議会報告

平成21年第3回定例議会
代表質問 三浦 英三 議員
(清田区)

10月1日札幌市議会本会議において公明党議員会を代表して三浦 英三 議員が代表質問を行いました。
公明党が日頃から取り組んでいる、生活者の目線での諸課題についてや、民主党のマニフェストの実現性、実効性と市長のマニフェストへの見解について質問しました。
以下、質問とそれに対する答弁の要旨を紹介します。
no1
市長の政治姿勢について
   第45回衆議院議員選挙は、「政権交代」を強力に訴え続けた民主党に対し、「一度は民主党に政権を」との、多くの国民の賛同を得た民主党が圧勝し、9月16日、民主党を中心とした3党による連立政権が誕生しました。 政権政党となった民主党が衆議院選挙で掲げたマニフェストの実現は、多くの国民が、大きな期待感を持つとともに、一方で解決しなければならない多くの課題を内包しており、期待と不安が交差する政権交代と言っても過言ではありません。 さらに、この度の政権交代は政治の大きな節目を迎えることになり、それはそのまま札幌市政運営にも、市民生活にも直接影響してくることになります。
(1)民主党のマニュフェストの実現性、実効性と市長のマニュフェストへの見解について
 この度の、衆議院選に向けて、7月27日、大々的に「これが民主党のマニフェストです」と、鳩山代表は、国民に発表されました。 その一つひとつが国民にとって、大きな期待であり、その期待感が衆議院選で政権交代の実現につながったものと考えます。 しかし、マニフェストの実現のためには、財源問題など、多くの課題や指摘があるのも事実です。 民主党が国民に約束をしたマニフェストの実現性、実効性についてどのようなご見解か、また、政策綱領と言われるマニフェストについて、真面目に実現を推進される市長として、どのようなご見解をお持ちか、併せて伺います。
(2)全国知事会や指定都市市長会の動きへの認識と評価について
 多今回の衆院選の特徴の一つに全国知事会や指定都市市長会から、各政党のマニフェスト、特に地方分権改革に関する評価などで積極的な発言や関わりが注目されました。 地方分権には、権限委譲と財源確保がセットである事は当然であり、これまでの国の取組が必ずしも十分なものでなかった点が指摘されています。 こうした知事はじめ首長の中央に対する積極的な発言などの動向について、市長はどのような認識と評価をお持ちなのか伺います。
(3)地方自治の将来像について
 さらに、この度は、争点の一つである地方分権を含めた新たな地方自治制度の確立、これからの社会保障制度等における受益と負担の在り方、さらには、税財政制度の確立など、「新しい国の形」を探る意味からも「道州制」が改めてクローズアップされました。 市長は、本市を含め地方自治の将来像をどのように認識されているのか伺います。
(4)北海道新幹線札幌延伸について
 新政権の税制の焦点は、ガソリン税などの暫定税率を廃止し、大型公共事業を全面的に見直し、高速道路無料化等の実施を目指しています。 9月17日、前原国土交通大臣は、記者会見で「年度内着工予定の長万部、札幌間などの整備新幹線3路線は、個別に事業を精査していくことになる」と述べた。札幌市民、北海道民の悲願である北海道新幹線の早期実現について、危ぶまれる状況になる事が大変に危惧されます。
 北海道新幹線期成会副会長の要職にあられる上田市長は、北海道新幹線長万部、札幌間の着工の目処となる「21年末までに認可に向けた所要の検討をする」との昨年の政府与党ワーキンググループでの合意、方針に向けて、どのような決意で臨まれるのか、その決意のほどをお聞きします。
(5)丘珠空港の存続に向けた取組について
 全日空は、同社のグループ会社であるエアーニッポンネットワークの丘珠空港発着全5路線を千歳空港へ集約化することを示し、日本航空は、HACへの出資比率を下げて、経営から撤退する旨を表明しています。 さらに、韓国のアシアナ航空は、旭川空港と仁川空港を結ぶ路線を11月上旬から運休するなど、丘珠空港をはじめ道内の12 カ所の地方空港は厳しい局面を迎えており、難局を乗り越えるためには、北海道の首都・札幌市の市長として、その責務は甚だ大であります。 道においても、地方空港活性化に向けたビジョンづくりを進めていると伺っていますが。市長は、北海道及び関係自治体との協議と連携を密にし、丘珠空港を含め地方空港の活性化に向けて取り組まなければなりません。
 丘珠空港の存続のためには、着陸料のさらなる軽減や地方空港の活性化など、存続に向けた積極的な取組が重要と考えますが、市長のご見解を伺います。
(6)後期高齢者医療助成制度の廃止や子ども手当の創設による、市民や市財政への影響に対する認識について
 社会保障分野では、後期高齢者医療制度が廃止決定されていますが、新制度の内容については、何ら明らかに、国民に示されていないのが現実です。 また、子育て支援策の目玉政策として、中学卒業まで、所得制限なしの26,000円、初年度は13,000円が支給される「子ども手当」の創設があります。 その財源は5.3兆円で、その対策として配偶者控除、扶養控除の見直しで約1.4兆円の財源に充てるとしていることは、子ども手当を受給する家庭は、良いとしても、対象外の所帯には増税になる事が指摘されている事も見逃せなません。
 後期高齢者医療制度の廃止や子ども手当の創設で、市民や市財政にも大きな影響が及ぶことが懸念されますが、市長は市政運営の責任者としてどのようなご認識をお持ちなのか伺います。
(7) 市出資団体役員の退職金問題について
 札幌市が17%を出資している「北海道観光事業株式会社」では、今年度に入り、度重なる横領事件が発覚しています。 その一連の報道の中で、札幌市OBの元社長の退任に際し、1850万円にも上る巨額の退職金が支払われていたことが明らかになりました。 元社長によれば、社内規定や取締役会、株主総会の過程を経て支給されたとのことであるが、札幌市を退職し再就職した職員については、「札幌市職員の再就職に関する取扱要領」において、札幌市からの出資比率が25%以上の団体に再就職した場合には退職金の支給が禁止されており、出資比率が25%未満の団体に再就職した場合においても、退職金支給禁止の趣旨を尊重することと規定されています。 しかし、この要領は、法律論的には何ら拘束力のないものであり、今回のように、再就職先の会社において、取締役会や株主総会といった適正な過程を経たものであれば、法令上の権利として、退職金の返還請求をすることはできないということは明らかであります。
 今回の場合には、中田副市長が元社長に対し返納を求め、元社長も自主返納を決断したということで事なきを得たところでありますが、そもそも法的な効力がないということが問題です。 こうした抜け道が明らかになった以上、その他の多くの再就職者との公平性や札幌市の信頼性を確保するためには、今後、二度とこのようなことがあってはならないものと考えます。
 市長は、このように法的な拘束力を持たない、再就職取扱要領について、今後見直すお考えはないのか、伺います 。
(1)民主党のマニュフェストの実現性、実効性と市長のマニュフェストへの見解について
 マニフェストは、選挙において有権者が政策本位の判断ができるよう、当選後に何を、いつまでに、どの位やるのかという政策を予め公約して、それを有権者に明確に知らせるためのものであり、その実現に向けて政策運営を行うことが、当選した者の責務と考えております。
 したがいまして、民主党が掲げたマニフェストについても、実現へ向けて努力することが、民主党の責務であると考えており、そのような政権運営がなされるものと認識しております。一方で、マニフェストに掲げられている項目の中には、地方自治体の運営に影響が及ぶと想定されるものもありますことから、具体的な制度設計や執行にあたっては、札幌市としても地方の意見を積極的に伝えていく必要があると考えております。
(2)全国知事会や指定都市市長会の動きへの認識と評価について
 今回の衆議院選挙においては、地方分権改革を大きく前進させようとの狙いで、地方側が積極的な発言や取組を行ってきたと認識しております。
 こうした中で、「地方分権」が、選挙の大きな争点として国民に広く認識されたこと、また、新政権においても「地方分権」が重要政策として取り組まれようとしていることは、大きな成果であったと受け止めております。
(3)地方自治の将来像について
 地方自治のあるべき姿は、地方が、自らその個性や創造力を十分発揮して、活気に満ちた社会を築くことにあり、そのためには、地方のことは地方で決めることができる権限と財源を持ち、国と対等・協力の関係に立つことだと考えております。
 今後、新政権の掲げる「地域主権」の実現に向けて、基礎的自治体を重視した地方分権改革が確実に実行されることを期待しております。
(4)北海道新幹線札幌延伸について
 厳しい経済情勢が続く北海道において、観光や産業の分野において大きな効果が期待される北海道新幹線の札幌延伸は、早期に実現させなければならない重要課題であると認識しております。
 北海道新幹線が、我が国の南北を貫く骨格軸を完成させる上で、最優先で取り組むべき課題であることを、新政権にも理解していただくべく、関係機関ともしっかり連携しながら、これまでにも増して政府への働きかけを強め、1日も早い札幌延伸を実現してまいりたいと考えております。
(5)丘珠空港の存続に向けた取組について
 広域な北海道において、北海道の中心都市札幌と道内地方都市とを結ぶ丘珠路線はきわめて重要であり、ビジネス路線として、また地方医療を支える医師や札幌に高度医療を求めて来訪する患者のための不可欠な医療路線として、今後とも失うことのできない貴重な路線であると考えております。
 このような都市内空港としての重要な機能を今後とも担っていくために、北海道、就航先都市また経済界と連携し、丘珠空港発着路線の維持・発展に向け、粘り強く取り組んで参りたいと考えております
(6)後期高齢者医療助成制度の廃止や子ども手当の創設による、市民や市財政への影響に対する認識について
 これらの制度の廃止や創設による地方への直接的な影響について、現段階では不確定なところがありますが、基本的な姿勢としては、地方の負担増を伴わない制度設計や十分な財源措置を提言・要望していくことが必要であると考えております。
(7) 市出資団体役員の退職金問題について
 札幌市を退職し、出資団体に再就職する者の取扱いについては、市民からの疑惑を招かないよう透明性を確保することが必要である一方で、職業選択の自由との兼ね合いから、法的な規制が難しい面もあるため、札幌市が実質的な影響力を有している指定出資団体を対象に、本市の内部規定として再就職要領を定めているところであります。
 一方で、非指定団体については、札幌市が実質的な影響力、拘束力を有していないことから、要領の遵守をお願いすることとしており、どの団体も信義則上ご理解いただいているものと思っておりましたが、今回のケースにつきましては、遺憾な結果であったと考えております。
 非指定団体についても、再就職要領の趣旨をご理解いただき、遵守していただくことは重要でありますことから、今後、実効性を高める方策について検討してまいりたいと考えております。
no1
財政問題について
(1) 平成20年度決算の評価と歳入の確保について
 平成20年度予算は、2期目を迎えた上田市政初の本格予算であり、中心となる「第2次新まちづくり計画」関連事業に1,115億円と、積極的な予算計上がされていました。一方で、持続可能な財政構造への転換を進めるため、平成19年12月に策定された行財政改革プランに基づき、内部努力による見直しや財産等の有効活用で178億円に上る見直しも盛り込まれています。
 その結果、当初予算の全体像としては、一般会計で総額7,762億円と、前年度比で40億円の減、また、特別会計、企業会計を含めた総額でも1兆3,887億円と、前年度比1,694億円の減となりました。一般会計は4年連続のマイナスであり、「本格予算」を謳っていながら、世界的な金融危機、景気低迷の前には、迫力不足の感が否めませんでした。
 その後、やはり当初予算では市内の雇用・景気対策として不十分であったため、国の大型補正予算の成立を受けて、札幌市においても数次にわたる補正予算が組まれているます。
 定額給付金の支給をはじめ、道路・街路や街路灯の整備など、さまざまな対策が打たれたが、国において補正時期が遅かったこともあり、残念ながらその大半は20年度中に執行ができず、21年度に繰り越されています。
最終的に、20年度の歳出決算がどのようになっているかと言えば、最終予算が当初比で4.2%増となる8,224億円となったのに対し、執行率では92.7%となる7,623億円にとどまったところです。
 市内の雇用・景気の状況が依然として厳しい現状を見るに、予算の執行としては、いかにも中途半端だったのでは、との感が否めません。とりわけ、景気刺激策の要である定額給付金の支給時期が5月下旬になりましたが、最も効果的な時宜を逸したのではないかという思いを強くしているところです。
 また、昨年度の見直しの成果として、歳出面では「財政調整基金の支出を20億円にとどめることができた」、「市債残高が1兆円を切った」などの点が挙げられていますが、はたしてそれが成果と言えるものなのでしょうか。そこは割り切ってでも、思い切った経済対策を実施すべきだったのではないか、との思いも強く持つところであります。
加えて、歳入確保の取組としては、行財政改革プランにあるとおり、土地の売却や基金の支消など一過性のものにとどまり、将来的な増収につながるような成果があまり見受けられません。
 雇用や経済など、本市を取り巻く状況が依然として厳しい現状を踏まえ、市長ご自身としてこの決算をどのように評価しておられるのか。また、歳入確保の取組についてはどのようにお考えなのか、併せて伺います。

(2) 地方財政に関する見直しへの対応について
 民主党を中心とした新しい政権が誕生しました。地方主権を掲げる政権ではありますが、ガソリン税をはじめとする自動車関係諸税の暫定税率廃止や、補助金の一括交付金化、国の出先機関の廃止など、地方財政に大きな影響を与えかねない公約も多数掲げています。
 民主党のマニュフェストにある取組を進める財源として、国においては、今年度の補正予算の執行を停止するなどという、乱暴な話も出てきているところであります。幸いなことに、地方に与える影響を考慮した方針が打ち出されているようでありますが、その具体的な取り扱いについては、まだまだ予断を許しません。
 今後、地方財政に関する見直しが具体化してくる中で、このように国の方針一つで地方全体が振り回されるようなことが続けば、地方主権の本旨にはまったく反するものと言わざるを得ません。
 今後、予算の執行に限らず、地方に影響のある見直しについては、国からの情報提供をただ待つのではなく、札幌市としても必要な事柄を国に対して先手を打って発信していくことが必要と考えるがいかがか、伺います。
(1) 平成20年度決算の評価と歳入の確保について
 昨年来の経済不況への対応といたしまして、年末には速やかに「緊急経済・雇用対策推進本部」を立ち上げ、中小企業に対する支援の充実や地域経済の活性化のために様々な取組を積極的に実施してきたところであります。
 ご質問にもありますとおり、昨年度の補正予算による事業のなかには、国の補正時期の関係で、やむなく本年度に繰越となったものもありますが、厳しい財政状況の中で、平成20年度は累次の補正で325億円の事業を追加計上したほか、中小企業向けの貸付の拡大を図るなど、機動的かつ効果的な経済対策が実施できたものと考えております。また、歳入確保に関してでありますが、昨年来、中小企業に対する金融対策や、北海道の食を活用したものづくり産業の振興などにも積極的に取り組んできたところであり、今後とも、地域経済の活性化などを通じて、歳入の確保に努めてまいりたいと考えております。
(2) 地方財政に関する見直しへの対応について
 地域主権の実現のためには、国に対して地方の実情を説明するとともに、積極的に提言を行う必要があると考えております。
 このような認識のもと、札幌市単独での活動に加え、指定都市市長会としても地方財政についての要請を行うなどの活動を開始しておりますが、今後とも、機会を捉えて必要な事柄を発信してまいります。
no1
都心の再生、創世1.1.1区のまちづくりについて
   都心の再生は、市民生活の質の向上はもとより、観光の面、雇用創出の面、そして経済の活性化の面など、極めて多角的な意義を待つ重要課題であると認識しており、今後は、駅前通や創成川通の再整備事業の効果を活かし、これを契機として、さらなる手を打っていく必要があります。
 例えば、札幌駅周辺は、道都さっぽろの玄関口として、その質的な充実を図っていき、大通地域は都心の商業核として、駅前通地下歩行空間の整備がもたらす回遊性や快適性の向上などを、その活性化に結びつけることが重要であり、そして創成川以東地域については、都心の新たな魅力づくりを支える場として、そのまちづくりを促進するなど、行政の主導性を大いに発揮して、都心全体の再生を加速させる必要があります。
 わが党では、これからの札幌はどのようなまちづくりを目指しているのか、そのビジョンを明確にして、世界的な都市間競争をリ一ドし、効果的なより良い民間投資を勝ち取っていかなければならないという立場で、これまでも、特に経済対策の視点から、都心のまちづくりを戦略的に進めていく必要性を指摘してきました。
さらに、先の第2回定例市議会で、わが党の國安議員が、創成川の東側地区については、都心の間近にあり、明治の開拓期以来、ものづくりの面から札幌の発展を支える重要な役割を担ってきたにもかかわらず、未だに低未利用地が多く存在するなど、そのポテンシャルを十分に生かしきれていない状況にあることから、そのまちづくりをより一層促進させて行くべきと、指摘したところです。
 創世1.1.1区は、大通と創成川通の交点に所在し、札幌のまちづくりの基点として、東西の市街地を結ぶ位置にあり、長きにわたって多くの市民に親しまれてきた場所であることから、今後、魅力的で活力あふれる都心の再生を進めるに当たっての先導的なプロジェクトとして、その推進は非常に重要であります。しかし、そもそも創世1.1.1区に立地している機能、NHK札幌放送会館、北海道電力本社、中央バスターミナルなどの公益的機能は、建物を更新するとしても、機能を継続しながら直接移転を前提として、段階的に事業を進めなければならないものであるので、その具体化が容易なことではないということは明らかです。
 そのように考えると、先の北1西1街区における再開発準備組合の設立に当たって、NHK(日本放送協会)が参加することの意味合いは、街区を越えて一体的にまちづくりを進め、新たなまちづくりを展開するという観点から、非常に大きな意義があると考えており、確実に事業化が図られるよう、さらなる関係者の努力を期待したいと思います。
 現在の厳しい経済環境にある中で、魅力と活力ある都心を再生していく観点から、創世1.1.1区のまちづくりが果たす役割をどのようにお考えなのか、また、そういう中で北1西1街区の事業化の意義について、どのように認識されているのか、市長のお考えを伺います。
 まず、創世1.1.1区のまちづくりが果たす役割についてであります。創世1.1.1区は、大通と創成川が交差する都心再生の要の位置にありますことから、その果たすべき役割といたしましては、複合的・一体的な都市開発を行うことで、多様な都市空間を創出するとともに、創造的な市民活動、文化芸術活動、集客交流などの中心となる交流拠点を創造し、都心に新たな価値を生み出すことであり、これを大通地域や創成川の東側へ展開させていきながら、今後の都心まちづくりを先導していくことにあると考えております。
 次に、北1西1街区の事業化の意義についてであります。当街区においては、先に本市を含めた全地権者の参加により、再開発準備組合が設立されたところです。
これは、昭和63年に「まちづくり構想」を公表して以来、長きにわたって検討を進めてきた創世1.1.1 区が、この厳しい経済環境の中にあって、官民一体となった取組により、いよいよ、その第一歩を踏み出すものとして、大きな意義があるものと考えております。
 本市といたしましては、まずは確実な事業化に向け、地権者の一員として、また、まちづくりを推進する行政の立場から、鋭意取組を進めてまいりたいと考えております。
no1
ワクチン接種の費用助成について
(1)インフルエンザについて
 新型インフルエンザは、国民全員に免疫が無く、感染力は季節性インフルエンザより強いと言われており、現在、学校をはじめとする多くの施設において、集団感染が増加している。感染者の増加に伴い、重症化の例や死亡例の報告も増えてきており、特に重症化のおそれがある基礎疾患を有する方、妊婦の方、乳幼児等は、十分な注意が必要であります。  重症化しやすい方々は、ワクチンの接種が重要だが、国は任意接種としており、ワクチン代のみを負担し、接種費用は自己負担とされている。新型のワクチンは、2回接種する必要があり、費用は6千円から8千円程度と言われており、この厳しい現状では、経済的理由により接種を控える方も出ることも考えられます。国は、低所得者に対し補助を検討していると聞くが、多くの対象者が接種するためには、補助を拡大する必要があります。  また、季節性インフルエンザにあっても、例年、多くの死亡者が発生しており、新型と季節性の2種類のインフルエンザが同じ時期に流行した場合、医療現場での混乱等も予想されるところです。   
①新型インフルエンザワクチンの補助制度    
札幌市として、新型インフルエンザワクチンの接種費用の一部を公費負担する補助制度を導入するお考えはないか。 
②季節性インフルエンザワクチン接種の呼びかけ
季節性のインフルエンザについても、積極的に、ワクチンの接種を呼びかける必要があると考えるが、いかがか、併せて伺います。
(2) インフルエンザ菌b型(通称「ヒブ」)について
   インフルエンザ菌b型(通称「ヒブ」)は、「細菌性髄膜炎」の原因となる菌の一つで、ヒブによる髄膜炎は、発熱、頭痛、意識障害等の全身感染症であり、化学療法を行っても予後不良となる場合が多く、患者の約5%が死亡し、約25%に難聴、てんかんなどの後遺症が残ると言われています。
 ヒブが原因菌である細菌性髄膜炎は、基幹医療機関だけが届出を行うので、日本全体の患者数は不明ですが、年間約600人と推定されているようです。
 ヒブの予防対策としては、ワクチン接種が有効であり、現在では90か国以上で定期接種が行われていますが、日本においては任意の予防接種とされており、ワクチンの供給も、昨年12月から開始されるなど、対応の遅れが目立ちます。また、ワクチンの供給量が少ないことから、予約制による接種であり、診療所で月に3人、病院で月に10人の上限が設けられています。
さらに、標準的には、4回接種する必要があり、費用も、4回で約3万円程度かかり、乳児をもつ家庭の経済的負担は大きなものとなっています。
 これらの状況から、鹿児島市と宮崎市では平成20年度から、東京都23区の一部の区においては平成21年度から、接種費用の一部を公費負担する補助制度を設け、費用の2分の1程度の補助を行っています。
 札幌市としても、早期に定期接種化されるよう、国に対し要望するとともに、早急に接種費用の一部を公費負担する補助制度を導入する必要があると考えるが、いかがか、伺います。
(1)インフルエンザについて
 インフルエンザについてですが、まず、新型インフルエンザワクチンの補助制度についてであります。 
新型インフルエンザワクチンの接種につきましては、重症化しやすい方々の健康を守るとともに、地域の感染拡大を防止するためにも、多くの対象者が接種することが望ましいものと考えております。 このため、接種費用の補助制度の導入については、まずは国において検討されております低所得者への補助制度の動向を注視してまいりたいと考えております。
 次に、季節性インフルエンザワクチンの接種の呼びかけについてであります。季節性インフルエンザワクチンの接種については、インフルエンザの感染予防方法の一つとして、これまでも、広報さっぽろやホームページなどで接種を呼びかけてきており、今後も継続してその重要性を周知してまいりたいと考えております。
(2) インフルエンザ菌b型(通称「ヒブ」)について
 ヒブによる細菌性髄膜炎は、その重篤性及びワクチンの有効性から、任意の予防接種対象の感染症の中でも、特に考慮すべきものと考えております。このため、大都市衛生主管局長会議など様々な機会をとらえ、国に対し定期接種化を働きかけてまいりたいと考えております。
 また、接種費用の一部を公費負担する補助制度の導入については、ワクチンの供給量及び接種体制への影響などを総合的に勘案し、検討を進めてまいりたいと考えております。
no1
アイヌ施策について
(1) アイヌ民族に関する札幌市の取組、現状認識、今後のアイヌ施策について
 平成19年9月、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が国連総会で採択され、昨年6月には国会で、「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が可決しました。同年7月、内閣官房長官が、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」を設置し、本年7月の報告書は、歴史的経緯と現状を踏まえ、アイヌ民族が先住民族であるという認識に基づき、国民の理解の促進、広義の文化に係る政策、推進体制等の整備を国に提言しているます。
 北海道は、昭和49年以降4次に渡る「ウタリ福祉対策」と、2次に渡る「アイヌの人たちの生活向上に関する推進方策」を進めてきましたが、アイヌ民族が先住民族であるという認識からスタートしていなませんでした。
明治以降の北海道開拓政策などがアイヌ民族とその文化に深刻な打撃を与えたという経緯を踏まえ、アイヌ民族が先住民族であるという認識に基づく政策展開が必要で、伝統文化の保存・継承とともに、これを核とする新しいアイヌ文化創造の視点が必要です。
 アイヌ民族に関するこれまでの本市の取組と、アイヌ民族を取り巻く最近の状況について、どのように認識し、今後どのようなアイヌ施策を進めようとしているのか伺います。
(2) アイヌ民族の歴史・文化に関する市民の啓発について
 昨年の北海道洞爺湖サミットに合わせて、「先住民族サミット」アイヌモシリ2008が開催され、先住民族からのメッセージとして、サミットに種々の提言がなされました。気候変動緩和と適応の方策について、先住民族と自然環境の関係性は調和のとれたものであり、その知恵に現代人は大いに学ばなくてはなりません。また、アイヌ民族の口承文学には、私たちの生命を支えてくれる大自然や生物への敬虔なる感謝が美しく凝結し、地球環境問題への示唆が含まれています。
 そして、アイヌ語の「ウレシパモシリ」とは、万物が互いに互いを育て合う大地という意味ですが、これは、自然と人間が主客未分化の関係にあり、自然に対する影響は即人間に影響を及ぼすという知恵が示されています。また、これまでアイヌ民族に苦渋の生活を強いてきた要因の一つとして、市民のアイヌ民族に対する認識が深まっていなかったことが考えられます。その重要性を鑑み、わが会派で昨年7月、「アイヌ民族を知るセミナー」を開催しました。
 アイヌ民族のアイデンティティの尊重とともに、多様な文化と民族の共生を尊重しながら、その文化を将来に向けて発展させることができたならば、日本が国際社会においてさらなる信頼を受ける重要な試金石となることが推察されます。
札幌市は、アイヌ民族の歴史や文化に対する市民の認識を、どのように深めて行くお考えか伺います。
(1) アイヌ民族に関する札幌市の取組、現状認識、今後のアイヌ施策について
 アイヌ民族に関する札幌市の取組、現状認識、今後のアイヌ施策についてであります。まず、アイヌ民族に関する札幌市の取組についてですが、札幌市では、平成15年にアイヌ文化交流センターを設置し、この交流センターを中心として、アイヌ民族の方々によるインカルシペ・アイヌ民族文化祭、小中高校生団体体験プログラムなど、伝統文化を振興する事業やアイヌ民族の歴史・文化への理解を深める事業等を行っております。
 次に、アイヌ民族に関する現状認識、今後のアイヌ施策についてであります。
アイヌ民族に関わる最近の状況を踏まえ、国は新しいアイヌ政策を展開しようとしております。札幌市におきましても、アイヌ民族が先住民族であるという認識に基づき、現在、札幌市アイヌ施策推進計画検討委員会を設置し、計画について検討していただいておりますので、その結果を踏まえ、札幌市のアイヌ施策を総合的に進めてまいりたいと考えております。
(2) アイヌ民族の歴史・文化に関する市民の啓発について
 アイヌ民族の誇りが尊重されるまちづくりを実現するためには、アイヌ民族の歴史・文化に対する市民の理解を深めることが重要であります。このことは、今後のアイヌ施策において、重点的に取り組む必要があるものと考えており、先ほど申し述べましたアイヌ施策推進計画に係る検討委員会でも検討していただき、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
no1
広域観光行政について
   観光庁では、訪日外国人旅行者数を増加させることや日本人の国内観光旅行1人当たりの宿泊数を増加させることなどの5つの目標を掲げ、施策の実施について強化を図ることとしています。
  その施策の一つとして、「観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律」、略して「観光圏整備法」を制定し、国内外の観光客が2泊3日以上滞在できるエリアの形成、いわゆる観光圏の整備を掲げているます。
 観光圏とは、観光地間の連携、地域の幅広い産業間の連携、及び国・地方公共団体と民間主体間の連携という三つの連携を促進することで、海外の観光地と比較しても充分な魅力を有する国際競争力の高い魅力ある観光地の形成を目指すもので、これにより地域の幅広い産業の活性化や、交流人口の拡大による地域の活性化を図ることを目的としています。
観光圏整備法では、自治体が作成する「観光圏整備計画」に沿って、民間など複数の事業主体が共同で、宿泊サービスの向上 や観光資源を活用したサービスの開発などといった「観光圏整備事業」を行う場合、観光圏整備事業費補助金や旅行業法の特例、農山漁村活性化プロジェクト交付金などの制度で地域の取組を支援することとしています。
 札幌市では、これまでも石狩管内の他の7市町村と協働で「札幌広域圏組合」を中心に広域連携による観光振興を図ってきたところであり、これらの自治体では、さらに観光圏の制度の活用を視野に入れ、協働で「さっぽろ広域観光圏整備計画」を平成21年2月に作成しました。
 また、観光圏の認定を受けるため、構成自治体のほかに各市町村の観光協会、商工会議所や各航空会社、JR、レンタカー協会などの民間の関連団体が一体となり「さっぽろ広域観光圏推進協議会」を設立し、各団体が観光圏整備事業の実施主体として「さっぽろ広域観光圏整備実施計画」を平成21年2月に国土交通省に申請し、平成21年4月22日付で、「さっぽろ広域観光圈」として認定されました。
(1)「さっぽろ広域観光圏整備計画」の内容について
 札幌市が近隣8市町村で連携して作成した「さっぽろ広域観光圏整備計画」について、具体的な目標値など、どのような内容となっているのか。
(2)「さっぽろ広域観光圏整備実施計画」について
 平成21年度から平成25年度までの5年間の計画となっている「さっぽろ広域観光圏整備実施計画」では、今年度の事業としてどのようなものがあるのか、また、今後、どのように計画を実現していくお考えなのか。
(3)圏域以外の近隣市町村との連携について
 広域連携による滞在型観光を促進するということでは、協議会を構成する8市町村だけではなく、小樽市などの他の近隣市町村とも連携の輪を広げていくことが重要と考えるが、札幌市としては今後どのように考えているのか、その方向性を伺う。
(1)「さっぽろ広域観光圏整備計画」の内容について
 「さっぽろ広域観光圏整備計画」の内容についてでありますが、計画では、基本方針、観光圏の区域、計画目標・期間、整備事業などを定めております。
 基本方針としましては、札幌の多様な「食」や「都市型観光」と、周囲に広がる大自然を活用した「体験型観光」が楽しめる「さっぽろ広域観光圏」ならではの魅力を、積極的に発信することとしております。具体的な目標値といたしましては、平成19年度と比較して、平成25年度では、圏域の年間観光客入込数について約5%増の2,500万人、平均宿泊日数で約10%増の1.6泊と設定しております。
(2)「さっぽろ広域観光圏整備実施計画」について
 今年度の事業としましては、札幌発着で周辺地域をめぐるバスツアーや、季節ごとの周遊モデルコースなどをインターネットで配信する事業などを実施しており、今後も、宿泊ホテル以外でも温泉入浴や食事が楽しめる「湯めぐり事業」や外国人向けのドライブマップの作成などを予定しております。
 また、計画を確実に実現するために、さっぽろ広域観光圏推進協議会では、幹事会や部会を設置し、事業報告や検証を行うとともに、より効果的な事業のあり方を検討していくこととしております。
(3)圏域以外の近隣市町村との連携について
 観光客の目線に立った魅力的な滞在区域を形成するためには、小樽市などとの連携を強化する必要があると認識しております。したがいまして、札幌市がリーダーシップを発揮して、他の近隣市町村との連携について、協議会で検討してまいりたいと考えております。
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市発注工事の競争入札について
(1) 最低制限価格設定基準の一般管理費の引き上げについて
 厳しい経済情勢の中、過当競争の影響による低価格応札が増加しており、工事の品質低下、下請業者へのしわ寄せ、雇用情勢の悪化等が懸念されることから、適正価格での受注による建設業の健全な育成、雇用の確保及び下請業者等の保護育成等を図ることを目的に、札幌市では、本年6月10目以降に告示するものから、最低制限価格の設定基準を国の基準に準拠し、直接工事費の95%、共通仮設費の90%、一般管理費の30%とし、現場管理費については、札幌市は積雪寒冷地であり、施工期開か限定されることを踏まえ、安全対策、雇用環境及び労働条件の安定を図る等、地域特性を勘案し、国基準より5%加算し75%とするなどの改正をしました。
 その入札結果を見ると、平均落札率は、最低制限価格引き上げ前は82.84%であるのに対し、引き上げ後では84.85%で、2.01ポイント上昇しており、一定の効果はあったと評価をするが、落札率が2ポイント程度上昇しただけでは疲弊している状況を打破する根本的な解決策とはなっていません。
 地元建設業者は、現在経営が危機的状況にあり、工事の品質を確保する面からも、最低制限価格設定の算定において、業務に携わっている社員の給料、賞与、諸手当などが含まれている一般管理費のさらなる引き上げが必要であると考えるが、いかがかお伺いします。
(2) 事書類の簡素化について
 公共工事における工事書類は仕様書等で作成をすることになっているが、受注業者によっては、工事成績評定点のアップを願うあまり、品質に関係のない見かけの良い書類の作成を行ったり、規定されている条文の煩雑さから、不要と思われる書類の作成を行い、工事書類の増大を招いており、これらは現場に働く技術者に対して過剰な業務を強いる結果となっています。
 こういった年間1千件に及ぶ工事関係書類は、数年後、ごみとなって処分を行わなければならないことを考えれば、「スリムシティ札幌計画」の重点施策である「発生・排出抑制」の観点から、工事書類の簡素化や電子化を進めるべきと考えるが、いかがか伺います。
(1) 最低制限価格設定基準の一般管理費の引き上げについて
 昨日、民主党市民連合のふじわら議員にもお答えしたとおり、低入札対策の一つとして、この6月に最低制限価格等の設定基準の引き上げを行ったところであります。
 このため、今後の落札率の推移等や、今年度から試行しております予定価格の事後公表による落札率への影響等について見極めてまいりたいと考えております。
(2) 事書類の簡素化について
 公共工事の提出書類は、完成された工事の品質や出来形等を証明するとともに、施設の維持管理を行うために必要なものであります。
 近年、「建設業法」、「公共工事の品質確保の促進に関する法律」等に基づき提出すべき書類等が増加するとともに、提出義務の無い書類の増加が見受けられようになりました。このため、請負業者に求めていた工事提出書類について、精査を進め、電子化を促進するとともに提出すべき書類を明確にした「工事書類の簡素化要領」をこの9月に作成し、試行することといたしました。
 このことにより、提出書類を約30%削減することができ、請負業者の負担軽減が図られるものと考えておりますが、今後とも、関係団体等と意見交換を進め、工事提出書類の一層の簡素化に努めてまいります。
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雪対策について
   現在、2009年度を初年度とする、「(仮称)第2次札幌市雪対策基本計画」の策定が、11月下旬を目途に進められているます。
昨今の雪対策を取り巻く環境は、年々厳しさを増してきているが、そうした中においても、市政世論調査で「力を入れてほしい施策」として31年間連続で第1位となっている現状を考えると、今後も、市民の期待にしっかりと応えていく取組が求められているところであります。そこで、世論調査の結果を詳しく見ると、「除雪について、より積極的に進めて欲しいこと」の第1位は、「生活道路の除雪」でした。
 これまでの間、社会の要請に応える形でさまざまな取組を行ってきたところではあるが、最も根本的な部分である道路の除排雪の方法、特に生活道路に関しては、除雪水準を定めて以来、約20年間、ほとんど変わっていない状況にあります。
市内には雪が多い地域もあれば少ない地域もある。また、中心市街他の住民と郊外住宅地の住民では、除排雪についての意識の違いがあるし、当然にそれぞれの地域において、求めている除雪の水準や作業の仕方、それに掛けているコストにも違いがあります。
 平成18年度から始まった「地域と創る冬みち事業」において、雪対策についての課題共有や、地域の実情にあった除雪方法について話し合う懇談会を町内会と行政が一体となり取り組んでいます。
この中で、一部の地域では、かき分け除雪の回数を減らして、その分の費用で交差点の排雪を行うというような、除雪費用の割り振りを行うなど、地域で考える取組を実施しているとのことでした。
 私は、さらに考え方を進めて、要望がある地域については「町内会に除排雪を全て任せ、札幌市は一定の費用を負担する。」というような仕組みも、あって良いのではないかと考えています。このような町内会主体の生活道路の除排雪について、どのようにお考えか伺います。
 生活道路を利用するのは主に地域住民でありますので、地域が主体となって除排雪を行うことは、市民の満足度の向上につながるものであると考えます。  しかしながら、同一地区に異なる作業手法が混在することによる効率の低下や除雪水準の確保、負担のあり方など、検討が必要な課題がありますことから、まずは「地域と創る冬みち事業」における取組の拡充を進めることで、地域の実情にあった除排雪の推進を図ってまいりたいと考えております。
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教育問題について
 教職員は、子供たちへの指導や授業準備、教材研究はもちろんのこと、学校内でのさまざまな会議や打ち合わせ、保護者からの相談、地域との対応、各種行事の準備等、多くの業務をこなしているため、時間的にも精神的にも余裕が失われ、本来であれば教職員が最も喜びを感じる子どもたちと向き合う時間、余裕が少なくなってきているのではないかと感じられます。また、過日の新間報道にもあったが、学校における個人情報の入ったUSBメモリの紛失事故が連続して発生しました。
 個人情報の管理に関する定められた実施手順が守られていなかったという点において、責任は免れないし、早急に対策を打ち出すべきものと考えるが、学校だけで業務を終えることができないため、やむを得ず仕事を自宅に持ち帰らざるを得ないという実態、このことがこの紛失事故の背景にあるのではないかと考えられます。
 平成19年に教育委員会が実施した「教育職員の勤務実態調査」によれば、教諭1カ月当たりの時間外勤務時間は、持帰り業務29.9時間を含め、平均72.1時間との結果がでているが、学校での長時間勤務や、仕事を自宅へ持ち帰らざるを得ない状況が常態化していることを示しています。
 慢性的な長時間勤務等に直面している教職員は、その職務と使命に生き生きと取り組む余裕が失われ、心身を疲弊させていることは明らかであり、このような認識を踏まえ、札幌市の教育の質を向上させるためには、なにより、教職員が子どもたちと向き合う豊かな時間を増やすことがもっとも大切であり、そのためには教職員の慢性的な多忙状態を少しでも改善するよう、速やかな対策が実施される必要があります。
 先の第2回臨時議会で補正予算が成立した、学校ICT環境整備事業により進められていく、PC端末の教員一人1台化なども、業務の能率化や効率化に寄与していくものと考え、その活用が大いに期待されるところです。
以上のことを踏まえ、教職員の勤務実態多忙化への対策の必要性について、どのように考え、現在どのような取組がなされているかを伺います。
 教職員の感じている負担を軽減することは、子どもたちとの豊かなかかわりを増やし、充実した教育の実践となって子どもたちの健やかな成長に繋がる、大変重要なことであると認識しております。
このことから、その具体的方策を検討するため、昨年、「教育職員負担軽減検討会議」を立ち上げ、検討を進めているところでございます。
 年内に最終報告をまとめる予定でございますが、本年3月にまとめました中間報告に沿いまして、一斉退勤日の試行や教育委員会発出文書の統廃合の実施、更には退職教員等外部人材の活用などにより、教職員の負担軽減に努めているところでありまして、その勤務実態の改善を進め、教育の質の向上を図ってまいりたいと考えております。
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地下鉄東豊線の清田方面への延伸について
 清田区は、一昨年「区政施行10周年」の節目を迎え、区制施行に伴うさまざまな施策が着実に成果をあげつつあり、大規模商業施設の進出、マンション及び老人福祉関連施設の建設が相次ぎ、公園やスポーツ施設等の拡充などにより、商工産業の振興、経済の発展等が下支えとなって地域の活性化を促進しています。
  また、隣接する豊平区には、平成13年6月に開業した札幌ドームが立地し、プロ野球を中心に、サッカー、コンサート、各種イベントなど70%以上の稼働率を誇り、来場者は年間300万人にも及びます。さらに、北広島市大曲地区は、現在人口1万7千人を要し、ここ10年で1.3倍の人口増加にあわせ、区画整理事業の実施によりアウトレットモールなどの大規模商業施設の集積や工業団地への施設立地も進み、発展をとげています。
  現在、ともに成長を続ける清田区とその周辺地区は、札帳圏の南東部の「核」となる商工産業の拠点となりつつあり、今後は清田が他区、周辺市町との広域交流拠点としての役割も担うべき地区です。
  このように、重要性を増している清田区であるが、区内には、公共施設、商業施設が点在し、どこが中心核であるか分からないような状況となっています。これは、市内10区のうち唯一軌道系の交通機関が無く、地域中心核である区役所周辺に人が集まるという交通休系となっていないことに起因して、この地区への土地の高度利用や施設の集積が進まないためであると考えられます。
  一方で、平成11年には「公共交通を軸として交通体系の確立について」をテーマとして総合交通対策調査審議会が開催され、平成13年4月に軌道系の延伸計画についての答申がなされたが、石狩、南部、清田方面のうち、清田が他の方面に比べ採算性や必要性が高いと評価されているところです。さらには、地域中心核「清田」の育成のため、地域住民や企業が中心となり、平成11年に「清田区役所周辺地区まちづくり委員会」が設立され、まちづくりの視点や具体的な将来像の検討を積み重ね、平成14年3月には、地下鉄が清田まで延伸される想定でのまちづくり構想を取りまとめたところです。
  このなかでは、「行政」「企業」「住民」が役割分担を行い、この構想の実現化を目指すこととしているが、区役所前の遊休地に企業、マンションが建設され、大きな土地利用変更の可能性が薄くなってきている状況であります。しかし、地域住民にとって地下鉄の延伸は悲願であり、区民との会合の度に話題となるばかりではなく、地下鉄東豊線建設促進期成会進合会では昭和56年から建設促進に向けた要望活動を行っています。
  本年5月21日には、期成会と清田区選出議員が超党派で参加して、その熱意とともに市長に地下鉄延伸の要望書を手交したところです。
  その要望書手交の際にも、現在実施している第4回パーソントリップ調査の中で地下鉄の清田方面への延伸について、検討を進めていると聞いているが、市長の見解を伺います。
 延伸が地域の皆さまの悲願であることは、十分に承知しているところでございますが、現在実施しております第4回道央都市圏パーソントリップ調査では、20年後にはバス、地下鉄の利用者が10%以上減少するなど、需要面や採算面からは厳しいことが予測されます。しかしながら、延伸の必要性については、平成13年の総合交通対策調査審議会の答申にもあるように、札幌ドームの更なる活用や清田地区のまちづくりにとって重要であると認識しているところでございますので、延伸のための財源の確保や利用促進方策など、延伸の可能性について検討してまいりたいと考えております