議会報告

平成25年第1回定例議会
代表質問 三浦 英三 議員
(清田区)

2月19日札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して三浦 英三 議員が代表質問を行いました。
市長の政治姿勢について、平成25年度の予算編成について、防災・減災ニューディールについて質問しました。
以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。
no1
市長の政治姿勢について
(1)北海道との連携強化について
①道と市の連携の重要性
 先般、北海道知事と市長が行政課題について話し合う、北海道・札幌市行政懇談会が2年ぶりに開催されました。

 懇談会の中で、例えば、「北海道バックアップ拠点構想」に関し、非常時における首都機能の代替拠点としての札幌市の活用について、道と市が連携して国に提案をしていくということが合意されたと聞いています。

 その他にも、「行政推進体制」分野での協議の場を設置していくことなど、さまざまな連携の方向性を確認したと聞いております。

 市長はかねがね「北海道の発展無くして札幌市の発展はない」とおっしゃっていますが、今後の札幌市の発展を考えた際、道と市の連携の重要性について、どのように考えておられるのか、基本的な認識を伺います

②道と市の連携の深化
 今後、道と市の連携をどのように深めていくのか、併せて伺います
(2)今後のまちづくりにおける子どもの位置づけについて
 「まちづくり戦略ビジョン」は、今後10年間のまちづくりの方向性を示すものでありますが、その基本理念として、「札幌の未来をつなぐ子どもたちのために」を掲げ、子どもを未来のまちの象徴として位置づけております。

 子どもを第一に考え、子どもを不幸にしない、チャイルドファースト社会を構築していくためには、まちづくりのあらゆる場面で、子どもの目線を取り入れていくことが重要ではないかと考えます。

 今後、まちづくりの中に、子どもをどのように位置づけて、取り組んでいくのか、市長の考えをお聞かせください
(3)都心アクセス道路の強化について
 我が会派では、高速道路と都心に至るアクセス道路の強化、とりわけ創成川通の空間を活用した、札幌北インターチェンジから都心に至る都心アクセス道路の強化が必要である、と訴えてまいりました。

 また、先の東日本大震災では、津波で甚大な被害が生じた太平洋側・沿岸部からの避難や支援等に、高速道路や国道などの交通ネットワークが重要な役割を果たしたところであります。

 災害対応としての観点も含めて、創成川通の空間を活用した、都心部と高速道路のアクセス性を強化させる取組について、市長の見解をお伺いいたします
(4)児童心療センターへの対応について
①児童心療センターの医師退職にかかる対応
 児童心療センターの問題では、現場に大きな混乱や課題が山積している状況で、具体的な解決策もないまま、局面を打開するためにという理由でお辞めになる姿勢は、責任の取り方として大変問題があったと考えております。

 今回の一連の対応について、しっかり検証し、今後、本市における他の施策や施設なども含め、このようなことが2度と起きないよう、最前線で頑張っている現場職員と、幹部職員、本庁職員との意志疎通の手法を確立すべきだと考えております。

 児童心療センターの医師退職にかかる対応について、副市長辞職により、さらに不安を感じている利用者に対して、児童心療センターの維持、存続に向けた対応策の詳細を早急に明らかにし、説明すべきと考えるがいかがか

②現場職員との意思疎通の手法等の検討
 今回の件を契機に、市民のため最前線で働く現場職員の意見や要望をどのように聞き、どのように対応していくのかなど、意志疎通の手法をあらためて検討すべきと考えるがいかがかお伺いします
(1)北海道との連携強化について
1点目の道と市の連携の重要性について
 札幌の魅力や活力は、豊かな自然や食など、北海道の世界に誇る優れた資源によって支えられていることから、札幌が更に発展していくためには、道内178市町村に札幌の都市機能を有効に活用していただきながら、北海道の魅力や資源の付加価値を高め、国内外に情報発信していくことが必要であると考える。

 そこで、広域自治体である道には、自治体間連携の調整や北海道全体の活性化に向けた構想立案などの役割を期待するところであり、道と札幌市双方が同じ方向のもとで、それぞれ役割分担をしながら緊密に連携していくことが、北海道全体の発展に向けて極めて重要と認識。

2点目の道と市の連携の深化について
 先に開催された、北海道・札幌市行政懇談会においても、「経済・観光」「災害対策」「食の安全・安心」の各分野における道市間協議の場を活用し、議論を深めながら、具体的な施策の展開へとつなげていくことを確認したところ。

 また、道と市の若手職員が北海道と札幌の未来について闊達に意見交換する場を設けることで、政策の創造と両組織間の人的ネットワークの充実を図ることを狙いとして、来年度から若手職員による「(仮称)政策研究みらい会議」を設置することでも合意。

 さらには、道と市の連携をよりスムーズに展開するため、来年度から、新たに政策部門の人事交流も行うことについて合意したところであり、今後とも、北海道の未来創造に向けて、道・市間の連携を深めてまいりたいと考えているところ。
(2)今後のまちづくりにおける子どもの位置づけについて
  子どもがまちづくりに参加することにより、子どもならではの視点を施策に反映することができることから、まちづくりに子どもの参加は欠かせないものと考える。

現在も「子ども議会」や「キッズコメント」により、真剣な議論を踏まえた子どもの意見を札幌市のまちづくりの施策に反映させているところ。

 そのほか、高校生の体験学習(予算編成シミュレーション)や中学校への出前講座などを通じて、予算編成にも子どもの意見を反映。

 今後のまちづくりにおいても、子どもの参加が、将来、自立した大人に成長して札幌の市民自治を担っていくことにつながるものと位置づけ、多くの子どもが市政や地域活動に参加しやすい環境づくりを一層促進したい。

 このことにより、子どもたちを含めた全ての市民が主役となり、札幌の未来を築き上げていくことができると考える。
(3)都心アクセス道路の強化について
 創成川通の空間を活用した、都心部と高速道路のアクセス強化については、札幌の都市機能を有効に活用し、道内各都市が持つさまざまな機能を全道に波及させるといった観点から、重要と認識。

 更に、災害時の対応においても、道内各都市への相互支援に資するなど、重要な役割を担うもの。
 これまでも、札幌市の重点要望として、国に対し、要望活動を行ってきたところ。
 今後は更に、国道管理者である北海道開発局との連携を強化し、札幌市として、市民への情報提供など必要とされる対応を図り、その実現に向けた取組を進めて参りたい。

●想定される札幌市の対応
・市民への情報提供、説明会などの理解の促進
・都市計画決定の手続き
・国の事業化に向けた要望活動
・直轄負担金 ・交差道路や創成川の改修などの関連事業   など
(4)児童心療センターへの対応について
1点目の児童心療センターの医師退職にかかる対応について
 市内部の医師の人事異動による対応を含め、少なくとも常勤医師は3名確保できる予定。

 この常勤医師に加え、北海道大学、札幌医科大学及び市内民間医療機関などに協力を呼びかけ、数名程度は非常勤医師として確保できる見込みとなっている。

 これ以上の詳細については、人事上の問題もあり、現段階で詳細な説明は差し控えたい。
 児童心療センターの入院患者の行き場がなくなるようなことは、絶対に避けるので、安心していただきたい。

2点目の現場職員との意志疎通の手法等の検討について
 職員間の意思疎通については、平成16年に策定した市役所改革プランにおいて「横断的な情報共有の推進」を掲げるなど、市長就任当初から市役所内でのコミュニケーションの充実には意を用いているところ。

 これまでも、業務ごとに本庁職員と現場職員が会する定例連絡会議の開催や、業務執行体制の検討、現場職員が使用するマニュアルの作成などの特定課題の解決のために本庁職員と現場職員が一体となって検討を進めるプロジェクトの設置など、本庁と現場、現場同士の支援関係の構築や意思疎通の円滑化に努めてきたところ。

  児童心療センターでは、更なる意思疎通に向け、今回の件を契機に、本庁職員と現場職員の定期的な意見交換会を行うこととしたところであり、今後もこのような取組などを始めとして、さまざまな方法を通じて現場と本庁等との双方向の意志疎通に努めてまいりたい。
no1
平成25年度の予算編成について
(1)公明党の要望に対する予算への反映について
 私たち公明党は、従前より、防災・減災対策や、民間の成長力強化に加え、暮らしの安心の確立などへの重点化を主張してまいりました。

 今回の国家予算には、補正予算を含め、こうした政策が幅広く盛り込まれたところです。

こうした項目について、札幌市の予算にどのように位置づけ、事業化したのか、お伺いいたします
(2)円安による市民生活への影響について
 今後、景気回復による市民所得の向上が期待できるとはいえ、現在のように円安が急激に進むと、原油や輸入食品などの物価の高騰は避けられず、市民生活への影響も懸念されるところであります。

 今後、更に円安が進み、物価の急激な上昇が続いた場合には、市民生活への影響を考慮し、必要に応じて、低所得者などへの対策を打つべきと考えますが、いかがか伺います
(3)市債発行に対する考え方について
 平成25年度の当初予算におきましても、地方交付税の振り替わりである臨時財政対策債が、対前年度比76億円増の645億円となるなど、市債の発行額が大幅に増加しております。

 これらの補正予算・当初予算を通じた市債発行額の増により、全会計の市債残高は10年連続で減少傾向を維持できるものの、一般会計だけを見てみると、2年連続で増加の見込みとなっており、将来世代に過度な負担が残ってしまわないのか、懸念を持たざるを得ません。

 今回の予算における市債の発行に対する考え方について、市債残高に対する認識を含めてお伺いいたします
(1)公明党の要望に対する予算への反映について
 平成25年度予算は、国の緊急経済対策を活用した1定補正予算と一体的に編成して、地域の防災力の強化や民間の成長力強化、暮らしの安心を含む札幌市の重要かつ喫緊の課題に切れ目なく、積極的に対応することとした。

 具体的には、学校をはじめ、橋りょう、水道施設、下水道施設などの耐震化に加え、市有施設の非常用発電機の整備や全ての緊急輸送道路の路面下空洞探査を計上したほか、民間事業者による大規模太陽光設備設置を促進する取組、さらには、保育所の入所定員1,210名の増、救急安心センターの設置など、市民の安全・安心の確保や、企業活動を活性化させる取組に十分に意を用い、重点的に予算に盛り込んだところ。
(2)円安による市民生活への影響について
 現在の円安は、国の政策によるものと認識しているが、物価への影響に関しては、1月時点における消費者物価の動向は、おおむね安定しているところ。

 今後、急激に物価が高騰するようなことがあれば、市民生活への影響が懸念され、特に低所得者にとっては厳しい生活を強いられることにもなりかねないと心配。

 しかし、物価の高騰は広く国民生活に影響を及ぼすことから、その対策については、まずは国において取り組むべき課題と認識。

 石油製品については、円安の影響も受けて上昇傾向にあることから、国と事業者に対し価格の安定等の要請を行ったところ。

 札幌市としては、国の取組を注視していくとともに、物価の動向にも十分注意を払っていきたい。
(3)市債発行に対する考え方について
 平成25年度当初予算における一般会計の市債発行額は、臨時財政対策債の増加により前年度比3.6%増となった。また、一体的に編成した今回の補正予算においては、償還時に交付税措置がある有利な市債などを中心に、65億円の市債を発行することとしたところ。

 平成23年12月に策定した「行財政改革推進プラン」においては、平成26年度末時点の全会計の市債残高を、平成22年度末の残高より縮減させるというベンチマークを掲げているが、全会計ベースでは残高が縮減する見込みである。

 今後もこのように適切に債務を管理し、引き続き将来の世代に過度な負担を残さぬよう財政運営を行っていく所存。
no1
コンパクトシティへの具体的な取組について
 「持続可能なコンパクトシティへの再構築」は、成熟社会を支える都市づくり、効率的な維持管理が可能な都市づくり、環境と共生する都市づくり、地域コミュニティを高める都市づくりの視点から掲げられていた、大きなまちづくりの理念です。

 これまで札幌市が掲げてきた高次都市機能拠点、広域交流拠点、地域中心核などについて、もう一度、地域の特性を踏まえた見直しを図り、優先的に整備すべき拠点を選択し、コンパクトシティの核として有るべき姿を示した上で、行政が行うべきことを明らかにし、民間に受け持ってもらう部分については、そのための支援・誘導策を打ち出すなどの施策が、必要であります。

 また、人口減少・高齢化が進む郊外住宅団地などにおいては、コミュニティ再生のための具体的行動に当たって、市が率先して、積極的に地域に入り、一緒に考えていくことが求められているのであります。

 持続可能なコンパクトシティへの再構築について、市長の見識をお伺いします併せて、高齢化が進む地域における再生のための地域計画策定への取組、拠点整備のための具体的な民間支援策の検討などについて、市長の見解をお伺いします
 まず、持続可能なコンパクト・シティへの再構築については、ご質問のとおり、成熟社会を支える都市づくりなどを背景とした理念である。

 これらの背景に加え、低炭素社会や脱原発依存社会の実現という社会的要請に応えていく上でも、コンパクト・シティの理念は、今後ますます重要になるものと考えている。

 まちづくり戦略ビジョンの案にも、こういった考えを反映させており、今後引き続き策定を予定している戦略編においても、この理念のもとに持続可能な都市空間のあり方を位置付け、質が高く、エネルギー効率の良いまちづくりを総合的に展開していきたい。

 次に、拠点整備や地域再生の具体的な取組については、拠点においては、これまでも再開発事業の実施や都市計画の緩和制度の適切な運用により、機能集積を誘導してきたところ。

 さらに今後は、より積極的に土地利用更新の機会をとらえて機能集積を促していくため、民間事業者にとってどのような支援策が有効なのか、事業者の意向も踏まえながら検討してまいりたい。

 また、郊外住宅地については、多様な地域課題に対応するため、もみじ台や真駒内において、地域と共にまちづくりを考え、身近な交流の場を創り出すなど、地域再生に向けた取組を進めてきたところ。

 さらに、他の地域についても、今後、その地域課題に応じて、このような先行事例を踏まえた取組を展開してまいりたい。
no1
再生可能エネルギーの普及拡大について
 再生可能エネルギーの導入拡大は、国内エネルギー自給率の向上やCO2排出を削減するために大変重要であり、更には、国内経済の活性化も期待できるため、昨年7月に始まった固定価格買取制度の利用拡大や屋根貸し制度の普及、規制緩和や送電網の整備・広域化などを進めていくことが、重要であると考えております。

 札幌市内の住宅・太陽光発電設備については、国や札幌市の導入支援もあって、普及が急激に伸びており、今年度、札幌市の支援を利用して設置した設備の合計は約3,800kWの見込みで、確実に導入が進んでいることを実感しております。

 これまで、一方的に電力を消費するという立場でしかなかった市民や事業者などが、これからは自らが電力を創りだす発電者という新たな立場になる、正に「エネルギー社会構造の転換期」を迎えております。

 このように新しいエネルギー社会の構築を見据え、現在高まってきている太陽光発電などの導入拡大の機運を捉え、札幌市として、再生可能エネルギーの普及拡大を、今後どのように進めていくお考えか伺います
 札幌市では、これまでも学校や市有施設に、太陽光発電やペレットボイラーなどの積極的な導入を図ってきており、また、市民・事業者に対しては導入費用の一部を補助することで、再生可能エネルギーの普及に努めてきている。

 新年度は、新エネ・省エネ機器の導入支援事業である「札幌・エネルギーecoプロジェクト」の補助枠を大幅に拡大するとともに、太陽光発電と蓄電池の組み合わせを、新たな補助対象にするなど支援の充実を図ってまいる。

 更には、市内の民間遊休地等に大規模太陽光発電を誘致するための新たな支援制度の創設や、土地所有者と発電事業者との情報交換の場を提供するマッチング事業などを通じて、より一層再生可能エネルギーの普及拡大を図ってまいる。
no1
防災・減災ニューディールについて
(1)防災・減災対策の推進体制の強化について
 札幌市においては、「予防保全」の考え方を導入するなどインフラの特性に応じた維持管理を行い、ライフサイクルコストの縮減を目指しているところではありますが、札幌市全体としての防災・減災対策の実施状況の検証、実施する施策の総合調整など、推進にあたってのマネジメント機能が弱いのではないのかと懸念しているところであります。

 札幌市全体の防災・減災対策の推進体制の強化をどのように行うのか、伺います
(2)地域の元気臨時交付金の活用の考え方について
 国が新たに打ち出した「地域の元気臨時交付金」の特色として、一定の制限はありますが、地方単独事業に対して充当が可能となっております。

 これは、従来自治体が独自に実施してきました、インフラの老朽化対策や防災・減災対策事業に当該交付金が充当でき、遅れがちであったこれらの取組の促進が可能となります。

 今回の25年1定補正で実施する各種事業に対する、地域の元気臨時交付金の活用の考え方について、伺います
(3)学校「非構造部材」の耐震化対策について
 小中学校は、日常は子どもたちの学習の場、生活の場でありますが、それと同時に、災害時には地域住民の避難場所としての役割を果たす場であります。学校施設の安全と安心を十分に確保するためには、構造部分だけではなく、非構造部材と呼ばれる天井や照明器具、窓ガラスなどの耐震対策も喫緊の課題となっているのであります。

 文部科学省の調査によれば、非構造部材の耐震化の第一歩となる耐震点検は、全国小中学校の4割弱が実施しておりません。また教職員らによる定期点検も5割以上が実施未定のままであります。

 札幌市の小中学校における非構造部材の耐震化の現状とこれまでの取組、そして今後の対応について、お伺いします
(1)防災・減災対策の推進体制の強化について
 まちづくり戦略ビジョンにおいても、地域防災力が高く災害に強いまちづくりを進めることとしており、防災対策の総合的な推進は重要であると認識。

 地域防災計画の協議などの場として、ほとんど全ての局長職で構成する「危機管理対策会議」を平成20年度から設置している。

 今後は、この会議をより有効に活用し、防災・減災対策の実施状況の点検・調整を行うなど、札幌市全体として防災・減災対策をより強く推し進めてまいりたい。
(2)地域の元気臨時交付金の活用の考え方について
 ご指摘のとおり、札幌市においては、市有施設の耐震化や老朽化への対応といった、市民の安全と安心の確保にかかる対策が急務となっているが、その財源確保も課題の一つとなっているところ。

 今回の地域の元気臨時交付金については、単年度限りの措置ながら、地域で必要な事業を進めるためのはずみになるものと受け止めており、制度の趣旨を踏まえ、喫緊の課題であると認識している単独事業のうち、追加実施または早期着手が可能な工事等に活用することとしている。

 具体的には、防災・減災に資する事業として、各区土木センターへの非常用自家発電機の設置やアンダーパス冠水警報装置の設置設計などに充当し、さらに、インフラの予防保全として、老朽化した市有施設の保全工事や、補助幹線道路等の舗装路面改良(オーバーレイ)、生活道路の改良工事などに充当したところ。
(3)学校「非構造部材」の耐震化対策について
 札幌市の小中学校の非構造部材については、教職員及び教育委員会による点検を、すべての学校において実施。その結果、対策が必要とされたものは、緊急修繕等により対応してきたところ。

 避難場所となる体育館においては、札幌市では、天井材は使用していないが、照明器具については、耐震補強工事や改築にあわせて対策を実施してきているところ。

 体育館の窓ガラスについても、今年度から飛散防止対策に着手し、25年度予算案にはガラス飛散防止対策費を新たに計上するなど、順次対策を進めていく。

 文部科学省においては、今年度作成予定の天井等落下防止対策の手 引きに続き、25年度には校舎等の非構造部材の耐震対策が示される予定であり、それらを踏まえ、学校施設の非構造部材対策の充実を図ってまいりたい。
no1
高齢者の安全・安心を支える仕組みについて
(1)あんしんコール事業の緊急通報システムからの見直しについて
 札幌市では、高齢者の安全・安心を支える仕組みのひとつとして、慢性疾患をお持ちの高齢者が、自宅での発作など、万が一の際に、ボタン1つで救急車を呼ぶことができる「高齢者緊急通報システム事業」を昭和63年から実施しておりますが、制度の開始から、今年で25年目となります。

 この間、高齢化の急速な進展や核家族・単身世帯の増加など、高齢者を取り巻く環境は劇的に変化しており、このような中で、この緊急通報システム事業にも、さまざまな課題が浮かび上がってきております。

 今回、提案されている「高齢者あんしんコール事業」は、これまでの高齢者緊急通報システム事業を、様々な課題やモデル事業の検証結果などを踏まえて改善し、新たな事業として立ち上げるものということであります。

 この高齢者あんしんコール事業では、現行の高齢者緊急通報システム事業を、どのように見直すことを予定しているのかについて伺います
(2)あんしんコール事業の高齢者施策の中での役割について
 札幌市では、平成24年度から26年度までを計画期間とする「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」を策定しておりますが、この計画では、高齢者が住み慣れた地域で、その有する能力に応じて自立した日常生活を送ることを目指した「地域包括ケア」の実現に向けた取組を行う、としております。

 しかしながら、一人暮らしの高齢者が住み慣れた地域で生活を続けたいと思っても、日常の相談相手もおらず、万が一の際に助けを求める先も無いなど、在宅生活の不安が大きいために、不本意ながら、施設での生活を選択せざるを得ないという事情があるのではないでしょうか。

 このたび新たに立ち上げる高齢者あんしんコール事業は、高齢者が在宅生活を続ける上での不安の解消につながる事業ではないかと考えておりますが、この事業は、今後の札幌市の高齢者施策の中で、どのような役割を担っていくと考えているのか伺います
(1)あんしんコール事業の緊急通報システムからの見直しについて
(1) あんしんコール事業の緊急通報システムからの見直しについて
 札幌市では超高齢社会を迎えた中で、核家族化や地域のつながりの希薄化も進んでおり、ひとり暮らし高齢者や地域から孤立する高齢者はますます増加するものと見込まれる。

 これからは、このような高齢者の日常生活における安心感を高めていく仕組みを作ることが必要。

 この事業では、民間の受信センターに医療や介護等の専門職を常駐させ、緊急通報に加え、健康・生活相談に24時間体制で対応するほか、センターの側からも定期的に電話訪問を行い、利用者一人一人の状況を的確に把握し、心身の状況に応じたきめ細かな対応を行う。

 また、対象者についても、85歳以上のひとり暮らしの方は心身の状況を問わないこととするほか、介護保険の認定を受けている方を加えるなど要件を緩和。

 地域協力員の登録も任意とするなど、高齢者の実情を踏まえた使いやすい制度とする。
(2)あんしんコール事業の高齢者施策の中での役割について
 相談機能の充実によって、現行事業が担う「もしもの時の不安」の解消に加え、日常的な悩みや孤独感を和らげるなど、心身に不安を抱える高齢者の安心した在宅生活を支える。

 また、定期的な電話訪問は、町内会や民生委員などによる見守りの目が届きにくいマンション等に暮らす高齢者の見守りにも有効であり、よりきめ細かい「福祉のセーフティネット」の構築にもつながる。

 以上のことから、このあんしんコール事業は、住み慣れた地域で安心して生活を続けられる環境づくりに役立つものとして、地域包括ケアの推進のために重要な役割を担う事業と考えている。
no1
要援護者支援の課題について
(1)要援護者に対する取組について
 白石区のマンションで発生した痛ましい姉妹の孤立死から、1年が経過いたしました。

 札幌市が、知的障がい者への現況調査を実施し、昨年7月以降、希望する方への民生委員・児童委員の見守り活動を開始し、ライフライン関係事業所との連携を強化するなど6項目の取組を進めていることは、評価しております。

 札幌市ではこの1年間、孤立死を防ぐ手段として、福祉支援を必要とする要援護者に対してどのような取組を実施し、また、今後どのような対策を実施していくのか、主だったものについて、伺います
(2)要援護者情報の提供について
 見守り・安否確認活動に取り組んでいる町内会や自治会では、自ら保有する情報を活用し、高齢者を中心に、要援護者と見込まれる方から、個人情報の取扱について同意を得た上で、活動している状況であります。

 最近、一部の自治体において、高齢者や障がい者を対象とした独自の要援護者支援対策として、個人情報保護を遵守しながら、個人情報の開示や活用を視野に入れた条例を制定する動きがあります。

 札幌市も、行政や民生委員の保有している要援護者に関する情報を、行政自らが本人の同意を得て地域に提供し、見守り・安否確認活動を実施してもらうよう働きかけることによって、地域の負担感が軽減され、情報の共有が進むのではないかと考えているところであります。

 市として支援を必要とする要援護者に関する情報をどのように地域と共有していくお考えなのか伺います
(1)要援護者に対する取組について
 白石区の姉妹孤立死を契機として、札幌市としては、大きく2つの視点で取組を進めてきたところ。

 一つ目として、支援を必要とする可能性がある市民の情報を行政内部でしっかり共有出来るようにするとともに、障がい者相談支援事業所等関係機関との情報共有について再確認し、連携を強化した。

 二つ目には、民生委員・児童委員による新たな知的障がい者に対する見守りのほか、民間事業者との連携に努め、漏れのない見守りや支援の仕組みの構築を進めてきたところ。

 具体的には、生活に困窮している方が生活保護への相談につながるよう、ライフライン事業者との連携に努めるとともに、本年1月からは、市内全域において宅配事業を実施している民間事業者3社の協力を得て、高齢者、障がい者を対象に営業活動を通じた見守り体制の構築を図ったところ。

 今後も、行政ばかりでなく、広範な市民、事業者による、それぞれの特性を活かした見守り・安否確認活動を推進し、これらの活動のネットワーク化を通じて、要援護者が孤立することのない、複合的・重層的な支援の仕組みの構築に努めてまいりたい。
(2)要援護者情報の提供について
 札幌市では、地域社会において高齢者が安心して日常生活が営むことができるよう、従来から、民生委員・児童委員に65歳以上の方の情報を提供し、状況を調査するとともに、ひとり暮らしの方については定期的な巡回相談を実施してきた。

 また、札幌市個人情報保護審議会での承認を得て、区社会福祉協議会及び地区福祉のまち推進センターに対し、地域住民による見守り活動に資するよう65歳以上の世帯名簿を提供しているところ。

 しかしながら、地域によっては、関係者間の情報の共有が難しいため、要援護者に対する見守り等の活動が進んでいない状況も見受けられる。

 そこで、札幌市としては、保健師等区役所職員が今まで以上に地域に赴き、民生委員と福祉のまち推進センター、町内会等との連携を図り、個人情報の取扱のルールや役割分担を明確にすることで、要援護者に関する情報が地域で共有できるよう支援に取り組んでいく。
no1
地下鉄事業10か年経営計画について
(1)地下鉄事業10か年経営計画の達成状況の評価について
 この計画の最終年次となる平成25年度予算では、営業収支については計画どおりの収支改善を図ることができ、経常収支については計画に対し15億円好転するなど、概ね、計画を達成することができているようであります。

 今後、超高齢社会の到来、生産年齢人口の減少、地球環境問題への対応などを考えますと、地下鉄の役割は、ますます高まってきており、市民に親しまれ、利用者の利便に適った公共交通という視点での事業展開が、更に必要になってくるものと思うのであります。

 今後、札幌市における新たな地下鉄事業の経営計画・策定に当たっては、全庁を挙げた組織横断的な検討を行い、経営の効率化に加え、市民目線での取組など、アクションプラン的な要素を、しっかりと盛り込んだ計画にすべきと考えます。

 現地下鉄事業10か年経営計画の達成状況を、どのように評価しているのか伺います
(2)次期経営計画策定に当たっての目指す方向性について
 将来にわたり経営基盤を盤石なものとしていくためにも、経営効率化はもとより、これまで我が会派が提案してまいりましたような、利用者の視点に立った経営計画とするべきと考えますが、次期経営計画策定に当たっての目指す方向性について伺います
(1)地下鉄事業10か年経営計画の達成状況の評価について
 交通局では、平成20年度に全駅実施となった地下鉄駅業務の委託化などの効率化や、平成17年度から整備を始めた東西線と南北線でのホーム柵などの安全対策を局一丸となって展開してきた。

 これらの取組が実を結び、営業収支は8年連続で黒字を計上するなど、着実な経営改善につながったとともに、お客様に、より安全で快適に地下鉄をご利用いただけるようになったものと考えている。
(2)次期経営計画策定に当たっての目指す方向性について
 札幌市の交通事業は、今後もより安全な輸送サービスと経営の健全化に努めつつ、若者の自動車保有率の減少や超高齢化が進む社会の中で、より時代に合った利用者サービスや施設の改善など、新たな社会的要請にも十分応えていく必要がある。

 特に、平成27年春には、路面電車において、本格的なサイドリザベーションによるループ化が実現するため、都心の賑わいの創出や、経済・観光などの活性化につながることが期待されている。

 そこで次期経営計画の策定に当たっては、地下鉄のみならず路面電車も含めた両事業について、持続可能な経営と利用者の視点に立ったサービスの向上を目指してまいりたい。
no1
教育問題について
(1)教員研修の充実について
 札幌市においても、昨年中学生が自ら命を絶つという大変痛ましい出来事があり、調査検討委員会が設置され、報告書が公表されています。

 この報告書においては、今後の自殺防止に向けての提言の中では、やはり「全教職員による子ども理解と視点の共有」が、第一に指摘されているところです。

 報告書の提言でも、子どもと毎日接している教師1人1人が、子どもが抱えている苦悩や不安に気付く感度を高めなくてはならないことなど、教師の資質向上を図ることの重要性が示されているところです。

 教育委員会は、報告書の提言を受け、教員の資質向上を図る教員研修を、どのように充実させようと考えているか伺います
(2)体罰について
 札幌市においては、体罰により懲戒処分を受けた教員は、減少してきているとはいうものの、依然として無くなってはおりません。体罰が表に現れるのは氷山の一角であり、実際には相当数あるのではないかと危惧しています。

 体罰は、子どもに肉体的な傷を負わせるだけでなく、自主性や尊厳を奪うなど精神的にも深い傷を残します。体罰が原因で不登校になったり、大人になっても、心の傷に苦しみ続ける人もおり、負の影響はあまりにも大きいのです。

①体罰の根絶に向けた取組
 札幌市教育委員会は、体罰の根絶に向けてどのように取り組んでいるのか

②体罰を起こした教員への再発防止に向けた指導
 体罰事故を起こした教員に対して、再発防止に向けてどのように指導しているのか、伺います
(1)教員研修の充実について
 教育委員会としては、これまで、研修資料を提供するなどしながら、 各学校における子ども理解等に関する研修を推進してきたところ。

 今後は、子どもの悩みに気付き、支援につなげる意識や資質を涵養 するための実効性のある研修の充実に努める。

 また、子ども同士の相互理解を深めるピア・サポート等の研修を進 めるとともに、管理職に対して、組織的にきめ細かに対応する学校体制の強化に重点をおいた研修を実施。

 これらの取組を通して、すべての教職員の子ども理解や生徒指導に関する資質や指導力の向上に一層努めてまいりたい。
(2)体罰について
1点目の体罰の根絶に向けた取組について
 平成16年度から、学校関係者以外の第三者を加えた「体罰事故調査委員会」制度を設置し、調査の透明性及び公平性を確保している。

 この制度や体罰に関する考え方を記載した資料を、毎年、各学校に送付し、体罰防止に向けた注意喚起を図っている。

 体罰も含めた不祥事防止については、昨年7月に「学校職員の懲戒処分に関する指針」を策定し、すべての学校において周知と研修に活用し、教職員の理解と意識向上を図っている。

2点目の体罰を起こした教員への再発防止に向けた指導について
 教員が体罰事故により処分を受けた場合は、校長から「事後報告書」を提出させて、その後の状況等を正確に把握し、体罰の再発防止に努めている。

 さらに、教育センターにおいて研修を受講させる等、二度と体罰を繰り返すことのないよう当該教員の指導力向上を図っているところ。
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清田区のまちづくりと将来展望について
 市の戦略ビジョン案を見てみますと、産業の目標に関しては、「道外や道内他市町村とのヒトやモノの流れの活発化」を将来のまちの姿としているところで、まさに清田区は、観光・商工業の地域交流ネットワーク拠点として、この役割を担っていく重要な地域として、将来的に期待されるべき区ではないかと思うのであります。

 清田区のあるべき将来像に対する現状の不足点を考えた場合、交流ネットワーク拠点、そして、安定的交通網がないこと、この2点が、大きな課題として浮かび上がってまいります。

 「ヒトやモノの流れの活発化」という将来像については十分理解いたしますので、ぜひそれを清田区でも具現化できるようにしていただきたいのですが、市の長期計画における清田の位置づけ・性格づけ並びに交通ネットワークのイメージについて、どのようにして行きたいのか。市長のお考えをお伺いいたします
 議員のご質問にもありましたように、清田区では、近年、良質な郊外住宅地の開発や、隣接する北広島市も含め大規模な商業施設が立地するなど、各種の機能が徐々に集積されつつあるものと認識。

 また、清田地区は、第4次長期総合計画においても、地域の日常生活を支える機能が集積する地域中心核の一つとして位置づけ、その機能を補完するための道路整備や土地利用計画制度の適切な運用などを進めてきたところ。

 まちづくり戦略ビジョンでは、現在、その戦略編の中で、都市空間に関する検討を進めているところであるが、清田地区については、引き続き、地域における拠点として位置づけたうえで、さらに機能向上を図ることが必要と考えている。

 また、交通ネットワークに関しては、平成24年に策定された総合交通計画において、清田は、公共交通機能の向上を図る地域としての位置づけがなされており、今後とも、公共交通サービスの利便性の向上などについてさまざまな観点から検討を進めてまいりたいと考えている。