令和2年度 札幌市予算要望編成に対する要望書

はじめに

札幌市は、これまで道都として北海道の発展を牽引する役割を果たしてきたが、人・経済・文化の集積及び交流実績、影響力、存在感などを勘案すると、これからは国際都市として世界に貢献する役割が期待されていると言っても過言ではない。今や、本市は、国の内外において、大きな使命を担っているのであり、その使命を果たすためにも、発展と成長を続けていくことが求められていると言えよう。

札幌市議会公明党議員会は、2年前、国連で採択された持続可能な開発目標SDGsが掲げる理念の重要性と普遍性にいち早く注目し、他会派に先駆けて議会で取り上げることはもちろん、様々な場面において、その理念の支柱である「誰一人取り残さない」という考え方を踏まえ、一人ひとりに寄り添う姿勢の大切さと尊さを一貫して繰り返し述べてきたところである。

こうした我が会派の主張が結実する形で、札幌市は昨年「SDGs未来都市」に選定され、様々な計画にSDGsの理念が盛り込まれることとなった。さらに、本年は、我が会派が推進してきた「フェアトレードタウン」の認定も受け、本市が共生社会の実現に向けて、力強く着実に歩みを進めていることを高く評価しており、その実現は国際都市の範疇を超え、世界都市としての地位を築き上げていくことにも繋がっていくものであると考えている。

少子高齢化と本格的な人口減少社会の到来を迎える中、札幌市においては、扶助費の増加に加えて、公共施設の更新需要に伴う建設費や公債費の増加が見込まれている一方で、歳出に見合った市税等の確保が困難な状況にあるなど、引き続き厳しい財政運営を迫られている。社会経済情勢の先行きが不透明さを増す中、「防災・減災」、「経済・まちづくり」、「医療・福祉」、「環境・子育て」、「教育・地域」、などの多岐にわたる重要な市政課題に対し、状況を的確に見極め、効果的な施策を実行していくため、限りある経営資源を有効活用し、必要性と効果の厳格な検証はもちろんのこと、選択と集中を行いながら、機動的かつメリハリをつけた予算編成を行うことが何よりも肝要である。

令和2年度は、北海道胆振東部地震から1年半余りが経過する中でスタートを迎えるが、本格的な復旧に向けて、刻々と変化する被災地の状況を的確に把握したうえで、被災者ニーズに寄り添った施策を迅速に実行し、復興の歴史において確かな歩みを刻む年にする必要がある。また、当該年度に開催される東京オリンピック・パラリンピックの開催会場都市として所要の準備を進めるにあたっては、顕在・潜在を問わず札幌市の持てる力を存分に発揮し、市民の誇りと活力を、さらなる高みへと喚起していくことを強く期待しているところである。

以上を踏まえ、札幌市議会公明党議員会は、令和2年度予算編成にあたり、新たに設定した5つの柱のもと、以下のとおり、重点要望項目及び要望項目をとりまとめたことから、秋元市長においては、これらの施策を新年度予算に反映されるよう強く希望する。

1 誰もが命を守り・守られ、安心・安全に暮らすために
~防災・減災・復興を社会の主流にしたまちづくり~

重点要望事項

  1. 自然災害から市民の生命と暮らしを守るため、公共インフラ・施設の防災・減災対策とともに、地域経済に活力と成長をもたらす「防災・減災ニューディール」を強力に推進すること。スムーズな復旧対応のため、広域的な防災拠点と交通ネットワークの整備を検討すること。
  2. 北海道胆振東部地震からの復旧・復興を着実に進めるために、被災者支援に全力をあげるとともに応急仮設住宅の入居期限の延長を検討すること。
    また、災害に強いまちづくりに向け電力の安定供給を含めた環境整備にあたること。今後も危機管理対策室の体制強化と組織横断的な機能強化につとめること。
  3. 地域防災力向上のため、簡易災害図上訓練(DIG)や避難所運営シミュレーション訓練(HUG)の更なる普及に努めるとともに、避難所の環境改善のため備蓄品配備の充実、各家庭における非常用持ち出し品の普及啓発を進めること。
  4. 大規模地震の被害を最小限に食い止めるために、民間建築物耐震化促進事業の利用拡大に努め診断後の耐震改修の促進を進め、倒壊すると大きな被害が予想される耐震基準に満たない大規模建造物(要緊急安全確認)の耐震改修については、速やかな対策を図ること。
  5. 事前防災の観点から河川の継続的な維持管理の強化を図ること。
  6. より多くの避難行動要支援者が適切に支援されるよう避難支援等関係者の掘り起しに努めるとともに団体への支援策を検討すること。また個別支援計画策定の不安感解消に努めること。
  7. 時代に適応した公共施設マネジメント推進のため、全庁的な体制、効果的・効率的な取組、市民との情報共有に留意すること。そのために施設の有効性や効率性を確認できる評価シートなどの整備を進めること。

要望事項

  1. 札幌広域圏内の市町村と連携を強化し、災害に強いまちづくりを進め、リスク分散の適地として行政機関や企業の誘致を積極的に推進すること。
  2. 東日本大震災の被災者支援にきめ細やかな活動を行っている民間団体を継続して支援すること。あわせて北海道胆振東部地震についても、民間の力を活用した被災者支援を引き続き実施すること。
  3. 市有施設の耐震化については、建替え予定の区役所や学校などの早期事業化を図るとともに、改正建築基準法施行令に基づくその他部材の対策に向け調査を早急に進め非構造部材の耐震化に積極的に取り組むこと。
  4. 児童・高齢者・障がい者が使いやすく、災害避難所としての機能を確保する観点から、学校や公共施設の便器の洋式化を積極的に進めること。
  5. 災害時の給水や冬の融雪にも利用できる地下水の活用を検討すること。
  6. 災害ゴミ対処について、市民や町内会への手順や方法の周知を促し、支援の強化、実効性のある備えとなるようにすること。

2 誰もが経済的により豊かに、利便性を享受して暮らすために
~経済の安定・活性、新産業創出と社会基盤等の整備~

重点要望事項

  1. 除排雪や災害復旧、インフラの維持・更新の担い手として欠くことのできない地元建設業の経営安定のための公共事業費の確保と入札制度改革、また週休二日の実現に向けた施工時期の平準化と適正な工期設定、更に技能・技術を切れ目なく継承するため若年者・女性の人材育成・確保・現場環境改善などを進めること。また、高齢者や外国人材については就労に関する支援や暮らしの環境整備など、札幌市が発注者としての役割を一層果たすこと。
  2. 人手不足解消や安全な除雪作業を推進するためにi-snowの最新情報・技術を取り入れた除雪体制を構築するなど、雪対策へのICTの導入、拡大を図ること。さらに、新たな日中除雪方式の試行実施においては、事業者と地域住民の声を踏まえた実効性のあるものにすること。
  3. 札幌の都市機能を高め、その効果を広く全道に波及させる都心アクセス道路や、長年の課題である豊平川通の南北延伸など、将来を見据えた総合的な交通体系の充実について検討し実施すること。
  4. 北海道新幹線の札幌延伸については、あらゆる課題を関係機関と連携・協力しながら円滑に解決しつつ、全線早期開業を目指すこと。また、新幹線駅開業を見据えたまちづくりや道内他都市へのアクセスしやすい2次交通ネットワークを構築すること。
  5. 道内航空ネットワーク拠点のみならず丘珠空港の持つポテンシャルは高いことからその活用に向け、道内7空港一括民間委託を捉えながら、北海道や地域とともに、災害拠点空港としての役割と活性化に全力で取り組むこと。
  6. 札幌観光の閑散期の振興や、定山渓エリアの新たな魅力向上策として、小樽市や赤井川村、ルスツ、ニセコエリアなどの近隣自治体の(スノー)リゾートエリアや海外エージェントなどと連携し、欧米の富裕層などが長期滞在可能な大型(スノー)リゾートエリア形成に取り組むこと。

要望事項

  1. ICTを積極的に活用したスマートシティー化を推進し、都心部の機能やサービスの効率化・高度化をはかり、観光やビジネス、防災、市民生活などの機能強化を積極的に進めること。
  2. 札幌市内で唯一、軌道系交通機関が未だ整備されてない、札幌の玄関口でもある清田区において、市民生活の向上と観光客の利便性・輸送及び今後さらに渋滞増加が見込まれる国道等の道路渋滞緩和を目的とし、地下鉄東豊線を延伸すること。
  3. 市内交通渋滞に対し交通ビッグデータの活用など様々な手法で交通渋滞の解消に向けた取組みを進めること。
  4. 路線バスについては、超高齢化社会を見据え利用者増への支援や利便性の向上に努めるとともに、ネットワーク維持のみならず民間事業者と協力したコミュニティバスの導入拡大及びデマンドバスの早期導入をすること。
  5. 市有施設の持続可能な運営を目指し、施設に企業や商品名などをつけ収入を得るネーミングライツ(命名権)等の積極的活用と、対象となる既存施設(施設、橋、歩道橋、公園、歩道)の見直しを図るなど、計画的かつ積極的な活用を行うこと。
  6. 都心部における違法駐輪の常態化を解消するために、外国人観光客も含め、観光や通勤、通学など自転車利用者のニーズ調査・実態調査の結果を踏まえ、都心の各所に駐輪場等の整備・検討を進めること。
  7. 中小企業の健全経営のため、市発注工事にあっては最低制限価格の引き上げと多様な入札方法の導入を行うこと。また、社会保険の加入促進については、国の手法を参考に指導、啓発に努めること。
  8. あいワークや就業サポートセンター等の機能を強化し就労支援体制のさらなる充実をはかること。また、「北海道働き方改革・雇用環境改善推進会議」で採択された共同宣言に基づいた取組を推進すること。首都圏の大学との連携協定を結び、札幌企業への人材確保への就職促進策を検討すること。
  9. ソーシャルビジネスについては起業から経営まで丁寧な支援に努めるとともに、高齢者の孤立、ひきこもり、子どもの貧困などの社会的課題に対応する各種事業として活用を検討すること。
  10. 企業における人材の確保とシニア層の就業機会の創出事業は、職住近接にも配慮し、仕事体験付き説明会を持続的に開催すること。
  11. 中小・小規模事業者の事業承継問題に対して支援策の拡充・強化を図ること。
  12. 東京2020オリンピック・パラリンピックの開催では、参加国へ合宿の誘致、また広く海外へプロモーションを行い、本市へのスポーツツーリズムの強化、アフターオリンピックの誘客に積極的に取り組むこと。
  13. 少子高齢化社会を乗り切る「稼ぐ力」を磨くため、産業の構造改革や強化をはかる経済成長戦略を力強く推進すること。産学官連携、同業種・異業種連携を進め、ITやコンテンツ産業の付加価値を高めるとともに、医療・介護、観光、食品などについては質の向上と人材育成についても勘案すること。また戦略的な企業誘致を促進すること。
  14. 観光バスの都心部におけるスムーズな乗降及び駐車のため、民間活力導入によるその施設の整備、運用を目指し、創成東地区の再開発に合わせて確実に実現すること。
  15. 観光集客向上の為、雪まつりなどの市内大型イベント、夜景、食産業、施設などの観光資源の魅力アップに取り組み積極的な誘客プロモーションを行うこと。また、外国人観光客の受け入れ環境の整備、観光関連産業への支援を行うこと。
  16. 札幌市がTV、映画、CM等のロケーション地として活用されることを促進し、札幌の魅力発信と映像関連産業を活性化していくこと。
  17. 海外では高級食材である「ジビエ」を街の新たな魅力アップや経済観光に資する取り組みとして、その普及や商品開発等への調査研究を行うこと。
  18. 新たなインバウンド獲得へ向け官民連携してハラール対策に取り組むこと。
  19. MICE推進体制の強化を図り積極的な誘致を行うこと。また、誘致競争に勝てるよう新たなMICE施設の運営・整備などは専門家の意見も取り入れスピード感を持って進めること。
  20. 市内にある多彩な6つのスキー場の連携を強化するとともに、旅行業者等と協力した効果的なPRを進め、札幌市を都市型スノーリゾートシティとしてブランド化できるよう取り組むこと。
  21. 木質バイオ燃料のさらなる推進を図るとともに、普及啓発を図るため市民向け展示会や補助 制度の継続に取り組むこと。
  22. 低酸素社会推進のため、市民が日常的に接する街路灯のLED化を引き続き進めること。特に私設街路灯の引継ぎについては補助の増額やスムーズな申請手続きに努めること。
  23. 融雪剤による橋梁等の建設資材への腐食を軽減し、長寿命化を図るためにも、修繕費を 含めたトータルコストを考慮した防錆効果の高い融雪剤を選定すること。
  24. 費用をかけて処分するだけの雪対策から雪氷エネルギーの活用に向け、土地利用制度、企業誘致などの関係部局が連携し検討を進めること。
  25. 成熟した北海道の森林資源を地域経済の発展につなげるため、公共建築物の道産材活用に加え、民間施設の木造化にかかる仕組みを林業地帯と連携して創出すること。

3 誰もが良好な環境のもと、心安らかに健康的に暮らすために
~保健・医療・福祉施策の充実強化と自然・生活環境の向上~

重点要望事項

  1. 他都市に比して高いがんの罹患率、死亡率の改善を図るため「札幌市がん対策推進プラン」の確実な実施と更なる内容の充実に努めること。また、がん対策として極めて重要な「たばこ対策」を充実させるため、「子育て世帯の禁煙外来受診促進事業」の対象を拡大や、「さっぽろ受動喫煙防止宣言」策定にあたっては、周知の徹底と実効性を高める取組などを推進し、全国をリードするたばこ対策を推進すること。
  2. 児童虐待防止対策強化等のため、児童福祉士の増員や専任医師の配置などの体制強化に取り組むとともに第二児童相談所を早期に設置すること。市他部局、警察や他の児童相談所と連携強化を一層図ること。また、「共助」の視点を大事にする地域の子どもを見守る地域コミュニティを一層、充実させること。
  3. 心のバリアフリーを推進するため、「心のバリアフリーマーク」の効果的な活用を図るとともに、ヘルプマークとヘルプカードについては、希望する方への確実な配布と、広く市民や企業等への理解を得られるよう、公共交通機関や民間企業との連携及び協力体制を整備すること。
  4. 基幹型包括支援センターについては、複合的な課題に対処しうる体制を確保し、地域包括支援センター等への後方支援を行うこと。生活支援コーディネーターと区役所・地域包括支援センター・介護予防センターが連携を深め、支え合う社会づくりを進めること。
  5. 介護人材の育成・定着のために、働きやすい職場づくりや業務知識の習得に役立つ研修会の実施、更には介護職員の意向を把握し業務上の悩みを共有できる機会を設けること。労働負担軽減につながる介護ロボットについてはロボット導入に対する効果の検証と、事業所への普及啓発を図り、購入費用の補助事業を実施すること。
  6. 増加傾向にある認知症に対し、市民理解を深められる取組を進めること。さらに認知症の当事者とその家族の意思が尊重され、不安に対応する拠点機能として認知症カフェの有効活用や相談支援体制の強化に取り組み、症状に適した医療・福祉・介護の支援が受けられるよう努めること。
  7. 高齢者の心身に衰えが生じるフレイルの状態に陥るのを防ぐとともに、介護予防の促進を目的に、後期高齢者医療制度健診にフレイル健診を導入すること。
  8. 住宅セーフティーネットの着実な推進のため、札幌市居住支援協議会のネットワーク力を高め、課題の把握、安心な相談窓口の設置、安価で優良な登録住宅の増進、多様な生活支援サービスの創出に繋げること。
  9. 若者支援総合センターやひきこもり地域支援センターによる相談機能の充実を図るとともに、ひきこもりの集団型支援拠点であるよりどころや、各区で開催している無料相談会の充実にも努めること。

要望事項

  1. 妊娠から出産、子育て期までの切れ目のない支援のために母子の心身をサポートするネウボラ理念を導入した「産前・産後ケア」の取り組みを強化すること。特に、産前の初妊婦訪問事業では面談率向上と相談内容の多様化に対応するための訪問指導員のスキルアップを図ること。加えて産後ケアについては、産後うつや乳児虐待の予防対策として関係機関との連携を強化すること。
  2. 子ども医療費助成については、子育て支援対策として通院費助成を中学生まで拡充し、全国市町村の統一に努めること。
  3. 胃がんの早期発見の観点から、中学生を対象にしたピロリ菌検査除菌事業をモデル事業として実施すること。
  4. 乳がん・子宮頸がん検診の無料クーポン券配布事業の受診率50%早期達成に向けて、コール・リコールを積極的に推進するとともに、休日・夜間の受診体制と情報発信の充実を図るなど、利用率を高める工夫を進めること。また、子宮頸がんワクチン接種の相談窓口については、保護者や児童への周知を図ること。
  5. がん患者への支援として、一層の情報提供や相談体制の充実、支援の徹底を図ること。また、抗がん剤治療の副作用で頭髪が抜けるなど外見の変化に対応するための「医療用ウィッグ」の助成制度を構築すること。
  6. 学校や地域における薬物乱用防止対策を進めること。また、依存に苦しむ本人や家族への支援体制の強化を図ること。
  7. 高齢社会に対応した医療体制として、かかりつけ医・かかりつけ歯科医・かかりつけ薬局の普及と在宅医療の体制整備を進めるとともに、住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、様々な専門職が地域と一体となって支え合う仕組みを作ること。
  8. 特定不妊治療費助成事業については、不妊カウンセラー等による相談体制の充実を図るとともに、利用者負担軽減のために受領委任払い方式の導入に向けて検討すること。不育症治療費助成事業については、対象者に情報が届くよう、広く周知徹底を行うこと。
  9. 障害者歯科保健対策が地方公共団体の責務として位置付けられているので、障害のある方々の歯科保健対策の充実に取り組むこと。
  10. 市民の健康を守るため、歯周病検診を含む様々な検診の受診率向上のため、関係団体とも連携し具体的かつ確実に向上するよう積極的に取組むこと。
  11. 妊産婦検診に歯科検診を付加し、かかりつけ歯科医院での検診にすること。
  12. 後期高齢者に対する歯科検診事業を往診でも実施できるようにすること。乳幼児から小学生のフッ化物洗口を適切に実施すること。
  13. 市立幼稚園・学校における子どもたちの食物アレルギーやアナフィラキシーに対応するため、教育現場と保健所・消防局等関係機関との連携を強化すること。また、教職員に対して、アナフィラキシーの際に使用するエピペンの使用方法等、アレルギーに関する研修を実施すること。
  14. 脳脊髄液減少症の患者とその家族に対し、相談窓口や専門医療機関等の情報提供に努めること。また、市立札幌病院において、先進医療に指定されたブラッド・パッチ療法の導入をはじめ、関係医療機関との協力・連携が実施できる体制の整備を図ること。
  15. 働く女性が安心して出産育児ができる環境整備のため、企業への助成制度の拡充を国に求めるとともに、育児休暇等取得者の関わる助成金の支給対象を拡充すること。
  16. DV被害者の未然防止・早期発見のため、DVセンター等の情報の周知徹底の強化をするとともに 相談内容の多様化に対応できるよう相談体制の拡充及び質の向上を図ること。加えて、DV被害者の相談から自立支援まで関係機関との連携を強化し切れ目のない支援を行うこと。
  17. 自殺予防対策については、医療、保健福祉、教育、法律等、庁内外の幅広い関係団体・機関のネットワークづくりを進め、連携して取り組むこと。加えて、精神科と他科、保健師などによる医療機関連携体制を早期に整備すること。また自殺予防に取り組む民間団体や自死遺族への支援の強化を図ること。さらにSNSを活用した相談体制を構築すること。
  18. 障害者手帳及び精神障害者福祉手帳のカード化について、ニーズ調査を踏まえ早期に実現すること。
  19. 障がいのある職員の職場環境充実にむけ、相談体制の強化や支援員の配置など、個々に対応した支援策を講じること。
  20. 被保護世帯の自立支援については支援機関と連携し粘り強く進めるとともに就労訓練事業所の拡大に必要な支援を国に強く要請すること。一時的な生活保護の認定にあたっては再チャレンジの意欲と機会を奪うことのないよう柔軟な措置を講じること。
  21. 障がい者コミュニケーション条例と手話言語条例の目的を進めるため、手話や様々なコミュニケーション手段の利用拡大や一般市民への普及啓発を着実に行うこと。
  22. 特別養護老人ホーム等の施設整備については、待機者の解消に向けてなお一層取り組むとともに、老朽化等による建て替えが計画的に実施できるよう国に求めること。
  23. 「高齢者あんしんコール事業」は、孤独死対策にもつながることから、広く市民に対して丁寧な周知を図り、日中独居の高齢者対策も検討すること。スマホや携帯電話のみで自宅に固定電話を持たない方への利用拡大も開始されたので、その周知も併せて図ること。
  24. 老人クラブへの補助制度等については、加入人数と活動内容を総合的に判断し、時代のニーズに即した多彩な活動ができるよう支援を拡充すること。
  25. 言語や年金の問題など生活に困難を抱えている二世、三世を含めた「中国帰国者」等への支援策を国・道と連携して取り組むとともに、札幌市としての支援の充実をはかること。
  26. 「視覚障がい者情報センター」で行われているパソコン教室にスマートフォン、タブレットなど使用機器の拡充と教育方法の検討を行うこと。
  27. 敬老パス及び障がい者交通費助成はJR鉄路で利用が可能となるようJR北海道と具体的な協議を進め方向性を示すこと。またICカードのJRとの相互利用については検討すること。
  28. 福祉除雪については利用世帯の対象拡大と除雪範囲の拡張を行うために地域協力員の活動費を引き上げ、参加推進を図ること。また、ボランティア除雪については、市民ニーズとのマッチングを推進すること。
  29. ユニバーサルデザインタクシー車両の本市目標達成に向けて、国と合わせた購入補助の総額を確保すること。車いすでの乗車がスムーズに出来るようドライバー研修へ支援を行うこと。
  30. フードバンクについては、フードロス対策の観点のみならず、福祉的な効果をあげるための重要な施策として位置づけ、提供側と供給側のマッチングを円滑に行うための仕組み作りを整備し、フードバンクの活用推進を図ること。
  31. サービス付き高齢者住宅については、住宅の登録制度の徹底及び情報公開を充実させるとともに、札幌市における運用基準の遵守を目的に立ち入り検査等の実施及び助言指導を行い、サービス内容の質の向上を促進すること。
  32. 有料老人ホームに該当する高齢者下宿等において、届出を徹底させるとともに、基準に抵触する施設の有無や運営実態を調査し、居室の環境や食事の提供、建物設備等が法令を遵守するよう各局が情報共有し指導体制をさらに強化すること。
  33. 高齢化の進展や観光客の増加による救急需要の拡大に対応するため、多言語対応の充実と、更なる救急隊の体制強化をはかること。
  34. ブックスタート事業に続く取組みとして、3歳児を対象にセカンドブック事業を実施すること。
  35. 子どもの安全、保護者の安心、働く親の支援という観点から放課後児童育成事業については民間学童保育事業の果たす役割を一層評価し、更なる支援の拡充と利用者の声を聴くように努めること。
  36. ひとり親家庭等の生活実態に十分配慮し、就労支援や生活支援の充実や子どもの学習支援、各相談事業などの整備・拡充を進め、総合的な支援策を進めること。
  37. 保育園等の補助金については、保育士処遇改善や待機児童解消に資する内容への改善を進め、更なる拡充を図るとともに、喫緊の課題である保育士確保と定着への支援策を強力に進めること。
  38. 待機児童対策を強化し、利用者及び関係機関の抱える課題の掌握に努め、保育施設の供給計画を加速させるとともに、認定こども園への移行を希望する幼稚園等への支援を行うこと。さらに今年から開始した幼児教育保育の無償化の取組については、事業者及び利用者の声を把握し課題解決に努めること。また、一時預かりや病後児デイサービスセンターの拡充等、働きながら子育てしやすい環境の整備充実に努めること。
  39. 10区最後の整備となる中央区保育・子育て支援センターちあふるについては、これまで整備してきた施設の課題や市民の声等を反映するとともに、利用者の利便性に適った施設整備を進めること。また、現保育所跡地についても効果的な利活用を行うこと。
  40. だれもが住みやすいユニバーサル社会の実現に向け、生活関連施設や経路等、生活環境のバリアフリー化を積極的に進めること。
  41. 交通安全に関わる信号機等の設置については道に対し予算の拡充を求めるとともに、市と北海道警察及び区と所轄警察署との連携を密にし設置支援にあたること。
  42. 自転車の安全対策として、外国人観光客も含め道路交通法の順守やマナー向上、自転車通行帯の設置、駐輪場や駐輪禁止区域の拡大を進め、放置自転車の多い地区の状況を踏まえ放置禁止区域の指定を検討・具体化していくこと。歩道の点字ブロック箇所の迷惑駐輪対策等、障がい者への配慮した対策を急ぐこと。自転車利用に関する条例の制定への検討を進めること。
  43. 輸入品を含めた食品の衛生管理と安全・安心に関する情報提供を努めるとともに、地産地消を推進し家庭や学校を通じて、朝食欠食率の高い若い世代への食育に積極的に取り組むこと。
  44. 市民や観光客に対する食の安全・安心を高めるため、わかりやすい情報提供と衛生管理につとめること。さらに自然災害発生時における食を起因とした健康危機対策を進めること。
  45. アスベスト・PCB等の有害物質の対策について、必要とされる調査及び整備に係る予算を確保し、万全な対応を行うこと。
  46. 住宅地に生息域を拡大している、カラス、キタキツネ、シカ等の野生動物により衛生環境の悪化や危険を感じる市民が増えていることから、安全管理と衛生管理を徹底し、市民が安心して暮らせる対策を講じること。
  47. 循環型社会推進のため、電動生ごみ処理機購入助成など家庭における取組を拡げるとともに、アミノ酸堆肥化事業等、資源化の諸方策ついても、その実現可能性など具体的な研究すること。
  48. 雪処理施設の整備を進めるとともに、雪の堆積場確保を目的に雪堆積所の面積要件を緩和するなど新たな制度を検討すること。また、未利用地や公園・公共用地などの利用を拡大する取組を進めること。
  49. 空き家対策については、協定を結んだ司法書士会や不動産関連団体の連携を深め、危険な空き家へ速やかな対応を行うとともに、空き家の様々な利活用の推進、中古住宅の流通促進を図ること。
  50. 市民によるAEDを使った応急手当を行える環境づくりとしての「さっぽろ救急サポート事業」の更なる参画施設の拡大を図るとともに、コンビニへのAED設置を試験的に進め拡充すること。また、応急手当講習の普及拡大に取り組むこと。
  51. 清掃工場からのCO2排出量を削減するため、生ごみの含水率を低下する家庭用脱水機の購入補助を検討すること。また、ごみ収集車内はごみを加圧しているため、ごみが脱水されており、固形分と水分すべてを焼却炉に投入せず、固形分のみを焼却炉に投入する工程とするよう検討すること。
  52. 「防犯カメラ設置補助事業」については、平成30年度からの3か年間の計画となっているが、来年度の事業終了までに、市が計画している補助台数600台に達しない可能性が高いことから、財源が続く限り、事業継続をすること。

4 誰もが地域を誇り、人間らしく心豊かに暮らすために
~地域及び一人ひとりの未来を輝かせる施策の充実と
それを支える環境の整備~

重点要望事項

  1. SDGs未来都市、フェアトレードタウン認定をしっかりと受け止め、SDGsの理念を積極的に市政に反映させるとともに広く市民への普及啓発をはかること。フェアトレードタウンとして、具体的なフェアトレード推進のための取組を展開すること。また、SDGs未来都市、フェアトレードタウン認定をシティープロモーションへも活用すること。
  2. 札幌市立夜間中学の2022年開校へ向けて、入学が想定される方のニーズを踏まえた基本計画の策定を進めるとともに、札幌市の活力をうみだす札幌らしい夜間中学の設立を目指すこと。
  3. 不登校対策としてフリースクールへの支援を継続するとともに、相談指導教室や相談支援センターについても子どもたちが通い易いよう少なくとも 全区への設置を進めること。
  4. 低炭素社会を実現するため、都心エネルギー計画の着実な推進をすること。またゼロエネルギーで暮らせる住宅・ビルディング建設への支援など総合的な取り組みを行うこと。エネルギー消費量の大きい清掃事業や下水道事業などはCO2排出量削減に資する新技術の導入やプロセスの見直しを行うこと、さらに炭素貯留・炭素活用技術の活用についても検討を進めること。

要望事項

  1. 東京2020オリンピック札幌開催競技の気運醸成を高めること。また、期間中はもとより開催後も市民の活力につながるよう取り組むこと。
  2. 2030年冬季オリパラ招致成功に向け、競技団体、経済界をはじめ北海道、道内の他市町村と更なる連携を図ること。また国との連携も強化し一層の情報交換に努めること。
  3. 2030年冬季オリパラ招致へ市民の気運醸成のために、費用対効果や施設の後活用、さらにハード・ソフトともに街が生まれ変わり、共生社会が実現していくなど、具体的な将来像をわかりやすく広く市民へ周知すること。
  4. 市内企業への就職を条件にした奨学金の支援制度や市内企業と若者のマッチングなど、若者が地域に定着していけるよう取り組むこと。
  5. 動物愛護の推進を進めるとともに、多くの市民が集いやすく、動物を通じて誰もが、集い、学べる交流施設、動物愛護の拠点となる「動物愛護センター」の新設を具体化すること。
  6. 札幌市の婚活事業については、スタートし3年を経て見えてきた課題を踏まえて、参加者のニーズを踏まえた事業へと見直しを進めること。また市民の要望も多いことから、20代、30代に限らず40歳以上も対象とした取組も行うこと。
  7. 旭川市や千歳市にある施設のように、大勢の子ども達が季節や天候に左右されず、思う存分に遊び、多世代交流の場となる「屋内子ども遊び場」の開設を検討すること。
  8. 円山動物園は多くの来園者を迎え入れるためのバリアフリー等の環境整備を進めるとともに外国人観光客や高齢者に配慮した園内見学ルートについて検討を進めること。さらに、環境教育施設として、地中熱・バイオマスなど再生エネルギーの活用や動物の糞のたい肥化など循環型社会の構築を目指すこと。
  9. 札幌市民交流プラザは北海道の文化芸術拠点となるように「札幌文化芸術劇場」「札幌文化交流センター」「札幌市図書・情報館」が協力し、国内外に魅力ある事業を発信し、集客を図ること。また市民に親しまれ、活用される施設にすること。
  10. いじめ防止のために、まずは教職員が率先して意識醸成に努め、状況の把握から解消するまでチームによる粘り強い指導体制を構築すること。「ネットトラブル」については、SNSによるいじめの実態調査と情報モラル教育の推進を図ること。また相談方法にSNSの活用を推進すること。
  11. 障がいのある児童生徒の教育を充実させるために、特別支援学級の更なる整備拡充や「学びのサポーター活用事業」の拡大、拡充を図ること。
  12. 豊明、みなみの杜両高等支援学校における教育について、相互に連携をしながら特色ある 教育を推進するとともに就労支援体制の充実を図ること。また、特別支援教育のセンター校として、小・中学校への支援機能を充実させること。
  13. 学校図書館地域開放事業(開放図書館)については開放校の増加に見合った予算の確保や、活動支援の一層の拡充を図ること。
  14. 「特別支援教育相談」については相談内容の多様化や相談件数の増加に対応するために、相談室の組織強化を進めること。また「幼児教育相談」も含め、特別な支援が必要な子どもへの教育推進に向けて、これまでの研究や課題を共有する取り組みを行うなど職員の資質向上への取り組みを強化すること。
  15. 2020年度から始まる私立高校授業料実質無償化に伴い、札幌市奨学金においても、高校を始め、必要とする家庭に支援が行き届くようにさらなる拡充策を講じること。
  16. 「札幌市えほん図書館」については、ボランティアとの連携を一層強化し、障がい者にも配慮した空間づくりを進めるなど、魅力あふれる図書館づくりに努めるとともに、子どものみならず大人向けの取組等も検討を進めること。
  17. 「札幌市図書・情報館」は、市民の仕事や暮らしの向上のため、最新かつ的確な情報提供をすること。また、開催しているセミナーは、関係機関と連携し質の高い内容とすること。
  18. 未成年へ安全なインターネットの利用に係る指導を強化すること。
  19. 地球温暖化の進行による教室内の学習環境を改善するため、調査を行い必要な場所にはエアコン設置の普及を図ること。

5 時代に応じた多様な施策の実現を持続可能なものとするために
~施策実行の土台となる不断の行財政改革を推進~

重点要望事項

  1. 市民サービスの高度化のため行革先進都市との連携強化、業務の再構築と効率化、市民・企業との協働や民間委託による職員力の向上など不断の行政改革を推し進めること。
  2. 財務会計システムの更新に当たっては、日々仕分けの導入による財務諸表の速やかな公表とセグメント分析による行財政改革の推進を目標とすること。
  3. 市立札幌病院が、市民の健康と命を守る砦としての役割を果たすために、経営の健全化を進めつつ、「稼ぐ力のある病院」を目指して不断の経営改革を進めること。また職員が働きがいを持てる工夫や、有給休暇を取得しやすくするなど、働き方改革を推進すること。
    そうした目的を達成するために、将来の独法化や他病院との経営統合など、大胆な病院の将来の在り方についても検討を進めること。
  4. 多額の企業債を抱える交通局については、高い金利負担が経営を圧迫する一因となっていることから、民営化し企業債の借り換えを行った場合の金利負担の軽減や、公営企業法に縛られない多角経営による収益力の向上や多方面への経済効果など、民営化のメリットや可能性について、大阪メトロなど他都市の事例も踏まえ積極的に調査検討を進めること。

要望事項

  1. スポーツ振興基金助成金は、団体や大会に見合った制度に見直しすること。
  2. マイナンバーカードについては、情報漏えい防止のため厳格な運用システムの構築と職員教育を徹底すること。マイナポイントや健康保険証として市民が利用できるよう、しっかりと対応するとともにID設定支援もきめ細かく取り組むこと。