議会報告

平成23年第4回定例議会
代表質問 丸山 秀樹 議員
(厚別区)

12月7日札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して丸山 秀樹 議員が代表質問を行いました。
防災対策について、札幌市における文化芸術を活用した観光振興について質問しました。
以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。
no1
防災対策について
(1) 来年3月11日に合わせた防災イベント等の開催について
 今回の東日本大震災により、災害に対する市民の関心が高まっている今こそ、札幌市として防災に関する施策について、これまで以上に市民に周知することにより、個々人の防災対策の推進を図るべきであると考えます。
 東日本大震災からちょうど1年の節目となる来年3月11日に合わせ、あらためてこの未曾有の大震災について思い返し、市民ひとりひとりの防災意識の高揚につなげるために、防災に関するイベント等を開催することが非常に有効であると考えます。
 来年3月11目に合わせ、市民の防災意識高揚のため、札幌市として防災イベント等を開催するべきと考えますが、いかがか伺います。
(2) HUG(静岡県で開発された避難所運営に係る図上訓練)の導入について
 東日本大震災以降は、避難場所の運営に係る訓練の必要性が叫ばれてきており、今、注目を集めている図上訓練の一種として、「HUG」があります。
 「HUG」は、DIGと同様に、避難所となる学校などの平面図の上で、救援物資の管理や配布方法、仮設トイレの設置場所の決定、障害のある方や高齢者の方々の避難スペース確保など、災害発生直後から避難場所で必要となる対応を、地域の方々がみんなで話し合いながら、素早く決めていくという訓練です。
 地域の訓練の一つとし「HUG」を導入すべきと考えますが、札幌市の見解を伺います。
(3) 道内地方卸売市場との災害時の相互応援について
 今年の夏、中央卸売市場の事業者の皆さんが策定した「札幌市中央卸売市場活性化ビジョン」には、道内地方卸売市場との業務提携のほか、「災害時の相互応援に関する協定」を締結するとの取組が示されております。
 また現在、札幌市が策定中の「中央卸売市場経営改革プラン」にも、「災害時にも市民に生鮮食料品を安定して供給できるよう」、「他の卸売市場との協力体制の確立」により、「災害に強い市場」をめざすとの基本目標が掲げられています。
① 災害時の「中央拠点市場」としての役割
 道内における大規模な災害の発生に備えて、このたび生鮮食料品流通の要である「中央拠点市場」の指定を受けた札幌市は、どのような役割を担っていこうとされているのか、お聞きいたします。 ② 相互応援の体制づくり
 また、現在、災害対応に向けた道内卸売市場間のネットワークは整えられていない状態だとお聞きしておりますが、「活性化ビジョン」「経営改革プラン」に掲げられている、災害時において道内の地方卸売市場と相互に応援する体制を具体的にどのようにつくろうとされているのか、お聞きいたします。
(1) 来年3月11日に合わせた防災イベント等の開催について
 東日本大震災以降、これまでにも増して出前講座や地域の防災リーダー研修、国や北海道との共催によるセミナーなどを通して市民の防災意識高揚を図るための取組を展開してきたところです。
 更なる防災意識の向上を図るうえで、東日本大震災からちょうど1年目となる来年3月11日に合わせたイベントの開催は大切であると考えます。したがって、市民の皆様にあらためて防災の必要性について認識していただくため、出来るだけ多くの人達の目に触れる事ができるような場所で、現地の被害状況や札幌市の支援についての紹介、地震に対する備え、住宅耐震化などについての啓発を目的とした企画を行っていきます。
(2) HUG(静岡県で開発された避難所運営に係る図上訓練)の導入について
 本市では、「防災協働社会の構築」を地域防災計画の柱の一つとして位置付け、市民一人ひとりや地域・企業そして行政がともに連携した防災対策の取組が重要であるとの考えから、自主防災活動の促進、出前講座による防災知識の普及啓発、そしてDIGを活用した訓練の実施など、市民の皆さまの防災意識の高揚に取り組んできました。
 東日本大震災では、議員ご指摘の点も含め、防災対策に係る様々な課題が指摘されているところであり、今後の防災意識の普及啓発に当たっては、これらの課題を踏まえ、効果的な手法を積極的に取り入れていくことが重要です。
 「HUG」についても災害時の避難所生活に備えた事前の取組として効果的と考えており、DIGの実施状況や、防災対策の進捗度等地域の実情を考慮しながら導入について検討していきます。
(3) 道内地方卸売市場との災害時の相互応援について
 災害時の「中央拠点市場」としての役割については、北海道全体における生鮮食料品の安定供給を維持するため、被災市場の集荷機能や出荷機能の補完など相互応援の実施に関して、中心的な役割を担っています。  
 相互応援の体制づくりについては、札幌市からの提案を受け、北海道では、現在策定している「第9次卸売市場整備計画」において、災害対応のネットワークづくりを取組項目として盛り込んだところです。
 今後、札幌市としては、道内主要都市の卸売市場と災害協定に関する検討会議を立ち上げ、協定の締結後、各市場が周辺の中小規模の市場に連携を広げるなど、災害時の相互応援体制の整備に向けて積極的に取り組んで参ります。
no1
NPO法改正に伴う札幌独自の制度展開について
 今年6月に特定非営利活動促進法が改正され、NPO法人に関する所轄庁事務は来年4月から札幌市で行うことになりました。
 新たなNPO法では、自治体が独自に条例でNPO法人を支援できる改正もなされました。
 市民自治を掲げる札幌市は、NPO法の改正を踏まえて、札幌らしい取組を条例に掲げ、NPO法人をこれまで以上に支援していくべきと考えます。
 それこそが、市長が目指している市民力を高め、育てることになるのではないのかと思うのです。
 今議会で、所轄庁として必要となる法人認証等の手続きを定める条例が提案されていますが、自治体の裁量権を発揮して、札幌ならではの特色ある取組を条例で規定し、地域課題解決に取り組むNPO法人の発展を後押しする必要があると思いますが、市長のお考えを伺います。
 NPO法の改正により、自治体が独自の裁量権を発揮できる制度となったことは、今後の札幌市のまちづくりを進めていくうえで、大変有意義なものであると考えます。
 札幌市では、新しい所轄庁として、まずは、認証審査等を着実かつ円滑に進める体制を整備し、仮認定など要件の緩和された制度の普及に全力を挙げます。活動分野の追加や税優遇に係る団体の個別指定など、札幌らしい独自の取組については、来年4月以降、法人との個々の相談や申請を通じて課題等を整理するとともに、NPO関係者を交えた委員会等を設置し、検討することとします。
no1
札幌市における文化芸術を活用した観光振興について
 政府のクール・ジャパン戦略において、ファッション、アニメ、食文化、地域産品などにおける日本の魅力を高め、世界に発信することにより、海外からの誘客を促すことで、経済成長を実現し雇用を創出するなど、国際競争力の維持を図ろうとしています。
 文化芸術は、人々の心を豊かに、元気にするだけでなく、経済や社会の活性化につながるなど、地域に利益をもたらす資源となっており、地域を元気にする原動力ともなっています。
 もともと、札幌には芸術の森やキタラ、モエレ沼公園と言った世界に誇れる文化芸術施設や世界的な音楽祭であるPMFなどの文化芸術資産があります。
 自然環境や食に加え文化芸術といった複合的な魅力で、日本一行ってみたい都市から世界からも行ってみたい都市と言われるよう、更にブランド力を高めていくべきであると思うのです。
 札幌のもつ文化芸術資産を活用して、積極的に観光振興を図るべきであると考えますが、このことについて市長のお考えをお聞かせください。
 議員ご指摘のとおり、先人たちはこの街に素晴らしい文化芸術資産を残してくれました。その後も、これらの資産を活かすとともに、新たに、海外からのアーティストを招へいしたサッポロシティジャズの開催、今年度オープンした500m美術館や彫刻を配置した創成川公園の整備などを行ってきました。
 これらは、平成18年の「創造都市さっぽろ宣言」の趣旨に則したものであり、現在、札幌の魅力を世界に向けて発信するため、ユネスコ創造都市ネットワーク加盟を目指して取り組んでいるところです。この創造都市さっぽろのシンボル的なイベントとして、定期的な国際芸術展の第1回目を、平成26年度に開催できるよう準備を進めています。
 これらの取組は、市民の文化芸術の振興に資するとともに、観光に代表される交流人口の増加にも寄与するものと考えます。今後もさまざまな文化芸術資産を育てながら、それらを観光資源として国内外に積極的に発信していきます。
no1
自転車対策について
(1) 歩道の安全確保のための取組について
 近年、自転車利用者のマナーの悪化等に起因する事故が急増し、大きな社会問題となっており、警察庁は平成23年10月25日付けで、「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について」と題する通達を出しました。
 本市においても、警察庁通達が発せられたこの時を、安全・安心の自転車対策を進める大きなチャンスであると捉え、他都市の事例なども参考にしながら、積極的に自転車対策に取り組むべきと考えます。
 歩道上の違法駐輪や看板等による通行障害を解決するためには、大胆な発想での対策・工夫が必要と考えますが、歩道の安全確保のために今後どのように取り組んでいくのか伺います。
(2) 地域との連携対策について
 効果的に自転車対策を進めるためには、行政だけではなく、町内会や商店街、さらには警察とも連携して、その地域の課題や状況を把握し、重点地区などを設定して取り組むべきと考えますが、こうした地域との連携対策をどのように進めていくのか伺います。
(3) 交差点での事故対策の考え方について
 自転車の安全走行については、自転車専用レーンの設置が最も有効であるとは思いますが、すべての道路に専用レーンを設置するのは、道路幅員や沿線の土地利用状況などにより、難しい面があることも理解しております。
 また、自転車専用レーンを作っていたとしても、交差点では直進する自転車と右左折してくる自動車との接触事故が懸念されますが、交差点での事故対策の考え方について伺います。
(1) 歩道の安全確保のための取組について
 ご指摘のあった、歩道上での自転車の違法駐輪については、本年5月に策定した「札幌市自転車利用総合計画」においても、早急に取り組むべき施策の一つに位置付けているところです。
 今後は、民間駐車場と市営駐輪場を複合的に運営するモデル事業や、市有地を活用した駐輪場の整備など、さまざまな手法を活用して施設容量を確保し、放置禁止区域の拡大、放置自転車の即時撤去を目指します。また、違法な看板等についても、引き続き指導等を行い、歩行者の安全の確保に努めて参ります。
(2) 地域との連携対策について
 今年度、都心部の大通地区においては、大通まちづくり会社と地元6商店街が独自に自転車対策アクションプランを作成し、行政と連携した取組を展開しています。
 この一環として、10月11日には、大通まちづくり会社、地元商店街のほか、札幌市、北海道開発局、中央警察署が連携して、自転車利用のマナー啓発と、歩道上の自転車の整理・整頓活動を実施しています。今後は、駐輪場の整備や走行空間の確保も視野に入れながら、こうした地域との連携を図り、総合的な自転車対策に取り組んでいきます。
(3) 交差点での事故対策の考え方について
 交差点における自転車レーンの設置については、今年度中に国土交通省と警察庁が合同で、安全で快適な自転車利用環境を創出するためのガイドラインを取りまとめると聞いています。今後は、このガイドラインに基づくとともに、議員のご提案や他都市の事例も参考とし、北海道警察本部と協議を行いながら、効果的な事故対策についての検討を進めていきます。
no1
札幌市の医療計画について
(1) 計画の理念と目標について
 本市では、今後の医療体制のあるべき姿について、その方向性を示す医療計画を独自に策定していると聞いております。
 札幌市は、現在、政令指定都市の中でも、人口当たりの病院数や病床数が上位にあり、医療資源に恵まれている都市と言えますが、北海道の医療の拠点として、その果たすべき役割は年々、大きくなっています。
 現在、策定中の札幌市独自の医療計画では、どのような理念のもと計画を策定しており、また、計画の目標はどのようなものを考えておられるのかお伺いいたします。
(2) 地域と結びついた医療の強化について
 高齢に伴い、住み慣れた家で、地域で、必要な治療を受けながら、病気とうまく付き合いながら暮らしていきたいと願う市民も多くなるだろうと考えられます。
 市民が地域で安心して暮らしていくため、現在策定中の医療計画において、地域と結びついた医療の強化について、どのような認識に立って、施策を講じることとしているのかお伺いいたします。
(3) 医療情報分析について
 医療計画に基づき施策を効果的に進めるためには、市民の疾病状況の現状やその推移など、医療情報を適宜把握することが実効性ある医療施策を推進するうえで大変重要な視点ではないかと考えます。
 今後札幌市の将来を見据えた医療施策を進めていくうえで、医療情報の分析が必要と考えますが、いかがかお伺いします。
(1) 計画の理念と目標について(
 札幌市独自の医療計画である「(仮称)さっぽろ医療計画」の策定に当たっては、「市民が生涯を通して健康で安心して暮らせる社会の実現に向けた医療システムの確立」を基本理念としています。また、基本理念の実現に向け、計画期間である平成24年度から29年度までの6年間における目標を3つ掲げています。  
 1つめは、市民が、疾病状況に応じて必要な時に必要な医療を受けることができるよう「安心を支える医療システムの構築」を目標にします。  
 2つめは、子どもから高齢者までが、地域で安心して暮らし続けることができるよう「地域と結びついた医療の強化」を目標にします。
 3つめは、市民が主体的に健康を維持する力や疾病を予防する力をつけていただくよう「市民の健康力・予防力の向上」を目標にします。
(2) 地域と結びついた医療の強化について
 今後、高齢者が増加する中で、住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、地域において必要な医療が受けられるよう医療提供体制の強化が大変重要であると認識します。
 具体的には、かかりつけ医などの普及促進や在宅医療の強化、さらには医療と介護の連携推進など、計画目標の一つである「地域と結びついた医療の強化」に向け、取り組んでまいります。
(3) 医療情報分析について
 医療計画の進行管理をはじめ、今後の医療施策を効果的に進めていくためには、市民の疾病状況の実態把握や将来予測など医療情報の分析は重要と認識しています。  
 しかしながら、現在、市民の疾病状況や医療をどのように受けているかといった医療情報などを把握、分析するための手法が十分に確立されていません。このようなことから、今後、大学や研究機関等とも連携し、医療保険データなどを活用した医療情報分析手法の構築に取り組んで参ります。
no1
新生児マス・スクリーニング検査について
(1) より多くの赤ちゃんが検査を受けるための対策について
 現在、衛生研究所で実施している新生児マス・スクリーニング検査は、全国の自治体で行われている6種類の病気をはるかに超える26種類を対象としたタンデムマス法という新しい検査法で行っております。
 また、新生児マス・スクリーニング検査に加え、赤ちゃんの胆道閉鎖症や小児がん・神経芽細胞腫スクリーニング検査も実施しております。
 新生児マス・スクリーニング検査は、障がいの発生を未然に防ぐなど、極めて重要な検査でありますが、必ずしも対象となるすべての赤ちゃんが受けているわけではありません。
 昨年度は、16,000人の対象者のうち、約300人の赤ちゃんが検査を受けていないと伺っております。
 市民の方々に、新生児マス・スクリーニング検査の重要性を今以上に理解してもらい、より多くの赤ちゃんがこの検査を受けるように対策を講ずるべきと考えますがいかがか伺います。
(2) 患者家族への支援について
 万が一、病気が見つかった場合、赤ちゃんを抱える保護者の方は、大変不安な気持ちで、長期間に渡り、治療を受けることになります。また、検査で異常が認められなくても、後になって、病気が疑われる場合もあります。
 衛生研究所は、長年、検査に携わってきていることから、これまで培ってきた知識や技術などを生かし、さらに充実した検査体制を整備するとともに、様々な機関との連携を通じて、患者家族を支援していくべきと考えますがいかがか伺います。
(1) より多くの赤ちゃんが検査を受けるための対策について
 心身の発達の遅れなどを引き起こす病気を早期発見・早期治療するためには、すべての赤ちゃんが検査を受けることが望ましいと考えます。検査の重要性を理解してもらうため、現在、配布している母子健康手帳やリーフレットなどをよりわかりやすく改訂するとともに、新たにポスターを作成するなど充実を図ります。  
 特に、出産を控えた妊婦に対しては、産科医療機関や助産所などの協力を求めて、検査の重要性を理解してもらうよう啓発に努めていきます。
(2) 患者家族への支援について
 検査で見つかる病気は極めて稀な病気である。今後は、専門的な知識を持っている衛生研究所が1回だけの検査ではなく、患者の治療に応じて、継続的に検査を実施することにより、患者家族を支援していきます。
 また、生まれたときの検査では異常が認められなかったが、後から病気が疑われるような患者の検査にも対応していきます。さらに、これまで、衛生研究所や保健センター、医療機関、専門医など、それぞれが担ってきた役割を有機的に結び付け、病気や治療などに関する情報を共有することにより、患者家族を支援して参ります。
no1
子どもの健康と環境について
(1) 東日本大震災に伴う環境変化と子どもたちの健康への影響について
 札幌市にも多くの被災者が避難されてきています。
 先日、民間の方が実施された、自主避難者に対する健康に関する聞き取り調査を行った結果についての講演会では、避難者からの声として、「子どもの将来の健康への不安や家族離散から、家族の精神的なつながりさえも失いかねない毎日です。」とか、「3月11日から数か月、避難しても心晴れる日は一日もありません。帰りたくても帰れない悲しみ。被曝した子どもたちの健康被害の不安。福島に残してきた夫や家族、友達を思うと切なく悲しくなります。」という切実な思いも聞きました。
 このことから、被曝に関する心配と、環境の変化によるストレスからの身体上の問題を抱えている子どもたちがたくさんいるのではないかと懸念しております。
 震災による様々な環境変化が子どもたちの健康に大きく影響していることに対して、市としてどのように認識しているのかお伺いいたします。
(2) 避難してきた子どもたちの健康調査の必要性について
健康不安を抱える子どもたちの健康調査の必要性について、どのようにお考えかお伺いいたします。
(1) 東日本大震災に伴う環境変化と子どもたちの健康への影響について
 東日本大震災は、多くの人の生活や健康に甚大な影響を与え続けています。
 過去の阪神淡路大震災、中越沖地震などの先例からみても、震災を体験したことによる喪失感や心身の不調は長期にわたるため、今回の震災で札幌に避難されてきた方々にも同様の健康問題が想定されています。
 とりわけ、子どもの心や身体は環境の影響を受けやすいため、問題が深刻化しないように、適切な支援を行うことが重要であると認識しています。
(2) 避難してきた子どもたちの健康調査の必要性について
 福島県では、原子力災害による放射線の影響を踏まえ、震災時に県内にいた方全員を対象に、将来にわたる健康管理を目的とした「県民健康管理調査」を開始し、放射線による外部被曝線量の推計等を行っています。
 札幌市としても、これまで、乳幼児健康診査や保健師による家庭訪問等の機会を捉えて随時支援を行っているところですが、被災地から避難してきている子どもたちの健康状態の、より詳細な把握が必要と考えています。
 今後、乳幼児に限らず就学児を含めた子どものいる世帯に対して、健康不安を軽減するための健康調査等を実施してまいります。
no1
小中学校における食育の推進について
 国においては、「食育」について、その指針となる食育基本法を平成17年に制定し、その後、さらに国民運動として、総合的かつ計画的に推進できるよう平成18年に「食育推進基本計画」を策定し、23年度には、第2次食育推進計画を示したところです。
 札幌市では、他の都市に先駆けて平成18年度からさっぽろ学校給食フードリサイクル事業が始まりました。
 給食の生ごみを堆肥化し、その堆肥を利用して栽培した作物を給食の食材にすることにより、子どもたちが学校給食の正しい知識と食事の重要性を理解し、偏りなく食べることを習得するとともに、廃棄物の減少や有効利用など循環型社会及び地産地消を学ぶことが期待できます。
 一方、食べたことの無いものは食べないという、食体験が少ないことによる偏食が社会的にも問題ともなっています。
 フードリサイクル堆肥を使って、自分たちで栽培して食するという体験をすることで偏食を改善することにも繋がる、有効な取組であると考えます。
(1) さっぽろ学校給食フードリサイクルの取組状況と成果について
 さっぽろ学校給食フードリサイクルのこれまでの取組状況とその成果についてお伺いします。
(2) 今後の進め方について
 食育は地道な取組みを継続させ、定着させることが重要であると考えておりますが、今後、どのように進めていかれるのか併せてお伺いします。
(1) さっぽろ学校給食フードリサイクルの取組状況と成果について
 さっぽろ学校給食フードリサイクルでは、調理くずや残食などをリサイクルした堆肥で栽培した作物の使用を、平成18年度小学校2校からスタートし20年度には全校の給食で使用するに至りました。
 このほか、学校教材園での野菜作り、収穫した作物の調理実習、堆肥作り等、さまざまな教育活動を実践。また、保護者や地域の方々との協同の取組や交流も生まれています。子どもたちは、これらの活動を通して、食への興味・関心がより高まり、給食の残食量も減少するなど、「食べ物を大切にする心」が着実に育つとともに、環境に対する意識も高まってきています。
(2) 今後の進め方について
 この取組を定着させ、拡充していくためには、学校教育活動全体でフードリサイクルに取り組むことが重要と考えます。今年度、フードリサイクルを教科等の学習活動に位置づけるよう全小学校に示したところであり、食育と環境教育の生きた教材として最大限活用するよう活動実践例等の情報発信を拡充するなどして、今後、一層の取組の広がりと深まりに努めてまいります。