平成25年第2回定例議会
代表質問 國安 政典 議員
(北区)
まちづくり戦略ビジョン<戦略編>については、その内容がおおむね見えてきたところであります。特に、今回、まさにパラダイムの転換に当たって策定する計画ということで、例えばSWOT分析などを行いながら、札幌の強みや弱み、時代背景などを踏まえた上で市に求められることを書き込んだという、これまでの長期総合計画にはない理論的な策定手法をとったことについては、我が会派としても一定の評価をしているところであります。こうした計画において最も重要なことは、実効性をどのように確保しながら実現に向けて全庁的に活動していくか、いかに絵に描いた餅に終わらせないかということであります。
もちろん、現在の戦略編(案)の中でも、まちづくり戦略ビジョンの実効性を高めるための取り組みが記載されております。例えば、戦略の方向性に沿って中期実施計画や行財政運営の計画を策定し、個別計画の策定や見直しも行いながら具体的な取り組みを進めていくこと、また、成果指標やロードマップを設定するなどによってわかりやすい進管理に努めること、さらに、適宜、中間点検や評価を実施し、必要に応じて戦略の見直しを行うことなどが掲げられております。
しかし、そうした展開に当たっての視点に加え、なお重要なことは、行政組織を支える職員の育成、そして、施策の展開を図りやすい組織体制の構築に向けた取り組みであります。
戦略編には、特に、専門的な知識や能力を持った職員が力を結集し、集中的に取り組むべきテーマが多数示されております。例えば、国際関係の取り組みなどはその典型例と言えます。戦略編でも、人口減少社会の到来に伴う経済規模縮小への懸念を背景として、国際戦略を積極的に展開する旨が随所で語られています。そうした戦略を進めるには、国際的な感性や語学力のみならず、幅広い視野と知識、スキルが不可欠であります。
また、地域医療やエネルギー施策など、専門性の高い職員の育成も必要であり、技術職の職員数も減少傾向にある中、市役所としての技術水準の維持を図ることも大切であります。さらに、組織体制の面では、縦割り組織の弱点を克服していくことが必要であります。これまで、ことあるごとに縦割り組織の弊害に対する批判がありました。そうした中で戦略編の実現を図るには、まず、市役所組織にこそ、パラダイムの転換が求められていると言えるのではないでしょうか。例えば、空き家の問題や、環境技術の輸出などを展開していくためには、組織を超えた横断的な取り組みが必要であります。
そこで、質問でありますが、まちづくり戦略ビジョン推進のため、職員の能力の向上について、市長はいかに考えているのか、また、柔軟な組織体制の構築についてどのように考えておられるのか、あわせて伺います。
まちづくり戦略ビジョンの策定に当たって、市長は、市民と共有できるビジョンということを第一に掲げ、策定作業を進めてこられました。その目玉となったのが、将来の札幌を考える市民会議を初めとした各種の市民参加であります。また、ワールドカフェといった新しい話し合いの方法を採用することで、従来、こうしたまちづくり関係のイベントへの参加に必ずしも積極的ではなかった若い世代などから、多くの意見を聞き取ったことは大きな成果であると思います。
しかし、こうした市民参加のイベント等は、そのほとんどが平成23年度中に開催されており、審議会において戦略編を集中的に議論していた平成24年度の秋以降にはほとんど開催されておりません。もちろん、戦略編は行政が取り組むことを主に示したものであることは理解しつつも、その中身は市民の暮らしに直結してくるものであります。
そこで、質問です。今後、戦略編策定に向けて、市民参加をどのように行っていこうとされているのか、伺います。
職員の能力向上と柔軟な組織体制の構築ということでのご質問でございますが、この戦略ビジョンに盛り込んだ、今後見込まれるさまざまな問題に迅速かつ的確に対応していくためには、専門職を活用するとともに、職員に求められる能力に応じた各種研修などを充実させることが重要でございまして、既に、今年度から、国際的な視野を持つ職員の育成ということを目的にいたしまして、先進事例等を調査研究する海外研修を行うということを決定したところでございます。
また、組織体制につきしましては、今後とも、まちづくり戦略ビジョンの効果的推進のために、組織横断的なプロジェクトチームの設置や、従来組織の再編、さらには、このビジョンで掲げます北海道全体の活性化に向けまして北海道、札幌市双方の職員により構成する政策研究未来会議の設置など、課題に応じた組織体制の構築について検討をしてまいりたい、このように考えております。
戦略編策定過程における市民参加についてということでございますが、これまで行ってまいりました市民参加事業では、基本的にビジョン編、戦略編の別なく、まちづくり戦略ビジョン全体として市民意見を反映させることを目的に行ってきたものでございます。
戦略編の答申後の取り扱いについても、ビジョン編策定時と同様に、パブリックコメントに加えまして、町内会あるいは経済団体との意見交換会などを行いながら、その意見を最終案に反映させてまいりたい、このように考えているところでございます。
5月24日には、我が党においても、日本経済再生のための成長戦略を発表し、品目別、国別の輸出戦略を策定し、省庁横断的に民間と連携しながら、食産業と食文化を一体的にグローバル展開しながら輸出倍増をすべきとしており、今こそ攻める農業への転換を進めなければなりません。
例えば、フード特区が目標としているフードバレーがあるオランダにおいては、人口、国土ともに我が国の8分の1にもかかわらず、1ドル100円とした場合、日本の輸出が0.3兆円に対し、実に7.7兆円もの市場を獲得しております。オランダはこの50年で輸出額を大きく増加させましたが、穀物を生産してももうからないことにいち早く気づき、畜産、野菜、花などに特化させることで輸出型農業への転換に成功しているのであります。
北海道においても、国別、品目別の戦略に基づく輸出拡大が重要であり、その戦略策定には非常に精緻な市場の調査研究、分析が必要でありますが、戦略的な売り込みについてのノウハウ、人材、情報は、行政組織よりも民間に蓄積されており、その力を十二分に活用することが求められます。実際、先月末に日本の大手商社が香港の現地企業と提携して、青果や加工食品の販売を始める計画を発表し、他の大手商社にも広がる可能性があります。
フード特区は、平成23年12月に国から指定を受け、その後、昨年3月に民間事業者からも出向者を受け入れ、フード特区機構が設立され、4月から実質的なスタートを切ってちょうど1年が経過したところであります。
そこで、質問ですが、これまで、どのような取り組みをして、どのような成果があったのか、また、今後、輸出の増加を図るに当たって、札幌市としてどのような役割を果たそうとしているのか、伺います。
今年度、政府は、ASEA友好協力40周年を契機に、入り込みの増加が著しい東南アジアからの観光客誘致に力を入れております。例えば、政府は、東南アジアに特化した商談会ASEAトラベルマートを開催して日本観光を売り込んでいるほか、訪日の壁となっているビザの発給要件の緩和を検討するとしております。その内容は、平成24年にマルチビザの取得が可能となったタイ、マレーシア、インドネシアについてさらにビザの免除を行うとともに、ベトナム、フィリピンなどの国についてマルチビザを導入するものであります。
我が会派では、この5月20日に、北海道の観光振興に寄与すべく、産学官による観光振興を通じて、北海道の元気アップを目指す取り組みとして、早稲田大学の吉村作治名誉教授を迎え、北海道観光懇談会を開催いたしました。吉村教授は、今までの日本のインバウンド観光は中国や韓国が6割程度を占めているが、今後はイスラム圏に目を向けるべきであるとして、ムスリム対応の重要性や、南国で降雪のない国の雪に対する憧れ、北海道の食といった独自の魅力と資源を大いに活用すべきであると強調されておりました。このような国内外におけるインバウンドを取り巻く環境を踏まえると、特に世界や日本における都市間競争が激しい東南アジアについて、札幌市が北海道観光の底上げや活性化に積極的にかかわりながら、北海道、札幌の自然や食などの独自の魅力をより一層PRするとともに、ムスリム対応の充実を図るべきであります。
札幌市では、昨年度から、マレーシア、タイ、インドネシアの旅行博に参加するとともに、ことし2月には、タイ政府観光庁との間で観光発展に資する映像制作等についての覚書を締結するなど、東南アジアに対しての取り組みを始められたところであります。
そこで、質問ですが、これからの成長が予想される東南アジアからのインバウンドについて、今後、どのように考え、取り組んでいこうとしているのか、伺います。
続いて、東南アジアからのインバウンドに関する北海道、民間との連携の促進についてであります。
これまで、我が党は、道内連携の重要性について取り上げてまいりました。特に北海道との関係においては、さまざまな分野で協力関係を強化し、密接に連携していくべきと考えております。
東南アジアからのインバウンドについては、国内外の競争が激化する中で、官の連携がますます重要さを増しております。例えば、ハラル対応を含むムスリム市場の対応については産学官の連携強化が非常に重要になってまいります。
そこで、札幌市として、北海道や民間などとの幅広い連携についてどのように考えているのか、伺います。
今回の大幅な単価改定の背景には、近年の建設投資の減少に伴う受注競争の激化があります。そのしわ寄せが技能労働者の賃金低下や保険未加入などの処遇悪化を招き、若年入職者の減少とあわせて高齢化を招いております。また、技能労働者の需給 迫が顕在化しており、被災3県では労働者不足に起因する入札不調も発生しております。道内においても、参加業者が1社もいない応札ゼロのケースが相次いでいるとの報道があったところであります。
こうした状況は、決して一時的なものではなく、建設業が抱える構造的な課題でありまして、今、適切な対策を講じなければ、近い将来、災害対応やインフラの維持・更新に重大な支障を来すおそれがあります。まさに、建設労働者に対する適切な賃金の支払いは建設産業全体の喫緊の課題と言えるのであります。
国においては、建設業団体に対して、公共工事設計労務単価の上昇が技能労働者の賃金水準の上昇に結びついているかを確認するため、別途行う実態調査への協力を求め、翌年度の単価改定に反映する旨、通知するとともに、4月18日には太田国土交通大臣が、日本建設業連合会など業界4団体に対して異例の直接対話による要請を行い、技能労働者に対して改定単価による賃金支払いがなされるよう適切な元請・下請契約の締結等を要請したところであります。
これらを踏まえて、お尋ねいたします。
公共工事設計労務単価の上昇分が技能労働者に賃金として支払われなければ、建設業が抱える構造的な課題の解決とはなりません。適切な水準の賃金が技能労働者へ支払われるように、札幌市としてどのように企業を指導していくのか、また、賃金水準の上昇に結びついていることをどのように確認していくのか、伺います。
また、工事請負については、技能労働者の労働環境の改善に向けた取り組みがある一方で、労働集約型の委託業務について、依然として一部の業務では過度な競争が見受けられ、低価格受注の結果がそのまま労働者の賃金にしわ寄せされ、労働者の低賃金化の一因となっているのではないでしょうか。
札幌市では、ダンピング対策として、委託業務についても最低制限価格制度や低入札価格調査制度を適用していますが、対象業務は建物の清掃や警備業務などの一部に限定しています。そこで、事業者の健全な経営とともに、労働者に適切な賃金が支払われるためにも、適正な価格での受注を促し、地域経済の活性化につながるよう、最低制限価格制度適用の対象業務をもっと拡大すべきと考えますがいかがか、伺います。
平成24年度分の成果目標は74億円というふうにしており、実績は現在精査中でありますが、暫定数値では7割強の達成がかなったというふうに理解をしておりまして、取り組み成果が数字にあらわれるというのは、時間がかかることを踏まえると、そこそこ健闘したもの、このように私どもは評価をしているところでございます。
2点目の札幌市の果たす役割についてでございますが、フード特区における札幌の役割は、大学や研究機関、加工業者や販売業者などが集積をしております札幌の都市機能というものを、道内各地の1次産品の付加価値を高めるために最大限活用していただくことだと承知をいたしております。輸出拡大に向けまして、消費期限延長のための技術開発や、あるいは、魅力的なパッケージデザイン採用など、積極的に高付加価値化に取り組む事業者をさまざまな施策によって支援をしてまいりたいと考えております。
2点目の北海道と民間との連携についての考えでございます。
議員ご指摘のとおり、激化する国内外の都市間競争を勝ち抜くためには、北海道とか民間との連携強化というのは非常に重要なものだというふうに考えておりまして、その一環として、昨年、札幌市が北海道などに呼びかけまして連絡会議を設置いたしまして、相互に連携を強化していくということにしたところでございます。特にタイにつきましては、今年度、北海道や他の自治体における事業がふくそうしておりますことから、事業の共催、そして実施時期の調整などを図り、より効果的に行うことにしているところであります。また、ムスリムにつきましては、国ごとの正確な情報をもとにいたしまして、それぞれのニーズに対応するということが必要だと考えておりまして、札幌市といたしましても、国、商工会議所などと連携をしながら受け入れ環境の充実を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。
この項目の1点目の工事請負企業に対する指導と賃金水準の確認についてでありますが、工事請負の受注企業に対しまして、下請企業で働く技能労働者も含めまして、適切な賃金が支払われるように通知文を送付するとともに、業界各団体の研修会など、さまざまな機会を通じて指導をしていくつもりでございます。
技能労働者の賃金水準の動向につきましては、例年、国とともに実施しております公共事業労務費調査結果などを比較することによりまして確認してまいりたいと考えております。また、現在、継続審議となっております公条約条例が施行された場合には、この条例によっても把握をすることができると考えております。
2点目の委託業務における最低制限価格制度の拡大についてということでありますが、委託業務は、業務の種類やその積算の考え方もさまざまでございまして、品質確保と過度の競争防止の観点から、個々に必要性を判断し、最低制限価格制度や低入札価格調査制度を順次導入してきたところでございます。低落札傾向にあります業務に対する最低制限価格制度の適用につきましては、まずは低入札価格調査制度の対象として、賃金実態や、あるいは低価格の影響、積算方法などを精査した上で判断をしてまいりたいと考えております。
それに前後して、本年1月に、北海道と札幌市が連携して、政府機能のバックアップ拠点としての札幌市の活用について、国に対して共同提案を行ったと伺っており、道と市の連携事例として評価をしているところであります。この提案の中では、一つに、政府機能が首都圏に一極集中している現状を踏まえ、大規模災害時には政府機能全体が継続不能になることも想定した備えが必要であることから、現在策定を進めている政府の事業継続計画、BCPの中で政府機能のバックアップ拠点として札幌市を位置づけることが盛り込まれております。もう一つには、札幌の政府バックアップ機能と相互に連携し、被災地への救援活動や物資供給を迅速かつ円滑に行うため、千歳・苫小牧地域を中心に災害時支援拠点を形成することや、災害の状況に応じ、日本海側航路を活用する場合の支援拠点として石狩湾新港及び小 港を位置づけることが提案されております。
我が会派としては、このたびの政府機能の誘致実現のためには、札幌市と北海道だけではなく、災害支援拠点としての位置づけを想定する千歳市、苫小牧市、石狩市、小 市などの周辺市町村との連携が必要だと認識しており、このような取り組みは、道内市町村との広域的な連携を深めながら、北海道の持つ資源と札幌の都市機能を結びつけるというまちづくり戦略ビジョンの考え方のまさに具体化になるものと考えております。
こうした行政による取り組みとは別に、先月22日の新聞報道によりますと、学識経験者や東京に本社を置く民間企業9社の道内支店長などで構成する首都圏バックアップ誘致研究会が、札幌市と北海道に対して、政府機能の誘致に向けたアプローチ強化や、リスク分散を重視した企業誘致の活動などについて提言書を提出したと報じられており、これらの具体化についても、関係機関との連携のもと、その実現可能性も含めて検討すべきと考えております。
そこで、1点目の質問でありますが、バックアップ拠点誘致に向けて、札幌市はこれまでどのような取り組みを行ってきたのか、改めてお尋ねするとともに、今回の研究会の提言をどのように受けとめているのか、伺います。
また、提言を受け、今後、政府機能の誘致に向けて具体的にどのような取り組みを行っていくのか、あわせて伺います。
我が会派としては、昨年の決算議会から継続してこの問題を取り上げてきましたが、このままでは、こうした好機をみすみす逃すことになりかねないと危惧しているところであり、先ほどの研究会の提言も踏まえ、今こそ、北海道と綿密な連携を図りながら、民間企業を巻き込んだオール北海道体制で本社機能の誘致に取り組んでいくべきであると考えております。
ここで、2点目の質問でありますが、札幌市では、民間企業の本社機能移転の動きに対応して、今後どのような方策を講じるおつもりなのか、改めて伺います。
また、他の地域においても企業のバックアップ拠点として名乗りを上げていることから、北海道や札幌市が中心となって首都圏にアピールし、本社機能を札幌に移転させる動きを加速させることが必要であると考えますが、全国的な競争の中にあって、どのように他の地域に負けない打ち出しを行っていくつもりであるのか、あわせて伺います。
2点目の研究会の提言の受けとめについてでございます。
首都圏に本社を置く企業の方々から、都市機能の集積など、札幌市の優位性を評価していただいたことをうれしく思いますとともに、北海道と札幌市の取り組みを後押しするものと、大変心強く思っているところでございます。
3点目の今後の取り組みについてでございますけれども、今後は、北海道のみならず、周辺市町村とも一層連携し、札幌圏の機能向上について検討を深めますとともに、民間企業や経済団体などに対しましても、この取り組みへの賛同の輪を広げ、官民一体となった誘致活動を展開してまいりたいと考えております。
2点目の他の地域に負けない打ち出しについてでございます。
今年度、北海道におきましても、新たに本社機能等の移転に対する補助制度が設けられておりますことから、今後は、北海道と共同歩調をとって誘致活動を展開してまいります。また、官民が一体となった政府機能の誘致活動を通じまして、札幌圏の存在感を高めますとともに、札幌市や北海道の東京事務所のほか、ご提言をいただいた民間研究会の参画企業や経済団体などのネットワークを活用しながら、首都圏の民間企業に対しまして札幌の優位性を訴えてまいりたいと考えております。
戦後、奇跡の復興をなし遂げた我が国ですが、時代の変遷とともに生活様式は多様化し、核家族化や少子高齢社会が進行いたしました。そのような中、住環境も大きく変化し、さまざまな問題が生じておりますが、その一つに空き家の問題があります。愛知県安城市では、空き家の連続放火事件が発生するなど、適切に管理されていない空き家については、安全・安心の観点からも社会問題としてクローズアップされているところであります。総務省では、5年ごとに住宅・土地統計調査を実施しておりますが、平成20年度の調査によると、札幌市においても、空き家は13万5,000戸あり、そのうち腐朽、破損ありとされたものは1万9,000戸にも上るとされております。
そこで、質問ですが、このような空き家にはどのような問題があり、地域にどのような影響を与えていると考えているのか、その認識について伺います。
そこで、伺いますが、本市において行政代執行を行うに当たっての支障があるとすれば、それは何か、また、全ての空き家に対応することは難しくても、本当に危険な建物については行政が積極的に除去に取り組む必要があると考えますがいかがか、お尋ねいたします。
そこで、お尋ねいたしますが、総合的な検討と言うからには、問題のある空き家については、生活環境や防災などの面も含めて検討する必要がありますし、利用が可能な空き家については、子育て世代への住宅提供など、有効に空き家を活用する方法なども検討する必要があると考えますがいかがか、また、現状の法令では対応することが難しい対策については、いわゆる空き家対策条例の制定を視野に入れて検討する必要があると思いますがいかがか、あわせて伺います。
次に、空き家の敷地に対します固定資産税の取り扱いに関しましては、国会でも取り上げているところでございまして、この問題は、特例対象外とする空き家の定義や住宅用地に対します軽減のあり方など、さまざまな観点から検討を要するものでありますことから、国等における議論の動向を注視してまいりたいと考えております。
札幌市におきましては、これまでも、おおむね所有者によります自主解決が図られておりまして、このような状況にあると判断された事案はいまだございません。行政による除却につきましては、市民の理解を得ながら、今後、慎重に検討していく必要があると考えております。
少子高齢化が進展する中で、経済を力強い成長軌道に乗せていくためには、良質で安定した雇用機会の創出を図るとともに、就労意欲のある全ての人々が、希望に応じて安心して生活できる多様な雇用形態を選ぶことができ、また、スキルアップすることで雇用機会を得られるようにすることが重要であります。とりわけ、社会に新たに旅立つ若者や社会に出たばかりの若者に対して、十分な能力開発の機会が与えられ、スムーズに就労できるよう、若者の雇用対策に対する重点的な取り組みが必要であると考えます。インターネットによる就職活動が急速に普及する中、就職活動に迷いや不安を感じる学生が多く、サポートを必要とする場合がふえております。また、就職留年や就職先が見つからないまま学校を卒業する未就職卒業者も数多く出てきております。こうしたサポートを必要とする学生等に対して、一人一人の特性に合わせ、特に中小企業との丁寧なマッチングを行うことができるような支援を拡充していくことが重要であります。
そこで、質問の1点目ですが、札幌市においては、新卒未就職者に対する就職支援事業として座学研修及び職場実習を行うジョブスタートプログラムを実施しておりますが、4年目となる今年度はどのように取り組んでいこうと考えておられるのか、伺います。
また、不安定な状態に置かれ、能力開発の機会も十分でないフリーターに対しては、貧困の拡大を防ぎ、格差の是正を図るために、より手厚い支援が必要であります。フリーターについては、国レベルでは、わかものハローワークによる就職に向けた支援体制をより一層充実させるとともに、産学官が協働で就職の可能性を高める職業訓練コースの開発を推進するなど、正社員としての道を切り開くための支援が求められております。
そこで、質問の2点目ですが、札幌市においても、フリーターなどへの就職支援事業としてジョブチャレンジプログラムを実施しておりますが、今年度はどのように取り組んでいかれるのか、伺います。
しかしながら、今日的なひきこもり状況を見た場合、適切な支援が受けられず、ひきこもりが長期化、高齢化し、親子が地域で孤立するケースが大変多いと認識しております。みずから相談に出向くことができないひきこもり者の支援には、相談が来るのを待って対応するのではなく、積極的に地域や家庭に出向いていく訪問支援、いわゆるアウトリーチ型の支援が重要であります。このアウトリーチ型の支援については、現在、民間団体において積極的な取り組みがなされています。
北海道のひきこもり親の会であるはまなすが運営しているNPO法人レター・ポスト・フレンドでは、ひきこもり者の細かな悩みやニーズを拾い上げ、北海道ひきこもり生活支援ガイドブックを発刊するとともに、ひきこもり当事者がみずからの経験と当事者性を生かし、すぐれたアウトリーチ支援を実施し、その取り組みを地域拠点型アウトリーチ支援事業としてまとめてこられました。この中では、ひきこもり経験者やその家族など、経験や当事者性を持った支援者、いわゆるピアサポーターが訪問支援を行うことが重要であることが述べられております。
また、愛知県のひきこもり者の家族会であるNPO法人なでしこの会は、愛知県から財政的支援を受け、長期のひきこもり者と家族に向けた訪問支援活動を最重点に、面接、ピアカウンセリング、居場所、活動拠点の設置などを行っております。
国では、平成21年度から、ひきこもり対策推進事業として都道府県と政令市にひきこもり地域支援センターの設置を求めており、政令市では既に14市が設置済みであります。その実施要綱には、児童期、成人期に応じた適切な支援を行うこと、また、名称をひきこもり対策の実施機関であることがわかるものとすることや、アウトリーチ型の支援を行うことも明記されております。また、本年度から、ひきこもり対策推進事業の新規事業としてアウトリーチ型支援の活動を担うひきこもりサポーターの養成研修、派遣事業が実施され、その実施機関としてひきこもり地域支援センターが重要な役割を担うこととなっております。
さらに、先日、我が会派で視察した横浜市では、特徴的な取り組みとして、ひきこもり地域支援センターでもある青少年相談センターを初め、若者サポートステーション、地域ユースプラザの三つの専門機関が支援連携の核となるユーストライアングルを形成することにより、多様な段階にある相談者に対して広く受け皿を用意しておりました。
なお、北海道では、平成21年にひきこもり地域支援センターを開設しておりますが、相談延べ件数は年々増加し、実相談人数も24年度は前年度比35%増となっており、相談者の状況では、高齢化、ひきこもり期間の長期化傾向が見られるとのことであります。
そこで、質問ですが、札幌市では、ひきこもりの長期化、高齢化についてどのように認識されているのか、また、このように国や他の自治体、さらには民間においてもいろいろな取り組みがなされている中、札幌市として、ひきこもり地域支援センターの設置や民間団体との連携等、今後どのようにひきこもり対策に取り組んでいくお考えか、伺います。
2点目のフリーターなどへの就職支援事業についてでございますが、ジョブチャレンジプログラムは、おおむね35歳未満のフリーターや若年求職者を対象として実施をしておりまして、今年度は、合同企業説明会の参加企業数をふやし、就職機会の一層の拡大に努めてまいりたいと考えております。
今後は、ひきこもりの長期化や高齢化を踏まえ、ひきこもりの本人や家族が支援機関とつながるよう広報に努めますとともに、民間団体等と連携をし、こちらから出向いていく、いわゆるアウトリーチ型の支援を実施するなど、体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
障がいのある方の就労支援を推進するに当たっては、札幌市役所が一丸となって、障がいのある方の雇用や障がい者施設等からの調達に率先して取り組み、これを民間企業に波及させていく責務があると考えております。また、民間企業に就職する方が安心して働き続けられるよう、就労面だけではなく、生活面も含めた切れ目のない相談支援体制を構築するとともに、障がい者施設等で働く方の賃金や工賃の向上に向けて、障がい者施設への業務発注をふやしていく必要があります。
この4月には、我が党が一貫して法制化を求めてきた障害者優先調達推進法が施行されるに至りました。この法律においては、国や地方公共団体等において、障がい者施設等から優先的に調達するための方針を策定、公表し、調達実績についても取りまとめて公表することとなっております。
国において基本方針が閣議決定されたところでありますが、札幌市においては、まだ調達方針が策定されていないと聞いております。障がいのある方の支援ということを考えると、保健福祉部局のみで行うべきものではなく、全庁的に取り組む課題であると考えております。
ここで、1点目の質問でありますが、障害者優先調達推進法の施行を踏まえ、障がい者施設等からの優先調達を今後どのように推進するのか、伺います。
また、福岡市のセンターにおいて障がいのある方を就職に結びつけた件数は、昨年度で188名、平成15年度の開設からの累計で1,306名と、着実に実績を積み重ねております。改めてセンターでお尋ねしたところ、働きたい障がいのある方も、雇用をしたい企業もともに増加しているが、それに対応する形で双方の間に立ってマッチングする人材が不足しているとのことでありました。障がいのある方に対してどのような仕事が可能かを評価することも、企業に対してどのような職域で雇用が可能かを提案することも、どちらも大変手間のかかることであり、札幌市においても状況は同様であると考えます。
札幌市の就業・生活相談支援事業所における相談支援件数や就職に結びついた件数は年々増大し続けているにもかかわらず、平成25年度においても、就業・生活相談支援事業所への1カ所当たりの委託料予算は増額となっておりません。ジョブサポーターは、毎年1人ずつ増員されて、やっと今年度で3名という状況であります。支援に従事する支援担当員の負担軽減を図る上でも、委託料の増額とジョブサポーターの増員を引き続き強く求めていくものでありますが、障がいのある方の就職者数を今後も一定数以上を確保し、また、就業支援を切れ目なく進めるためには、保健福祉部局だけではなく、各関係部局においても公的機関や民間事業者との連携をさらに強化していく必要があります。
そこで、2点目の質問でありますが、障がい者の就労支援において関係機関との連携をどのように強化するつもりであるか、お尋ねいたします。
今回の障害者優先調達推進法の施行に伴います札幌市としての調達方針につきましては、現在、関係部局間で連携しながら、早期策定に向けて取り組んでいるところであります。これを契機として、障がい者の自立の促進のために、さらに一層、庁内一丸となって取り組みを進めてまいりたいと考えております。
札幌市といたしましては、障がい者の支援にかかわるさまざまな関係者に自立支援協議会への参加を働きかけることで、企業と福祉関係者の相互理解を一層促進し、就労支援のさらなる強化を図ってまいりたいと考えております。
しかしながら、当地区の現状は、JR学園都市線による東西市街地の分断、横新道の慢性的な渋滞、脆弱な生活道路に起因する土地利用更新の停滞などの課題を抱え、今でも一昔前のたたずまいを残す場所が見受けられる状況であります。
このような中、当地区のまちづくりの動きが本格化したのは、平成7年の横新道オーバーパス化に対する地元説明会がきっかけでありました。そこでは、昭和40年の古い計画のまま、まちづくりを進めていいのかですとか、改めて当地区にふさわしいまちづくりを考えるべきではないのかなどといった声が上がり、まちづくりへの機運が高まったことが始まりであります。
その後、札幌市と地域が協力し合い、ともに汗を流しながらワークショップや勉強会などを積み重ね、平成9年にはまちづくりの目標像となるまちづくりガイドラインが、平成14年には整備計画となる篠路駅周辺地区まちづくり事業計画が策定され、鉄道高架事業と区画整理事業を柱に北区北部の拠点地区としてのまちづくりを目指すことが打ち出されました。この取り組みは、これまで計81回開催され、延べ1,590人にも及ぶ地域の方々が参加していますが、パートナーシップ型のまちづくりの先駆けとしてさまざまな場面で評価されたすばらしい取り組みでありました。
それから11年、駅西側の再開発など、一部の事業は実施されたものの、まちづくりの柱である鉄道高架事業と区画整理事業は依然として進展がない状況にあります。また、駅東側の花畔札幌線についても、篠路出張所やJR篠路駅につながる地域の重要な連絡道路でありながら、道路幅が狭く、特に冬季において歩行者や自動車の通行に支障を来している状況となっております。
この間、地域では、決して諦めることなく、地道にまちづくりの取り組みを継続しながら、早期実現を求める要望を行ってまいりました。我々北区選出議員も、地域の悲願をかなえるため、党派を超えて一致団結し、議会においてもたびたび取り上げてまいりました。昭和40年に横新道が都市計画決定されてから、手つかずのまま48年が経過し、地域のまちづくりへの継続した取り組みは、平成7年に本格化してから18年にも及ぼうとしております。本市の財政が厳しいことは理解できますが、新たなまちづくりの指針となる札幌市まちづくり戦略ビジョンがスタートしようとする今こそ、当地区が本市のまちづくりにおいて担うべき役割の重さ、これまで地域の方々が流した汗の重さ、18年という時間の重さを踏まえて、当地区のまちづくりについて方向性を出す時期と考えます。
そこで、質問ですが、札幌市として篠路駅周辺地区のまちづくりを今後どのように進めていくのか、市長の考えを伺います。
今後は、歩いて暮らせるまちづくりの観点や、あるいは、事業効果の面などから検討を加える必要がありますが、まちづくり事業計画に示された鉄道高架と、それから、区画整理を柱とした一体的なまちづくりを踏襲いたしまして、その実現を目指していく所存でございます。具体的には、今年度から関係機関との協議をスタートさせ、おおむね5年後の事業化を目指していきたい、このように考えています。
また、ご指摘のありました花畔札幌線につきましては、早期に道路整備を完了できるように先行して着手してまいる所存でございます。地域の方々、そして北区選出の議員の皆様方のこれまでの大変なご努力に敬意を表しますとともに、長い間お待たせをすることになってしまいましたが、まちづくりの早期実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。