ち上げがあり、歩道橋を後どうしていくかという議論が、深まりをみせております。

① 歩道橋撤去に関する検討状況
昨年の夏には利用者の少ない7つの歩道橋が撤去候補として報道もされていましたが、歩道橋撤去に関する基準の整理など、その後の検討はどう進捗しているのか。

② 歩道橋撤去に伴う周辺交差点の安全対策
昨年来撤去候補として取り上げられている歩道橋と撤去した場合のその周辺交差点の改善などは、どのように進んでいるのか伺います。

(1) 雨水対策について
 1点目の今後の進め方について、これまでの下水管やポンプ場の増強に加え、平成23年度からは、舗装面の多い大規模な施設から雨水の流出を抑制する、新たな取組も開始したところ。
  今後についても、引き続き、雨に強いまちづくりに向け、重点施策として積極的にこれらの対策に取り組んでいく。
  2点目のいわゆるゲリラ豪雨への対応について、いつどこで降るかわからないゲリラ豪雨に対する被害を完全に防ぐことは難しい問題と認識。しかしながら、浸水に弱い場所に対しては、減災の観点から、どういった取組ができるのか、ソフト対策も含め、総合的に検討していきたいと考えている。
(2)交差点の安全安心対策について
 1点目の歩道橋撤去に関する検討状況について、撤去候補を選定する判断基準については、平成25年3月の検討委員会の提言に基づき、利用者数、歩道幅員の狭隘化の程度などの実態調査の結果を踏まえ、関係部局において検討・調整を進めている状況。年内には撤去候補をホームページで公開し、地域の方々にも順次説明していく予定。
  2点目の歩道橋撤去に伴う周辺交差点の安全対策について撤去候補のうちの1橋については、地元も撤去を望んでおり、地域の方々の協力による交通安全活動の実施や歩道橋に代わる交通安全施設の設置など安全対策について協議を進めている。その他の歩道橋についても、同様に安全対策の目途が立ったものから撤去を進めていく予定。
no1
市営住宅について
(1) 今後の住環境の対策について
 市営住宅には、単身高齢者が世帯用住宅に入居されている住宅や、逆に子育て最中の世帯が狭い住環境の住宅に入居しているなど、適切な広さの部屋と家族人数のバランスを欠く状態も、多くあるとのことであります。また、高齢者や要介護者等、階段昇降が困難な入居者で、高層階から低層階への移転を希望されている方も又、多くおられるのが現状であると認識しております。
 より良い住環境を整備していくためには、住替え制度等を見直し、高齢者と若い世代が一緒に居住できる仕組み作りが必要と考えるところであります。現在の住替え制度の課題に対し、今後、どのように取り組んでいくのか伺います。
(2) 見做し寡婦(夫)控除について
 税法上の寡婦控除は配偶者と死別若しくは離婚した方に適用されるため、婚姻歴のないひとり親には適用されません。全国では、保育料減免の算定において、婚姻歴のないひとり親に対し、寡婦控除のみなし適用を実施する自治体が増えており、札幌市においても、昨年度から適用されております。
 公営住宅の家賃算定については政令で定められており、扶養控除、寡婦控除等の人的控除についても決められているとのことでありますが、家賃の減免は、事業主体が独自にその基準を設定することが可能と聞いております。
 昨年7月には、「札幌市住まいの協議会」の答申で、「婚姻歴のないひとり親を寡婦(夫)とみなして控除を適用することについて、市営住宅使用料の減免制度においても導入に向けた調査・研究を進めるべき」との意見が出ているところであります。見做し寡婦控除の適用について、どのように考えているのか伺います。
(1) 今後の住環境の対策について
 市営住宅の入居者に高齢者の割合が高いことはご指摘のとおりであり、高齢化に伴う様々な課題があることは認識。しかし、新規に入居を希望する高齢者も多く、高倍率で推移する入居者募集の状況から、住替え用に提供できる住宅を十分に確保できない状況。より良い住環境を確保する観点から、世帯の状況に合った適切な入居を進めることは重要であり、今後、入居者募集の方法も含め、住替え制度の在り方について総合的に検討していきたい。
(2) 見做し寡婦(夫)控除について
 本市の保育料減免においては、昨年度から、見做し寡婦控除を適用しており、市営住宅の家賃減免についても、昨年の「住まいの協議会」からの意見等を踏まえ、調査・研究を進めているところ。
  子育て世代を応援する観点からも、今後、できるだけ早い時期に適用できるよう検討していきたい。
no1
子ども施策について
(1) 児童相談体制の取組について
 児童虐待に至るまでの背景には、保護者の経済的状況、近隣などとの人間関係や子ども自身の問題など、さまざまな要因があると思いますが、このように児童虐待が増加の一途を辿っている状況では、現状の児童相談所や行政機関だけの対応では、もはや限界に来ているのではないかと感じております。
虐待は早期発見こそが、事態の悪化を抑制し、改善する最善策であります。その為にも地域住民の協力はもちろんのこと、虐待やその兆候を早期に発見しやすい学校や医療機関などが、児童相談所や区役所との連携を一段と強め、役割分担を行うことが重要であります。
 虐待などから子どもの安全を確保するためには、札幌市として何が重要と考えているのか。また、そのために、どのような取組の強化が必要と考えているのか伺います。
(2) 子ども医療費助成制度の拡充について
 現在、札幌市においては、所得制限はあるものの、小学就学前児童に対しては入院・通院医療費への助成、小学生・中学生に対しては入院医療費への助成を行っております。
しかしながら、他都市における制度の拡大や指定都市の増加によって、小学校就学前までしか通院医療費を助成していないのは、20指定都市中、札幌市を含めて5市であります。ほとんどの都市が小学生も対象としている状況にあり、更に7 市は、中学生までを通院助成の対象としている状況にあります。
 制度の拡大にあたっては、国民健康保険や被用者保険などの保険者とも協力しながら、適正受診の勧奨や医療相談窓口の積極的な広報・PRなど通じて医療費の適正化を進め、医療費助成制度の負担を圧縮することも必要と考えます。
  上田市長が目指しておられる「日本一子育てしやすい街」を実現するために、子ども医療費助成制度の拡充に向けて、幅広い視点から検討を行う必要があると考えますが、市長のお考えをお聞かせください。 
(1) 児童相談体制の取組について
 児童虐待などから未来ある子どもたちを守ることは、私たち大人の責務であることから、相談体制の強化や、関係機関等の連携、更には地域における支援体制の整備が極めて重要。
  平成23年3月に「札幌市児童相談体制強化プラン」を策定し、家庭児童相談室や子ども安心ホットラインの開設等を行ったところ。今年1月の事件発生後には、区と児童相談所との情報共有、ケースのチェック体制の見直しなど、相談体制の強化に取り組んでいる。
  今後も、研修や個別ケース検討会議の充実、「オレンジリボン地域協力員」の増員等を進めるとともに、これから出される検証委員会の報告を踏まえ、更に必要な改善策を講じる。
(2) 子ども医療費助成制度の拡充について
 子ども医療費助成は、北海道の補助を受けて実施しているが、これまでも札幌市独自の拡充として、就学前児童の自己負担額の軽減や中学生の入院医療費の助成を行ってきたところ。
  このように、北海道を上回る制度の拡充を進めてきており、さらなる助成の拡充には多大な経費を要することから、他の医療費助成制度及び国や道の子育て施策などの動向も勘案しながら判断していく必要がある。
  現行の子ども医療費助成制度は、子ども達の健康を守るとともに、子育て家庭を経済的に支援するための施策として重要なものと認識。
  今後においては、制度の維持を第一としつつも、子ども達を健やかに育んでいくために、予防啓発の観点も含め、さまざまな角度から検討を行いたい。
no1
教育の問題について
(1) 子どもの携帯等によるインターネットに関わる問題について
  専門家によれば、ネット依存は1カ月程度で重症化するとのことで、早期発見が何よりも重要となります。早期発見のためには、遅刻・欠席の繰返しや無気力な姿になるなど、子どもの「依存のサイン」を親や教師など、周りの大人が見逃さないようにすることが大切です。さらに、最近では、パソコンや携帯電話、スマートフォンだけではなく、タブレット型携帯端末、携帯音楽プレーヤー、ゲーム機などの普及により、いつでもどこでもインターネットの個人的な利用が可能となって、いわゆる「ネットトラブル」と呼ばれる、憂慮すべき様々な事案も発生しており、これらの問題の解決は、喫緊の課題であると考えております。こうした子どものネット依存やネットトラブルなどを未然に防止するとともに、インターネット等の適切な活用などを学ぶ、情報モラル教育の重要性について本市の認識と、教育委員会や学校における取組の状況について伺います。
(2) 学校現場等でのエピペン対応について
 エピペンは本来、保護者や児童生徒が自ら使用するものでありますが、緊急の場合には教職員も使用できることになっております。しかし、有効な注射薬も、学校現場で緊急時態に教職員が使用をためらうことがあっては、児童生徒の生命の危機にもなりかねません。
  また、食物アレルギーによるアナフィラキシーショックに関しては、どの学校においても、いついかなる時にも、児童生徒がアレルギーを発症し、重篤な状態に陥る可能性があることを強く認識しておく必要があると考えます。
  各学校において、この問題に対してどうとらえ、どのような対応を行っているのか、校内での研修の実施状況も含めて伺います。また、市教委においても対応マニュアルの作成にとどまらず、各学校に対して適切な対応が図られるよう、積極的に働きかけていく必要があると考えますが、いかがか伺います。
(1) 子どもの携帯等によるインターネットに関わる問題について
 子どもたちが、情報社会の進展に正しく対応することができるように、情報モラルを確実に身に付けることは大変重要であると認識。
各学校では、警察や携帯電話事業者等による出前教室を実施したり、具体的な事例を活用したりする学習などを行っているところ。
教育委員会としては、今後、教職員向け研修の一層の充実を図るとともに、情報モラルの育成には家庭との連携が極めて重要であることから、今年度、新たに保護者向けの研修会を実施する予定。
こうしたことを通して、子どもたちが情報モラルを確実に身に付け、適切にインターネット等を活用することができるよう取組を充実。
(2) 学校現場等でのエピペン対応について
 各学校では、アレルギーに対しては適切な対応が重要であると認識しており、アレルギー疾患を有する児童生徒のいる学校では、従来から保護者や医師と情報を共有し、緊急時に適切な対応を行うことができるよう、校内全体で研修を行うなどしてきた。
教育委員会としては、今月13日に、公益財団法人日本学校保健会とともに、アレルギーの専門医による講演と合わせて、エピペンの使用方法を実際に学べる全校対象の研修会を開催し、教頭や養護教諭など364名の参加があったところ。
  今後は、各学校でアレルギー疾患を有する児童生徒ごとに対応を検討・決定する「食物アレルギー対応委員会」の設置を促進するなど、各学校において適切な対応が図られるよう働きかけてまいりたい。