平成16年第4回定例議会 代表質問
質問者 阿知良 寛美(東区)
12月8日、札幌市議会本会議において,「財政問題について」「地震対策について」等、上田市長に対し公明党議員会(11名)を代表して、阿知良寛美議員が45分間・9項目について質問をしました。
 以下、質問項目と主な上田市長・理事者等の答弁を紹介します。
[質 問]
1.財政問題について
○財政構造改革プラン(案)における内部努力は具体的にどのように取り組むのか。
○平成17年度予算における内部努力の取り組みの考え方は。
2.機構改革について
○安全・安心のまちづくりのため、警察や地域と連携する組織を設置すべきでは。
3.北海道における札幌市の役割について
○全道の市町村を代表する役割、道との役割分担についてどう考えるか。
○道内市町村の住民レベルの交流促進のあり方についてどう考えるか。
4.区役所の窓口サービスなどの時間延長について
○将来的な方向性をどのように考えているか。
5.介護予防対策について
○国は、介護予防事業について、どのような方向性を示しているのか。
○筋力トレーニングや転倒・骨折予防についての具体的な取り組みについて。
6.子育てサポートセンター事業について
○現在までの事業実績や会員登録の方法・相談体制など、どのような改善を図ってきたのか。
○今後どのように事業を展開していこうと考えているのか。
7.地震対策について
○札幌市地域防災計画を見直す必要があると思うが、新たに加える項目及びその時期は。
○収容避難場所に指定されている体育館の耐震診断の進捗状況は。
○民間木造住宅の耐震化を促進するために、耐震知識の啓発にどのように努めているのか。
8.水道施策の諸課題について
○札幌市の水源の98%を豊平川に依存しているが、豊平川における水源保全に向けての取り組みはどう考えるか。
○直結給水の促進施策として、低利子融資制度の創設など利用者の負担軽減に向けて積極的な対策を講じるべきと考えるが。
○家庭の4割が基本水量10m
3まで使用していない現状から、少子高齢化に対応した水道料金体系にすべきではないか。
9.モエレ沼公園の活用方法及び管理運営について
○モエレ沼公園の全面オープンを間近に控え、「さとらんど」との一体的利用をどのように考えているか。
○利用促進のための地下鉄との連絡バスについてどのように考えているか。
○公園の管理に年間2億円かかるが、市民との協働による管理運営についてどう考えるか。
[ 上田市長・理事者等の答弁 ]
1.財政問題について
財政構造改革プランには、平成18年度までに265億円の収支不足を解消するために必要な項目を掲げておりますが、市役所内部の努力によるコスト縮減が最優先課題であることから、光熱費の抑制、人件費の見直しとして民営化・民間委託を積極的に進め81億円の効果額が、早期に確実なものとなるよう全力を挙げて取り組んで参りたい。
2.機構改革について
安全・安心のまちづくりは、札幌市においても緊急を要する重要な政策課題と考えておりますので、新年度へ向けて具体的な組織の整備について検討を進めたいと考えております。
3.北海道における札幌市の役割について
北海道全体の底上げを図るためには、道央圏の活性化が重要であり札幌市は、道内市町村の先導的な役割を担う必要があると認識しております。また、道州制特区については、早急に道と直接議論する場を設け、北海道全体の自立や発展に貢献していきたいと考えております。
「住民同士の交流が地域連携の基本である」という観点から、札幌広域圏組合などの仕組みも活用しながら一層の交流促進に努め、併せてそのあり方についても検討して参りたい。
4.区役所の窓口サービスなどの時間延長について
「窓口サービス時間拡充」につきましては、区役所だけではなく市役所全体の課題ととらえ、ホームページ、電子メール等のITを活用した新しい対応手段による窓口サービスの充実なども含め、行政コストとサービス水準の両面を総合的に勘案しながら、今後のあり方を検討して参りたい。
5.介護予防対策について
筋力トレーニングについては個別のプログラムに基づいて実施し、転倒予防教室については軽易な体操などの普及啓発を行っているところでありますが、今後、高齢者一人ひとりの心身の状況に合わせたきめ細やかな対応や、身近な地域で継続して利用できる仕組みづくりなどについて、検討して参りたい。
6.子育てサポートセンター事業について
平成13年7月から事業を実施しておりますが、利用件数は年々増加しており、今年度は10月末現在2780件で前年同期と比べ69%の利用増となっております。また、今年度からは、受付や相談の窓口を在宅福祉サービス協会1カ所から、子育て支援センター及び各区役所でも行えるようにし、利用対象児を小学校3年生から小学校6年生まで拡大しております。
今後の事業として、保育所等の場を積極的に利用し就労世帯へ広く周知を図っていくとともに、緊急時の対応などについても検討してまいりたい。
7.地震対策について
平成13年度から札幌市域の地価構造調査を実施しており、11月29日には石狩低地東縁断層帯の地震動予測の結果が国から公表されましたので、今後、専門家の参加を得て、地域防災計画の見直しを検討してまいりたい。
・昭和45年以前の施設については基本的に改築を行い、それ以外の施設については耐震補強により延命化を図りたい。また、体育館の耐震診断の進捗状況は、昭和56年に策定された新耐震設計基準前に建設したもののうち、69棟の耐震診断を平成16年度に行い、残り68棟の診断を平成17年度に行う予定です。この耐震診断の結果を受けて、学校施設全体の耐震化に鋭意取り組んでまいりたい。
これまで危機管理対策室が作成配布している防災啓発パンフレット「保存版家庭防災のしおり」の中に,「簡易耐震診断リスト」を掲載するなどし、啓発に努めてきました。現在、このパンフレットを、よりわかりやすい簡易耐震診断リストへ見直しを図っております。
8.水道施策の諸課題について
水質汚染事故への抜本的な水源保全策を検討する必要があると考えており、水質汚染の影響を受けない水道原水を確保すること等を目的に、豊平川水道水源水質保全に着手したところであります。今後、北海道開発局など関係機関とも協議を行いながら、ソフト・ハード両面にわたる幅広い観点から、実施可能な水源保全策の検討をここ数年で進めていく考えであります。
既存の建物について、直結給水への切り替えを促進するため、設計審査・竣工検査手数料および水道利用加入金の減免措置を本年4月より導入しておりますが、すでに昨年1年間の約2.8倍と、切り替え棟数が大幅に増加しております。今後は、これらの動向を見ながら直結給水のさらなる推進に向け検討を進めてまいります。
少子高齢化の進展などに伴い、10m3未満の少量使用者が増えている状況は十分認識しているところでありますが、水道料金収入は水道事業運営の根幹をなすものであり、安全安定給水を維持していくためには、一定の水道料金収入を確保していかなければなりません。しかしながら、水道料金体系のあり方につきましては、今後の重要課題としてとらえ、他都市の状況や市民意見など諸調査を引き続き行いながら検討を進めてまいりたい。
9.モエレ沼公園の活用方法及び管理運営について
これらの施設は本市を代表する施設であり、市民の方だけでなく観光客の方々にも充分魅力ある施設であると認識しております。また、駐車場利用者の負担の均衡も含めて今後、検討してまいりたい。
今後の利用状況を調査し、既存の路線バスの増便や延長、または、新ルートなど、幅広く検討してまいりたい。
市民や地域の方々に愛着を持っていただく上でも大変良い考えだと思います。また、管理面だけではなく、体に障がいのある人や高齢者など弱者の方をサポートやガイドなどのボランティア活動の仕組みについて検討してまいりたいと考えております。