議会報告

平成29年第2回定例議会
代表質問 竹内たかよ 議員
(清田区)

札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して竹内たかよ 議員が代表質問を行いました。

以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。
no1
市長の政治姿勢について
(1)市長のリーダーシップの発揮について

秋元市長は、市長に就任した一昨年10月、札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015を公表し、その中で、「北海道の未来を創造し、世界が憧れるまち」との都市像を示し、札幌・北海道の様々な魅力資源を国内外に発信することで、投資や人材を呼び込むことを目指しており、積極的な企業誘致の展開や人材還流の促進に取り組むとしています。

しかし、市長の任期もこの春で折り返しの時期を過ぎました。アクションプランの着実な推進、成果拡大の為には、市長が外交の最前線に立ち、強力なリーダーシップを発揮して、さらなる企業誘致を始めとして、各種学会やインセンティブツアーなどのMICE誘致、医療関連産業の集積、インバウンドの拡大など、より勢いを増していかなければなりません。

さらには、厳しい都市間競争に置かれているという認識を誘致関連のセクションはもとより全庁的に共有するとともに、市長自ら先頭に立ってトップセールスを行う。もって「これまでの札幌プラスα」のハイブリッドな価値を創造し都市間競争に絶対に打ち勝つ!との強い決意と行動が必要と考えます。

そこで質問ですが、札幌が都市間競争に勝ち抜き、さらに成果を積み重ね、発展していくために、アクションプランで掲げる都市像の実現に向け、さらなるリーダーシップを発揮すべきと考えますが、その意気込みについて伺います。

(2) 地方公会計改革の取組について

地方公会計改革とは、民間企業の会計方式として採用されている、発生主義や複式簿記を行政にも取り入れることにより、建築物を始めとする資産の量がどの程度あって、それらが総体としてどの程度古くなっているかなど、今までの自治体会計では見えなかった新たな情報を明らかにし、札幌市がどのような都市であるかを分かりやすく市民に発信する「財政状況の見える化」を進めるものであります。

我が党は、これまでも、行政サービスの効率化を進めるために「予算を執行するだけの『運営』から、限られた資源を有効に活用する『経営』への転換」を図る手法として地方公会計改革を推進してきましたが、今般の経済財政に関する議論や市民の不安の高まりを考えると、その必要性・重要性はさらに増しているものと考えます。

そこで質問ですが、財政状況の見える化を進める観点で、地方公会計に関する取組をどのように進めていこうとしているのか市長のお考えを伺います

(3) 地域防犯対策について

本年2月に公開された第4回市民意識調査では、「安全・安心して暮らせるまちの実現のため札幌市に取り組んでほしいこと」という問いに対し、公共空間等における防犯カメラ設置への支援を選択した市民が全体の約4割を占め、防犯カメラは必要かという問いに対しては、97.3%が必要であると回答しており、市民は防犯カメラ設置に対して高い必要性を持っているという結果でした。

その後、札幌市においては、さらに町内会等が自ら地域に設置する防犯カメラの設置補助について、創設要望を確認するための市内各町内会長等を対象とした調査を実施しているとのことでした。市民意識調査の結果にあるとおり、市の望む施策として公共空間等への防犯カメラの設置に対する支援について高い声が上がっており、昨今の犯罪情勢等を鑑みても、できるだけ早期の設置が望ましいものであると認識しております。

先行している自治体では、モデル事業として早々に立ち上げ、その結果を検証した後に本格実施をしているところもありますが、これら一連のアンケート内容を踏まえて、今後、防犯カメラの設置に対する支援についてどのような取組をされるのかお伺いします

(4) 女性の活躍推進について

札幌市では、私がこれまで求めてきました、様々な立場のキーパーソンが参加する「さっぽろ女性応援会議」が先日開かれ、市長自ら参加し、意見交換が行われたと聞いており、その手応えも気になるところであります。

女性が輝くまちづくりを推進することで、女性のみならず幅広く一人ひとりが社会の大切な人材として輝ける社会に繋がるものと考えており、今後、大胆な取組が行われることが期待されます。

そこで、質問ですが、先日開催されました「さっぽろ女性応援会議」での手応えも踏まえ、トップマネジメントの下、全庁を挙げて取り組んでいくべきと思いますが、どのようにお考えか、市長の見解をお伺いいたします

(5) 待機児童解消に向けた対応策について

働く保護者の皆さんは、保育園を選択する基準として、なるべく自宅付近や職場周辺を希望する方が多いのが現状ですが、そうした地理的な条件に加え、園の保育方針や理念が子どもの性格や自分たちの教育方針と照らして合致しているかなど、幼稚園を選択する保護者と同様に、我が子のことを考えて保育園を選択したいというのが、利用者の声であります。

就学前の乳幼児保育・教育の重要性から、希望する環境で保育の提供を受けたい半面、残念ながら、札幌市における保育ニーズに対する供給量は、先日、発表されましたとおり、国定義の待機児童については、7人と前年の8人から1人減ったものの、希望する保育園に入れずに待機するという、いわゆる潜在的待機児童については1,674人と、昨年の816人から約2倍と大きく増加しているのが現状です。

加えて、女性の活躍機会の増といった社会状況の変化などに伴い、保護者の働き方も多様化しており、例えば、病後児の受け入れや延長保育の対応時間なども働く保護者にとって、まだまだ切実な問題が残っており、こうした多様な保育サービスを提供できるよう、より一層取り組む必要があります。

本市においても、これからの将来を見据えながらも、現在の保育ニーズに速やかに対応するため、大胆かつ柔軟な保育所整備の在り方を取り入れる時期に来ていると考えます。

そこで質問ですが、増大・多様化する保育ニーズに対応し、今後の時代の変化にも対応していけるよう、保育所の供給に当たっては、柔軟な方法を取り入れながら進めていくべきと考えますがいかがか、お伺いいたします

(6) 食品ロス対策について

食品ロスは、家庭と企業からおよそ半々ずつ出ていると推計されています。家庭にとっては、お財布に痛い問題であり、企業にとっては経営の損失です。

また、自治体にとってはゴミ処理につながる課題であり、地球環境には温暖化ガスの原因になっています。誰にも良いことはありません。その一方で、食べ物に困っている人がいるという問題もあります。率直に言って、大変にもったいないのであり、多くの方々が改善を求めていると思います。

そこで質問ですが、札幌市では、食品ロス削減に向け、市民が積極的に取り組んでいくという機運をどのように高めていくのか。また、未利用食品の活用に行政として積極的に取り組むべきと考えますがいかがか、お伺いいたします

(1) 市長のリーダーシップの発揮について

世界レベルでの都市間競争が激しくなるなかで、札幌の存在感を一層高めていくためには、札幌ならではのまちの魅力を高めると同時に、これまで以上に、国内外から多様なヒト・モノ・コトを呼び込み、集積させていかなければならないと認識。

このため、これまでも私のリーダーシップの下、世界的な企業やMICEの誘致、さらには観光資源の魅力アップなどに全庁を挙げて取り組んできたところ。

企業誘致に関しては、昨年4月のアフラックの本社機能の一部移転や、先月のJFEエンジニアリングの大規模植物工場設置についてトップセールスを通じ実現してきた。

こうしたことから、様々なネットワークを生かし、私自らが相手と信頼関係を構築し、働きかけていくことが重要と再認識したところ。

今後も、庁内外でのリーダーシップをしっかり発揮しながら、アクションプランを着実に進め、未来の札幌を築いてまいる所存。

(2) 地方公会計改革の取組について

これまでも、財務諸表の公表など、先進的な取組を実施してきたところ。

今年度は、国が求める統一的な基準を初めて適用し、平成28年度決算に基づく財務書類を着実に作成して公表したい。

これにより、全国の自治体で等しい基準の財務書類が揃い、他団体との比較により、資産を含めた財務状況や行財政運営の効率性について、札幌市の立ち位置をより客観的に示すことが可能となる。

さらに、公共施設の更新需要が増加していく中、これまでの自治体会計では捕捉することが困難であった、市が保有している施設などの資産の総量や老朽化の度合いを数値化することにより、効率的な更新や長寿命化、財政負担の平準化に役立てていきたい。

こうした情報を市民の皆さんに的確に伝え、財政状況への理解を得ながら、将来世代に過度な負担を残さない持続的な財政運営を推進していく。

(3) 地域防犯対策について

防犯カメラの設置への助成制度については、昨年度末に、市内の各単位町内会等を対象にアンケート調査を実施しており、これまでに約6割の回答をいただいたところ。

そのうち、3分の1にあたる約430の地域で設置を希望する回答があった一方、防犯カメラの設置に伴う費用負担やプライバシーの保護に関する問題があるという意見をいただいている。

今後は、こうしたアンケート結果を踏まえ、関連団体等と課題の整理を行ったうえで、他の指定都市の動向も参考にしながら、制度導入の可否について検討してまいりたい。

(4) 女性の活躍推進について

女性の活躍を推進することは、社会における多様性を高め、新たな価値を創造していくことを通じて札幌のまちの魅力を高めていくことと考える。

一方で札幌市は全国的に見ても女性の有業率が低く、主に仕事の面での女性の社会進出をより一層進める必要があると認識。

このような趣旨について、年度始めに私から全局長に対し徹底するとともに、全庁的に取り組むよう指示をしたほか、全庁から公募した女性職員によるプロジェクトチームや、関係部局からなる横断的な会議を速やかに設置し、調査・検討を進めているところ。

また、先月末に「さっぽろ女性応援会議」を立ち上げ、様々な分野で活躍されている10名の委員の方から、それぞれの経験を踏まえた貴重なご意見をいただき、有意義な意見交換を行ったところ。

今後は、この応援会議からの意見を踏まえつつ、先進的な他の地域の状況なども勘案して速やかに検討を行い、実効性の高い施策を展開してまいりたい。

(5) 待機児童解消に向けた対応策について

保育サービスの供給に当たっては、これまでも幼稚園の認定こども園への移行のほか、認可保育所・小規模保育事業所の新設等、様々な手法によって計画的に整備を進めてきたところ。

また、入所に関する相談等に対しては、各区に保育コーディネーターを配置し、保護者のニーズを確認しながら、きめ細やかに対応を行っているところ。

このような中、昨年度実施した保育ニーズの再調査などを通して、量の増加はもとより、その多様化についても実感しているところ。

今後も、こうしたニーズに適切に応えられるよう、国の動向を注視するとともに、他都市の特色ある取組を参考にしながら、札幌市にふさわしい供給の在り方について検討してまいりたい。

(6) 食品ロス対策について

札幌市では、ごみ減量キャンペーンを実施し、冷蔵庫内の食品の使いきりや、宴会での食べきりを市民に呼びかけているところ。

加えて、市民向け料理講座での周知や、子育て中の市民に対し食育と合わせて啓発を行うなど、さまざまな取組が進んでいるところ。

今後は、次期一般廃棄物処理基本計画に食品ロスの削減について盛り込み、さらなる機運醸成に向けた取組を進めてまいりたい。

また、未利用食品の活用については、これまで、他都市におけるフードバンクへの取組状況の把握に加え、市内のフードバンク運営団体に対し、活動内容などの調査を行ってきた。

その調査結果から、行政に対しては、市民・企業に向けた活動内容の周知や、食品の提供者、提供先を含めた関係団体間の情報共有の推進といった面からの支援を期待しているとの意向を確認したところ。

これらを踏まえ、札幌市として具体的にどのように取り組んでいくか引き続き検討してまいりたい。

no1
女性等の視点を取り入れた災害対策について

札幌市は、これまで平成25年3月に策定した避難場所基本計画に多くの女性委員の意見を取り入れました。女性の目線で避難所運営についてのマニュアルの作成や避難場所運営研修の実施、障がいのある方々の防災訓練への参加、障がい者団体との意見交換の実施など、防災対策に女性や災害時要配慮者の視点を取り入れる様々な取組を行ってきたとお聞きしております。

今後は、東京都で今年度完成予定の「女性視点の防災ブック」のような市民一人一人が手元に置ける情報ブックの作成や女性防災リーダーの育成など、女性の視点を取り入れた災害に強いまちづくりのための取組を、平常時から継続的に実施し、見直しを図っていくことが必要であると考えます。

そこで質問ですが、備蓄物資や避難所運営などの災害対策について、女性等の視点を、より一層取り入れる必要があると考えますが、どのようにお考えか、伺います

災害時には、被災された女性や子ども、高齢者など、様々な方々の多様なニーズに対応することが求められることから、災害対策に女性等の視点を取り入れることは重要であると認識。

災害による被害をできるだけ少なくするためには、地域住民の助け合い、いわゆる共助が有効であることから、札幌市では、今年度から、地域や住民の実情に応じた地区防災計画策定のモデル事業を実施しているところ。

計画の策定に当たっては、地区の実情を踏まえたうえで、女性等の視点をより一層取り入れるなど、災害対策の充実に向けて、地域とともに取り組んでまいりたい。

no1
先端医療分野の産業振興について

高齢化が世界に類を見ないスピードで進行している我が国において、健康や医療に対する人々の需要は、今後ますます拡大していくことが見込まれています。

このため、健康・医療は、成長が期待できる市場として、産業面でも重要性が高まっており、我が会派ではとりわけ、これまで代表質問などでも取り上げてき  ましたように、先端医療分野の産業振興に注目しています。

先端医療分野の企業は、世の中を変える画期的な製品・サービスを創出し、大きく成長する可能性があるとともに、札幌から流出する大卒の理系人材の雇用先としても有望であり、力を入れて支援していくべきです。そして、その支援にあたって重要となるのが、企業・大学・行政などの協力による産学官連携です。

札幌には、最先端の研究を行う大学があり、これらの大学と連携して、新たな産業をつくるとともに、理系人材の雇用拡大を図っていかなければなりません。

そこで質問です。産学官連携を強化し、今後成長が見込まれる先端医療分野の産業振興を進めていくべきと思いますが、どのようにお考えか伺います。

1月に改定した産業振興ビジョンでは、重点分野の「健康福祉」を「医療」にも拡充しており、先端医療分野の産業振興は重要と認識。

市内では、北海道大学や札幌医科大学などにおいて、この分野の有望な研究が数多く行われていることから、札幌市はこれまでも、企業と大学が連携した共同研究への支援を実施。

また、こうした共同研究の一層の活性化に向けて、大学の研究と市内企業のマッチングを図り、事業化を支援する新たな仕組みの構築に着手したところ。

さらなる産業振興を進めるに当たっては、産学官連携の強化が不可欠と認識しており、大学をはじめ、関係機関との連携を密にして取り組んでまいりたい。

※企業と大学が連携した共同研究への支援

【健康関連産業研究開発支援事業】

○共同研究補助金 [3,000千円×6件、補助率10/10](健康・医療分野)
札幌市内に拠点を有する企業と道内の大学・研究機関等による共同研究に対する補助。

※事業化を支援する新たな仕組み

(平成29年度新規事業)

【医療関連産業集積促進事業】

①医療分野における大学の研究と市内企業のマッチング
北海道大学、札幌医科大学、旭川医科大学と連携し、ノーステック財団を窓口として、市内企業とのマッチングコーディネートを実施。
②事業化を支援するための補助金 [1,500千円×3件、補助率10/10](創薬関連分野)
①でマッチングした研究について、市場調査や競合特許の調査などに要する費用を企業に補助し、事業化を支援。
no1
冬期オリンピック・パラリンピック招致について
(1) 冬季オリパラの招致気運と今後の取組について

2017冬季アジア札幌大会とIPCノルディックスキーワールドカップを市民の力で成功させることができたにもかかわらず、北海道新聞が行った世論調査においては冬季オリパラ招致への支持率が56%と、一年前より減少したという調査結果も出ており、東京2020(ニーゼロニーゼロ)大会を巡る様々な問題が少なからず影響しているのではないかと思います。

本来、東京2020大会は、スポーツを通じたよりよい社会の構築というオリンピック・パラリンピックの理念や価値を市民に対して広める絶好の機会であり、文化プログラムの推進は、文化芸術の振興だけでなく地方創生や観光、産業等の振興による経済の活性化、さらにはレガシーの創出に貢献するものであり、我が党としても、昨年文化プログラム推進委員会を立ち上げ、その推進・充実を政府に提言したところであります。

特に、将来のオリパラ招致を目指す札幌市としては、招致に向けた気運の盛り上げにもつながるものと思います。

そこで質問ですが、まず2026年の冬季オリンピック・パラリンピック札幌招致に向けた支持率の低下について、その原因をどのように捉え、今後の取組を進めていくのか伺います

(2) 東京2020参画プログラムの推進について

また、本市が将来のオリパラ招致を目指していることを踏まえ、東京2020参画プログラムをどのように推進していくのかお伺いいたします

(1)冬季オリンピック・パラリンピックの招致気運と今後の取組について

東京2020(ニーゼロニーゼロ)大会の大幅に増加した開催経費や、積算根拠の説明が不足したまま進む費用負担の問題などにより、国民の間でオリンピック・パラリンピックに対する不安や不信感が広まる中にあって、札幌招致に対しても多額の経費負担を懸念する市民が増えたことが支持率低下の原因と認識。

一方で、札幌市の開催概要計画については、現時点で可能な限り詳細な試算を行うとともに、積算根拠を明らかにするなど透明性の確保に努めてきたところ。

そこで、今後さらに施設配置計画の精査を行い、開催経費の縮減を図るとともに、これらを市民の皆様に丁寧に説明することで、札幌招致に対する理解の促進に努めてまいりたい。

(2) 東京2020参画プログラムの推進について

冬季オリンピック・パラリンピック招致を目指す札幌市にとって、東京2020大会までの3年間は、全国的な関心の高まりに合わせて、市民に世界平和や共生社会の実現といったオリンピック・パラリンピックの価値を理解してもらう絶好の機会と認識。

そこで、オリンピック・パラリンピック教育をはじめ、様々な文化・スポーツイベントなどで東京2020参画プログラムを積極的に活用しながら、オリンピック・パラリンピックの価値や魅力を発信する取組みを行うことで、札幌招致に向けた気運醸成につなげてまいりたい。

東京2020参画プログラム

・様々な組織・団体がオリンピック・パラリンピックとつながりを持ちながら大会に向けた参画・気運醸成・レガシー創出に向けたアクションが実施できる仕組み。

・8つの分野ごとに審査基準に該当する取組みを東京2020組織委員会が認証。認証された取り組みは参画プログラムのロゴマークを活用することができる。

【8つの分野】
スポーツ・健康、街づくり、持続可能性、文化、教育、経済・テクノロジー、復興、オールジャパン・世界への発信
【ロゴマーク】
logo
no1
難病対策とヘルプマークについて
(1) 今後の難病対策への取組と関係機関との連携について

難病の医療費助成事務は、難病法に基づき都道府県が所管することとされており、札幌市の難病患者については、北海道が実施主体ですが、平成30年度からは、大都市特例により、札幌市に全ての権限が移譲されると聞いております。医療資源が集中する札幌市の難病患者は、およそ2万人に上ります。今後、実施主体となる札幌市が、より良い制度を構築していくためには、北海道難病連や各患者団体を通じ、より多くの難病患者の声を聞きつつ、医療機関や相談室等の難病患者を支援する関係機関と密に連携を図ることが重要と考えます。

そこで質問ですが、札幌市として権限移譲を機に、今後、難病対策にどのように取り組んでいく考えか、そして、制度の実施主体として、関係機関や北海道難病連、患者団体等とどのように連携を図っていこうとしているのか、その考え方についてお伺いします

(2) ヘルプマークの周知方法と導入効果について

難病患者や内部障がいの方、義足や人工関節を使用している方、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としていることが、外見から分かりづらい方などを対象としたヘルプマークについて、札幌市でも、いよいよ本年秋に配布が開始されます。

導入に当たって、制度の周知が最も大切であることは、これまでも主張してきたところですが、制度の周知については様々な団体などからも強く要望が出されており、ヘルプマークの導入による効果に大きな期待が寄せられているものと感じています。

ついては、制度の導入が近づいたこの時期において、あらためて市の考えをお聞きしたいと思いますが、ヘルプマークの導入に当たり、市民に対していかなる形で周知を図っていくのか、また、札幌市として、導入による効果をどのように想定しているかお伺いいたします

(1) 今後の難病対策への取組と関係機関との連携について

平成30年度の権限移譲により、札幌市が主体的に難病対策を行う立場となることから、難病患者や家族の方々の不安や負担を少しでも軽減できるよう、相談支援の質的な充実や、申請手続きにおける利便性の向上等、施策の充実に努めてまいりたい。

また、札幌市では、平成30年度に難病対策地域協議会の設置を予定しており、医療・福祉分野等の関係機関をはじめ、北海道難病連、患者団体や北海道とも連携をしながら、課題共有を図り、難病患者の療養生活の質の向上に向けた取組を進めてまいりたい。

(2) ヘルプマークの周知方法と導入効果について

まず、周知方法については、市内のコンビニエンスストアや大型商業施設等でのポスター掲示に加え、広報さっぽろやホームページなどの各種広報媒体を活用するほか、出前講座により子どもたちへの啓発を行うなど、広く制度の周知を図ってまいりたい。

また、導入による効果については、ヘルプマークの普及によって、援助や配慮を必要としている方々への市民理解が深められ、支援の輪がさらに広がることを期待しており、札幌市が目指す「心豊かにつながる共生のまち」の実現に向けた新たな取組になるものと考えている。

no1
教育施策について
(1) 教員の多忙化の現状と認識について

この4月に、文部科学省により、中学校教員の8割が月100時間を超える残業時間であるとの調査結果が発表され、それは過労死ラインを超えるものであるという、教員の多忙な実態が報道等でも明らかになりました。この原因として、子どもたち一人一人に学ぶ力を身に付けるために、教員が日々の教材研究や授業の進め方などに力を入れていることも一つであると考えますが、いじめなどの問題、不登校への対応、特別な教育的支援を必要とする児童生徒の増加など、学校を取り巻く課題は多様化・複雑化しており、さらには保護者対応などに苦慮するケースもあると考えます。

教員の多忙化解消や負担軽減は、喫緊の問題であり、業務を見直し効率化を図るなど、今できることから取り組み、子どもたちの学ぶ意欲を高めるためには、教員がゆとりをもって子どもたちと向き合う時間を確保することが大切であると考えます。

そこで質問ですが、札幌市の教員の多忙化の現状と、その認識について、どのようにお考えか、伺います

(2) 学校における地域人材等の有効活用について

札幌市の取組を見ますと、スクールカウンセラーなどの専門スタッフを段階的に増員するとともに、各学校において、登下校の見守りや校内の環境整備のお手伝い、学習活動へのボランティアなど、保護者や地域人材の方々に協力していただいている状況は承知していますが、中には、こうした人材の活用がうまくいっていなかったり、十分に活用されず大変苦労している地域があるのが現状です。こうした専門スタッフや地域人材の方々は、それぞれの専門分野や経験などを生かして力を発揮していただいているところでありますが、今後も更に多様化・複雑化すると見込まれる学校課題に対応していくためには、今まで以上に学校、家庭、地域が連携していくことが重要であると考えます。

そこで質問ですが、学校が抱える様々な課題に対応するため、各学校が今まで以上に、外部の専門スタッフや地域人材を有効活用するための仕組みづくりを検討すべきと考えますが、如何かお伺いいたします

(1) 教員の多忙化の現状と認識について

平成27年に札幌市で行った独自調査では、10年前の調査と比べて時間外勤務の時間数は減少しているが、教員の多忙な状況は解消されておらず、引き続き負担軽減に向け、取り組んでいく必要があると認識。

(2) 学校における地域人材等の有効活用について

子どもが感性を豊かに働かせながら、新たな価値を創造する力を身に付けるためには、学校が家庭や地域社会と連携・協働し、地域人材等の有効活用を図ることが、これまで以上に必要であると認識。

各学校では、体験活動の充実や様々な教育課題への対応が求められており、多くの専門スタッフや地域の方々に、教育活動に参画いただいているが、人材確保や連携の進め方などに課題も見られる。

今後は、専門スタッフや地域人材の力が一層発揮されるよう、好事例を学校間で共有するなどして、体制づくりを進め、地域と学校がより一体となった教育活動の充実に取り組んでまいる。

no1
清田区の諸課題について
(1) 地域交流拠点のまちづくりについて

清田区は平成9年11月に豊平区から分区して誕生以来、今年で20周年を迎えます。区を挙げて20周年を祝い、清田区の将来を区民みなで盛り上げていく気運が高まっています。一方、「札幌市まちづくり戦略ビジョン」で地域交流拠点として位置づけられている区役所周辺への拠点機能の集積は、今のところ大きな進展は見られていないものと感じています。

こうした中、札幌市では今年1月に「地域交流拠点等開発誘導事業」の運用を開始しており、清田区役所周辺のような地域交流拠点等において快適な歩行空間などの創出に寄与した場合、容積率の最高限度を割り増したり、事業費の一部を補助するなど、良好な民間都市開発を誘導しているところであり、これは、清田区の開発機運を高める一つの契機となっていくことを期待しています。

しかし、その一方で、軌道系交通機関の駅、あるいはそれに代わる交通連結機能が充実していない地域交流拠点において、民間の投資が促されることは容易ではなく、それらの事業や制度等による効果は限定的であると受け止めざるを得ません。

そこで質問ですが、地域交流拠点である「清田区役所周辺」のまちづくりについて、今後、どのような考えで取り組んでいかれるつもりなのかお伺いいたします

(2) 清田方面への地下鉄延伸検討について

この清田区役所周辺のまちづくりを進めていくにあたり、民間事業者等による開発の動きを力強く誘導するうえでも、拠点へのアクセス性を高めることが非常に重要であり、軌道系交通機関のない清田区においては、地下鉄延伸が果たす役割は非常に大きいと思います。

秋元市長が清田方面への地下鉄延伸を検討すると公約に掲げたことに対し、地元としては久々に光明を見い出した思いであり、市長の思いを全力で応援していくとともに、地下鉄延伸に向けてより一層活動を進めていこうと決意しているところであります。

札幌市は、実現に向けた強い決意のもとに、冬季オリンピック・パラリンピックの招致の取組を進めている以上、冬季オリンピック・パラリンピックの開催後に、高次機能交流拠点である札幌ドーム周辺地区が、スポーツを通じて札幌・北海道の振興に果たす役割を改めて明確に位置づけ、その視点から、札幌ドーム周辺の土地利用の検討を深める必要があると考えます。

その上で、札幌ドームから清田、北広島に向かう国道36号沿線地域が、例えば、「さっぽろ未来創生プラン」に掲げている、広域連携による一体的な観光振興、首都圏から札幌圏への移住・定住の促進などの役割を担うなど、高次機能交流拠点である札幌ドームから地域交流拠点である清田区役所周辺へと地下鉄を延伸することがもたらす様々な効果を、新たな検討の要件として付与し、地下鉄延伸の妥当性を検討する必要があると考えます。

そこで質問ですが、先の市長選において、清田方面への地下鉄延伸検討を公約に掲げた理由・その想いについて、改めて市長にお聞きいたします。また、任期が折り返しを迎え、清田区民の要望に応えるべく検討を進めていくべきと考えますが、市長の見解をお伺いいたします

(3) 安全で安心なまちづくりに向けた治安対策について

札幌市では現在、清田区を除く九つの区において警察署が設置されており、交番とともに住民の安心感の醸成や手続きの利便性向上に寄与しておりますが、清田区には警察署がなく、交番が五つ存在するのみという状況であり、住民から治安対策において不安の声を耳にしているところであります。

札幌市におきましても「北海道警察・札幌市行政連絡会議」において清田警察署の設置に関する要望を行っているとの事であり、思いは同じ方向に向いているものと認識しております。今後は、例えば2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた北海道や北海道警察との協議の場などを捉えて、治安対策について更なる連携を図っていく事が重要であります。

そこで質問ですが、今後はこのような機会を通し、清田区への交番の増設や警察署の設置について、さらなる積極的な訴えが必要と考えますが、如何かお伺いいたします

(1) 地域交流拠点のまちづくりについて

地域の魅力をより一層高めるためには、商業・医療などの機能集積を図ることに加えて、市民や企業の皆様と協力しながら、にぎわいや交流が生まれる空間の創出を図っていくことが重要。

清田区役所周辺においても、地域のまちづくり活動や民間事業者の動向等を捉えながら、拠点としての魅力や機能向上を図っていく所存。

そのため、昨年度策定した制度等を広く周知することなどによって、民間事業者による建替え更新を積極的に誘導し、質の高い空間づくりを展開していく考え。

(2) 清田方面への地下鉄延伸検討について

地下鉄の清田方面への延伸については、平成23年度の総合交通計画策定の際に、利用者数予測に基づく収支見込みを算出しており、地下鉄を延伸するために必要な収支結果が得られなかった。

冬季オリンピック・パラリンピックを契機に清田方面の将来の土地利用や人の流れの変化も想定されることから、公約では、まちづくりの中で重要な視点の一つでもある地下鉄について、冬季オリンピック・パラリンピック招致と合わせて延伸を検討すると掲げたもの。

現状においては、冬季オリンピック・パラリンピックの招致動向が不透明であることや、札幌ドーム周辺の土地利用の方向性が定まっていないことから、それらを踏まえた将来需要を推計することができる状況にない。

今後、それらの条件が整った段階で、地下鉄延伸の検討をしていきたいと考えている。

(3) 安全で安心なまちづくりに向けた治安対策について

清田区への交番の増設や警察署の設置については、これまでも、北海道や北海道警察に対して、様々な機会を捉えて要望しているところ。

今後は、国際大会などの大規模なイベントが清田区に近接した札幌ドームで開催され、交通安全や治安対策の重要性がますます高まることから、より積極的に要望活動を展開してまいりたい。