議会報告

平成24年第3回定例議会
代表質問 涌井 国夫 議員
(西区)

9月26日札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して涌井 国夫 議員が代表質問を行いました。
市長の政治姿勢について、札幌市まちづくり戦略ビジョンについて、地域包括ケアシステムと災害時医療体制について質問しました。
以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。
no1
市長の政治姿勢について
(1) 北海道と札幌市の連携強化について
① 北海道における札幌市の役割と北海道に期待する役割
 広域的な自治体連携において、これまで札幌市は、首長同士が忌たんなく様々な問題を話し合える場として、平成19年度から石狩管内8市町村の首長による札幌広域圏首長懇談会、通称札幌圏G8を開催し、今年度は江別市において、「農商工連携と6次産業化」などについて意見交換をしている。
 また、平成21年度には、北海道の総合計画で「中核都市」と位置付けられている、函館、旭川、釧路、帯広、北見、札幌の道内6市による、中核都市市長会議を開催しており、今年度は帯広市において、「北海道における中核都市の役割」などについての議論をしている。
 さらに、これを一歩前に進めるとするならば、札幌市が北海道全体の底上げや活性化に積極的に関わり、道内全市町村はもちろんのこと、各圏域で産業振興やまちづくりなどに志を持って取り組むNPOなど民間団体等の声に耳を傾け、そのことに対して札幌市は何ができるかという観点から相談にのってあげられるような窓口を札幌市に設けることも有効な手立てでないかと思うところである。
 北海道における札幌市の役割をどのように考え、北海道に対してはどのような役割を期待するか、まず基本的な認識を伺いたい。
② 道内市町村等を対象とした相談窓口の設置
 大都市札幌の役割として、各圏域の市町村や民間団体等の相談を受け付ける窓口を札幌市に設置してはどうかと考えるが、いかがか伺いたい。
③ 北海道と札幌市が政策的に連携すべき分野
 北海道と札幌市において、今後どのような分野で政策連携をしていく必要があると考えているか伺いたい。
(2) 社会保障と税一体改革について
 「社会保障と税の一体改革」関連法は、8月10日に成立いたしました。 今回の一体改革案は、消費増税によって安定的な財源を確保し、その増税分を年金、医療、介護、子育ての社会保障4分野の維持、充実に充て、国民生活の安心を守ることを意図したものであります。
社会保障の安定財源の確保と増税による市民負担の増大のバランスをいかにとるかは極めて難しい問題ですが、社会保障に関しては、そもそも地方自治体が果たす役割が大きいことから、その財源の安定的な確保が可能となったことは、とりもなおさず市民生活の安定に大きく寄与することにほかならないと考えます。
  昨年来国政の場等で様々な議論が行われ、ようやく関連法案の成立にこぎつけたこの「社会保障と税の一体改革」ですが、これまでの議論の推移についてどのように評価しているか市長の認識をお伺いします。
 この改革が札幌市を含む地方自治体の財政にどのような影響を及ぼすと考えているのか、お伺いします。
(3) この夏の節電の評価と冬の対策について
① この夏の節電の評価
 この夏の節電の成果は、市民、事業者、行政が一丸となって節電に取り組んだ結果であると認識しており、この成果を一過性のものとせず、継続することが大切であり、この取組をきっかけとして、ライフスタイルそのものを見直していくことが重要だと考えております。
 市長はこの夏の節電の結果をどのように評価しているか伺います。
② 冬の節電対策
 冬は、照明の点灯時間が長くなり、また、暖房や融雪による電力が増えるといった特徴があり、夏に比べて節電が難しいとも言われています。
 引き続き、厳しい冬の節電にも対応していくためには、効果的な対策を検討、実施していく必要があると考えております。
 この冬の節電対策にどのように取り組んでいくお考えなのか伺います。
(1) 北海道と札幌市の連携強化について
○1点目の北海道における札幌市の役割について
 札幌が自分のまちの発展だけを考えるのではなく、道内他市町村に札幌の都市機能を有効に活用していただきながら、北海道の魅力・資源を札幌の市民や企業が認識し、その付加価値を高め、国内外に情報発信することが札幌の重要な役割。札幌の発展は道内他市町村の発展なくしてはあり得ないという強い思いを抱いて、北海道全体の発展を牽引してまいりたい。
 一方、北海道に対しては、広域的な産業振興や道内交通ネットワーク維持など、広域自治体として果たすべき役割はもとより、道内中核都市が圏域全体の活性化を目指して自治体連携を進める際、その調整役を担っていただくことにも大いに期待。
○2点目の道内市町村等を対象とした相談窓口の設置について
 一義的には、北海道の各振興局等によるコーディネート機能に期待するところであるが、札幌の都市機能を北海道全体で活用することを促進する観点から、札幌圏G8や中核都市市長会議などのネットワークの強化を図ることで、各圏域の市町村や民間団体等の相談にも積極的に応じてまいりたい。
○3点目の北海道と札幌市が政策的に連携すべき分野について
 北海道とは互いの果たすべき役割についての議論を深めながら、さまざまな分野で連携して政策展開していくことが、北海道全体の活性化を進めるうえで重要であると認識しており、昨年度に新設した、道と市の政策部門による協議の場である「北海道・札幌市政策協議会」において、具体的な連携に向けて協議を重ねてきたところ。
 その結果、「産業・観光」や「災害対策」の分野では既に、所管部局を中心に意見交換が行われており、今後は、「行政推進体制」や「食の安全・安心」などのさまざまなテーマにおいても、分野別の協議の場を設けるなど、連携へとつなげてまいりたい。
(2) 社会保障と税一体改革について
○まず、これまでの議論の推移に対する評価について
 社会保障を持続可能なものにするには、制度の再構築とともに安定的な財源の確保が必要であり、そのための一体改革であることは理解。
 また、これまでの議論の過程において、国と地方の協議等により、地方自治体が国民の社会保障に大きな役割を果たしていることが認識され、地方の財源が一定程度確保されたことは、大きな成果であると評価。
 しかし、肝心な社会保障の内容については、「社会保障制度改革国民会議」の議論を待つ必要があるため、現段階でこの一体改革を全体評価することは難しいと考えているところ。
○次に、地方自治体財政への影響について
 一体改革は、社会保障制度の改革に伴う地方負担の動向や消費税増税に伴う支出の増加など、歳出にも大きな影響を及ぼすことから、現時点で札幌市財政への影響を見通すことは困難であるものの、地方交付税等の財源が一定程度拡充することから、臨時財政対策債の発行額の減少など将来への負担を少しでも軽減できることを期待。
(3) この夏の節電の評価と冬の対策について
○1点目のこの夏の節電の評価について
 多くの市民や事業者の皆様の高い節電意識と努力のおかげで、電力需給がひっ迫することなく乗り切れたことに心より感謝したい。
 これまで、私たちは利便性を求め、大量のエネルギーを消費してきたが、この消費文化を見直し、次世代の子ども達に安心して暮らせるよりよい環境を引き継いでいくことが、私たちの使命であると考えている。
 この夏の取組は、身の回りの無駄をなくし、生活のあり方を見直すきっかけとなり、脱原発依存社会の実現に向けて、非常に大きな一歩になったものと評価している。
○2点目の冬の節電対策について
 暖房や融雪、さらには照明に係る電力量が増加するといった特性も踏まえながら、効果的な対策を検討、実施していくことが必要である。
 市有施設においては、引き続き率先した節電対策をしっかりと進め、市民や事業者の皆さまにも、冬の節電方法をわかりやすく情報発信するとともに、市民の皆さまから冬特有の節電のアイデアを募集し、連携して節電の取組が定着するよう、各種キャンペーンも活用しながら、一丸となって取り組んでまいりたい。
no1
札幌市まちづくり戦略ビジョンについて
(1) 都市空間と公共交通について
① 将来の都市構造のあり方
札幌市においても、今後数年間で、人口減少が始まるとの推計が示されており、20年、30年先を見据えると、人口減少はいっそう進展し、市街地の人口密度が低下していくことが予想され、公共交通の運営も含めた都市経営の観点からも非常に非効率な都市構造となる。
 これから長期的な視点に立って、コンパクトシティを進める観点から、将来の都市構造のあり方をどのように考えるのか。
 また、地下鉄などの軌道系公共交通という資産を、そのなかでどのように評価するのか、基本的な考え方を伺いたい。

② 郊外住宅地における住民生活の維持
 一方で、ゆとりある郊外の住宅地は札幌の大きな魅力の一つであり、生活環境を維持していく必要があると考える。
 郊外住宅地で、地域住民の生活を維持していくために、どのような手当てをしていくことを、ビジョンのなかで位置づけるのか、伺いたい。
(2) 先端医療を活用したまちづくりについて
 この先、高齢化が進めば、病気の治療などを受けねばならない人はどうしても増えるわけで、最先端医療を核にした産業分野などには大きな可能性があると考えます。
 札幌はもとより観光都市でもあり、「札幌に来れば先端医療を受けられる」ということであれば、おいしい食や美しい自然などの魅力とあわせて、メディカルツーリズムなどの提案につなげていくことも可能でしょう。
 これにより、国内外から多くの富裕層を呼び込んで、彼らに長期滞在してもらい、治療しながら観光もしてもらうことによって、定山渓などの市内観光地や、丘珠空港、千歳空港などの活性化を図るなど、さまざまな可能性が広がります。
 中長期的な観点からまちづくりを進めるうえでは、市内で研究が進む先端医療を活用して、産業振興を図るという視点も重要と考えますが、市長の認識をお伺いします。
(1) 都市空間と公共交通について
(1) 都市空間と公共交通について
○1点目の将来の都市構造のあり方について
 これからのまちづくりを支える都市構造の部分に関しては、今後、審議会において議論が本格化するが、将来予想される人口減少、さらには超高齢社会を迎えるに当たって、今後とも、市民生活の利便性を維持していくためには、集約型の都市構造への転換が重要であり、さらには、都市全体としてエネルギー利用効率の高い、いわゆるスマートシティの実現のためにも、これまで以上にコンパクトシティに向けた取組を加速させていくことが必要であると認識。
 その際に、地下鉄を始めとする軌道系交通機関は、超高齢社会に対応するとともに、環境負荷の少ない都市を実現するための重要な社会インフラであると認識。
 今後、審議会においては、超高齢社会に対応するため、駅周辺に福祉施設など多様な機能の集積を図ることや、駅やその周辺の利便性をさらに高めるなど、駅周辺の複合的な拠点としてのあり方が議論されるものと考えている。
○2点目の郊外住宅地における住民生活の維持について
 すでに、一部の郊外住宅地においては、人口減少が進展しており、今後、さらにこうした地域が広がることが予想されることから、日常生活を支える機能をいかに維持していくかが、大きな課題であると認識。
 こうした視点を踏まえ、まちづくり戦略ビジョンの審議会においても、「歩いて暮らせるまちづくり」を重点戦略の中に位置づけ、その施策が検討されている。
 すでに、郊外住宅地においてコンビニ等の小売店の立地が可能となる土地利用規制の緩和を行うとともに、コミュニティカフェなどの地域のたまり場の創出、さらには地域に根差した商店街の振興などによる、いわゆる地域力の向上に取り組んできているところであり、今後も、こうした取組をさらに加速してまいりたい。
 また、その際には、地域と行政の密接な連携が不可欠であることから、まちづくりセンターの地域支援機能の強化などの取組も含め、ビジョンの中に位置付けてまいりたい。
(2) 先端医療を活用したまちづくりについて
○札幌市内において、北海道大学や札幌医科大学を中心に、先端的な医療分野の研究が行われており、北大リサーチ&ビジネスパークにおいては、医療に特化した国の大型プロジェクトも進行していると伺っている。
 これらの研究成果を活用し、地域経済の活性化に結び付けていくという視点は重要であると認識。
 そこで、市内で進められている先端医療研究について、その優位性や産業化の可能性などについて調査することとしており、その結果を踏まえ、今後の施策を検討したい。
no1
新幹線を機軸とした総合的な交通体系について
 今年6月に北海道新幹線新函館(仮称)・札幌間の延伸が決定いたしました。
 昭和48年に全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画が決定されてから40年ほどが経過し、長きにわたる市民・道民の悲願であった札幌までの延伸が決定されたことは、大変喜ばしいことであります。
 しかしながら、札幌までの開業は、平成27年に予定されている新函館(仮称)までの開業から更に20年程度を要するとされており、今後、新幹線延伸による効果が早期に発揮されるためにも、できるだけ早く完成することが期待され、それを実現するための取組が求められております。
 一方、札幌市の交通計画に目を向けてみると、平成22年3月に都市交通マスタープランが、また平成24年1月には、札幌市総合交通計画が策定されております。
 しかしながら、これらの計画においては、ベースとなっている調査が圏域内交通を対象としており、新幹線など広域交通に関する調査は行われておらず、また10年間で取り組む施策にも、新幹線整備に係る具体的な施策は盛り込まれておりません。
 新幹線の札幌延伸効果を北海道全体に波及させるためには、道内各都市間の連携、観光施設へ誘導するアクセス交通強化の検討が大変重要な視点であります。
 新幹線開業を見据え、新幹線を機軸とした総合的な交通体系を、今からしっかりと検討していく必要があると考えますが、市長のお考えを伺います。
○本年1月に策定した札幌市総合交通計画では、交通体系の基本的な考え方として、新幹線を広域的交通ネットワークとして位置づけるとともに、都心アクセス強化道路軸や札幌駅交流拠点再整備など、新幹線札幌延伸にも係る各種施策の検討を行うこととしている。
 ご質問にありました九州新幹線での事例なども参考に、幅広い視点をもって、新幹線延伸による様々な効果が最大限発揮されるよう、今後とも、国や北海道、鉄道・運輸機構などの関係機関とも連携し、総合的な交通体系に関わる施策の検討を進めてまいりたい。
no1
地域包括ケアシステムと災害時医療体制について
(1) 地域と結びついた医療の強化について
①多様な人材の参加
 これまで国においては、「地域包括ケアシステム」を実現するという方針を掲げてきたところであり、これを受けて札幌市においても、さまざまな取組が行われ、本年3月にさっぽろ医療計画を策定したところであります。
 地域と結びついた医療の強化に向けたネットワークづくりに当たっては、従来の概念にとらわれず、医師や看護師を始め歯科医師や薬剤師など多様な人材の参加が必要であると考えるが、いかがかお伺いします。
②在宅医療の方向性に沿った取組
 一方、本年の中央社会保険医療協議会においては、今後増加する在宅での医療の方向性が示され、治療する薬剤の管理も、入院時とは異なり、副作用のチェックも含め在宅においては、患者や家族が行わなくてはなりません。
 このように地域医療に対する取組が大きく変化する中、本市としても、こうした在宅医療の方向性に沿って取り組むべきと考えますが、いかがか伺います。
(2) 災害時医療体制の強化について
 災害時における医療救護活動については、防災計画に基づき、札幌市と札幌市医師会、札幌歯科医師会、札幌薬剤師会との間で締結した協定により、災害時基幹病院が診療を行うことになっております。
 北海道薬剤師会では、札幌市内に地域医療支援センター薬局を設置し、無菌調剤設備を含む在宅医療に対する高度な医薬品の調剤から、災害時や感染症の大流行時における医薬品の備蓄、さらには緊急時における派遣薬剤師の確保などを推進しようとしております。
 札幌市における在宅医療の拡充を図るとともに、災害時医療体制をさらに強化するため、北海道薬剤師会と連携し、また、こうした公益的な取組を支援すべきと考えますが、いかがかお伺いいたします。
(1) 地域と結びついた医療の強化について
○1点目の多様な人材の参加について
 超高齢社会を迎えた今、市民が地域で安心して暮らし続けるには、医療機関相互や医療と介護の連携など、地域医療の充実・強化が重要であると認識。
 このため、さっぽろ医療計画では、地域医療の連携を推進することとし、今年度から医療や介護関係者などによるネットワークづくりに取り組むこととしている。
 このネットワークづくりに当たっては、医師や看護師に留まらず、歯科医師や薬剤師など様々な職種の方々に広く参加を求め、地域と結びついた医療の強化に努めてまいりたい。
○2点目の在宅医療の方向性に沿った取組について
 今後、在宅医療が進んでいく中、個々の患者に応じた薬剤の管理や飲み方の指導など、きめ細かな対応がますます必要になると考える。
 したがって、在宅患者に身近な地域の薬局が、かかりつけ薬局としてこれらの担い手になるよう、その普及促進を図るなど、在宅医療の充実・強化に取り組んでまいりたい。
(2) 災害時医療体制の強化について
 北海道薬剤師会が、全道的な活動として、地域医療支援センター薬局を設置し、災害用医薬品の備蓄などに取り組もうとしていることは、広域的な役割として期待されるところである。
 したがって、センター薬局の取組については、その広域的な役割から北海道が中心となって支援するものと考えるが、在宅医療の充実や災害時医療体制の強化に向けて、札幌市として担うべき役割について検討してまいりたい。
no1
予防保全対策で、安全・安心のまちづくりについて
(1) 太陽光発電などの支援制度の拡充と蓄電設備の補助制度の創設について
①太陽光発電などの機器導入支援制度の拡充について
 地震災害等に対応出来るためには各家庭がその備えをすることが大事である。
 特に一番身近な太陽光発電設備の普及は、本市の補助制度による積極的な支援の効果もあり、驚異的に伸びていると聞いています。
 節電要請などにより、これまで以上にエネルギーに関する関心が高まっている現在、自らの家で発電することで節電に貢献ができ、地震災害などの停電時でも電力確保が出来る太陽光発電などの導入を促す支援制度を、さらに拡充すべきと考えるが如何か、お伺いします。
②家庭用蓄電池設備の補助制度の創設について
 災害による停電時には蓄電池が非常に有効と考えており、あわせて、昼間の電力ピークカットによる節電にも貢献できる優れた設備であります。
 札幌市も太陽光発電などに加えて新たに家庭用蓄電池設備の補助制度を創設して普及を促進すべきと考えるが如何か、お伺いします。
(2) 既設橋梁の防災減災対策について
 本市が管理する橋梁は、平成24年4月1日現在、1,256橋ある。
 耐震化の対象橋梁は、緊急輸送道路上を主とした「重要橋梁」の中から対策が必要な橋梁を選定し、98橋としている。
 平成23年度末時点では、その対象橋梁98橋の内7割が耐震化が終了していると聞いています。
 一方、橋梁の長寿命化についてですが、今後、橋梁の老朽化も進行することから、平成23年度には全橋を対象とした橋梁長寿命化修繕計画を策定し橋梁の長寿命化に取り組んでいる。
 橋梁の耐震化と長寿命化は、「安全安心のまちづくり」という観点からは、一体となって取り組むことが最も効率的かつ効果的であると考えます。
 橋梁の耐震化について、対象橋梁を現在の98橋から、拡大するなどの見直しをすべきと考えるがいかがか。 また、 減災等を目的とした橋梁の耐震化と長寿命化の一体的な取組についての考え方を伺います。
(1) 太陽光発電などの支援制度の拡充と蓄電設備の補助制度の創設について
○1点目の太陽光発電などの機器導入支援制度の拡充について
 本市は平成20年度より、市民・事業者への新エネ・省エネ機器の導入支援を行っておりますが、今年度は予算の大幅な増額にもかかわらず、予算枠を超える応募があるなど、再生可能エネルギー導入への市民意識が高まっていることを実感している。
 このような中、本議会に、5400万円の補正予算案を提出しているところであり、今後も、さらなる再生可能エネルギーの普及促進に向け、より効果的な支援制度となるよう拡充について検討していく。
○2点目の家庭用蓄電池設備の補助制度の創設について
 家庭用蓄電池は、太陽光発電など再生可能エネルギーが普及するに伴い、エネルギーの効率的な利用を図るためには有効な設備であり、防災対策上も重要であると認識している。
 家庭用蓄電池設備は、近年技術が確立されてきたものの、価格が高価であることから、今後、補助の対象とすることについて検討していく。
(2) 既設橋梁の防災減災対策について
○耐震化の対象橋梁の見直しについて
 現在取り組んでいる重要橋梁に対する耐震化事業については、その進捗率が約7割に達していることから、この進捗状況を踏まえつつ、対象橋梁の拡大も含めた耐震化計画の見直しについて速やかに着手したいと考えている。
○次に耐震化と長寿命化の一体的な取組について
 耐震化が既に完了している橋梁については、長寿命化工事を順次あと追いの形で行なっているところであるが、耐震化が未完了のものについては、長寿命化工事と同時に実施するなど、効率的に取り組んでいるところ。
 今後見直しを図る耐震化計画により、新たに耐震化の対象となる橋梁についても、一体的な取組を行ない一層の効率化を図っていきたいと考えている。
no1
経済雇用対策について
 昨年3月の東日本大震災を契機に、企業においては、自然災害を始めとしたリスクに対応するため、生産設備や事業所などの活動拠点を分散する動きが活発になっていると言われております。
特に地震や台風等の自然災害が少なく、かつ、地理的に南海トラフから離れているという意味で、北海道や札幌が注目される可能性が高いのではないでしょうか。
万一の事態においても、企業活動を停滞させず、事業を継続させるためには、本社機能の分散化を図るか、本社自体をリスクが少ない地域へ移転することが必要であることから、本社機能の分散化が検討され始めていると聞くところであります。
このような状況を踏まえると、経営部門、管理部門などの本社機能の移転・分散といった企業の動きを捉え、本市としても積極的に誘致を働きかけるなど、施策に反映させていく必要があるのではないかと考えております。
(1) 大震災で影響を受けた企業への支援とその評価について
札幌市では、東日本大震災で影響を受けた企業の事業継続のために、これまでどのような支援を行ってきたのか、また、それらの取組をどのように評価しているのか、併せて伺います。
(2) 本社移転等への対応について
企業がリスクに対応すべく、本社の移転や本社機能の分散化を検討していることに対して、市長はどう受け止め、どのように対応していこうと考えておられるのか、伺います。
(1) 大震災で影響を受けた企業への支援とその評価について
〇震災直後の4月に、相談窓口として「東日本大震災 企業サポートデスク」を設置するとともに、一時避難企業向けに仮オフィスを無償提供する制度を設け、同年7月には、リスク分散を含めた移転を支援する補助制度も創設した。
 これまでに、食品製造会社など合計6社が立地しており、札幌市の対応が、被災企業等の支援や雇用創出に一定の役割を果たしたものと考えている。
(2) 本社移転等への対応について
 ○議員ご指摘のとおり、札幌は、自然災害による被害も比較的少ないことから、企業の本社移転等の検討にあたっては、有力な候補地になるものと考えている。
○また、本社や本社機能の立地は、高度な人材の雇用はもとより、製造部門などの進出につながる可能性もあることから、新たな支援制度を検討するとともに、北海道との連携も図り、積極的な誘致に取り組んでまいりたい。
no1
障がいのある方への就労支援の充実について
(1) 一般就労施策のさらなる推進及び障がい者施設への優先発注の拡大について
 平成20年秋のいわゆるリーマンショック以降、景気低迷が続いており、労働者を取り巻く雇用環境は相変わらず大変厳しい状況となっております。
 障がい者施設への優先発注の拡大について、我が党が一貫して法制化を求めてきた障害者優先調達推進法が本年6月に成立し、国や地方公共団体等が障がい者施設から優先的に調達するよう責務が定められました。
 障がい者施設への優先発注については、地方自治法の省令で随意契約が可能となっており、昨年12月には対象が拡大されたところであります。
①一般就労施策のさらなる推進
 障がいのある方の一般就労施策のさらなる推進にあたり、どのような取組を今後行うつもりであるか。
②障がい者施設への優先発注の拡大
 障がい者施設への優先発注の拡大について、これまでの取組と今後どのように取り組むつもりであるか、それぞれお伺いいたします。
(2) 札幌市における知的障がい者の採用について
 全国的な状況を見ても、知的障がい者の雇用における自治体の裁量は少なくなく、採用方針が自治体における知的障がい者雇用のあり方を決定づけると言っても過言ではないと考えます。
 公的機関は、社会的正義を実現する経営体であり、民間企業に率先垂範して障がい者雇用を推進すべき立場にあると思います。
 札幌市は知的障がい者の採用について、どのように考えているのか、また、職域の開発や雇用形態、採用方法など、これまでどのように検討され、今後どのような方針で取り組むつもりなのか伺います。
(1) 一般就労施策のさらなる推進及び障がい者施設への優先発注の拡大について
○1点目の一般就労施策のさらなる推進について
 障がいのある方それぞれに適した就労支援が行われるよう、個別的な支援や福祉的就労の場の充実を図るとともに、さっぽろシュリー等の就労関係団体への支援を行いながら、一般就労の場のさらなる拡充に努めてまいりたい。
 そのためには、元気カフェ等の「障がい者協働事業所」を引き続き増設するとともに、障がい者雇用に関心のある企業への働きかけを行う「障がい者元気スキルアップ事業」等にも積極的に取り組んでまいりたい。
○2点目の障がい者施設への優先発注の拡大について
 これまでも現行法制度の中で、各部局において優先発注を行うとともに、企業への働きかけを行ってきたところ。
 具体的な取組としては、作業所連絡協議会を通じた作業所製品の質の向上や、元気ジョブアウトソーシングセンターを活用した情報提供等に取り組んできた。
 今後においても、先の地方自治法施行令の改正に加えて、来年4月には障害者優先調達推進法が施行されることを契機に、これまで以上に障がい者施設からの優先調達が行われるよう、全庁的な検討を進めてまいりたい。
(2) 札幌市における知的障がい者の採用について
 知的障がいのある方の雇用機会の確保は、身体に障がいのある方同様、重要な課題であると認識している。
 札幌市の業務執行においては、民間活力の導入が可能な分野については民間に委ねるなど行政と民間の役割分担を進めてきている。
 知的障がい者の雇用についてであるが、民間には幅広い職域がある中で、行政として必要な支援なども行っており、行政及び民間を含めた総体の中で促進を図っていく方がより雇用の拡大につながるものと考えている。
 これまで、採用を行っている他団体の事例などの調査、研究を行ってきたが、札幌市職員として直接採用を行うにあたっては、従事する業務の内容や勤務条件などについて課題があると認識しており、今後さらに研究を重ねてまいりたい。
※身体障がい者を対象とした選考については、平成15年度から実施している。本選考により採用された職員は、通常の職員と同様の業務に従事しており、身体障がい者が従事する職域については特段設けていない。
no1
いじめ問題について
 札幌市の多くの教員が、教科指導やさまざまな教育活動、それに伴う事務的な業務などで大変な多忙な中、子どもたちの教育のために、いじめの問題についても熱心に取組を進めていることは、私も承知しております。
 しかしながら、私どものもとに「担任にいじめのことを相談しても、担任によって対応に差がある。」という声が聞こえてきております。
 私は、いじめに対する対応が、担任によって異なることは、担任が一人で問題を抱え込み、いじめを大きくするもとになるのではないかと思っており、その問題の解決に当たっては、管理職である校長や教頭が、リーダーシップをしっかりと発揮し、学校がきちんと校内体制を整え、一丸となって取り組むことこそが極めて重要であると考えております。
 いじめ問題に対して、教育委員会として、管理職の役割をどのように認識しているのか。また、管理職のいじめ問題への対応力をどのように高めていこうと考えているのか伺う。
○いじめは、子どもの心身の発達に影響を及ぼし、重大な事態を引き起こす背景にもなる深刻な問題である。校長・教頭は、いじめの未然防止や解消に向けて、教職員一人一人が自らの問題として取り組まなければならない課題であるという認識を共有できるよう、その意識喚起に努めなければならない。
 いじめのない学校を実現するためには、全ての教育活動において、子ども一人一人をきめ細かに見守りながらそれぞれのよさを生かし、自他を尊重する心を育む取組を進めることが必要である。そのためには、担任だけではなく全ての教職員が組織的に対応する学校体制を築くよう、学校運営に当たることが必要と認識。
 教育委員会としては、これまで、校長・教頭に対して、学校としてのいじめの未然防止に向けた取組や危機管理意識に基づく対応のあり方などについて研修を実施してきたところであるが、今後、より実効性のある具体的な取組を促すことができるよう、研修内容の改善に努めるとともに、各学校において教職員一人一人に更なる意識喚起と対応力の向上を図るよう校長・教頭に働きかけてまいりたい。